23 / 29
23. 彼は愛せない
しおりを挟む
さすがに夫が哀れに思ったのか、リンがとりなして、アッシュは落ち着きを取り戻した。それでも、すぐにセシリアの傍まで行って、前に跪く。腕を伸ばして彼女の頬に優しく慰めるように触れた。
「大丈夫か? ラズが急にいなくなって無理もないとは思うが⋯⋯顔色が悪い」
「え、えぇ⋯⋯ごめんなさい。私が目を離してしまったからだわ」
夕方に帰る予定だったアッシュは、昨今では珍しく獲物が少なかったため、一度集落に戻って来ていた。そこでセシリアがロイの元に向かったと従者たちから聞いたのだという。かなり心配してくれたのか、手が冷え切っているのが伝わった。
無事と安堵したのもつかの間、ラズが消息不明と聞かされて、心中は動揺も大きいだろう。それでもセシリアの不安を増させまいと、穏やかな眼差しを向け続けてくれているのが分かる。
「俺がラズを外に出していいと言ったんだ。気に病まなくていい。俺の責任だ」
「そんな事はないわ⋯⋯。それに私、ラズの首にバンダナを巻いているのよ」
「子が産まれたら使うように、両親から贈られたものだろう? 大切な形見でもある。お前がラズに贈りたいと思うのは当たり前の感情だ。ラズも幼い頃から傍にあったものだから、安心するんだろう。むしろお前が仕舞おうとしたら、嫌がったじゃないか。何も間違ってはいない」
身を包んで使っていた布をバンダナに作り替える時、セシリアはアッシュに相談していた。冷めた関係だった元夫は殆ど顔を見せなかったから、箱の奥にしまってあった品を見ているとは思えない。それでも万が一の事を危惧したのだ。
そして、アッシュは当時のことも、忘れずに覚えていてくれた。
今にも泣きだしそうなセシリアを見返して、アッシュは微笑んで、続ける。
「集落の中はすでにリンの号令で仲間が探してくれているというから、俺は外を見てくる。これから狩りに行く奴がいたら、気にかけて見てもらえるよう言っておくからな」
群れの長はロイだ。外に出られる数少ない強い飛竜に、アッシュに命をくだすような権限はないから、頼むしかなかった。それでも、自分にできる最大限のことをしようとしてくれているアッシュに、セシリアは励まされる。
「お願い。私も、もう一度家の中や周りを見てみるわ」
「あぁ。でも、無理はするな。ずいぶん具合が悪そうだぞ。昼食はとったか?」
「⋯⋯いいえ⋯⋯喉が通りそうにないわ」
「何か少しでも食べろ。お前が倒れたら、ラズが帰って来た時に誰が抱きしめてやるんだ。俺はあいつに説教だからな」
アッシュは小さく笑って立ち上がると、セシリアの額に優しくキスをした。そして、リンにセシリアの後事を頼むと、ロイへ目を向ける。
「異存はないな?」
「見つかるようなへまをするなよ。ルーフス軍が動いている。しかも、以前に比べて行軍が速い上に迷いがないそうだ。誰か知恵者がいるかもしれない」
「分かった」
アッシュは短く答えると、セシリアに家で少し休むように声をかけて、急いで飛び出していった。彼を見送ったセシリアは、大きく息を吐く。
アッシュが来てくれたことで、ずいぶんと気持ちも落ち着いた。家に戻ろうと、腰を浮かしかけたが、ロイがセシリアに短く告げる。
「覚悟はしておけ」
「⋯⋯⋯⋯」
「集落の中に止まっていればよし。もしも外に出ていたとしたら、連れ戻すのはルーフス軍の目を盗むために夜になる。だが、もしもさ迷った末に、ルーフス軍の手に落ちたとしたら、部下を送って殺させるしかない」
「そんな⋯⋯っ」
「先ほども言ったが、群れを守るためだ。正確にいえば、この地を隠し通すためでもある。もしも、ここを失えば、また新たな封印の地を探さなければならない」
「⋯⋯封印された地だと、アッシュから聞いたわ。飛竜にしか見つけられないようになっていたとも」
世界を支配するほどの強大な力をもっていたという、始祖の竜族たち。この集落も何者かによって閉ざされ、封印されていたものだという。ロイの部下が三日三晩かけて、ようやく破れたくらい強固なものだ。
当時の事を思い出したロイは、渋い顔をした。
「その通りだ。私の一番の側近が、封を破った。もう二度とごめんだと、言っていたな」
「⋯⋯相当、体力をとられてしまうそうね」
アッシュは大丈夫だと笑っていたが、新たな心配の種が産まれる。もしも、この地が見つかってしまったら、放浪の旅にでなければならない。そして、もしも新たな封印の地が見つかったら、彼はロイに『自分がやる』誓ったように、破壊しなければならない身だ。
すると、黙って聞いていたリンが顔を曇らせ、ロイも顔を顰めた。
「アッシュがそう言ったのか?」
「え? えぇ。でも、怪我をしたりはしないって⋯⋯」
「そうだろうな。力を吸われ続けるだけだ。つまり、飛竜の強靭な生命力を根こそぎ持ってかれる。もう二度とごめんだと、私の部下は笑って逝った。封印を破るのは、飛竜の命と引き換えだ」
セシリアはようやく、アッシュが名乗り出た時、ロイが正気かと言わんばかりの目で彼を見ていた理由に気付いた。無論、すぐに新たな地を探さなければならない状況に陥るとは彼も思っていなかっただろう。
だが、セシリアが封印の事を訊ねた時、言葉を濁したのは――我が身を差し出したことを、セシリアが気に病まないようにするためだ。
絶句するセシリアに、ロイは静かに告げた。
「ルーフス軍も、せっかくの手がかりをみすみす奪われないよう、厳重に守るだろう。ラズを殺すのも容易ではない。お前を指し示す物を身に着けていると知られたら、この界隈に固執するはずだ」
「いずれ⋯⋯見つかる」
「そういうことだ。ルーフス軍の目を他所へ引っ張って行かない限りな」
「⋯⋯⋯⋯」
「アッシュは有能な男だ。失うのは、群れにとって痛手になる。アッシュはお前を番だからと固執しているようだが、番への欲望を封じ込める薬があるから問題ない。そろそろ雌竜と交尾して、より強い竜を産ませてもらわねば困る。奴が連れてきた敗残の飛竜を私が受け入れたのは、そのためだ。あの男には、恩を返してもらう。意味は分かるな?」
お前も、邪魔だ。
ラズと共に群れを危うくする存在だと、ロイは暗に告げる。
実際に、危機的状況を生み出していることも、セシリアは分かっていた。
「⋯⋯私に付いて来てくれた従者たちは⋯⋯何の罪もないわ。彼らを巻き添えにしないで」
「問題ない。ルーフス軍はお前に逃げられたことで、取り巻きも一緒に処刑することよりも、お前を探し出す方に躍起のようだ。このまま月日が経てば、忘れ去られるだろう」
セシリアは小さく頷く。震える手を握り締めて、ロイを真っすぐに見つめた。
「必要な状況になったら⋯⋯私が出て行くわ」
「それでいい。アッシュはお前を愛するべきではない。身の破滅に繋がるのだからな」
セシリアは涙がでなかった。
胸の奥は深い悲しみと絶望が広がるなかで、かつて抱いていた諦めという感情が蘇ってくる。
国が滅び、敵国に追われるだけの女だ。ラズが捕まっていたら、セシリアは去らなければ、群れも、彼自身の命も危険に晒す。
アッシュはセシリアを愛せない。
強い竜を欲しているロイや、彼を頼みにしている仲間たちが、これ以上の犠牲を許さないだろう。だから――愛してはいけないのだ。
セシリアはうつむいた。身体はすっかり冷えているのに、お腹がほんのりと温かい気がする。
――言えないわね⋯⋯。
子ができたかもしれないと、愛した人に伝える時は、もっと幸せな瞬間だとセシリアは思っていた。
でも、今それを口にすることは、アッシュをさらに思い悩ませることにしかならない。唇を噛んで、ゆっくりと立ち上がった。
リンが手を貸そうとしてくれたのも断って、顔を上げて息を吐くと、しっかりとした足取りで部屋を後にした。リンは途中まで付き添って、廊下にいたロイの部下に付き添うよう命を下すと、再び部屋に戻り、扉を閉めた。
怒りを孕んだ瞳で睨みつけられても、想定内であるロイは揺るがない。
「お前も、あの人間達に傾倒しているようだな。飛竜としての誇りはどうした」
「そんな事より、お前は⋯⋯分かっていて、あぁ言ったのか。だったら、今すぐぶん殴るぞ」
「何のことだ」
怪訝そうにしたロイに、リンは真顔で言った。
「いいか。恐らく、セシリアの腹には卵があるぞ」
「は⋯⋯?」
相変らず言葉が雑過ぎる妻に、ロイは目を丸くした。
「大丈夫か? ラズが急にいなくなって無理もないとは思うが⋯⋯顔色が悪い」
「え、えぇ⋯⋯ごめんなさい。私が目を離してしまったからだわ」
夕方に帰る予定だったアッシュは、昨今では珍しく獲物が少なかったため、一度集落に戻って来ていた。そこでセシリアがロイの元に向かったと従者たちから聞いたのだという。かなり心配してくれたのか、手が冷え切っているのが伝わった。
無事と安堵したのもつかの間、ラズが消息不明と聞かされて、心中は動揺も大きいだろう。それでもセシリアの不安を増させまいと、穏やかな眼差しを向け続けてくれているのが分かる。
「俺がラズを外に出していいと言ったんだ。気に病まなくていい。俺の責任だ」
「そんな事はないわ⋯⋯。それに私、ラズの首にバンダナを巻いているのよ」
「子が産まれたら使うように、両親から贈られたものだろう? 大切な形見でもある。お前がラズに贈りたいと思うのは当たり前の感情だ。ラズも幼い頃から傍にあったものだから、安心するんだろう。むしろお前が仕舞おうとしたら、嫌がったじゃないか。何も間違ってはいない」
身を包んで使っていた布をバンダナに作り替える時、セシリアはアッシュに相談していた。冷めた関係だった元夫は殆ど顔を見せなかったから、箱の奥にしまってあった品を見ているとは思えない。それでも万が一の事を危惧したのだ。
そして、アッシュは当時のことも、忘れずに覚えていてくれた。
今にも泣きだしそうなセシリアを見返して、アッシュは微笑んで、続ける。
「集落の中はすでにリンの号令で仲間が探してくれているというから、俺は外を見てくる。これから狩りに行く奴がいたら、気にかけて見てもらえるよう言っておくからな」
群れの長はロイだ。外に出られる数少ない強い飛竜に、アッシュに命をくだすような権限はないから、頼むしかなかった。それでも、自分にできる最大限のことをしようとしてくれているアッシュに、セシリアは励まされる。
「お願い。私も、もう一度家の中や周りを見てみるわ」
「あぁ。でも、無理はするな。ずいぶん具合が悪そうだぞ。昼食はとったか?」
「⋯⋯いいえ⋯⋯喉が通りそうにないわ」
「何か少しでも食べろ。お前が倒れたら、ラズが帰って来た時に誰が抱きしめてやるんだ。俺はあいつに説教だからな」
アッシュは小さく笑って立ち上がると、セシリアの額に優しくキスをした。そして、リンにセシリアの後事を頼むと、ロイへ目を向ける。
「異存はないな?」
「見つかるようなへまをするなよ。ルーフス軍が動いている。しかも、以前に比べて行軍が速い上に迷いがないそうだ。誰か知恵者がいるかもしれない」
「分かった」
アッシュは短く答えると、セシリアに家で少し休むように声をかけて、急いで飛び出していった。彼を見送ったセシリアは、大きく息を吐く。
アッシュが来てくれたことで、ずいぶんと気持ちも落ち着いた。家に戻ろうと、腰を浮かしかけたが、ロイがセシリアに短く告げる。
「覚悟はしておけ」
「⋯⋯⋯⋯」
「集落の中に止まっていればよし。もしも外に出ていたとしたら、連れ戻すのはルーフス軍の目を盗むために夜になる。だが、もしもさ迷った末に、ルーフス軍の手に落ちたとしたら、部下を送って殺させるしかない」
「そんな⋯⋯っ」
「先ほども言ったが、群れを守るためだ。正確にいえば、この地を隠し通すためでもある。もしも、ここを失えば、また新たな封印の地を探さなければならない」
「⋯⋯封印された地だと、アッシュから聞いたわ。飛竜にしか見つけられないようになっていたとも」
世界を支配するほどの強大な力をもっていたという、始祖の竜族たち。この集落も何者かによって閉ざされ、封印されていたものだという。ロイの部下が三日三晩かけて、ようやく破れたくらい強固なものだ。
当時の事を思い出したロイは、渋い顔をした。
「その通りだ。私の一番の側近が、封を破った。もう二度とごめんだと、言っていたな」
「⋯⋯相当、体力をとられてしまうそうね」
アッシュは大丈夫だと笑っていたが、新たな心配の種が産まれる。もしも、この地が見つかってしまったら、放浪の旅にでなければならない。そして、もしも新たな封印の地が見つかったら、彼はロイに『自分がやる』誓ったように、破壊しなければならない身だ。
すると、黙って聞いていたリンが顔を曇らせ、ロイも顔を顰めた。
「アッシュがそう言ったのか?」
「え? えぇ。でも、怪我をしたりはしないって⋯⋯」
「そうだろうな。力を吸われ続けるだけだ。つまり、飛竜の強靭な生命力を根こそぎ持ってかれる。もう二度とごめんだと、私の部下は笑って逝った。封印を破るのは、飛竜の命と引き換えだ」
セシリアはようやく、アッシュが名乗り出た時、ロイが正気かと言わんばかりの目で彼を見ていた理由に気付いた。無論、すぐに新たな地を探さなければならない状況に陥るとは彼も思っていなかっただろう。
だが、セシリアが封印の事を訊ねた時、言葉を濁したのは――我が身を差し出したことを、セシリアが気に病まないようにするためだ。
絶句するセシリアに、ロイは静かに告げた。
「ルーフス軍も、せっかくの手がかりをみすみす奪われないよう、厳重に守るだろう。ラズを殺すのも容易ではない。お前を指し示す物を身に着けていると知られたら、この界隈に固執するはずだ」
「いずれ⋯⋯見つかる」
「そういうことだ。ルーフス軍の目を他所へ引っ張って行かない限りな」
「⋯⋯⋯⋯」
「アッシュは有能な男だ。失うのは、群れにとって痛手になる。アッシュはお前を番だからと固執しているようだが、番への欲望を封じ込める薬があるから問題ない。そろそろ雌竜と交尾して、より強い竜を産ませてもらわねば困る。奴が連れてきた敗残の飛竜を私が受け入れたのは、そのためだ。あの男には、恩を返してもらう。意味は分かるな?」
お前も、邪魔だ。
ラズと共に群れを危うくする存在だと、ロイは暗に告げる。
実際に、危機的状況を生み出していることも、セシリアは分かっていた。
「⋯⋯私に付いて来てくれた従者たちは⋯⋯何の罪もないわ。彼らを巻き添えにしないで」
「問題ない。ルーフス軍はお前に逃げられたことで、取り巻きも一緒に処刑することよりも、お前を探し出す方に躍起のようだ。このまま月日が経てば、忘れ去られるだろう」
セシリアは小さく頷く。震える手を握り締めて、ロイを真っすぐに見つめた。
「必要な状況になったら⋯⋯私が出て行くわ」
「それでいい。アッシュはお前を愛するべきではない。身の破滅に繋がるのだからな」
セシリアは涙がでなかった。
胸の奥は深い悲しみと絶望が広がるなかで、かつて抱いていた諦めという感情が蘇ってくる。
国が滅び、敵国に追われるだけの女だ。ラズが捕まっていたら、セシリアは去らなければ、群れも、彼自身の命も危険に晒す。
アッシュはセシリアを愛せない。
強い竜を欲しているロイや、彼を頼みにしている仲間たちが、これ以上の犠牲を許さないだろう。だから――愛してはいけないのだ。
セシリアはうつむいた。身体はすっかり冷えているのに、お腹がほんのりと温かい気がする。
――言えないわね⋯⋯。
子ができたかもしれないと、愛した人に伝える時は、もっと幸せな瞬間だとセシリアは思っていた。
でも、今それを口にすることは、アッシュをさらに思い悩ませることにしかならない。唇を噛んで、ゆっくりと立ち上がった。
リンが手を貸そうとしてくれたのも断って、顔を上げて息を吐くと、しっかりとした足取りで部屋を後にした。リンは途中まで付き添って、廊下にいたロイの部下に付き添うよう命を下すと、再び部屋に戻り、扉を閉めた。
怒りを孕んだ瞳で睨みつけられても、想定内であるロイは揺るがない。
「お前も、あの人間達に傾倒しているようだな。飛竜としての誇りはどうした」
「そんな事より、お前は⋯⋯分かっていて、あぁ言ったのか。だったら、今すぐぶん殴るぞ」
「何のことだ」
怪訝そうにしたロイに、リンは真顔で言った。
「いいか。恐らく、セシリアの腹には卵があるぞ」
「は⋯⋯?」
相変らず言葉が雑過ぎる妻に、ロイは目を丸くした。
152
あなたにおすすめの小説
彼女は白を選ばない
黒猫子猫
恋愛
ヴェルークは、深い悲しみと苦しみの中で、運命の相手とも言える『番』ティナを見つけた。気高く美しかったティナを護り、熱烈に求愛したつもりだったが、彼女はどうにもよそよそしい。
プロポーズしようとすれば、『やめて』と嫌がる。彼女の両親を押し切ると、渋々ながら結婚を受け入れたはずだったが、花嫁衣装もなかなか決めようとしない。
そんなティナに、ヴェルークは苦笑するしかなかった。前世でも、彼女は自分との結婚を拒んでいたからだ。
※短編『彼が愛した王女はもういない』の関連作となりますが、これのみでも読めます。
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
君は僕の番じゃないから
椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。
「君は僕の番じゃないから」
エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが
エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。
すると
「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる
イケメンが登場してーーー!?
___________________________
動機。
暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります
なので明るい話になります←
深く考えて読む話ではありません
※マーク編:3話+エピローグ
※超絶短編です
※さくっと読めるはず
※番の設定はゆるゆるです
※世界観としては割と近代チック
※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい
※マーク編は明るいです
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる