叶わなかった未来

幸花

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叶わなかった未来1

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ー迷路ー

カノジョに連れられて私は細く狭い階段を上る。
カノジョはまだ幼い面立ちをした少女であった。指が長く、爪が丸く切り揃えられた、綺麗な手をしていた。
階段を登った先には、透明な硝子扉があり、そこには『小野寺クリニック』と貼られている。
扉を開くと、女性が立っていた。
美人だがその顔色は、今にも倒れてしまいそうなほど青白い。
「お母さんよ」
と、カノジョが言った。
お母さんと紹介された女性は、一切口を開かずに、私を見ている。
私はそのお母さんに「お邪魔します」と断りを入れて上がった。

「階段を降りて、先に私の部屋に入っていてください」
とカノジョが言った。
「わかりました」
私はそう言って振り返ったが、そこにはもうカノジョの姿はなかった。
私は降りる階段を探した。しかし、階段は何処にもない。先の見えない廊下だけが続いている。
階段を探して足を進めていると、一つの部屋から声がした。
私はその部屋の取っ手に手を掛け、ドアを開いた。
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