★完結!★【転生はもう結構です!】崖から落とされ死んだ俺は生き返って復讐を誓うけど困ってるドラゴン助けたら女になって娘が出来ました。

monaka

文字の大きさ
189 / 476

第183話:ギャルン再び。

しおりを挟む

「じゃあねー英傑王のおねーちゃん!」
「おう、念のためにしばらく家の中に隠れておくんだぞ」

 ジェスタを家の前まで送り、泣きながら頭を下げる母親に気にするなと告げてその場を後にする。

 別れ際に「ぜったいおねーちゃんを嫁にするからねっ!」とか言われたのが面白くて「がんばんな」と言ってやった。

『まさかミナト君がショタ属性があったなんてねぇ……そりゃ女の子のアピールも効果ないわ』
 お前さ、俺の性癖を勝手にどんどん改竄しないでくれるか?

 そういえば俺等や英傑ばかりが戦っているなら当初の目的は果たせているのか?
 戦いの様子を見せて獣人と人間の橋渡し、とかがシルヴァの目的だったように思うが……。

 あちこち歩き回ってみたけれど魔物の死骸が転がっているだけで、むしろ英傑の姿も見えなかった。

「……えっと、みんなどこに居るんだ……?」

『ちょっと待ってね……どうやら帝都の門の外みたいよ。そっちに大きな力が沢山集まってるわ』

 なるほどね。って事は空からの敵は一通り倒しきったと思っていいのか? 

 念の為にさっと帝都内を走り回って問題無いのを確認してから門の方へ向かう。

 すると、そこには空から来ていたのとは比べ物にならない数の魔物がひしめいていた。

 ……一瞬本気でそう思った。

 よく見たらそのほとんどが既に息絶えている。
 そして、その場には十二英傑、人型に戻ったゲオル、ネコ、アリア、ティア、イリス……そして腕に自信があるのであろう多くの獣人や人間の姿があった。

 とにかく魔物の数が多かったのか、小型の魔物を獣人を含む街の人々たちが対処し、危険度の高い奴等を英傑達が撃退していたらしい。

「あっ、まぱまぱー♪ こっちは終わったよ」

 褒めて褒めて、と飛びついてきたイリスの頭を撫でまわしていると皆の視線がこちらに集中した。

「ごしゅじーん♪」
「ミナト殿!」
「ミナト♪」

 俺に駆け寄ってくるネコ、アリア、レナを掌で制する。

 ティアはじっと地面を見つめていた。さすが勇者、とでも言うべきだろうか?

 不思議そうな顔でストップする三人に説明する時間はあまりなかった。

 俺はイリスを抱えてその場から一歩後ろへ下がる。

 その瞬間地面から何かドリル状の物が飛び出し、俺が先程まで立っていた場所を通過していく。

「今のをかわすとはさすがだな! しかしデルベロスを倒したくらいで……」

「イリス。やっちゃいなさい」

 空中でドリルがぎゅるぎゅると逆回転して本来のモグラっぽい魔物の形状に戻る。

 のと、同時にご愁傷様。

「ぶっころーっ!!」

「えっ、ちょっ、まっ……」

 モグラ野郎が元の姿に変化し、再び両腕を何かに変化させようとしていた最中にイリスの渾身の一撃が突き刺さる。

 一瞬にしてモグラ野郎の身体はバラバラに砕け散って再び血の雨が降った。

「どやーっ♪」

「イリス、少し下がってな」

 まだ終わりじゃない。めんどくせぇのが一匹残ってやがる。

「みんなも動くな。ちょっとやっかいなのが残ってるからよ」

 ティアとエクスは虚空を睨んでいる。
 俺も気配は分れど場所までは分かってなかったのでこの二人はやはりすごい。

「ほう……気配を殺していたつもりだったんですがね」

 そんな声がどこからともなく響き、一同の上空の空間が歪む。

「ギャルン……!」

 空間の歪みから姿を現したのは真っ黒な姿に能面。六竜カオスリーヴァの分身体。

「お前が付いていながらなぜキララがあんな三下にやられちまったんだよ」

「おや、君がそんなふうに気にしていたと知ったら魔王様もお喜びでしょうね」

「……キララは生きてるのか?」

 ギャルンは能面の表面をつるりと一撫でし、「それを貴女に語る必要はありませんね」と、平坦な声を発した。

 どっちだ……? そもそもどんな卑怯な手を使われたとしてデルベロスみたいな野郎にキララがやられるだろうか?

「ただ、一つだけ教えておいてあげましょう。そこに居る初代勇者……」
「ん? 私?」

 急に話に自分の事が出てきたので不思議そうにティアがギャルンを見上げる。

 英傑達はギャルンに攻撃を仕掛けようとしていたが、それをエクスが制していた。
 それが正解だ。下手に手を出すと何をされるか分からない。
 このメンツが揃っていれば負けはしないだろうが、間違いなく死傷者が出る。

「初代勇者を蘇らせる方法をデルベロスに教えたのは……私ですよ」
「なんだと……?」

 デルベロスは確かに道具に頼った戦い方をするだけで、実力は大した事なかったし奴だけの力で大昔に死んだ人間をこの世に呼び戻す事が出来るとは思えなかった。

「そうか、お前が裏で糸を引いてたのか。そうなるとキララも……」
「想像力が豊かな事は褒めてあげましょう。ですが……私はあんな馬鹿をおだてて喜ぶ趣味はありません。むしろ死んでせいせいしていますよ」
「……何か企んでやがるな?」

 ギャルンの反応を見たくても表情は分からないし口調も平坦。こいつの魂の色を確認してもずっと灰色が揺らめいている。

「敵なのは分かってるんだけどー私を生き返らせてくれてありがとね。褒めてあげちゃうゾ♪」

 ティアが呑気な発言をしたせいかどうかは分からないが能面がズルリと少しだけズレた。
 それをゆっくり元の位置へ戻しながら、奴は笑った。

「くっくっく……私に礼を言うか。まぁいい、せいぜいかりそめの命を謳歌するがいい」
「むっ、なんかむかつく言い方だなーっ! これだけの人数に囲まれて勝てると思ってんのかー? おーん?」

 そんなティアの物怖じしない発現につい噴き出しそうになってしまった。

「どうするギャルン、これだけの人数相手にやるのか?」

「ふふ、冗談でしょう? 私は貴女とご息女が揃っているだけでも戦いたくないですよ。しかもそこの金色の男……そして勇者。さらには城の中に懐かしくも面倒な臭いがしますからね。私は今回あくまでも傍観者です。ここらでお暇させて頂きますよ」

 そう言うだけ言ってその姿が消えていく。

 緊張感の無いティアとネコとイリス以外の連中が一気に気が抜けたようにその場にへたり込んだ。
 さすが十二英傑ともなればギャルンのヤバさもしっかり分かっていたようだ。

「あ、そうそう。あいつに嫌がらせをするのを忘れていましたね」

 急に先ほどの空間から再び顔を出したギャルンに皆が驚いていると、何やらこちらに妙な粉をまき散らして帰っていった。

「あんの野郎何しに帰って来やがった……?」

 何事も無かったならそれでいいが、最後に振りまいてったアレはなんだ?

「ご、ごしゅじん……なんだか身体が……変ですぅ」
「うわ、なんだこれは!?」
「み、ミナト……これどうしよう?」

 ネコはぶっちゃけあまり変わらないからどうでもいい。
 でもアリアにキツネ耳と尻尾、レナに犬耳と尻尾はダメだろ破壊力がありすぎる。

 俺の理性が保っていられたのは、その場にいる獣人たちが何も変化が無かった事、そして英傑の野郎達までもがケモミミ生やして尻尾フサフサになってたせい……おかげである。

 ギャルンの奴何がしたかったんだ畜生め!
『心なしかちょっと嬉しそうなのなんで?』

 うるさい。俺はケモミミ尻尾が好きなんだよ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!

カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。 その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。 「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」 次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。 彼女は知っている。 このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。 未来を変えるため、アメリアは 冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。 これは、かつて守れなかった主人のための転生。 そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。 王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 挿絵はA I画像を使用 10/20 第一章完結 12/20 第二章完結 2/16 第三章完結 他サイト掲載 (小説家になろう、Caita)

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

処理中です...