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一章 森の中の小さな村
15話
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まだ深夜なのに押し掛けてきた神官の服を着たおじさん。
どうやら、何かがあったみたいなんだけど──
「実はつい先ほど、女神様から御神託を授かったのです。『もうじきムト青年が目覚めます。時間がないゆえ、急ぎムト青年を私の元へ連れてきて下さい』……と」
女神様関係だった!
しかも、僕を指名して……!?
「また女神様!? ぼ……俺に、何があると言うんだろう……?」
「!? また、ですと!? ……もしやムト様は、女神様の使徒様でいらっしゃいますか?」
「いえ! そんな、恐れ多いですよ!」
不用意に「また」とか言うべきじゃなかったなぁ……
ここは教会なんだから、気を付けないと……!
「ふむ……そのご様子ですと、使徒様では無いようではありますが……女神様が直々にお呼びと言うことであれば、我々はムト様と呼ばせていただきますぞ」
「……分かり、ました……」
ここは大きい教会だから、変に言い返さない方がいい……はず!
女神様を敬わない者として、処罰とかされたら大変だからなぁ……
「ではムト様、早速ですが女神様の元へお連れしてもよろしいですかな?」
「寝起きなんですが、こんな格好でいいんでしょうか……?」
防具のコートを外した、気を抜いてる服装なんだけど……
「服装などは問題ございません! 女神様は時間がないとも申しておりましたので」
「分かりました。道案内お願いします!」
何が起こっているのかは分からないけど、なんだか嫌な感じがする……
まずは女神様の所へ急がなくちゃ!
神官服のおじさんに案内されて教会内を小走りで移動していると、明るいときに見かけた一番大きな部屋に向かっていることに気付いた。
そういえば、ここに来たのは回復魔法覚えるためだけだったから……
……女神様の像にお祈りとかしてないや……
も、もしかして……その件で怒られるとか……?
「ムト様、こちらの部屋の最奥に女神様の像がございます……が、どうかなさいましたか? 顔色が優れぬようですが……」
「いえ、その……実は俺、昨日こちらに着いた時に女神様にお祈りをしてなくてですね……もしかして、お怒りなのではないかと……」
「……」
おじさんが黙り込んじゃったよ……
しかもなんかプルプル震えてる!
やっぱり高位の神官の服を着てるような人だし、女神様を敬わない事に怒ってるのかも……!
「ぷふっ……」
「えっ……?」
あれ……笑われてる……!?
「これは失敬! まさか、女神様にお叱りを受けることを心配して顔色を悪くされているなどと、夢にも思わず……!」
「いやいや、女神様に怒られるなんて怖くないですか!? 本当のところ、呼び出される事に思い当たるのがそれしかなくて……」
「ぶふっ……! ムト様は、とても純粋でいらっしゃいますな!」
「笑い事ではないですよ……!」
なんか、おじさんが僕を見る目が……子供を見る親のようなものに変わってるような……
どうやら、何かがあったみたいなんだけど──
「実はつい先ほど、女神様から御神託を授かったのです。『もうじきムト青年が目覚めます。時間がないゆえ、急ぎムト青年を私の元へ連れてきて下さい』……と」
女神様関係だった!
しかも、僕を指名して……!?
「また女神様!? ぼ……俺に、何があると言うんだろう……?」
「!? また、ですと!? ……もしやムト様は、女神様の使徒様でいらっしゃいますか?」
「いえ! そんな、恐れ多いですよ!」
不用意に「また」とか言うべきじゃなかったなぁ……
ここは教会なんだから、気を付けないと……!
「ふむ……そのご様子ですと、使徒様では無いようではありますが……女神様が直々にお呼びと言うことであれば、我々はムト様と呼ばせていただきますぞ」
「……分かり、ました……」
ここは大きい教会だから、変に言い返さない方がいい……はず!
女神様を敬わない者として、処罰とかされたら大変だからなぁ……
「ではムト様、早速ですが女神様の元へお連れしてもよろしいですかな?」
「寝起きなんですが、こんな格好でいいんでしょうか……?」
防具のコートを外した、気を抜いてる服装なんだけど……
「服装などは問題ございません! 女神様は時間がないとも申しておりましたので」
「分かりました。道案内お願いします!」
何が起こっているのかは分からないけど、なんだか嫌な感じがする……
まずは女神様の所へ急がなくちゃ!
神官服のおじさんに案内されて教会内を小走りで移動していると、明るいときに見かけた一番大きな部屋に向かっていることに気付いた。
そういえば、ここに来たのは回復魔法覚えるためだけだったから……
……女神様の像にお祈りとかしてないや……
も、もしかして……その件で怒られるとか……?
「ムト様、こちらの部屋の最奥に女神様の像がございます……が、どうかなさいましたか? 顔色が優れぬようですが……」
「いえ、その……実は俺、昨日こちらに着いた時に女神様にお祈りをしてなくてですね……もしかして、お怒りなのではないかと……」
「……」
おじさんが黙り込んじゃったよ……
しかもなんかプルプル震えてる!
やっぱり高位の神官の服を着てるような人だし、女神様を敬わない事に怒ってるのかも……!
「ぷふっ……」
「えっ……?」
あれ……笑われてる……!?
「これは失敬! まさか、女神様にお叱りを受けることを心配して顔色を悪くされているなどと、夢にも思わず……!」
「いやいや、女神様に怒られるなんて怖くないですか!? 本当のところ、呼び出される事に思い当たるのがそれしかなくて……」
「ぶふっ……! ムト様は、とても純粋でいらっしゃいますな!」
「笑い事ではないですよ……!」
なんか、おじさんが僕を見る目が……子供を見る親のようなものに変わってるような……
応援ありがとうございます!
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rikuさん、こちらでも感想ありがとうございます!
無理のないようにマイペースでやっていきたいとは思ってます!
流石に毎日は見ないですが、夢で見たことが現実でも役に立ったことがあるので……
今回はそこからイメージがわいた作品になります!
今後もよろしくお願いしますね!
m(_ _)m