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第373話:六竜マリウス。
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「お、美味しかった……とは?」
「なんだかキラキラしててこう、とっても気品溢れる珍味でしたーっ!」
ズデーン! と、いい音を立ててシルヴァが椅子から転げ落ちた。
「ま、マリウス……すまない。僕があんな所に放置したばっかりに……」
マリウスって竜はシルヴァにとっては結構重要な存在だったのかもしれない。
こいつがここまで誰かの生死で揺れるとは思わなかった。
「そもそもなんでドラゴンの核なんて食おうと思ったんだよお前……」
「は? いい匂いがしたからに決まってますけどー!?」
なんでキレてんだよこいつ。
そう言えばネコもアルマの核食いやがったんだったな……。
ドラゴンの核ってのは美味そうな匂いがしてるもんなのか?
『……ちょっとそれは分からないわね』
それもそうか。普通自分たちの核の匂いなんか知らんだろうしなぁ。
「ちょっと大きかったから頬張るのが大変でしたけどとっても美味な飴でした♪」
「……飴? まさか君はマリウスの核を舐め溶かしたとでも? 有り得ん。下手な鉱石より余程頑丈なのだぞ」
リリィは不思議そうに首を捻って「ふにー?」とか言ってる。
かわい子ぶってんじゃねーぞこの野郎……!
「えっ、でも噛んでもびくともしなかったので……舐めてたら溶けて無くなっちゃいましたよー?」
「そんな馬鹿な事がある筈が……」
シルヴァは立ち上がり、椅子に座りなおして何かを必死に考えている。
口の中でマリウスの核が溶けてしまった原因を推測しているのだろうが、普通そんな事有り得ないだろ。
ネコのように丸呑みしたのならともかく、そういう訳じゃないみたいだし。
リリィの唾液が恐ろしい程の消化力を持っている……とか怖すぎるだろ。
溶解液吐き出すバケモンじゃないか。
「ちなみに、なのだが……君は特別な能力を持っていたりするのだろうか?」
「……?」
リリィはシルヴァの問いにハテナを浮かべてきょとんとしている。
「特に特殊な能力は無いのだろうか?」
「あっ、いえ……そうじゃなくてですねー。仮にそういうのがあったとしてもどうやったらわかるのかなーって」
……?
ん?
……え?
こいつ自分のステータス見た事ないのか?
「ラヴィアンの人はステータスの見方知らんのか?」
もしかしたらエルフたちのように見る事を禁止されていたとかそういう……?
「ステータス?? それが何か知りませんけど馬鹿にするのやめてくれますー? ミナトに馬鹿にされると腹立つんですけどー!」
いや、馬鹿にしてるというか見ないようにする文化もあるみたいだからそれを確認したかっただけなんだけど……。
「自分がどのような能力を所持しているかを確認する事が出来る方法だ。自分の能力を視たいと思いながらステータスと呟くだけでいい」
「やってみますーっ♪ えいっ、ステータス!」
ただ知らんかっただけらしい。やっぱりアホなのかもしれん。
「……ほえー、こんな物が見れたんですねー。そう言えばマァナがやってた気がしますー。てっきりそういう特別な魔法なのかと」
ああ、そういう事か。
確かリリィは完全に放置されて生きてきたんだったっけ。
こいつはこんな単純な事さえ、誰も教えてくれなかったんだ。
ちょっと可哀想な奴に思えてきたぞ。
「ちなみに名前や種族、レベルなどの他にスキルが見えているだろう? そこにどのような物があるのかを教えてほしい」
「えーっとですねー」
リリィが首を捻りながら目を細めて自分のスキルを読み上げていく。
「ふくつ? あと、じょーたいへんかむこう? それと……なにこれ? ようかいきゅーしゅー?」
不屈、状態変化無効はなんとなくわかるとして、妖怪吸収ってなんだ?
……いや、よく考えると全部微妙に分かんねぇな。
不屈ってのも効果がいまいちよく分からないし状態変化無効ってなんだ?
状態異常無効ならわかるけど……。
「その三つで間違いないかい?」
「はい、なんだか不思議ですねー? 全然意味が分からないですけど、これがわらわの能力って事ですー?」
自分の力を始めて知った時っていうのは嬉しくなるものだ。それは俺にも分る。
でも、よく分かんねぇのばっかだ。
「なぁシルヴァ、こいつのスキルの意味分かるか?」
「……ああ、分かるとも」
シルヴァは顎に手を当ててブツブツ小声で何かを呟き出し、それを見たリリィも心配になったのか俺の方を見てくる。
「シルヴァ様どうしてしまったんですかね……?」
「そんな事俺に聞かれてもな……」
「ちっ、使えないクズですねーへっぶし!」
俺はノータイムでリリィの後頭部をどつき、彼女はテーブルへと顔面から突っ込んだ。
つい我慢できなくなって手が出てしまった……。
「ひーんっ! いったーいですーっ!!」
しっかし頑丈だなこいつ……何回かに一回くらいは割と加減を忘れてぶっ叩いてる気がするけど痛い痛い騒ぐくらいで済んでるのが不思議でしょうがない。
「ふむ、やはりそういう事なのだろうな」
「考えが纏まったんなら俺にも分かるように説明してくれよ」
ブツブツ言っていたシルヴァがようやくこちらに向き直った。
「ふむ、つまりだな……あまり認めたくない事ではあるのだが……彼女がマリウスだ」
……は?
「なんだかキラキラしててこう、とっても気品溢れる珍味でしたーっ!」
ズデーン! と、いい音を立ててシルヴァが椅子から転げ落ちた。
「ま、マリウス……すまない。僕があんな所に放置したばっかりに……」
マリウスって竜はシルヴァにとっては結構重要な存在だったのかもしれない。
こいつがここまで誰かの生死で揺れるとは思わなかった。
「そもそもなんでドラゴンの核なんて食おうと思ったんだよお前……」
「は? いい匂いがしたからに決まってますけどー!?」
なんでキレてんだよこいつ。
そう言えばネコもアルマの核食いやがったんだったな……。
ドラゴンの核ってのは美味そうな匂いがしてるもんなのか?
『……ちょっとそれは分からないわね』
それもそうか。普通自分たちの核の匂いなんか知らんだろうしなぁ。
「ちょっと大きかったから頬張るのが大変でしたけどとっても美味な飴でした♪」
「……飴? まさか君はマリウスの核を舐め溶かしたとでも? 有り得ん。下手な鉱石より余程頑丈なのだぞ」
リリィは不思議そうに首を捻って「ふにー?」とか言ってる。
かわい子ぶってんじゃねーぞこの野郎……!
「えっ、でも噛んでもびくともしなかったので……舐めてたら溶けて無くなっちゃいましたよー?」
「そんな馬鹿な事がある筈が……」
シルヴァは立ち上がり、椅子に座りなおして何かを必死に考えている。
口の中でマリウスの核が溶けてしまった原因を推測しているのだろうが、普通そんな事有り得ないだろ。
ネコのように丸呑みしたのならともかく、そういう訳じゃないみたいだし。
リリィの唾液が恐ろしい程の消化力を持っている……とか怖すぎるだろ。
溶解液吐き出すバケモンじゃないか。
「ちなみに、なのだが……君は特別な能力を持っていたりするのだろうか?」
「……?」
リリィはシルヴァの問いにハテナを浮かべてきょとんとしている。
「特に特殊な能力は無いのだろうか?」
「あっ、いえ……そうじゃなくてですねー。仮にそういうのがあったとしてもどうやったらわかるのかなーって」
……?
ん?
……え?
こいつ自分のステータス見た事ないのか?
「ラヴィアンの人はステータスの見方知らんのか?」
もしかしたらエルフたちのように見る事を禁止されていたとかそういう……?
「ステータス?? それが何か知りませんけど馬鹿にするのやめてくれますー? ミナトに馬鹿にされると腹立つんですけどー!」
いや、馬鹿にしてるというか見ないようにする文化もあるみたいだからそれを確認したかっただけなんだけど……。
「自分がどのような能力を所持しているかを確認する事が出来る方法だ。自分の能力を視たいと思いながらステータスと呟くだけでいい」
「やってみますーっ♪ えいっ、ステータス!」
ただ知らんかっただけらしい。やっぱりアホなのかもしれん。
「……ほえー、こんな物が見れたんですねー。そう言えばマァナがやってた気がしますー。てっきりそういう特別な魔法なのかと」
ああ、そういう事か。
確かリリィは完全に放置されて生きてきたんだったっけ。
こいつはこんな単純な事さえ、誰も教えてくれなかったんだ。
ちょっと可哀想な奴に思えてきたぞ。
「ちなみに名前や種族、レベルなどの他にスキルが見えているだろう? そこにどのような物があるのかを教えてほしい」
「えーっとですねー」
リリィが首を捻りながら目を細めて自分のスキルを読み上げていく。
「ふくつ? あと、じょーたいへんかむこう? それと……なにこれ? ようかいきゅーしゅー?」
不屈、状態変化無効はなんとなくわかるとして、妖怪吸収ってなんだ?
……いや、よく考えると全部微妙に分かんねぇな。
不屈ってのも効果がいまいちよく分からないし状態変化無効ってなんだ?
状態異常無効ならわかるけど……。
「その三つで間違いないかい?」
「はい、なんだか不思議ですねー? 全然意味が分からないですけど、これがわらわの能力って事ですー?」
自分の力を始めて知った時っていうのは嬉しくなるものだ。それは俺にも分る。
でも、よく分かんねぇのばっかだ。
「なぁシルヴァ、こいつのスキルの意味分かるか?」
「……ああ、分かるとも」
シルヴァは顎に手を当ててブツブツ小声で何かを呟き出し、それを見たリリィも心配になったのか俺の方を見てくる。
「シルヴァ様どうしてしまったんですかね……?」
「そんな事俺に聞かれてもな……」
「ちっ、使えないクズですねーへっぶし!」
俺はノータイムでリリィの後頭部をどつき、彼女はテーブルへと顔面から突っ込んだ。
つい我慢できなくなって手が出てしまった……。
「ひーんっ! いったーいですーっ!!」
しっかし頑丈だなこいつ……何回かに一回くらいは割と加減を忘れてぶっ叩いてる気がするけど痛い痛い騒ぐくらいで済んでるのが不思議でしょうがない。
「ふむ、やはりそういう事なのだろうな」
「考えが纏まったんなら俺にも分かるように説明してくれよ」
ブツブツ言っていたシルヴァがようやくこちらに向き直った。
「ふむ、つまりだな……あまり認めたくない事ではあるのだが……彼女がマリウスだ」
……は?
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