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悪趣味
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後を追ってきたジェミナイら部下達の手を借りて、ルベウスは古井戸から無事に出た。もちろん、彼の腕にはしっかりとディアナが抱きしめられている。地上へと出ると、ルベウスはディアナをそっと降ろし、ハンカチで丁寧に濡れた体を拭いてやった。
彼もズボンや靴が泥だらけだったが、気にする様子はない。将来の王であり、大事な身体である。心配してディアナが見つめていると、ルベウスは再び彼女に首輪を戻した。
「大丈夫か? まだ寒いだろう。暖炉に火を入れさせよう」
『……別にいいわよ』
身体を拭いてもらったし、そのうち乾くだろうとディアナは思っている。ルベウスは自分が猫であるせいか、過保護が過ぎる。それよりも。
『私よりも貴方よ。早く着替えて。風邪をひいたら大変よ。それに、また貴族達に侮られてしまうわ。貴方は国王になる人なんだから、笑われるような事があってはいけないのよ』
そう訴えるディアナを見つめ、ルベウスは柔らかく笑った。
「……貴女は本当に可愛いな」
『……あ!』
自分の心中が駄々洩れだったことに気づき、ディアナは慌てたが、ルベウスの行動の方が早い。さっと彼女を抱き上げてしまう。挙句に、首の後ろを掻いてくるものだから、ディアナは抗議の声を上げた。
『ずるいわ! ずる、い……』
しかし、大きな手は優しく、やはり心地がよい。ルベウスは勿論離す気など更々なく、話を変えた。
「どうしてあんな所にいたんだ?」
『アンバルの所から逃げて庭に降りたけど、間違って空井戸の蓋を踏み抜いてしまったのよ……』
彼とのやり取りを、一部を除いて話して聞かせると、ルベウスは納得したように頷いた。
「……そうか。奴が貴女を故意に落としていたのなら、使われている井戸の中に放り込んでやろうと思ったが……」
頭上で恐ろしい発言がまた聞こえてきて、ディアナは目が泳ぐ。
『あの人は……まぁ……そういうことはしないと思うわ。もっと……悪趣味だったのよ』
「どういうことだ?」
ディアナは返答に困った。あまりに衝撃的であったために、これはどう説明すればいいものか、自分でも悩んでしまうからだ。しかし、アレをそのままにするわけにはいかない。
迷った末に、嫌がるルベウスに頼み込み、アンバルの元へと連れて行ってもらった。
アンバルはすっかり観念した様子で、客間に留まり、周囲をルベウスの部下達に囲まれながらも、椅子に座っていた。ディアナを腕に抱いたルベウスがやってくると、すぐに立ち上がり。
「あぁ、良かった! いきなり飛び出していってしまったから、驚きましたよ。私に会いに、戻ってきてくださったんですね!」
『違うわ』
「違う!」
ディアナとルベウスが即答するが、アンバルはまるで気にしない。周囲の冷たい目など全く気にせず、頬を上気させて、ディアナを見返した。
「ディアナ様、そんなに照れなくても良いのですよ。貴女は恥ずかしがり屋さんですね」
『だから、違うのよ⁉』
この男の口を封じる手立てはないものか。ディアナは苦悩したが、口には出さなかった。
なにしろ、一瞬にしてルベウスが殺気立っているからだ。そんな事を言ったが最後、ルベウスは永遠に封じる手段を考え出しそうな気がする。
腕の中でうなだれるディアナに、何やら頬を赤らめて興奮気味のアンバル。
両者の間に流れる微妙な空気を敏感に感じ取ったルベウスの眉間に、皺が寄りかけた時。彼はふと室内を見て、息を呑んだ。
遅れて彼がじっと見つめている事に気づいたディアナが、ひっと息を呑む。
『貴方、ちょっと待ちなさい! 今! 今、私がこの爪で処分するわ!』
「なんてものを……」
彼の言う通りだと、ディアナは心から思う。自分もアンバルに見せられた時は、あまりの衝撃に凍り付いたものだった。
部屋の壁の中央には、大きな額入りの絵が飾られていた。額は金細工が施され、それだけでも高価だと分かる。しかし、問題は絵の方だ。
絵は一人の女性――――ディアナの肖像画が描かれていた。髪を結い上げ、豪奢なドレスを着て、装飾具をふんだんに身に着けている。そして、玉座を思わせる大きな椅子に悠然と座っていた。
贅沢三昧の上、王座にふんぞり返った悪女の絵――――それならば、世のディアナに対する印象をより濃くする代物だっただろう。
だが、この絵は違った。ディアナは美しく着飾られ、玉座に相応しい風格を漂わせ。
あろうことか、頬を赤らめて、にっこりと微笑んでいる。
まるで、初恋を知ったばかりの乙女のように!
ディアナは呻いた。
これは新手の嫌がらせか。死んでも辱められる。それは仕方がないかもしれないが、これはない。これはない!
『あぁ……もう、恥ずかしい。おぞましいわ!』
心底止めてくれと、ディアナは思った。こんなものを見せられるのは、もはや拷問である。だが、アンバルは心外だと言わんばかりの顔をした。
「本来の貴女にはかないませんが、こちらも素晴しい御姿ではありませんか。私は貴女の姿が見られない時、必ずこの絵を見て崇拝してきましたのに……」
『やめてちょうだい!』
「私だって、絵で我慢などしたくはありませんでしたよ……先ほども申し上げましたが、貴女がたった一人の私の弟を追放なんてするから……私は家を継がねばならなくなりました。しかも、弟が犯した不祥事のせいで、私まで貴女の婚約者候補から外されました!」
『そ、そうね』
「しかし、ルベウス……殿下は、伯爵家の跡取り息子であったではありませんか! 私と一緒です!」
『ルベウスを貴方と一緒にしないで!』
こんな奇妙な方向に走っている男に、ルベウスが毒されてはいけないとディアナは彼を見上げる。ルベウスは非常に不満そうに眉を顰めていた。
彼が更に絵に近づこうとすると、アンバルがすかさず制止した。
「あ、殿下。どうかそれ以上は」
相手が王配であるためか、彼は途中で言葉を切ったが。その場にいる全員が、何を言いたいのか察した。
貴方が近づいたら、穢れるからやめろ。
と、言わんばかりだったからだ。
ルベウスの顔がぴくぴくと引きつった。
「ディアナは私の妻だぞ」
「世間では、ルベウス様こそが国王陛下という声ばかり。つまり、ディアナ様は晴れて退位され、自由の身!」
満面の笑みを浮かべる男の目は、ディアナを攫い、あわよくば自分の妻にしようという目論見すら透けて見えた。
そして、思惑はどうあれ、彼が次期国王に、という思いは、ディアナも同じである。だから、つい「まぁそうなるわよね」と同意したものだから、ルベウスは言葉に詰まる。
だが、彼は挫けない。他の誰であっても、彼女を渡す気などないからだ。
そして、アンバルが絶賛する絵に対しても、彼は不満があった。
「ディアナは生きていて、今も私の妻だ。そもそも何だ、あの絵は」
鋭いルベウスの声に、ディアナは彼も自分と同意見だと思って、期待を込めて見つめたが。
「椅子に座っているだけでは、あまりに殺風景だろう。せめて花を持たせろ!」
「背後に描かせようか、どうしようか迷ったんですよ!」
『あなたたち!』
もうだめだ。自分で何とかするしかないと、ディアナはルベウスの腕から飛び降りて、絵に向かった。こんな代物は、自慢の爪で引き裂いてやると、思ったが。
「あ、どうか破らないでください。画家に報奨金として金貨十枚払った絵なんですよ」
というアンバルの声に、爪が引っ込む。
財政再建に頭を悩ませてきたディアナである。王都で暮らす平民が一年間は家族を楽に養える金額と同じ価値のある絵を粉々にするには、怯むものがある。
『ば、ば、ばかおっしゃい!』
振り返って詰ると、今度はルベウスが頷いた。
「分かった。私が私財を投じて買いとる」
『貴方も実はちょっとバカね⁉』
「バカでいい」
ルベウスは短く答えると、アンバルの制止を無視して、ディアナの元へと歩み寄り、再び抱き上げた。
彼もズボンや靴が泥だらけだったが、気にする様子はない。将来の王であり、大事な身体である。心配してディアナが見つめていると、ルベウスは再び彼女に首輪を戻した。
「大丈夫か? まだ寒いだろう。暖炉に火を入れさせよう」
『……別にいいわよ』
身体を拭いてもらったし、そのうち乾くだろうとディアナは思っている。ルベウスは自分が猫であるせいか、過保護が過ぎる。それよりも。
『私よりも貴方よ。早く着替えて。風邪をひいたら大変よ。それに、また貴族達に侮られてしまうわ。貴方は国王になる人なんだから、笑われるような事があってはいけないのよ』
そう訴えるディアナを見つめ、ルベウスは柔らかく笑った。
「……貴女は本当に可愛いな」
『……あ!』
自分の心中が駄々洩れだったことに気づき、ディアナは慌てたが、ルベウスの行動の方が早い。さっと彼女を抱き上げてしまう。挙句に、首の後ろを掻いてくるものだから、ディアナは抗議の声を上げた。
『ずるいわ! ずる、い……』
しかし、大きな手は優しく、やはり心地がよい。ルベウスは勿論離す気など更々なく、話を変えた。
「どうしてあんな所にいたんだ?」
『アンバルの所から逃げて庭に降りたけど、間違って空井戸の蓋を踏み抜いてしまったのよ……』
彼とのやり取りを、一部を除いて話して聞かせると、ルベウスは納得したように頷いた。
「……そうか。奴が貴女を故意に落としていたのなら、使われている井戸の中に放り込んでやろうと思ったが……」
頭上で恐ろしい発言がまた聞こえてきて、ディアナは目が泳ぐ。
『あの人は……まぁ……そういうことはしないと思うわ。もっと……悪趣味だったのよ』
「どういうことだ?」
ディアナは返答に困った。あまりに衝撃的であったために、これはどう説明すればいいものか、自分でも悩んでしまうからだ。しかし、アレをそのままにするわけにはいかない。
迷った末に、嫌がるルベウスに頼み込み、アンバルの元へと連れて行ってもらった。
アンバルはすっかり観念した様子で、客間に留まり、周囲をルベウスの部下達に囲まれながらも、椅子に座っていた。ディアナを腕に抱いたルベウスがやってくると、すぐに立ち上がり。
「あぁ、良かった! いきなり飛び出していってしまったから、驚きましたよ。私に会いに、戻ってきてくださったんですね!」
『違うわ』
「違う!」
ディアナとルベウスが即答するが、アンバルはまるで気にしない。周囲の冷たい目など全く気にせず、頬を上気させて、ディアナを見返した。
「ディアナ様、そんなに照れなくても良いのですよ。貴女は恥ずかしがり屋さんですね」
『だから、違うのよ⁉』
この男の口を封じる手立てはないものか。ディアナは苦悩したが、口には出さなかった。
なにしろ、一瞬にしてルベウスが殺気立っているからだ。そんな事を言ったが最後、ルベウスは永遠に封じる手段を考え出しそうな気がする。
腕の中でうなだれるディアナに、何やら頬を赤らめて興奮気味のアンバル。
両者の間に流れる微妙な空気を敏感に感じ取ったルベウスの眉間に、皺が寄りかけた時。彼はふと室内を見て、息を呑んだ。
遅れて彼がじっと見つめている事に気づいたディアナが、ひっと息を呑む。
『貴方、ちょっと待ちなさい! 今! 今、私がこの爪で処分するわ!』
「なんてものを……」
彼の言う通りだと、ディアナは心から思う。自分もアンバルに見せられた時は、あまりの衝撃に凍り付いたものだった。
部屋の壁の中央には、大きな額入りの絵が飾られていた。額は金細工が施され、それだけでも高価だと分かる。しかし、問題は絵の方だ。
絵は一人の女性――――ディアナの肖像画が描かれていた。髪を結い上げ、豪奢なドレスを着て、装飾具をふんだんに身に着けている。そして、玉座を思わせる大きな椅子に悠然と座っていた。
贅沢三昧の上、王座にふんぞり返った悪女の絵――――それならば、世のディアナに対する印象をより濃くする代物だっただろう。
だが、この絵は違った。ディアナは美しく着飾られ、玉座に相応しい風格を漂わせ。
あろうことか、頬を赤らめて、にっこりと微笑んでいる。
まるで、初恋を知ったばかりの乙女のように!
ディアナは呻いた。
これは新手の嫌がらせか。死んでも辱められる。それは仕方がないかもしれないが、これはない。これはない!
『あぁ……もう、恥ずかしい。おぞましいわ!』
心底止めてくれと、ディアナは思った。こんなものを見せられるのは、もはや拷問である。だが、アンバルは心外だと言わんばかりの顔をした。
「本来の貴女にはかないませんが、こちらも素晴しい御姿ではありませんか。私は貴女の姿が見られない時、必ずこの絵を見て崇拝してきましたのに……」
『やめてちょうだい!』
「私だって、絵で我慢などしたくはありませんでしたよ……先ほども申し上げましたが、貴女がたった一人の私の弟を追放なんてするから……私は家を継がねばならなくなりました。しかも、弟が犯した不祥事のせいで、私まで貴女の婚約者候補から外されました!」
『そ、そうね』
「しかし、ルベウス……殿下は、伯爵家の跡取り息子であったではありませんか! 私と一緒です!」
『ルベウスを貴方と一緒にしないで!』
こんな奇妙な方向に走っている男に、ルベウスが毒されてはいけないとディアナは彼を見上げる。ルベウスは非常に不満そうに眉を顰めていた。
彼が更に絵に近づこうとすると、アンバルがすかさず制止した。
「あ、殿下。どうかそれ以上は」
相手が王配であるためか、彼は途中で言葉を切ったが。その場にいる全員が、何を言いたいのか察した。
貴方が近づいたら、穢れるからやめろ。
と、言わんばかりだったからだ。
ルベウスの顔がぴくぴくと引きつった。
「ディアナは私の妻だぞ」
「世間では、ルベウス様こそが国王陛下という声ばかり。つまり、ディアナ様は晴れて退位され、自由の身!」
満面の笑みを浮かべる男の目は、ディアナを攫い、あわよくば自分の妻にしようという目論見すら透けて見えた。
そして、思惑はどうあれ、彼が次期国王に、という思いは、ディアナも同じである。だから、つい「まぁそうなるわよね」と同意したものだから、ルベウスは言葉に詰まる。
だが、彼は挫けない。他の誰であっても、彼女を渡す気などないからだ。
そして、アンバルが絶賛する絵に対しても、彼は不満があった。
「ディアナは生きていて、今も私の妻だ。そもそも何だ、あの絵は」
鋭いルベウスの声に、ディアナは彼も自分と同意見だと思って、期待を込めて見つめたが。
「椅子に座っているだけでは、あまりに殺風景だろう。せめて花を持たせろ!」
「背後に描かせようか、どうしようか迷ったんですよ!」
『あなたたち!』
もうだめだ。自分で何とかするしかないと、ディアナはルベウスの腕から飛び降りて、絵に向かった。こんな代物は、自慢の爪で引き裂いてやると、思ったが。
「あ、どうか破らないでください。画家に報奨金として金貨十枚払った絵なんですよ」
というアンバルの声に、爪が引っ込む。
財政再建に頭を悩ませてきたディアナである。王都で暮らす平民が一年間は家族を楽に養える金額と同じ価値のある絵を粉々にするには、怯むものがある。
『ば、ば、ばかおっしゃい!』
振り返って詰ると、今度はルベウスが頷いた。
「分かった。私が私財を投じて買いとる」
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