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第3章 アデレードの挑戦
第58話 ホテル開業!
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カールが王都であれやこれやと忙しくしている頃、アデレードも家の改装を進めていた。
一階北側の改築に入り口に加え、カウンターを設置することに決め、そこも工事してもらっていた。
テッドに頼んでいた絵も何回かの相談を経て、何枚かは出来上がっていた。その内の一枚を談話室に飾る。その絵は、晴れた日の花が咲き乱れる草原から見上げた夏の山々を描いたものだ。プロの画家に比べれば、技量は稚拙なものだが、この地への愛情と絵を描くことへの情熱が溢れている。
机と椅子、何も置いていない飾り棚、それに暖炉があるだけだった空間に色彩が加わると一気に、華やいだ雰囲気になる。
「うん、とっても素敵。この調子で描き上げてね、テッド」
部屋に飾られた自分の絵を見て、テッドは誇らしさと恥ずかしさが混じったような表情で頷く。丹精込めて描いた絵がこうして実際に壁に掛けられると、やはり嬉しいようだ。
「はい。でも、まだまだです。もっと上手く描けるようになりたい」
「えぇ。頑張ってね」
自分の描いた絵を真っ直ぐ見つめながら、決意を固めるテッドにアデレードが優しく励ます。
この春と初夏の間に、家具の方も順調に出来上がってきており、部屋や食堂はいつでも使える状態になりつつある。
「そうだ、お嬢さん。どうせなら庭にハーブや綺麗なお花でも植えてみませんか?」
「ハーブ? お花?」
メグの唐突な提案に、アデレードは目を瞬かせる。
「宿のお客さんが楽しんでもらえるように、幾つか植えてみては、と思ってて」
アデレードの邸宅は屋敷を囲むように庭があるが、今はだだっ広い空き地になっているだけで、雑草を刈り取る以外に世話らしい世話はしていない。それなら、何か植えるもの良いかもしれない。
「いきなりたくさん植えるのは大変だけど、少しずつなら始めてみても良いかもしれないわね」
「はい! ぜひやりましょう」
メグが嬉しそうに瞳を輝かせる。後日、村の人から苗や種を分けてもらい、建物の裏手の一角にまずは小さなハーブ用の菜園を造ることにした。煉瓦を地面に並べて区切り、その中をクリスが掘り起こして、アデレードとメグがそこにもらった苗や種を植えていく。そして家の周りも花の種を植えた。
「大きくなるのが楽しみね」
作業を終えて、アデレードが手を土塗れにしながら、満足げに呟いた。
ホテルは日に日に形になって来ている。
そして、リーフェンシュタール領に遅い夏が来た頃、改装も済んで、テッドに描いてもらったホテルの木の看板を建物正面の庭の入り口に打ち込む。
ホテルの名は、「山と森のホテル」。シンプルな名前だが、アデレードにはこれがぴったりだと思った。
「うん、これで完璧ですわ!」
「はい。いよいよですね」
「まぁ、人が来るかは別の問題ですけれど」
アデレードはメグとクリスと一緒に建物を眺めながら、満足しながらも苦笑いする。
ここに人が泊まりに来てくれるかは、まだ未知数なのだから。でも、これからまた、新しい人生が始まる。この地で。メグやクリスや村のみんなと…・・それに伯爵もいらっしゃる。
「どうなるかしら……何だかわくわくしてきたわ」
一階北側の改築に入り口に加え、カウンターを設置することに決め、そこも工事してもらっていた。
テッドに頼んでいた絵も何回かの相談を経て、何枚かは出来上がっていた。その内の一枚を談話室に飾る。その絵は、晴れた日の花が咲き乱れる草原から見上げた夏の山々を描いたものだ。プロの画家に比べれば、技量は稚拙なものだが、この地への愛情と絵を描くことへの情熱が溢れている。
机と椅子、何も置いていない飾り棚、それに暖炉があるだけだった空間に色彩が加わると一気に、華やいだ雰囲気になる。
「うん、とっても素敵。この調子で描き上げてね、テッド」
部屋に飾られた自分の絵を見て、テッドは誇らしさと恥ずかしさが混じったような表情で頷く。丹精込めて描いた絵がこうして実際に壁に掛けられると、やはり嬉しいようだ。
「はい。でも、まだまだです。もっと上手く描けるようになりたい」
「えぇ。頑張ってね」
自分の描いた絵を真っ直ぐ見つめながら、決意を固めるテッドにアデレードが優しく励ます。
この春と初夏の間に、家具の方も順調に出来上がってきており、部屋や食堂はいつでも使える状態になりつつある。
「そうだ、お嬢さん。どうせなら庭にハーブや綺麗なお花でも植えてみませんか?」
「ハーブ? お花?」
メグの唐突な提案に、アデレードは目を瞬かせる。
「宿のお客さんが楽しんでもらえるように、幾つか植えてみては、と思ってて」
アデレードの邸宅は屋敷を囲むように庭があるが、今はだだっ広い空き地になっているだけで、雑草を刈り取る以外に世話らしい世話はしていない。それなら、何か植えるもの良いかもしれない。
「いきなりたくさん植えるのは大変だけど、少しずつなら始めてみても良いかもしれないわね」
「はい! ぜひやりましょう」
メグが嬉しそうに瞳を輝かせる。後日、村の人から苗や種を分けてもらい、建物の裏手の一角にまずは小さなハーブ用の菜園を造ることにした。煉瓦を地面に並べて区切り、その中をクリスが掘り起こして、アデレードとメグがそこにもらった苗や種を植えていく。そして家の周りも花の種を植えた。
「大きくなるのが楽しみね」
作業を終えて、アデレードが手を土塗れにしながら、満足げに呟いた。
ホテルは日に日に形になって来ている。
そして、リーフェンシュタール領に遅い夏が来た頃、改装も済んで、テッドに描いてもらったホテルの木の看板を建物正面の庭の入り口に打ち込む。
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「うん、これで完璧ですわ!」
「はい。いよいよですね」
「まぁ、人が来るかは別の問題ですけれど」
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ここに人が泊まりに来てくれるかは、まだ未知数なのだから。でも、これからまた、新しい人生が始まる。この地で。メグやクリスや村のみんなと…・・それに伯爵もいらっしゃる。
「どうなるかしら……何だかわくわくしてきたわ」
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