★完結!★【転生はもう結構です!】崖から落とされ死んだ俺は生き返って復讐を誓うけど困ってるドラゴン助けたら女になって娘が出来ました。

monaka

文字の大きさ
282 / 476

第274話:うぇ~っなのじゃ~っ。

しおりを挟む

「ま、待って下さいシャイナさん! 彼女は神官ですよ!? サポート職とゴリゴリの前衛を戦わせるなんてどうかしている! さすがにこれは試験の範疇を越えています!」

 ルークが慌てて止めに入る。
 いいぞ、もっと言ってやれ。アルマが悪ふざけする前にこの話が流れてしまえば問題ない。

「黙れ。何も勝てるとは思っていない。彼女の資質を見るだけだ。補助魔法が使えるというのなら自分にかける事も可能だろうし、なにより後衛だからいつでも安全な場所で戦えると勘違いされても困る」

「し、しかし……!」

「何をぶつぶつ言ってらっしゃるんですの? 私はいつでも構いませんから早くかかっていらっしゃいまし」

 アルマが挑発するようにハロルドに人差し指を向け、自分の方にくいくいっと指を曲げて煽る。

「いい度胸じゃねぇか。嬢ちゃんがやる気なら何の問題もねぇよな? 死んでも恨むんじゃねぇぞ?」

 この状況で何も口を挟まない隊長もどうかと思うんだけど!?
 ジンバは真面目な顔で成り行きを見守るのみだった。

「いいから。口だけじゃない所を見せて下さいな」

「ふざけやがって……じゃあお望み通りにその可愛い顔をボコボコにしてやるよ!」

 大男の剛腕が振るわれ、アルマの顔面に直撃。

『あー知らない。私は知らないからね』
 俺だって知らないよ!

「あれぇ? 今もしかして何かしましたかぁ?」

 アルマは顔面に大きな拳を受けても全くノーダメージ。たぶんうっすら障壁張ってるんだとは思うけど……。
 わざとネコっぽい喋り方するあたり質が悪いな……。煽りまくってやがる。

「なっ……! なるほど、手加減は要らねぇって事だよ……なっ!」

 いつの間にか男の拳にはいかついメリケンサックみたいな物が装備されていた。
 武器をどこからか取り出したというよりは魔力によって作り出した、という方がしっくりくる。
 いかつい外見の割になかなか繊細な事が出来るじゃないか。

 ……まぁ、相手がアルマじゃどうしようもないけど。

「こんな物騒な物で乙女の顔面を殴ろうとするなんてイケナイ子ですわねぇ?」

「えっ、あ、なっ!?」

 ハロルド渾身のメリケンサックはアルマの指一本で受け止められていた。

 シャイナは目をこれでもかと大きく見開き、アルマから目を離せないでいた。

「どうしますぅ? これでもまだ頑張っちゃいますかぁ?」

 アルマが笑いながら更にハロルドを煽っていく。

「ふ、ふざけるなよ! 防御魔法がどれだけ凄かろうと攻撃が貧弱ならば俺は負けないっ!」

「ふふっ、いいですわ♪ どこまで我慢できるか試してあげますね」

 ぶぼっ!

 ハロルドの拳が、いや、腕が肘のあたりまで消し飛んだ。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

 この場に居る防衛隊の誰一人としてハロルドの身に起きた事を理解出来た奴はいないだろう。

 ただ単にアルマは指で受け止めたハロルドの拳を、デコピンをするように軽く弾いただけなのだ。

「う、腕がぁぁ……っ」

「どうします? 降参しますかぁ?」

「ふざけやがって……殺してやる、殺してやるぅぅ!!」

 やめとけばいいのに……。

「じゃあ次はもう一本の腕ですわ♪」

 ぴちゅん!

 アルマが目からビームを飛ばしてハロルドの残った左腕を蒸発させる。

「あがっ、あ、あぁぁぁ……」

 アルマはまるで大魔王みたいな笑みを浮かべて、のた打ち回るハロルドにゆっくりと歩みより、目の前にしゃがみ込む。

「次は右足ですわよ♪」

 アルマがハロルドの足を掴んで乱暴に引き抜く。

 ズボンは一瞬で破れ、太ももの辺りからぶちぶちっと足が引っこ抜かれた。

「あ゛っ……」

 そこまでだった。ハロルドの意識はそこで途絶える。

 見ていた防衛隊員、団長のジルバ、そして副団長のシャイナ、その全てがくちをあんぐりと開けて一言も発する事が出来なかった。

「ねぇそこの貴女」

「ひ、ひゃいっ!?」

 アルマがシャイナに呼びかける。

「貴女がこの試験の完了の合図をしませんと彼はこのまま死にますよ? いいんですか? 殺しても」

「ま、待て! よく分かった。君の実力はよく分かったから!」

「じゃあ私は合格かしら?」

 シャイナが無言で首を何度も縦に振った。

「判断がもう少し遅ければこの男は死んでいましたわよ? 上に立つ立場ならば臨機応変に最適な判断をすべきですわ」

 そんな苦言をシャイナにぶつけながら、アルマはハロルドの身体を修復してみせる。

 飛び散った血液もずるずるとハロルドの身体に戻っていき、欠損した手足の断面が脈を打ち肉が再生していく。

 それを見ていた者は息をのみ、或いは目を逸らす。

 ラムには刺激が強かったらしく「うぇ~っなのじゃ~っ」とわめいていた。
 そんな時までのじゃをつけるあたりとても可愛い。のじゃろりの鏡みたいな子である。

「は、ハロルドは……無事、なのだろうか……?」

「見て分かりませんの? 元に戻してあげましたので問題ありませんわ」

「そ、そうか……防御、攻撃、回復……その全てにおいて貴女はその実力を示した。貴女達の事を疑って、すまなかった」

 深々と頭を下げてアルマに謝罪をしているが、これではアルマと愉快な仲間達になっちまう。
 それどころか馬鹿ネコと愉快な仲間達扱いされたらまずい!

「何言ってんの? 俺の試験がまだ残ってるよね? 確かシャイナ副隊長様が相手してくれるんだったよな?」

「い、いや……貴女達の実力はもう分かりました……」

「でも俺の実力は知らないよね? ね? 自分の目で見たものしか信じないって言ってたよね? そうだよね!?」

 ぐいぐいとシャイナに詰め寄る。

「ひっ、ひえぇぇ……」

「シャイナ、元はと言えば君が彼女らに対して酷い対応をしたのが悪いんだ。さぁ、骨は拾ってあげるから行ってきたまえ!」

 隊長が、どんっとシャイナの背中を押す。

「しっ、死ぬ……死んで、しまうっ!」

 あれ……なんか俺が悪いみたいな展開になってないかこれ……。

『完全に怯える女子をいびる虐めっ子の図よね。周りの防衛隊員みんな引いてるわ』

 ぐっ、こうなったら……思いっきり悪役を演じてやろうじゃないか!

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!

カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。 その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。 「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」 次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。 彼女は知っている。 このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。 未来を変えるため、アメリアは 冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。 これは、かつて守れなかった主人のための転生。 そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。 王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 挿絵はA I画像を使用 10/20 第一章完結 12/20 第二章完結 2/16 第三章完結 他サイト掲載 (小説家になろう、Caita)

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

処理中です...