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29.竜の誇り
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飛竜は生来、自立心が強く、誇り高い生き物である。
時に弱者を見捨てることを是とする彼らには、明確な序列も存在した。群れの中で最も弱いラズの声など、無視されてもおかしくなかった。
だが、個が強い飛竜達でも信奉するような指揮官が現われ、一つの目的に向かって力を振るうときめたとき、飛竜は空の覇者といわれるに相応しい戦いをした。
かつて竜族が世界を支配していた時代に、非力な人間に味方したヴェルークに与した飛竜達が決して少なくなかったように、飛竜は戦いの理由を選ばない。
ラズの悲痛な声に導かれるように、夜の空から真っ先に急降下した飛竜はロイだった。群れで最も強いと認められる彼は、先陣を切る勇を示すことで仲間を鼓舞する。ロイに導かれるように次々に降下し、ルーフス軍に襲い掛かった飛竜は十数頭に及んだ。
人間では到底太刀打ちができるものではないが、最も憎むべき敵と教え込まれてきた地竜は血気に逸り、駆け、牙を剥いて迎え撃った。いずれも逃げ惑うルーフス兵に目もくれず、飛竜と地竜の戦いは激しさを増す。
悲鳴と竜の咆哮が響き渡る中、ロイはヤトに狙いを定めていた。
ヤトはルーフス兵のように逃げはしなかった。飛び掛かってくるロイをものともせず、引き抜いた剣で彼が振り下ろした爪を受け止めて弾き飛ばす芸当まで見せた。
ロイは一度空中で体勢を整えざるを得ず、ヤトと距離を取ったが、それで十分だった。アッシュの喉を押しつぶしていたヤトの足の力が僅かに緩んだからだ。
アッシュはすかさずヤトの足を跳ねのけて跳ね起きると、振るわれたヤトの剣を後ろに飛びのいて避けながら、飛竜へと姿を変える。そして再びヤトへロイが襲い掛かったとき、アッシュは空へと舞いあがっていた。
目指すものはただ一つ。
敵味方が入り乱れる戦場にいるセシリアだ。彼女は細い腕でラズを抱き締めていた。我が子同然の小さな飛竜をもう見失うまいと、離すまいとしているのが伝わってくる。
だが、セシリアは急に腕を離した。今にも泣き出しそうな顔をしながらも、苦痛に耐えるように唇を噛み、離れゆくラズを見つめた。
ラズは咆哮を上げ、アッシュの方へと向かっていく。アッシュもまた無我夢中で飛んだが、ラズを迎え入れることなくすれ違い、セシリアの背後に迫っていた地竜へと襲い掛かった。
最愛の存在を傷つけようとした地竜を容赦なく引き倒し、素早く身を翻すと、駆け寄って来たセシリアを背に乗せる。
「アッシュ、ラズが――」
セシリアの声が震えていた。自身に迫っていた危険への恐怖ではない。鎖で絡め取られて空を飛べないラズの小さな体は、いつ巨躯の地竜や飛竜たちに押しつぶされてもおかしくなかった。そんな身で戦場へ飛び込んでいったラズを想ってのことだ。
アッシュは目を細め、ラズを見つめた。セシリアに剣を抜いて向かってきていた彼女の元夫の男を体当たりで地面に引き倒し、怒りの咆哮をあげている。
――あぁ、上出来だ、小僧。
小さくても、弱くても、ラズには勇気がある。人間であるセシリアを母と慕い、護ろうとする情がある。
飛竜の新しい道を示す、かけがえのない存在だ。
アッシュは空へと舞い上がり、ラズに注意を促すように鳴いた。指示を理解したラズが身構える中、小さな竜の身体も空へと導かれる。地竜の猛攻を潜り抜けた別の飛竜が、ラズを口に咥えて空へと飛んだのだ。
――引き上げだ。
アッシュの一声で、次々に飛竜は戦闘を止めて空へと飛ぶ。ヤトを引き付けていたロイもまた、こだわることなくあっさりと退いた。
「卑怯者が、戻って来い!」
苛立ちをぶつけるヤトの罵倒も、ロイは見向きもしない。アッシュの背にセシリアがいて、ラズや仲間達が全て空にいる。十分だとばかりに満足そうに鳴いて、高度を上げた。
飛竜達は、地上に残された地竜やルーフス兵に最早目もくれず、悠々と空を飛び、夜の闇の中へと消えていった。
翌日の昼過ぎになって、ルーフス軍は再び移動を開始した。
みすみすラズを奪還されたヤトは、ルーフス軍の部隊長にいつものように散々に罵倒され、ラズに引き倒された拍子に擦り傷を負ったセシリアの元夫の愚痴を延々と聞かされても、彼はやはり表情を変えなかった。飛竜に圧倒された地竜たちが罰として食餌を与えられない光景を見ても黙認した。
先頭をきって渓谷を進むヤトの足取りに、迷いはない。
彼に続くルーフス兵が、訝しげに尋ねた。
「我々はどこに向かっているのですか?」
「飛竜どもの隠れ家だ。奴らは子どもを奪還したから問題ないと思うだろうが、地竜に怯えて、とっくに場所を吐いている」
「なるほど……ですが、どうやってそれを地竜どもから聞き出したのですか? 低能なあいつらは、言葉を話せないでしょう」
「稀に竜の言葉を理解できる人間がいるという。そいつらが書き残した解読方法が、制圧した王宮で見つかっていてな。私は元々文官だったから、上の命令で一読したことがある」
淡々とした口調でヤトは説明しつつ、足取りを早めた。
そうして二日の移動を経て、ルーフス軍はとうとう飛竜達が隠れ住んでいた地へとたどり着いた。多くの住居が立ち並び、生活の痕跡もあちこちにある。
だが、もぬけの殻だった。
飛竜たちはもちろん、一緒に暮らしていたであろうセシリアや従者達の姿もない。不要になったらしき品だけは残っていたが、痕跡を辿れるような物は一切ない。慌てて逃げたというよりは、隠れ家を捨てて去ったというべきだろう。
一通り荒らしまわって空振りに終わったルーフス兵達が、部隊長たちの元へ再び集う。少し離れたところで地竜達は空腹のあまり座りこんでいた。
ルーフス兵と共に周囲一帯を見て回っていたヤトは、部隊長に呼ばれて彼の元へ向かった。
「どういうことだ。奴らはとっくに逃げておるではないか!」
「そのようですね。このような素晴らしい隠れ家を捨てるとは、愚かなものです。またあてもなく放浪することでしょうから、いつかきっと見つかりますよ。国が滅びているのですから、奴らには行く場所がない」
「悠長な! 貴様がここにいるというから、やって来たのだぞ! どう責任を取るつもりだ!」
部隊長はわめき、その隣ではセシリアの元夫も苦々しげな顔をしている。手傷を負ったから帰してほしいと訴えて、不機嫌な部隊長に一蹴されていたからだ。
一方的な叱責に、ヤトは動じない。それどころか、冷然とした笑みを浮かべた。
「ご安心ください、誰も上層部から叱責されることはありませんよ。なにしろ、この部隊はこれから全滅するのですから」
「なに……?」
呆気にとられる部隊長やルーフス兵達の視線を一身に浴びながら、ヤトは淡々と事実を告げる。
「竜族は本来、とても高潔な種です。あんな子供でさえ、どれほど私や地竜が脅しても名すら言いませんでした。ですから、私の力を込めた鎖で拘束して跡を辿ってきたのですが――まぁ、この通りです。ここに誘き寄せられて、逃げる時間を稼がれたのかもしれませんね」
手にしていた鎖を、ヤトは部隊長の足元へ放った。ラズを拘束していた鎖は強い力で引きちぎられたように、二つに分かれていた。
「貴様……竜の言葉を解読したという話ではなかったのか」
「あぁ、噓ですよ。そんなものは存在しませんし、そもそもルーフス軍には必要ない」
「なんだと?」
殺気立つルーフス兵達を見据え、ヤトは冷笑した。
「ルーフスは、地竜をただの戦の道具とみなし、低能と嘲って従えてきたではありませんか。竜のことを、まるで理解しようとしてこなかった」
「馬鹿なトカゲを、低能と言って何が悪い。その通りではないか。でかい図体ばかりで食うか戦うことしか、あいつらは興味を示さん!」
罵倒は地竜達の耳にも届いているはずだったが、彼らは無反応だ。
だが、ヤトの気配が変わった。その瞳は冷酷に光り、全身から激怒が滲み出る。
「ルーフスの祖先がかつて、飛竜の長ヴェルークと共に戦った地竜の長やその血族を殺し、指揮系統を破壊したからだ。そして、生き残った弱者や子供を、時間をかけて洗脳して従えた。だが、長の一族を皆殺しにできたと思うのは、早合点というものだ――地竜だと誰にも知られずに生きてきた者がいたことも、考えておくべきだったな」
並々ならぬ気配を察して蒼褪めた人間達を、ヤトは無論、許すつもりはない。ルーフス兵達は自分の前で、かつて祖父が率いていた地竜を馬鹿にし、見下してきたからだ。
地竜達も、ヤトの圧倒的な覇気を感じ取り、立ち上がっていた。空腹は身に堪えていたが、自分達を率いるに値する強者の出現に引き込まれたのだ。
見下してくる人間達と、同族の強者。どちらにつくかなど、決まっている。
「地竜も蘇る時がきた。我らはこの地で誇りを取り戻す。お前たちは邪魔だ――全員、消えてもらう」
ヤトは豹変し、その言葉を実行に移した。
時に弱者を見捨てることを是とする彼らには、明確な序列も存在した。群れの中で最も弱いラズの声など、無視されてもおかしくなかった。
だが、個が強い飛竜達でも信奉するような指揮官が現われ、一つの目的に向かって力を振るうときめたとき、飛竜は空の覇者といわれるに相応しい戦いをした。
かつて竜族が世界を支配していた時代に、非力な人間に味方したヴェルークに与した飛竜達が決して少なくなかったように、飛竜は戦いの理由を選ばない。
ラズの悲痛な声に導かれるように、夜の空から真っ先に急降下した飛竜はロイだった。群れで最も強いと認められる彼は、先陣を切る勇を示すことで仲間を鼓舞する。ロイに導かれるように次々に降下し、ルーフス軍に襲い掛かった飛竜は十数頭に及んだ。
人間では到底太刀打ちができるものではないが、最も憎むべき敵と教え込まれてきた地竜は血気に逸り、駆け、牙を剥いて迎え撃った。いずれも逃げ惑うルーフス兵に目もくれず、飛竜と地竜の戦いは激しさを増す。
悲鳴と竜の咆哮が響き渡る中、ロイはヤトに狙いを定めていた。
ヤトはルーフス兵のように逃げはしなかった。飛び掛かってくるロイをものともせず、引き抜いた剣で彼が振り下ろした爪を受け止めて弾き飛ばす芸当まで見せた。
ロイは一度空中で体勢を整えざるを得ず、ヤトと距離を取ったが、それで十分だった。アッシュの喉を押しつぶしていたヤトの足の力が僅かに緩んだからだ。
アッシュはすかさずヤトの足を跳ねのけて跳ね起きると、振るわれたヤトの剣を後ろに飛びのいて避けながら、飛竜へと姿を変える。そして再びヤトへロイが襲い掛かったとき、アッシュは空へと舞いあがっていた。
目指すものはただ一つ。
敵味方が入り乱れる戦場にいるセシリアだ。彼女は細い腕でラズを抱き締めていた。我が子同然の小さな飛竜をもう見失うまいと、離すまいとしているのが伝わってくる。
だが、セシリアは急に腕を離した。今にも泣き出しそうな顔をしながらも、苦痛に耐えるように唇を噛み、離れゆくラズを見つめた。
ラズは咆哮を上げ、アッシュの方へと向かっていく。アッシュもまた無我夢中で飛んだが、ラズを迎え入れることなくすれ違い、セシリアの背後に迫っていた地竜へと襲い掛かった。
最愛の存在を傷つけようとした地竜を容赦なく引き倒し、素早く身を翻すと、駆け寄って来たセシリアを背に乗せる。
「アッシュ、ラズが――」
セシリアの声が震えていた。自身に迫っていた危険への恐怖ではない。鎖で絡め取られて空を飛べないラズの小さな体は、いつ巨躯の地竜や飛竜たちに押しつぶされてもおかしくなかった。そんな身で戦場へ飛び込んでいったラズを想ってのことだ。
アッシュは目を細め、ラズを見つめた。セシリアに剣を抜いて向かってきていた彼女の元夫の男を体当たりで地面に引き倒し、怒りの咆哮をあげている。
――あぁ、上出来だ、小僧。
小さくても、弱くても、ラズには勇気がある。人間であるセシリアを母と慕い、護ろうとする情がある。
飛竜の新しい道を示す、かけがえのない存在だ。
アッシュは空へと舞い上がり、ラズに注意を促すように鳴いた。指示を理解したラズが身構える中、小さな竜の身体も空へと導かれる。地竜の猛攻を潜り抜けた別の飛竜が、ラズを口に咥えて空へと飛んだのだ。
――引き上げだ。
アッシュの一声で、次々に飛竜は戦闘を止めて空へと飛ぶ。ヤトを引き付けていたロイもまた、こだわることなくあっさりと退いた。
「卑怯者が、戻って来い!」
苛立ちをぶつけるヤトの罵倒も、ロイは見向きもしない。アッシュの背にセシリアがいて、ラズや仲間達が全て空にいる。十分だとばかりに満足そうに鳴いて、高度を上げた。
飛竜達は、地上に残された地竜やルーフス兵に最早目もくれず、悠々と空を飛び、夜の闇の中へと消えていった。
翌日の昼過ぎになって、ルーフス軍は再び移動を開始した。
みすみすラズを奪還されたヤトは、ルーフス軍の部隊長にいつものように散々に罵倒され、ラズに引き倒された拍子に擦り傷を負ったセシリアの元夫の愚痴を延々と聞かされても、彼はやはり表情を変えなかった。飛竜に圧倒された地竜たちが罰として食餌を与えられない光景を見ても黙認した。
先頭をきって渓谷を進むヤトの足取りに、迷いはない。
彼に続くルーフス兵が、訝しげに尋ねた。
「我々はどこに向かっているのですか?」
「飛竜どもの隠れ家だ。奴らは子どもを奪還したから問題ないと思うだろうが、地竜に怯えて、とっくに場所を吐いている」
「なるほど……ですが、どうやってそれを地竜どもから聞き出したのですか? 低能なあいつらは、言葉を話せないでしょう」
「稀に竜の言葉を理解できる人間がいるという。そいつらが書き残した解読方法が、制圧した王宮で見つかっていてな。私は元々文官だったから、上の命令で一読したことがある」
淡々とした口調でヤトは説明しつつ、足取りを早めた。
そうして二日の移動を経て、ルーフス軍はとうとう飛竜達が隠れ住んでいた地へとたどり着いた。多くの住居が立ち並び、生活の痕跡もあちこちにある。
だが、もぬけの殻だった。
飛竜たちはもちろん、一緒に暮らしていたであろうセシリアや従者達の姿もない。不要になったらしき品だけは残っていたが、痕跡を辿れるような物は一切ない。慌てて逃げたというよりは、隠れ家を捨てて去ったというべきだろう。
一通り荒らしまわって空振りに終わったルーフス兵達が、部隊長たちの元へ再び集う。少し離れたところで地竜達は空腹のあまり座りこんでいた。
ルーフス兵と共に周囲一帯を見て回っていたヤトは、部隊長に呼ばれて彼の元へ向かった。
「どういうことだ。奴らはとっくに逃げておるではないか!」
「そのようですね。このような素晴らしい隠れ家を捨てるとは、愚かなものです。またあてもなく放浪することでしょうから、いつかきっと見つかりますよ。国が滅びているのですから、奴らには行く場所がない」
「悠長な! 貴様がここにいるというから、やって来たのだぞ! どう責任を取るつもりだ!」
部隊長はわめき、その隣ではセシリアの元夫も苦々しげな顔をしている。手傷を負ったから帰してほしいと訴えて、不機嫌な部隊長に一蹴されていたからだ。
一方的な叱責に、ヤトは動じない。それどころか、冷然とした笑みを浮かべた。
「ご安心ください、誰も上層部から叱責されることはありませんよ。なにしろ、この部隊はこれから全滅するのですから」
「なに……?」
呆気にとられる部隊長やルーフス兵達の視線を一身に浴びながら、ヤトは淡々と事実を告げる。
「竜族は本来、とても高潔な種です。あんな子供でさえ、どれほど私や地竜が脅しても名すら言いませんでした。ですから、私の力を込めた鎖で拘束して跡を辿ってきたのですが――まぁ、この通りです。ここに誘き寄せられて、逃げる時間を稼がれたのかもしれませんね」
手にしていた鎖を、ヤトは部隊長の足元へ放った。ラズを拘束していた鎖は強い力で引きちぎられたように、二つに分かれていた。
「貴様……竜の言葉を解読したという話ではなかったのか」
「あぁ、噓ですよ。そんなものは存在しませんし、そもそもルーフス軍には必要ない」
「なんだと?」
殺気立つルーフス兵達を見据え、ヤトは冷笑した。
「ルーフスは、地竜をただの戦の道具とみなし、低能と嘲って従えてきたではありませんか。竜のことを、まるで理解しようとしてこなかった」
「馬鹿なトカゲを、低能と言って何が悪い。その通りではないか。でかい図体ばかりで食うか戦うことしか、あいつらは興味を示さん!」
罵倒は地竜達の耳にも届いているはずだったが、彼らは無反応だ。
だが、ヤトの気配が変わった。その瞳は冷酷に光り、全身から激怒が滲み出る。
「ルーフスの祖先がかつて、飛竜の長ヴェルークと共に戦った地竜の長やその血族を殺し、指揮系統を破壊したからだ。そして、生き残った弱者や子供を、時間をかけて洗脳して従えた。だが、長の一族を皆殺しにできたと思うのは、早合点というものだ――地竜だと誰にも知られずに生きてきた者がいたことも、考えておくべきだったな」
並々ならぬ気配を察して蒼褪めた人間達を、ヤトは無論、許すつもりはない。ルーフス兵達は自分の前で、かつて祖父が率いていた地竜を馬鹿にし、見下してきたからだ。
地竜達も、ヤトの圧倒的な覇気を感じ取り、立ち上がっていた。空腹は身に堪えていたが、自分達を率いるに値する強者の出現に引き込まれたのだ。
見下してくる人間達と、同族の強者。どちらにつくかなど、決まっている。
「地竜も蘇る時がきた。我らはこの地で誇りを取り戻す。お前たちは邪魔だ――全員、消えてもらう」
ヤトは豹変し、その言葉を実行に移した。
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