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第375話:欲の塊。
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「でも待てよ。ネコはイヴリンの器だったから六竜を中に入れたって平気だったけどよ、普通の人間が六竜取り込んで無事で居られるもんなのか?」
『……馬鹿なの?』
あ?
なんだか急にママドラに罵倒された。
……あっ、そうか。
「君は自分を鏡で見てきた方がいいぞミナト。それにだ……マリウスはほぼ仮死状態。そこまで影響はないだろう」
シルヴァも呆れた様子で説明し、俺はリリィに「ばーか、ざーっこ!」と罵られる事になった。
よく考えてみればネコと俺とリリィは明確に状況が違う。
俺は完全にママドラと同化した為にいろいろ身体に不具合が出てしまったが、ネコの場合は瀕死のアルマを器の中に取り込む事で復活させ、いわば自分の中に住まわせている状態だ。
そして、このアホに関しては……仮死状態のマリウスを溶かして自分に取り込んだ。
だからシルヴァは言ったんだ。
リリィがマリウスだと。
「マリウスの自我が残っているのか、或いは二度と現れる事がないのか……それは分からないがね、彼女は完全に自分という存在の中にマリウスを混ぜてしまったんだ。だからミナトがイルヴァリースである以上に、彼女はマリウスなんだよ」
「いぇーい♪」
すかさずリリィが立ち上がり、ビシっとダブルピースで俺にマウントを取ってくる。
「どうでもいいけど椅子の上に立つのやめろ。毛布落ちてるぞ」
「むっ、そんなにわらわの裸が見たいんですかこのクズっ!」
……見たくないとは言わないしいい物を見れてるとは思ってるんだがとにかく腹立つなこいつ。
『君に彼女を怒る資格無いと思う……』
そんな事はどうでもいい。
「で、だ。こいつがマリウスだったとしたらどうなる? 何か役に立つとは思えないんだが?」
「はー? わらわが六竜の力持ったらたいしたもんですよ? やんのかー?」
ダメだこいつが挟まるとマジで話が進まん。
「シルヴァ、頼むからこいつは無用の役立たずだと認定してくれ。そしたら俺が遠くに捨ててくるから」
「そ、そんなっ!? シルヴァ様そんな事ありませんよねー? わらわ使えるいい子ですよねー?」
わざとらしい涙目で「およよよ」とか言いながらシルヴァに縋りつくリリィ。
彼は非常に迷惑そうに顔を歪めながら、深いため息をつく。
「……非常に、残念な事だが今この場にマリウスが居るか居ないかで今後の事態は大きく変わる事になるだろう」
「マジかよ……俺達の命運こんな奴にかかってるのか?」
「こんな奴とはなんですかこの無礼者めーっ! そもそも同盟会議にわらわを置いて行く事自体不敬なんですよーっ!」
こいつまだそんな事言ってるのか?
「分かった分かった。とりあえずお前が大人しくしないならこの場にマァナとジーナを今すぐ呼んで来るがそれでも同じ態度を取っていられるのか?」
「うぐっ、そ、それは……その……き、今日はこのくらいにしておいてやりますーっ! 命拾いしましたねーはーっはっはっはざーこざーっこ!」
『この子もしかして可愛いのでは……?』
おい馬鹿、こんな奴に篭絡されるな。しかも可愛いと思うタイミングどうかしてるぞ。
『なんていうのかしらね、こう微笑ましくなってくるというか……』
それ老人思考だから! こいつの事可愛い孫みたいに感じだしたらもう婆さん一直線だからな!?
『誰が年増ですって?』
突然ママドラの圧が膨れ上がる。
年増という言葉に対しかなり神経質になっているようだ。主に邪竜のせいだろうけど。
「結局シルヴァから見てこいつは使い物になりそうなのか?」
「……正直、とても困っている」
その一言が全てだった。
シルヴァはずっと眉をしかめっぱなしだし、なんとか出来るのなら出来ると言う奴だ。
それが言わないって事はかなり厳しい状態なわけで、逆に出来ないと断言しない所にも彼の苦悩が隠されている。
「……誰か六竜がついて力の使い方を指南すれば……或いは化けるかもしれない」
本当は言いたくないという感情がこちらにまで伝わってくる覇気の無さだった。
「そもそもこいつが吸収したマリウスは既に瀕死だった訳だろ? 力なんてほとんど残ってなかったんじゃないか?」
だったらそんなの取り込んだ所で意味がないのでは?
「それはそうだね。この先長い年月をかけて力を取り戻す事が出来れば復活の目もあったのだが……いや、過ぎた事を言っても仕方ないな」
シルヴァはなんとか自分の頭を切り替えるように、記憶の中のマリウスに別れを告げた……ように見えた。
「マリウスは仮死と言っても眠っているだけだ。身体を滅ぼされてしまって核だけになってしまえば当然のように弱る。力を蓄え、その時が来たら自ら肉体を再生させ、一気に復活まで持っていく必要があった」
「……つまり? そのマリウスを叩き起こそうにももう溶けてこいつに吸収されてんだろ?」
「それだ。それが問題なのだ。マリウスは完全に無力になった訳ではないし、あれからそれなりに時も経っている。力はある程度蓄えていると思っていいだろう。問題は、彼女がそれを取り込んでしまっているので起こそうにも荒療治をするしかないという事だ」
そこで初めてリリィが空気を察したのか戸惑い始める。
「あ、あれ……? これもしかしてわらわやっちまったやつですか?」
今更気付いても遅い。
「あーあ、お前がマリウス吸収なんてするもんだからこれから地獄の特訓が待ってるなぁ。せいぜい頑張ってくれよ?」
「ひっ、嫌です嫌ですーっ! わらわはもっと楽して安全快適悠々自適に美味しい物たべて生きていきたいのーっ!」
『やはりこの子かわ』
黙れそれ以上言うな。
「でも安心しろよ。六竜の力の使い方はきっとお前の大好きなシルヴァが手取り足取り教えてくれるぜ? 二人きりで秘密レッスンだな、頑張れよ」
「えっ、それなら全然やりますけどーっ!?」
再び「ふんすっ!」と椅子の上に立ち上がり「おーっほっほ! わらわの時代がきたーっ!」とかアホが騒ぎ出す。
地獄の特訓、よりもシルヴァと二人きりの秘密レッスンという言葉の魔力が勝ったらしい。
本当に、人の欲って物をこねて固めたような女だった。
『……馬鹿なの?』
あ?
なんだか急にママドラに罵倒された。
……あっ、そうか。
「君は自分を鏡で見てきた方がいいぞミナト。それにだ……マリウスはほぼ仮死状態。そこまで影響はないだろう」
シルヴァも呆れた様子で説明し、俺はリリィに「ばーか、ざーっこ!」と罵られる事になった。
よく考えてみればネコと俺とリリィは明確に状況が違う。
俺は完全にママドラと同化した為にいろいろ身体に不具合が出てしまったが、ネコの場合は瀕死のアルマを器の中に取り込む事で復活させ、いわば自分の中に住まわせている状態だ。
そして、このアホに関しては……仮死状態のマリウスを溶かして自分に取り込んだ。
だからシルヴァは言ったんだ。
リリィがマリウスだと。
「マリウスの自我が残っているのか、或いは二度と現れる事がないのか……それは分からないがね、彼女は完全に自分という存在の中にマリウスを混ぜてしまったんだ。だからミナトがイルヴァリースである以上に、彼女はマリウスなんだよ」
「いぇーい♪」
すかさずリリィが立ち上がり、ビシっとダブルピースで俺にマウントを取ってくる。
「どうでもいいけど椅子の上に立つのやめろ。毛布落ちてるぞ」
「むっ、そんなにわらわの裸が見たいんですかこのクズっ!」
……見たくないとは言わないしいい物を見れてるとは思ってるんだがとにかく腹立つなこいつ。
『君に彼女を怒る資格無いと思う……』
そんな事はどうでもいい。
「で、だ。こいつがマリウスだったとしたらどうなる? 何か役に立つとは思えないんだが?」
「はー? わらわが六竜の力持ったらたいしたもんですよ? やんのかー?」
ダメだこいつが挟まるとマジで話が進まん。
「シルヴァ、頼むからこいつは無用の役立たずだと認定してくれ。そしたら俺が遠くに捨ててくるから」
「そ、そんなっ!? シルヴァ様そんな事ありませんよねー? わらわ使えるいい子ですよねー?」
わざとらしい涙目で「およよよ」とか言いながらシルヴァに縋りつくリリィ。
彼は非常に迷惑そうに顔を歪めながら、深いため息をつく。
「……非常に、残念な事だが今この場にマリウスが居るか居ないかで今後の事態は大きく変わる事になるだろう」
「マジかよ……俺達の命運こんな奴にかかってるのか?」
「こんな奴とはなんですかこの無礼者めーっ! そもそも同盟会議にわらわを置いて行く事自体不敬なんですよーっ!」
こいつまだそんな事言ってるのか?
「分かった分かった。とりあえずお前が大人しくしないならこの場にマァナとジーナを今すぐ呼んで来るがそれでも同じ態度を取っていられるのか?」
「うぐっ、そ、それは……その……き、今日はこのくらいにしておいてやりますーっ! 命拾いしましたねーはーっはっはっはざーこざーっこ!」
『この子もしかして可愛いのでは……?』
おい馬鹿、こんな奴に篭絡されるな。しかも可愛いと思うタイミングどうかしてるぞ。
『なんていうのかしらね、こう微笑ましくなってくるというか……』
それ老人思考だから! こいつの事可愛い孫みたいに感じだしたらもう婆さん一直線だからな!?
『誰が年増ですって?』
突然ママドラの圧が膨れ上がる。
年増という言葉に対しかなり神経質になっているようだ。主に邪竜のせいだろうけど。
「結局シルヴァから見てこいつは使い物になりそうなのか?」
「……正直、とても困っている」
その一言が全てだった。
シルヴァはずっと眉をしかめっぱなしだし、なんとか出来るのなら出来ると言う奴だ。
それが言わないって事はかなり厳しい状態なわけで、逆に出来ないと断言しない所にも彼の苦悩が隠されている。
「……誰か六竜がついて力の使い方を指南すれば……或いは化けるかもしれない」
本当は言いたくないという感情がこちらにまで伝わってくる覇気の無さだった。
「そもそもこいつが吸収したマリウスは既に瀕死だった訳だろ? 力なんてほとんど残ってなかったんじゃないか?」
だったらそんなの取り込んだ所で意味がないのでは?
「それはそうだね。この先長い年月をかけて力を取り戻す事が出来れば復活の目もあったのだが……いや、過ぎた事を言っても仕方ないな」
シルヴァはなんとか自分の頭を切り替えるように、記憶の中のマリウスに別れを告げた……ように見えた。
「マリウスは仮死と言っても眠っているだけだ。身体を滅ぼされてしまって核だけになってしまえば当然のように弱る。力を蓄え、その時が来たら自ら肉体を再生させ、一気に復活まで持っていく必要があった」
「……つまり? そのマリウスを叩き起こそうにももう溶けてこいつに吸収されてんだろ?」
「それだ。それが問題なのだ。マリウスは完全に無力になった訳ではないし、あれからそれなりに時も経っている。力はある程度蓄えていると思っていいだろう。問題は、彼女がそれを取り込んでしまっているので起こそうにも荒療治をするしかないという事だ」
そこで初めてリリィが空気を察したのか戸惑い始める。
「あ、あれ……? これもしかしてわらわやっちまったやつですか?」
今更気付いても遅い。
「あーあ、お前がマリウス吸収なんてするもんだからこれから地獄の特訓が待ってるなぁ。せいぜい頑張ってくれよ?」
「ひっ、嫌です嫌ですーっ! わらわはもっと楽して安全快適悠々自適に美味しい物たべて生きていきたいのーっ!」
『やはりこの子かわ』
黙れそれ以上言うな。
「でも安心しろよ。六竜の力の使い方はきっとお前の大好きなシルヴァが手取り足取り教えてくれるぜ? 二人きりで秘密レッスンだな、頑張れよ」
「えっ、それなら全然やりますけどーっ!?」
再び「ふんすっ!」と椅子の上に立ち上がり「おーっほっほ! わらわの時代がきたーっ!」とかアホが騒ぎ出す。
地獄の特訓、よりもシルヴァと二人きりの秘密レッスンという言葉の魔力が勝ったらしい。
本当に、人の欲って物をこねて固めたような女だった。
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