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第一部 第一章 深夜の常連客がまさかの推しだった
深夜の常連客がまさかの推しだった
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腕組みをしたまま大きなあくびをする。時計を見れば深夜一時を回ったところだ。
ショートスリーパーのおれは眠気を感じないが、ただ退屈を持て余している。時給が良いのと、多岐にわたる業務が性に合っているのでこのコンビニバイトを続けているが、そろそろ飽きてきた。極寒日が続いているせいか今夜の客入りはほとんどない。
深夜のコンビニは入店ベルがよく響く。ダウンジャケットのフードを目深に被っている男がすたすた入ってくる。
こいつはおれが心の中で「コーヒー牛乳」とあだ名をつけている客だ。いつも深夜に一人で来てコーヒー牛乳だけを買っていく。
彼はいつも通り冷蔵庫の前に直行して、しかし何も持たずにレジに来た。
「今日はコーヒー牛乳、置いてないんですか」
初めて「コーヒー牛乳」の声を聞いた。澄んだ水のような声だ。普段おれが「レジ袋は御入用ですか」と尋ねても首を振るだけのくせに意外と良い声だ。
おれは視線を上げる。「コーヒー牛乳」は思ったよりも背が高い。
奴はマスクと眼鏡とフードで顔の三分の二以上を隠している。最初に入店してきた時はこんな深夜に顔を隠してコンビニに入店する輩は強盗ではと身構えていたが、今は感染症対策とやらで別に珍しくもなくなった。
自慢じゃないが喧嘩慣れしているおれは強盗も捕まえたことがある。包丁を突き付けてきた強盗にかかと落としを食らわせてへばった相手の鳩尾を、傘の柄で気を失うまで何度も突いてやった。結果的にはあばら骨も数本折れていたらしく、警察からは過剰防衛ぎみだと注意されたが、知るかそんなこと。
「ああ、いつものメーカーじゃなければまだあると思いますけど」
「私がいつも買うものを覚えてるんですか」
「コーヒー牛乳」の眼鏡の奥の目が丸くなる。
しまった。
恥ずかしくて思わず頬がかっと熱くなる。すべての客の買い物を覚えているわけではないが、少なくともおれがこいつを記憶していることがばれちまった。お前が覚えやすい買い物するのが悪い。
「あの三角パックのが欲しいんです」
元々白いこいつの肌がさらに青白くなったように感じた。「コーヒー牛乳」の顔はマスク越しでもわかる程に造形が整っていることに気が付く。
「コーヒー牛乳」がいつも買っていくのは三角錐の形をしたパックのそれだ。三角パックを使用しているメーカーは少なく、うちのコンビニでの取り扱いも単一メーカーのみだ。
面倒くせえなと半分は思いつつも、客はこいつ以外いなくて退屈していたところだし、客のニーズを満たすのも仕事のうちだ。真面目なおれはレジを抜けて冷蔵庫に向かってやる。「コーヒー牛乳」はとぼとぼと後ろをついてくる。
三角パックのコーヒー牛乳はなかった。
「ないスね」
「……在庫もないですか」
「ここになければないです。次の入荷が朝の五時なんでそれまで待てば手に入りますけどね」
半ば冗談で言ってみたが、
「あと三時間ちょっと……」と、「コーヒー牛乳」は顎に手をやって考えた後、窓際のイートインコーナーに早くも腰を下ろしている。
おいおい、本気か。そんなに飲みたいのか。どんだけコーヒー牛乳の虜なんだよ。
「ここで待つ気スか」
「だめですか」
腕組みをしたおれに、「コーヒー牛乳」は内緒話をするように顔を近づけて小声で言った。そんなことしなくても今店内にいるのはおれたちだけだ。「コーヒー牛乳」がふっと顔を傾けた拍子に柔らかい匂いがする。おい、なんだなんだ、最近の男子は良い匂いさせやがって。
「なんか買ってもらえれば……他に客もいないんで別にいいですけど」
「ありがとう。では、ホットコーヒーを。」
「コーヒー牛乳」はおれの手を掴んで自分のスマホを手渡してきた。このすがるような目線と清涼な声をおれは知っている気がする。しかもおれにとってすごく大事な存在だとおれの知らないおれが頭の中で訴えてくる。
一体、どういうことだ、どこで知っているんだ。
首を捻りながら、粛々と奴のスマホで入金処理をし、紙コップを用意し、コーヒーマシンのボタンを押し、淹れたコーヒーを運んでやる。とその時、気付いた。
「おい、コーヒーはセルフサービスだぞ。自分でやれ、じゃなくてご自身でどうぞ」
湯気の立つコーヒーを両手で受け取りながら、「コーヒー牛乳」はマスクの下で笑ったようだ。
「そうですね、……ええと、猿田さんは優しいな。ありがとうございます」
おれの名札を見るために目を細めた柔和な顔を見て、もしやと天啓がひらめいた。この優しい声に名前を呼ばれた時の高揚感、おれは知っている気がする。つい数日前にも聞いたし、なんならバイト前にアーカイブで聞いた気が……。
……いや、でも、そんなことあるわけがない。
「コーヒー牛乳」がマスクを顎にずらして、コーヒーにふうと息を吹きかけてから一口飲む。奴がマスクを取った顔を初めて見る。思わず前のめりになって覗くようにその顔を確認する。
うっわ……待て待て、マジか。
おれの頭の中で非常警報が鳴っている。強盗に対峙した時なんか比べ物にならないくらい緊急事態だ。
えっと、なんて言えばいいだろう。一生に一度でもこの人にもし会えたら言おうと思っていたことがあったはず。なんだ、なんて言うつもりだったっけ。ああ、目がチカチカする。
「……あの、……ええと、……おれ、好きです。」
おれはとんでもないことを口走った。
声が震えていた。高校の時に河川敷の乱闘で大暴れした時だってこんなに心臓はバクつくことはなかった。おれの先走った告白に「コーヒー牛乳」は少し首を傾げて困ったように笑った。そらそうだ、知らない相手から突然好きだと言われても、戸惑うのは当然だ。
ちょっと待て待て。一回深呼吸した方が良い。
すうはあ、と深い呼吸を繰り返す。眼の前をチラつく白い斑点が収まってくる。自分でも知らないうちに過呼吸になりかけていたみたいだ。
もう一度おれは目の前の「コーヒー牛乳」を見つめる。
何度見ても変わらない。
「コーヒー牛乳」はVtuberのkonzenだった。
konzenは、おれの推しである。推しであるということはつまり、おれの生きる意味そのものである。
konzenの主な活動は毎週のネット配信での読経と歌唱だ。普段は青く輝く水竜のアバターを使用している。おれが知ったきっかけは、たまたまおすすめに表示された、という単純な理由だ。
その透き通るような声で読まれるお経のリズムをなぜか懐かしく感じて配信を見続けていたところ、機材トラブルが起こったため、中の人がそのまま映ってしまったのだ。
最初はトラブルに気付かず、konzenは目を伏せながら落ち着いた顔で読経していた。やはりというべきか坊主頭であったが、そこらの坊主とは一線を画す、凛とした印象であった。
トラブルに気付いてからは慌てて手で顔を隠しながら「玉竜、どうしよう。」と心細気にカメラを挟んだ向こうの相手に問いかけているのが非常に愛らしかった。おれは見たこともない「玉竜」とやらが羨ましくなったほどだ。あんな瞳で縋られたらおれはきっと何でもしてしまうだろうと思った。
konzenは一年ほど前から配信活動を始めたばかりで知名度はまだ低い。彼の目的は「未曾有の感染症で身体も心も疲労した人達に仏教による救いを広めたい」ということらしく、そのために配信を行っている。
もちろんおれは配信を視聴して投げ銭しつつコメントで応援しては名前を読み上げてもらうのが至上の楽しみである。願いが叶うのであればもう一度だけkonzenの中の人を見たいと思っているが、配信技術も向上したためかおれが最初に見た配信以来アバターが消えたことはない。
「あの……konzenさん……スよね」
おれが震える声で確認すると、「コーヒー牛乳」改めkonzenはびくんと肩を震わせた。
「いやあの……、えっと…なぜご存じなんですか……。顔……出してないですよね。」
「あの……一回だけ顔見て……」
「ああ……。あの配信ミスですね。」
痛恨の一撃を食らったみたいにkonzenは額に手をやった。
「顔出てなくてたって声と喋り方でわかります。配信のアーカイブは何回も見返してますから。どのタイミングで笑うか、咳するかまで覚えてます。一昨日の多心経ライブも声が響いてすげえ良かったです。おれスパチャしまくってます。アカウント名はsaruです。konzenさんの名前をリスペクトしてつけました。すげえ応援してます。konzenさんの声すげえ良いです。てか顔もすげえ良いです。konzenさんが生まれてきてくれたことにすげえ感謝してます。本当におれの生きる希望です。すげえ好きです。ずっと好きです。ずっとついていきます」
と言いたいのだが、唇が震えてしまう。
言葉足らずでぶっきらぼうなのが自分でも恥ずかしいのに、舌がもつれてうまく喋れない。真冬の深夜だというのに、体中から汗が噴き出てくる。
「配信見てくださってありがとうございます。でも、私がkonzenだということは秘密にしてくださいね」
「と、当然ですっ」
明らかに業務用であろう笑みで念押ししてきたkonzenに食い気味で返事をしてしまった。興奮のあまり倒れそうだ。彼とのやりとりの一言一句を反芻しながらおれはレジ内に戻る。
特に急いでやるべき仕事もないのでkonzenが商品棚に隠れて見えるか見えないか、のギリギリの角度に陣取って盗み見することにする。
三角パックのコーヒーが入荷するまであと三時間。それまでkonzenはずっとここにいるのか。
……おれの心臓が持つだろうか。心臓発作で病院に運ばれるのが先かもしれない。
ショートスリーパーのおれは眠気を感じないが、ただ退屈を持て余している。時給が良いのと、多岐にわたる業務が性に合っているのでこのコンビニバイトを続けているが、そろそろ飽きてきた。極寒日が続いているせいか今夜の客入りはほとんどない。
深夜のコンビニは入店ベルがよく響く。ダウンジャケットのフードを目深に被っている男がすたすた入ってくる。
こいつはおれが心の中で「コーヒー牛乳」とあだ名をつけている客だ。いつも深夜に一人で来てコーヒー牛乳だけを買っていく。
彼はいつも通り冷蔵庫の前に直行して、しかし何も持たずにレジに来た。
「今日はコーヒー牛乳、置いてないんですか」
初めて「コーヒー牛乳」の声を聞いた。澄んだ水のような声だ。普段おれが「レジ袋は御入用ですか」と尋ねても首を振るだけのくせに意外と良い声だ。
おれは視線を上げる。「コーヒー牛乳」は思ったよりも背が高い。
奴はマスクと眼鏡とフードで顔の三分の二以上を隠している。最初に入店してきた時はこんな深夜に顔を隠してコンビニに入店する輩は強盗ではと身構えていたが、今は感染症対策とやらで別に珍しくもなくなった。
自慢じゃないが喧嘩慣れしているおれは強盗も捕まえたことがある。包丁を突き付けてきた強盗にかかと落としを食らわせてへばった相手の鳩尾を、傘の柄で気を失うまで何度も突いてやった。結果的にはあばら骨も数本折れていたらしく、警察からは過剰防衛ぎみだと注意されたが、知るかそんなこと。
「ああ、いつものメーカーじゃなければまだあると思いますけど」
「私がいつも買うものを覚えてるんですか」
「コーヒー牛乳」の眼鏡の奥の目が丸くなる。
しまった。
恥ずかしくて思わず頬がかっと熱くなる。すべての客の買い物を覚えているわけではないが、少なくともおれがこいつを記憶していることがばれちまった。お前が覚えやすい買い物するのが悪い。
「あの三角パックのが欲しいんです」
元々白いこいつの肌がさらに青白くなったように感じた。「コーヒー牛乳」の顔はマスク越しでもわかる程に造形が整っていることに気が付く。
「コーヒー牛乳」がいつも買っていくのは三角錐の形をしたパックのそれだ。三角パックを使用しているメーカーは少なく、うちのコンビニでの取り扱いも単一メーカーのみだ。
面倒くせえなと半分は思いつつも、客はこいつ以外いなくて退屈していたところだし、客のニーズを満たすのも仕事のうちだ。真面目なおれはレジを抜けて冷蔵庫に向かってやる。「コーヒー牛乳」はとぼとぼと後ろをついてくる。
三角パックのコーヒー牛乳はなかった。
「ないスね」
「……在庫もないですか」
「ここになければないです。次の入荷が朝の五時なんでそれまで待てば手に入りますけどね」
半ば冗談で言ってみたが、
「あと三時間ちょっと……」と、「コーヒー牛乳」は顎に手をやって考えた後、窓際のイートインコーナーに早くも腰を下ろしている。
おいおい、本気か。そんなに飲みたいのか。どんだけコーヒー牛乳の虜なんだよ。
「ここで待つ気スか」
「だめですか」
腕組みをしたおれに、「コーヒー牛乳」は内緒話をするように顔を近づけて小声で言った。そんなことしなくても今店内にいるのはおれたちだけだ。「コーヒー牛乳」がふっと顔を傾けた拍子に柔らかい匂いがする。おい、なんだなんだ、最近の男子は良い匂いさせやがって。
「なんか買ってもらえれば……他に客もいないんで別にいいですけど」
「ありがとう。では、ホットコーヒーを。」
「コーヒー牛乳」はおれの手を掴んで自分のスマホを手渡してきた。このすがるような目線と清涼な声をおれは知っている気がする。しかもおれにとってすごく大事な存在だとおれの知らないおれが頭の中で訴えてくる。
一体、どういうことだ、どこで知っているんだ。
首を捻りながら、粛々と奴のスマホで入金処理をし、紙コップを用意し、コーヒーマシンのボタンを押し、淹れたコーヒーを運んでやる。とその時、気付いた。
「おい、コーヒーはセルフサービスだぞ。自分でやれ、じゃなくてご自身でどうぞ」
湯気の立つコーヒーを両手で受け取りながら、「コーヒー牛乳」はマスクの下で笑ったようだ。
「そうですね、……ええと、猿田さんは優しいな。ありがとうございます」
おれの名札を見るために目を細めた柔和な顔を見て、もしやと天啓がひらめいた。この優しい声に名前を呼ばれた時の高揚感、おれは知っている気がする。つい数日前にも聞いたし、なんならバイト前にアーカイブで聞いた気が……。
……いや、でも、そんなことあるわけがない。
「コーヒー牛乳」がマスクを顎にずらして、コーヒーにふうと息を吹きかけてから一口飲む。奴がマスクを取った顔を初めて見る。思わず前のめりになって覗くようにその顔を確認する。
うっわ……待て待て、マジか。
おれの頭の中で非常警報が鳴っている。強盗に対峙した時なんか比べ物にならないくらい緊急事態だ。
えっと、なんて言えばいいだろう。一生に一度でもこの人にもし会えたら言おうと思っていたことがあったはず。なんだ、なんて言うつもりだったっけ。ああ、目がチカチカする。
「……あの、……ええと、……おれ、好きです。」
おれはとんでもないことを口走った。
声が震えていた。高校の時に河川敷の乱闘で大暴れした時だってこんなに心臓はバクつくことはなかった。おれの先走った告白に「コーヒー牛乳」は少し首を傾げて困ったように笑った。そらそうだ、知らない相手から突然好きだと言われても、戸惑うのは当然だ。
ちょっと待て待て。一回深呼吸した方が良い。
すうはあ、と深い呼吸を繰り返す。眼の前をチラつく白い斑点が収まってくる。自分でも知らないうちに過呼吸になりかけていたみたいだ。
もう一度おれは目の前の「コーヒー牛乳」を見つめる。
何度見ても変わらない。
「コーヒー牛乳」はVtuberのkonzenだった。
konzenは、おれの推しである。推しであるということはつまり、おれの生きる意味そのものである。
konzenの主な活動は毎週のネット配信での読経と歌唱だ。普段は青く輝く水竜のアバターを使用している。おれが知ったきっかけは、たまたまおすすめに表示された、という単純な理由だ。
その透き通るような声で読まれるお経のリズムをなぜか懐かしく感じて配信を見続けていたところ、機材トラブルが起こったため、中の人がそのまま映ってしまったのだ。
最初はトラブルに気付かず、konzenは目を伏せながら落ち着いた顔で読経していた。やはりというべきか坊主頭であったが、そこらの坊主とは一線を画す、凛とした印象であった。
トラブルに気付いてからは慌てて手で顔を隠しながら「玉竜、どうしよう。」と心細気にカメラを挟んだ向こうの相手に問いかけているのが非常に愛らしかった。おれは見たこともない「玉竜」とやらが羨ましくなったほどだ。あんな瞳で縋られたらおれはきっと何でもしてしまうだろうと思った。
konzenは一年ほど前から配信活動を始めたばかりで知名度はまだ低い。彼の目的は「未曾有の感染症で身体も心も疲労した人達に仏教による救いを広めたい」ということらしく、そのために配信を行っている。
もちろんおれは配信を視聴して投げ銭しつつコメントで応援しては名前を読み上げてもらうのが至上の楽しみである。願いが叶うのであればもう一度だけkonzenの中の人を見たいと思っているが、配信技術も向上したためかおれが最初に見た配信以来アバターが消えたことはない。
「あの……konzenさん……スよね」
おれが震える声で確認すると、「コーヒー牛乳」改めkonzenはびくんと肩を震わせた。
「いやあの……、えっと…なぜご存じなんですか……。顔……出してないですよね。」
「あの……一回だけ顔見て……」
「ああ……。あの配信ミスですね。」
痛恨の一撃を食らったみたいにkonzenは額に手をやった。
「顔出てなくてたって声と喋り方でわかります。配信のアーカイブは何回も見返してますから。どのタイミングで笑うか、咳するかまで覚えてます。一昨日の多心経ライブも声が響いてすげえ良かったです。おれスパチャしまくってます。アカウント名はsaruです。konzenさんの名前をリスペクトしてつけました。すげえ応援してます。konzenさんの声すげえ良いです。てか顔もすげえ良いです。konzenさんが生まれてきてくれたことにすげえ感謝してます。本当におれの生きる希望です。すげえ好きです。ずっと好きです。ずっとついていきます」
と言いたいのだが、唇が震えてしまう。
言葉足らずでぶっきらぼうなのが自分でも恥ずかしいのに、舌がもつれてうまく喋れない。真冬の深夜だというのに、体中から汗が噴き出てくる。
「配信見てくださってありがとうございます。でも、私がkonzenだということは秘密にしてくださいね」
「と、当然ですっ」
明らかに業務用であろう笑みで念押ししてきたkonzenに食い気味で返事をしてしまった。興奮のあまり倒れそうだ。彼とのやりとりの一言一句を反芻しながらおれはレジ内に戻る。
特に急いでやるべき仕事もないのでkonzenが商品棚に隠れて見えるか見えないか、のギリギリの角度に陣取って盗み見することにする。
三角パックのコーヒーが入荷するまであと三時間。それまでkonzenはずっとここにいるのか。
……おれの心臓が持つだろうか。心臓発作で病院に運ばれるのが先かもしれない。
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