ストライカーアライズ

アズール021

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ジェネシス

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 世の中には、戦う少女達がいる。
 その少女達は、「ストライカー」と呼ばれ、任務を遂行する事が目的となる。
 そんなある日、あるチームが結成された。
 そのチームの名は…。

 「ジェネシス」だった。


 「行ってきまーす!」
 2018年4月。
 高校に入学したばかりの一人の少女。
 彼女の名前は、加住琉奈(かすみ るな)。
 茶髪のポニーテール、朱色の瞳が特徴。
 彼女は見ての通り、元気いっぱいの少女。
 彼女は子供のように、全力疾走で登校する。

 「ついに来た…!杉坂浦女学院…!」
 琉奈の通う女子校、杉坂浦女学院(すぎさかうらじょがくいん)。
 校舎を見て、琉奈は目を輝かせていた。
 夢にも見ていた高校生活が始まるのだと、琉奈は息を弾ませながら思っていた。

 「…という訳で、私は加住琉奈です!みんなよろしくね!」
 クラス内での自己紹介。
 元気のある声で、琉奈は自己紹介をした。
 「琉奈っていい名前!こちらこそよろしくね!」

 「う~ん…。」
 琉奈は部活動は何部に入ろうか、考えていた。
 どれも楽しそうだが、琉奈の頭の中はごちゃごちゃだった。
 「うん?」
 その時、ある部活動に目が行った。

 「ストライカー活動部…?」
 聞いたことのない部活動だった。
 「何だろう…。何だか面白そう!ストライカー活動部!
 よぉし!ストライカー活動部に入ろう!」
 琉奈は、そのストライカー活動部に興味津々だった。
 早速、入部届に自分の名前と入部する部活動を書き殴る。

 数日後。

 『ストライカー活動部』

 「ここが部室…。」
 琉奈はストライカー活動部の部室前にいた。
 中に誰かがいるため、鍵は開いている。
 「すうぅーーー…、はあぁーーー…。よし!」
 琉奈は深呼吸をし、扉を開ける。
 「失礼します!」

 琉奈の目の前にいたのは、二人の女子生徒だった。
 身長も琉奈より高いため、恐らく二人とも先輩だろう。
 「君は新入生か?」
 「あ、はい!1年の加住琉奈です!」
 緑がかった黒髪セミロングの少女が、琉奈に話しかけた。
 クールな性格であり、顔つきは凛としている。
 「初めまして。私はリーダーの鶴城陽向だ。」
 少女の名前は、鶴城陽向(つるぎ ひなた)。
 性格が落ち着いているせいか、琉奈は少しそわそわしていた。
 陽向は少女というより、淑女に近いだろう。
 「あっちにいるのは、メンバーの白鳥美紅。ああ見えて、私より年上だ。」
 「よろしくね、加住さん。」
 奥にいた少女は、白鳥美紅(しらとり みく)。
 黄土色のボブヘアに、おっとりとした顔つきが特徴。
 陽向とは違い、こちらは優しいお姉さんっぽい。

 「なるほどな。興味があってここに入ったのか。」
 「はい。実際はどんな部活なのかはわからないのですが…。」
 「まあ部員も少ないし、ゆるくやってるところだから。」
 部活動内でのガールズトークが始まった。
 琉奈はまだそわそわしている。
 「そういえば、何故陽向さんは美紅さんより年下なのにリーダーなんですか?」
 「美紅にリーダーをやらせたら、お前だって想像できるだろう。」
 確かに、言われてみればと思った琉奈。
 美紅は性格がおっとりしているので、すぐの指示はできなそう。
 それが理由で、陽向がリーダーとなった。
 「ちょっと~、私の事悪く見ないでよ~。」
 「去年、お前がリーダーやった時覚えているか?あの時は危うい状況だったのに、美紅は何も指示できずに終わっただろう。」
 「む~…、陽向ちゃんのケチ。」
 「はいはい、何でも言ってどうぞ。」
 仲が良いのか悪いのか。
 琉奈はそればかり思っていた。
 「陽向さん、チームの名前とかは決まっているんですか?」
 琉奈が最も気になっていたものが一つ。
 それは、チーム名だった。
 琉奈は入部してから情報が聞かされていないので、まだ何もわからない状態だった。
 「チーム名はな…。


 「ジェネシス」だ。」
 「ジェネシス…?」
 陽向と美紅のチーム名。
 ジェネシスという名前がそれだった。
 「由来とかは…。」
 「ジェネシスは美紅が考えた名前。まあ、適当に決めたやつだけどな…。」
 何故ジェネシスという名前なのかは不明。
 しかし琉奈は、それはいい名前だと感じた。

 「そうだ、陽向ちゃん。加住さんのジョブを決めないと…。」
 「あ、琉奈で大丈夫ですよ!それよりジョブって…?」
 「ジョブとは、簡単に言えば戦闘方法だ。私はソード、美紅はガンだ。
 私と美紅と同じのでもいいし、それ以外でもいい。好きなジョブを選んでくれ。」
 ジョブは全部で6つ。
 ブロウ(格闘)、ソード(剣術)、ガン(射撃)、ハンマー、サイコ(超能力)、ヒーラー。
 琉奈は選んだのは…。


 「ブロウをやってみたいです!」
 「琉奈ちゃんはブロウね。」
 「大丈夫か?この6つの中でもブロウは大変だぞ?」
 確かに、ブロウは格闘が中心なので、技も容易とは言い切れない。
 が、しかし。
 「いいんです!私、たくさん動きたいんですから!」
 琉奈は諦めていなかった。
 本気の目をしていた。

 「…わかった。決まりだな。」
 それを、陽向は認めた。
 こんなに本気になれる人は、陽向は放っておけなかった。
 「よし、お前は今日からジェネシスの一員だ。
 明日から特訓だ。覚悟して来てくれよ。」
 「…!はい!」
 これから琉奈は、ジェネシスの一員として、頑張ろうと思った。

 解散後。
 「ねえ、陽向ちゃん。」
 「ん?」
 「いい後輩ができて良かったわね。」
 「お前も先輩だろう?私と彼女さ。」
 「フフッ、それもそうね。」
 陽向と美紅は、二人で話し合った。
 後輩のために、先輩として力を尽くそうと。
 こうしてジェネシスの、新しい日々が始まったのであった。
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