叶わなかった未来

幸花

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叶わなかった未来8

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ー終幕ー

三人の遺骨が入った骨箱を、私は彼に渡した。
彼の姿は、もう少年ではなかった。
歳を老いた“小野寺晃司(おのでらこうじ)”は、私から骨箱を受け取り、
「ようやく、父と母、姉に会えた」
と静かに涙を流した。
「探偵さん。家族を見つけ出してくれて、助けてくれて、何とお礼を言えばよいか」
私は骨箱に、そっと触れた。
「あなたはあの硝子の空間ーー夢の中でずっと家族を探していた。それに、礼を言うのはやはり、還すことを許したカノジョ、でしょう」
私は目を閉じ、耳を澄ませる。
鎮魂歌のような、優しいピアノの音色が、風に混じり聴こえていた。

             終
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