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24 言いたくない
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「はい?」
一瞬にして、ルイーズは自省したことを後悔した。そして彼を見返して軽く睨み、
「そんな訳ないじゃ無いですか。私は、小さな可愛い子が好きなんです。どこからそんな自信が湧いてくるんですか? 反省した私が莫迦みたいじゃ無いですか!」
矢継ぎ早に、いつもの調子で言い切ってしまい、思わず目を泳がせる。だが、それを聞いたレオンハルトがまたどこか嬉しそうに笑うものだから、調子が狂った。
「そうか。お前も反省するんだな」
「その言葉、そっくりお返しします。殿下はいつも女性にこのような事をされているのですね?」
「いや。ただ―――全く効果の無い奴は初めてだ」
怪訝そうに自分を見て来るルイーズから、レオンハルトは視線を外さない。そして、口元に小さな笑みを零した。
「それとも男装なんかしているから、俺も無意識に怯んで加減をしたのかもな?」
「ああ、成る程。この格好が役に立って何よりです。何でしたら、髪も男のように切りましょうか」
侍女達が『わたくしたちの最後の砦』とか良く分からない理由で、切る事を許してくれない髪であるが、王太子の戯れから逃れる為だと言えば理解してくれるかもしれない。
ルイーズの髪は癖が強く、手入れをしていれば、ウェーブのかかった艶やかな髪だが、怠ると櫛が絡んで大変難儀なものに変わるのだ。
更に噛みついたルイーズに、レオンハルトはくすくすと笑った。
「何だ、お前は更に男に近付く気か? まとわりつく小娘が増えるぞ」
「天国じゃ無いですか!」
思わず想像してしまい顔を綻ばせる。レオンハルトは軽く目を見張り、そして苦笑した。
「良かった」
「何がですか?」
「顔色が戻ったようだ」
心から安堵した声に驚いて、ルイーズは彼が不意に伸ばしてきた手が頬を優しく撫でた事に、気付くのが遅れた。
我に返った時にはその手は離れていた。抗議するのには遅すぎると分かっていたが、ルイーズは防衛線を這った。
「……殿下、お戯れが過ぎますよ。未婚の女性に容易く触れるものではありません」
思いの外鋭い声になってしまったが、一度口から出たものをひっこめられない。レオンハルトの動きは素早いものでは無かったし、避けようと思えば出来たはずだ。
それを受け入れてしまった自分にも非があることはルイーズも承知していた。また王太子に擦っている事も。それでも、本当の理由を口外するのは、相手が誰であれ、躊躇うものがあった。
レオンハルトは虚を突かれた様に、一瞬言葉を失い、そしてすぐに宙に浮いていた手を引いた。
「ああ……確かに、お前も女だったな」
幾分彼に申し訳ないと思っていたルイーズの想いは、その一言で霧散する。
「確かに私はこのような装いをしておりますが、女を捨てた訳でもありませんし、そのように振舞った覚えもございません。ですから、一度殿下が侍医にその両の目が確かなのか、診てもらった方が宜しいかと思いますよ」
「それは無駄な時間だな。それより、直に確かめた方が早い」
くすくすと笑って、また自分を見返してくるレオンハルトに、ルイーズは顔をしかめた。
「お分かりになりましたか?」
「ああ……お前が他の女とは違うことは」
「失敬な!」
「……誉めているんだがな。それよりも、毎回この部屋に籠りきりと言うのも、退屈だろう。たまには外に連れ出してやる」
「外、ですか?」
「ああ。近々、俺は近隣の都市に幾つか視察に出る事になっている。女を連れて行ったことは無いが、お前なら良いだろう」
初めて彼が公務に伴う女になる―――そう告げられても、ルイーズは喜ぶどころか、甚だ不本意と言わんばかりの顔をした。
それが、レオンハルトには真新しい反応で、より興味をそそられる。大抵の女は、レオンハルトに特別視される事を求めて来たからだ。
「有り難いお言葉ですが、公私混同は宜しくありません。視察とは言え、一般の者が知り得ない情報も得ることがあるでしょう。私は口外して良いものかどうか、その判断が付きません」
「だったら、何も言わなければ良い」
「簡単に仰いますね……」
「問題ないだろう。お前達姉弟は、口が固いようだからな」
目を瞬くルイーズに、レオンハルトは肩を竦めた。
「そうでもなければ、先日の俺や弟の内々の話がとうに洩れているはずだ。だが、この一月、俺達の周囲は大きくは変わらない。お前達が口を閉ざしていた結果だ」
「……殿下方にお考えがあっての事と存じましたので、迂闊な事は言えない事は、弟ともども承知しておりますが……試されていましたね」
レオンハルトの元に呼ばれるようになって一月ほど経つ。彼は、ルイーズと恋仲になったと見せかけて、周囲の反応を注視していただろうが、同様に姉弟が周囲にどう振舞っているかも、留意していたらしい。
レオンハルトは皮肉の混じった笑みを浮かべた。
「無論だ―――悪いな」
「いいえ、必要な事と存じます」
あっさりと言い切ったルイーズに、レオンハルトは拍子抜けした顔をした。
「気分の良い物じゃ無いだろうに」
「相手にそんな事を気遣っていては、寝首を掻かれますよ。ご自分にとって信用の置ける者か、否かを見定める事は先々も必要になって来ることです。ですから、心を読まれる能力と言うものも、王族の方々の身を護る為に、神が力を与えられたのかもしれませんね」
「……どうだろうな。王家の血を引く者の中に、時々異能の種の者が産まれる事が度々あったらしい。心を読むのもその一つだが、例えば何処かれ構わず草花を咲かせるだの、抜群に視力が良いだの、何の役に立つのか分からん者もいたそうだ」
「結構ではありませんか。草花を咲かせる力は、枯れた地を生き返らせますし、視力が良ければ、それこそ身に迫る危険をいち早く察することも出来たかもしれません。要するに、その力を手にされた方の心掛け次第で、毒にも薬にもなるのですよ。その異能の力がある事で、ご自身の身体に害を成すもので無いのならば、その力は御身を護る為の、王家の加護でしょう」
「……アルエの力も、そう思うか?」
気味が悪いと遠ざけられつつある弟の力。それを目の当たりにしたはずのルイーズは、屈託なく笑った。
「ええ。確かに秘めておきたいことが知られてしまうのは、恥ずかしい事ですが、殿下はあくまでご自身や兄君である貴方を護りたいがためのご様子です。悪戯に、人の心を傷つけられるような方ではないようにお見受けいたしました。正しい使い方をなさっていると思いますよ」
「…………」
黙り込んだレオンハルトに、ルイーズは首を傾げる。
どこか苦々しいものを彼から感じ、ぴんと来た。王太子に向かって失礼だろうとは思いつつ、どうせ言わなくても分かるのだからと、口にした。
「さては、王太子殿下は、悪用なさっておいでですね!?」
「……っな……っ!?」
薄っすらと頬を染めた時点で、十分怪しい。
「図星ですね!これはいけません。天罰が下りますよ!?」
「……っ違う! 故意じゃない。勝手が分からなかった頃だけだ。今は十分制御出来ている。むしろ、被害を被ったのは俺だぞ!?」
「どこをどう被害を受けたのですか?」
「お前に言えるか!」
今度こそ顔を真っ赤にして怒ったので、ルイーズは目を瞬いた。
良く見れば、耳まで赤い。
余程知られたくない過去らしい。確かに内密にしておきたい過去を、赤の他人である自分に言いたくないのも頷ける。ルイーズだって、触れられたくない過去があるのだ。
ただ、いつになく動揺するレオンハルトが、何だか可笑しくて、ルイーズは頬を緩めた。
レオンハルトは彼女を軽く睨んだが、ルイーズを見返すと不意にその視線が和らいだ。
一瞬にして、ルイーズは自省したことを後悔した。そして彼を見返して軽く睨み、
「そんな訳ないじゃ無いですか。私は、小さな可愛い子が好きなんです。どこからそんな自信が湧いてくるんですか? 反省した私が莫迦みたいじゃ無いですか!」
矢継ぎ早に、いつもの調子で言い切ってしまい、思わず目を泳がせる。だが、それを聞いたレオンハルトがまたどこか嬉しそうに笑うものだから、調子が狂った。
「そうか。お前も反省するんだな」
「その言葉、そっくりお返しします。殿下はいつも女性にこのような事をされているのですね?」
「いや。ただ―――全く効果の無い奴は初めてだ」
怪訝そうに自分を見て来るルイーズから、レオンハルトは視線を外さない。そして、口元に小さな笑みを零した。
「それとも男装なんかしているから、俺も無意識に怯んで加減をしたのかもな?」
「ああ、成る程。この格好が役に立って何よりです。何でしたら、髪も男のように切りましょうか」
侍女達が『わたくしたちの最後の砦』とか良く分からない理由で、切る事を許してくれない髪であるが、王太子の戯れから逃れる為だと言えば理解してくれるかもしれない。
ルイーズの髪は癖が強く、手入れをしていれば、ウェーブのかかった艶やかな髪だが、怠ると櫛が絡んで大変難儀なものに変わるのだ。
更に噛みついたルイーズに、レオンハルトはくすくすと笑った。
「何だ、お前は更に男に近付く気か? まとわりつく小娘が増えるぞ」
「天国じゃ無いですか!」
思わず想像してしまい顔を綻ばせる。レオンハルトは軽く目を見張り、そして苦笑した。
「良かった」
「何がですか?」
「顔色が戻ったようだ」
心から安堵した声に驚いて、ルイーズは彼が不意に伸ばしてきた手が頬を優しく撫でた事に、気付くのが遅れた。
我に返った時にはその手は離れていた。抗議するのには遅すぎると分かっていたが、ルイーズは防衛線を這った。
「……殿下、お戯れが過ぎますよ。未婚の女性に容易く触れるものではありません」
思いの外鋭い声になってしまったが、一度口から出たものをひっこめられない。レオンハルトの動きは素早いものでは無かったし、避けようと思えば出来たはずだ。
それを受け入れてしまった自分にも非があることはルイーズも承知していた。また王太子に擦っている事も。それでも、本当の理由を口外するのは、相手が誰であれ、躊躇うものがあった。
レオンハルトは虚を突かれた様に、一瞬言葉を失い、そしてすぐに宙に浮いていた手を引いた。
「ああ……確かに、お前も女だったな」
幾分彼に申し訳ないと思っていたルイーズの想いは、その一言で霧散する。
「確かに私はこのような装いをしておりますが、女を捨てた訳でもありませんし、そのように振舞った覚えもございません。ですから、一度殿下が侍医にその両の目が確かなのか、診てもらった方が宜しいかと思いますよ」
「それは無駄な時間だな。それより、直に確かめた方が早い」
くすくすと笑って、また自分を見返してくるレオンハルトに、ルイーズは顔をしかめた。
「お分かりになりましたか?」
「ああ……お前が他の女とは違うことは」
「失敬な!」
「……誉めているんだがな。それよりも、毎回この部屋に籠りきりと言うのも、退屈だろう。たまには外に連れ出してやる」
「外、ですか?」
「ああ。近々、俺は近隣の都市に幾つか視察に出る事になっている。女を連れて行ったことは無いが、お前なら良いだろう」
初めて彼が公務に伴う女になる―――そう告げられても、ルイーズは喜ぶどころか、甚だ不本意と言わんばかりの顔をした。
それが、レオンハルトには真新しい反応で、より興味をそそられる。大抵の女は、レオンハルトに特別視される事を求めて来たからだ。
「有り難いお言葉ですが、公私混同は宜しくありません。視察とは言え、一般の者が知り得ない情報も得ることがあるでしょう。私は口外して良いものかどうか、その判断が付きません」
「だったら、何も言わなければ良い」
「簡単に仰いますね……」
「問題ないだろう。お前達姉弟は、口が固いようだからな」
目を瞬くルイーズに、レオンハルトは肩を竦めた。
「そうでもなければ、先日の俺や弟の内々の話がとうに洩れているはずだ。だが、この一月、俺達の周囲は大きくは変わらない。お前達が口を閉ざしていた結果だ」
「……殿下方にお考えがあっての事と存じましたので、迂闊な事は言えない事は、弟ともども承知しておりますが……試されていましたね」
レオンハルトの元に呼ばれるようになって一月ほど経つ。彼は、ルイーズと恋仲になったと見せかけて、周囲の反応を注視していただろうが、同様に姉弟が周囲にどう振舞っているかも、留意していたらしい。
レオンハルトは皮肉の混じった笑みを浮かべた。
「無論だ―――悪いな」
「いいえ、必要な事と存じます」
あっさりと言い切ったルイーズに、レオンハルトは拍子抜けした顔をした。
「気分の良い物じゃ無いだろうに」
「相手にそんな事を気遣っていては、寝首を掻かれますよ。ご自分にとって信用の置ける者か、否かを見定める事は先々も必要になって来ることです。ですから、心を読まれる能力と言うものも、王族の方々の身を護る為に、神が力を与えられたのかもしれませんね」
「……どうだろうな。王家の血を引く者の中に、時々異能の種の者が産まれる事が度々あったらしい。心を読むのもその一つだが、例えば何処かれ構わず草花を咲かせるだの、抜群に視力が良いだの、何の役に立つのか分からん者もいたそうだ」
「結構ではありませんか。草花を咲かせる力は、枯れた地を生き返らせますし、視力が良ければ、それこそ身に迫る危険をいち早く察することも出来たかもしれません。要するに、その力を手にされた方の心掛け次第で、毒にも薬にもなるのですよ。その異能の力がある事で、ご自身の身体に害を成すもので無いのならば、その力は御身を護る為の、王家の加護でしょう」
「……アルエの力も、そう思うか?」
気味が悪いと遠ざけられつつある弟の力。それを目の当たりにしたはずのルイーズは、屈託なく笑った。
「ええ。確かに秘めておきたいことが知られてしまうのは、恥ずかしい事ですが、殿下はあくまでご自身や兄君である貴方を護りたいがためのご様子です。悪戯に、人の心を傷つけられるような方ではないようにお見受けいたしました。正しい使い方をなさっていると思いますよ」
「…………」
黙り込んだレオンハルトに、ルイーズは首を傾げる。
どこか苦々しいものを彼から感じ、ぴんと来た。王太子に向かって失礼だろうとは思いつつ、どうせ言わなくても分かるのだからと、口にした。
「さては、王太子殿下は、悪用なさっておいでですね!?」
「……っな……っ!?」
薄っすらと頬を染めた時点で、十分怪しい。
「図星ですね!これはいけません。天罰が下りますよ!?」
「……っ違う! 故意じゃない。勝手が分からなかった頃だけだ。今は十分制御出来ている。むしろ、被害を被ったのは俺だぞ!?」
「どこをどう被害を受けたのですか?」
「お前に言えるか!」
今度こそ顔を真っ赤にして怒ったので、ルイーズは目を瞬いた。
良く見れば、耳まで赤い。
余程知られたくない過去らしい。確かに内密にしておきたい過去を、赤の他人である自分に言いたくないのも頷ける。ルイーズだって、触れられたくない過去があるのだ。
ただ、いつになく動揺するレオンハルトが、何だか可笑しくて、ルイーズは頬を緩めた。
レオンハルトは彼女を軽く睨んだが、ルイーズを見返すと不意にその視線が和らいだ。
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