Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

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転生〜統治(仮題)

束の間の再会

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数日後、オレ達は両親との再会を果たした。意外と近くにいたんだな・・・。

「お父様、お母様、ご無沙汰しております。」
「久しぶり、母さん、父さん。」
「久しぶりね、ルーク、ティナ。」
「おう、2人共元気そうだな。」

まだ1ヶ月程度しか離れていなかったので、お互いに変わった所は見られない。怪我等も無かった様子なので良かった。

「再開を喜びたい所だけど、あまり時間が無いから本題に入るわね。」
「いや、その前に・・・こちらのファーニスの冒険者ギルドマスターであるナディアさんとも、婚約する事になった。」
「あぁ、ごめんなさい、ルーク。『魔道姫』と『異端の闘士』には、先に説明しておいたから気をつかわなくて大丈夫よ。」
「え?そうなんだ。ありがとう、ナディア。」

『魔道姫』に『異端の闘士』?それが両親の二つ名なんだろうか。名は体を表すと言うが、名付けた人は、きちんと見ていたという事・・・いや、見たまんまか。

「どういたしまして。一応義理の両親になる人達だし、自己紹介は必要だもの。顔見知りだったけどね・・・。」
「それはギルドマスターなんだし、当然だろうね。」

苦笑するナディアに、オレも苦笑で返す。

「悪いけど、あまり時間は無いのよ。私達がここに長時間滞在すると、貴方達の居場所に気付かれる可能性があるわ。人の口に戸は建てられないの。」
「そうなんだ。まぁ、オレには詳しい事がわからないけど、母さんの指示に従うよ。」
「ありがとう。それじゃあ早速だけどルーク、あなたは学校に行きなさい。」
「は?学校?何しに?」

学校なんか行って何するのさ?女子高生でも見て来ればいいの?

「何しにって・・・言い方が悪かったのかしら。ルーク、貴方は学校に通いなさい。」
「は?通うの?そもそも、学校って何の?」
「一般常識や魔法、格闘技術・・・まぁ、ありとあらゆる事柄を学ぶ所かしら。」
「どうして急に?」
「これは主に、ティナとナディアの為かしらね。詳しい内容や意図はナディアから聞いて頂戴。時間が無いから私達はもう行くけど、入学に必要な手続きは全て私がしておいたわ。」
「あ~、誰も言わないだろうから一言だけ。ルーク、俺達の事は気にしなくていい。実力を隠すかどうかはお前次第だ。自分の好きなようにしろ。」

理解が追い付かないが、ニヤリと笑った父から自重しなくて良い言質は受け取った。

「え?・・・なんかわからないけど、そうするよ。」
「それじゃあ、またね。」
「ティナ、ルーク、またな!ギルドマスター、悪いけど2人の事を頼んだよ。」
「「「はい。」」」

こうして両親はオレ達とハグして慌ただしく出て行った。突然学校に通えって言われても、今更感が半端ないんだよな。とりあえず意味がわからないから、ナディアに説明してもらおう。

「ナディア、説明してもらえるかなぁ?」
「えぇ。とは言っても、何処から説明したものか・・・。」
「じゃあオレが行く学校について、かな?何を学ぶ場所なのかもわからないし。」
「そう・・・ね。まず、ルークが通うのは『シリウス国際学園』という学校ね。学校は世界各国にもあるんだけど、ここは他とは違って、世界政府直下・・・つまり各国の共同経営する学校になるわ。」
「世界各国の共同経営?自国にも学校があるのに?」
「ここはちょっと特別でね。世界各国の王族や有力貴族が通っているの。あとは高ランク冒険者や大商人の子息もいるかな。何で?って思うかもしれないけど、権力者っていうのは自国程敵が多いのよ。そういった危険から身を守る為に、国外に避難する意味合いもあるわ。」

まぁ、戦争よりも権力争いの方が危険そうだし、それは何となく理解出来る。

「あとは、出会いの場にもなるし、他国の有力者と親交を深める事も出来る。下手に手を出すと国際問題になるから、うかつに手出し出来ないって構図になるかな。で、高ランク冒険者の子供っていうのは将来に期待されてるから、自分の名を売るチャンスにもなる。権力者としても、その子供と親しくなれば、親もセットでついてくる可能性が高い。学園で問題が起きたら高ランク冒険者が出て来るから、この点でも下手に手出し出来ない。言ってみれば、win-winの関係ね。」

なるほどね。オレが通う学校に関しては理解した。建前は学校、本音は保護施設みたいなものか。

「教えるのは・・・経済とか法律、魔法に格闘、あとは魔道具かしら?まぁ、他の学校よりも数歩踏み込んだ内容と言われているみたいね。」
「良くわかったよ。ありがとう。それで、オレがそこに行くと、どうして2人の為になるの?」
「詳しい理由は聞いてないけど、戦女神・・・カレン様は学校には干渉しない方針らしいのよ。つまり、ルークが学校に通っている間は、私達も安全だろうって予想らしいわ。で、その間に私達はレベルアップに励むって作戦。」
「それって・・・方針を変えられたら終了だよね?」
「そうね。けど、それは心配無いそうよ。・・・理由は聞いてないけど。」

確実な作戦では無いのだろう。だが、他に有効な手段も無さそうだし、ここは言われた通りに学園に通っておこう。

「まぁ、母さん達にも考えがあるって事でしょ。所で、入学って春なんじゃないの?」
「どうして?」
「え?いや、何となく?」
「どうして疑問形なのよ?」

ナディアに訝しげな目で見られた。まぁ、地球でも国によっては入学の季節が違うし、こっちの世界も違う季節って事だろうか?

「入学は夏よ。地域によっては、雪が降ると移動もままならないから。春になってから移動すると、到着が夏頃になっちゃうでしょ?だからよ。」

なるほど!飛行機や車が無い世界だもんな。移動に数ヶ月掛かるのも珍しくない。あれ?オレ達も数ヶ月掛かるのかな?

「オレ達も数ヶ月移動するの?」
「何も無ければ、最短で2か月弱かしら?ただ、その場合は帝国を抜ける事になるのよね。」
「帝国?問題でもあるの?」

ナディアが凄く、物凄く嫌そうな顔をしている。帝国って響きからして、おそらく碌でもない事だろう。

「出来れば避けたい国なのよ。私達をどうにか出来るとは思わないけど・・・足止めを食うのは確実よ。そうなると追い付かれる、かもしれないでしょ?」
「?足止めって何で?」
「そう、知らないのね・・・。あの国は、人間至上主義で奴隷推奨国家なのよ。」

奴隷かよ。オレの一番嫌いな制度だな。
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