真夏のタイムマシーン

mai

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 「ん...私寝てた...?」
 時計を見ると夜中の2時
 「また変な体勢で寝てた...。腰痛っ」
 アルバムを見ていたら、そのまま眠気に襲われ眠ってしまったようだ。
 立ってグーっと伸びをする。
 「喉乾いたし、トイレ行くついでに何か飲も」
 乾いた喉を潤しに1階へ降りる。
 冷蔵庫を開け、麦茶の入ったピッチャーを取り出し、コップに注ぐと一気に飲み干した。
 「はぁ~ ちゃんとベッドで寝よ」
 お婆さんのように腰をポンポン叩く。
 2階へ戻ると、ドサッとベッドに潜り込んだ。

 ミーンミンミンミーン。
 
 8月24日。
 「んんん 朝...」
 実家でもセミに起こされた。
 朝9時。1階へ降り、リビングを見渡す。
 「誰も居ない...」
 親は仕事、妹は遊びに出ていて誰も居なかった。
 「パンでも食べるか」
 冷蔵庫に入っている食パンと、とろけちゃうチーズを取り出す。
 朝食はシンプルチーズトースト。
 チーズトーストを頬張りながら、今日の行動を考える。
 「アルバム見てたけど...そうじゃん、夢の中の彼は顔が見えないんだから探しようないじゃん......。そうだなぁとりあえず今日は高校の方へ行ってみるかなぁ~」
 トーストを食べきり、出かける準備をする。
 「飲み物はコンビニで買えばいいっか」
 今日も今日とてジリジリと肌を焼き尽くすような暑さ。
 日焼け止めもバッチリ塗って外に出る。
 
 家から左に曲がって10分ぐらい歩くと小さなスーパーがある。
 「あ!ここがあった!」
 スーパー南田に立ち寄って飲み物を買う。
 スーパーを右に出て真っ直ぐ行くと小学校、更にその先へ行くと中学校、男の子と出会った高校は少し遠い。
 途中、十字路がある。
 十字路で立ち止まっていると
 「あれ?ここ...」

 麗美さん!こんな所で...。

 「夢に出てきたとこ!」
 アルバムを開いたまま寝てしまった時に見た、夢に出てきた場所。
 麗美が来た道は北側、麗美から見て真っ直ぐが南、左が東、右が西だ。
 西に行けば高校がある。
 「高校に行けば何か思い出すかなぁ...。まぁそう思って家出てきた訳だけど」
 右に曲がって高校方面へ歩く。
 「自転車で通ってたなぁ~」
 水分補給と通学路の懐かしさを感じながら、高校前に辿り着く。
 運動場を眺めながら
 「1年B組。2年の時はA組、3年の時はB組」
 ここで、ふと気づく。
 「あれ?あの男の子と出会ったのは1年の時。2年、3年の時は会わなかった。たまたまタイミングが合わなかっただけ?」
 別のクラスでタイミングが合わなかったのか、転校してしまったのか考えていると
 「そうだ、この先に駄菓子屋があるんだ。今どうなってるんだろ。ちょっと見に行ってみよ」
 高校から右に曲がって、少し先の横断歩道を渡って左へ行くと緩やかなカーブが見える。
 そのカーブの先に、友達とよく行った駄菓子屋『ワダヤ』があるのだが、看板を見ると
 「タケウチ弁当...」
 『ワダヤ』が『タケウチ弁当』 弁当屋に変わっていた。
 「変わっちゃったかぁ...」
 時の流れで仕方ないにしろ、何とも言えない気持ちになった。
 時計を見ると、少し昼前 11時20分。
 「丁度お昼だし、目の前弁当屋さんだし、お弁当買って帰ろうかな」
 メニューには、から揚げ弁当、幕の内弁当といった定番のものから、ハンバーグ弁当、野菜炒めに豆腐ハンバーグといった健康志向なものまで揃っている。
 「すいませーん。豆腐ハンバーグ弁当1つください!」
 「はーい。豆腐ハンバーグ弁当1つねー」
 40代ぐらいの女性が店の奥から出てきた。
 「豆腐ハンバーグ弁当1つ。398円になります」
 「はい」
 お金を渡したタイミングで
 「あの...昔ここ駄菓子屋でしたよね?」
 「そうそう駄菓子屋だったの!」
 「何年前に変わったんですか?」
 「3年前」
 「3年前...」
 「うん。ワダヤ よく来てたんですか?」
 「私、中田原の方に住んでるんですけど」
 「中田原!スーパー南田がある方ね!」
 「そうです!高校がすぐそこの天須高校に通ってたので、学校の帰りとかワダヤよく来てたんです」
 「そう~。私もよくお菓子買いに来てたの。店主だったおばあちゃんが亡くなって、継ぐ人も居なかったみたいでお店閉まって...。はい豆腐ハンバーグ弁当。夏だから早めに召し上がってくださいね」
 「はい!」
 「ありがとうございました~」
 「3年前かぁ...。さて、帰って食べますか」
 左手に袋をさげ、店を出る。
 
   十字路へ戻っていると「あれ?麗美じゃね?」
 前から歩いてきた男性に声をかけられた。
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