Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

文字の大きさ
22 / 258
転生〜統治(仮題)

2人の覚悟

しおりを挟む
話し合いの結果、カイル王国を出た後は、オレだけ別行動を取る事となった。帝国の広大な領土を直前で迂回する場合、時間が掛かり過ぎると指摘された為である。つまりオレは、道中をのんびり出来る。どうせなら、さっさと出発しても良かったのだが、ナディアを待つ間にやらなければならない事がある。

元々の予定では食材の仕入れであったが、オレが別行動という事は、ティナとナディアの料理を作る者がいない。3ヶ月間もの長期に渡り、『焼いた肉』一択ではあんまりだと思ったからだ。アイテムボックスに入れておけば、調理済みであろうが時間は止まったまま。つまり、今のうちに2人が消費する分を調理して渡してしまえば良い。食事以外で心配する事は無い。正確には、1人1つずつ心配事がある。

ティナは食事量、ナディアは騒動。どちらも問題が起きない事を祈るばかりである。

話を戻すが、2人での移動期間は最長でも3か月を見ている。1日3食×90日。こちらがナディアの分。ティナの分は・・・おそらく10倍の900食。調子が良いと1食20人前は余裕なので、もう想像もつかない。っていうか、調子が良いとって何だ?

そんな訳で、今はベッドの上でメニューを考えている。食材の買い出しと保存用の食器は明日買うとして、問題はナディア用のアイテムボックスである。オレやティナが持っている容量の物は、家族分しか作っていない。あとは・・・試作品の容量が小さい物が、何個かあった気がする。それを全部渡してしまえば良いだろう。マトリョーシカみたいなイメージで使ってもらえれば、オレのアイテムボックスより入るかもしれない。出し入れが面倒になるかもしれないけど。

そんな事を考えていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。

「ルーク?だ、大事な話があるんだけど、ちょっといい?」
「どうぞ。」

ナディアだけかと思ったが、ティナも一緒に入って来た。表情が硬い気もするが、夜も遅いから眠いだけだろう。と思ったが、ティナもナディアも黙り込んだままだ。時間も勿体ないし、オレから聞くしかないかな。

「どうしたの?話があるんでしょ?」
「そ、そうよ・・・うぅ。」
ナディアは顔を真っ赤にして俯いてしまった。一体何だろうね?

「ナディア、照れていないで早くお伝えしませんか?」
「そ、そそそ、そんな事言われても・・・私には無理よぉぉぉ!ティナが言って!!」
「仕方ありませんね。・・・・・・・・・・。」

ティナさんや、貴女もどうかしましたか?顔が赤いですよ・・・ってこんな恥ずかしそうなティナは初めて見た。

「ティナ?」
「はい。・・・すぅ、はぁ。すみませんでした。私達から、大切なお話があります。」

まだ若干顔が赤いが、ティナの表情は真剣だ。オレも姿勢を正す。

「これから私達は別行動となります。」
「そうだね。」
「そして、ルークは沢山の人と出会う事でしょう。」
「そうかもしれないね。」
「ルークを誘惑する女性も数多くいるはずです。」
「それは・・・オレにはわからないかな。」
「そして、その誘惑に負ける時もあるかもしれません。」
「いや、ないでしょ。」

ティナが何を言いたいのか、オレには全く理解出来ない。誰か教えてくれ!!
そう思っていると、ナディアが復活したようだ。

「私達は、別にそれでも構わないと思っているのよ。」
「え?いや、オレが構うんだけど・・・。」
「別に私達がルーク以外の男とどうこうって事は絶対無いのよ?」
「良かったぁ。そうだと嬉しいよ。」

ナディアの言葉に安堵し、思わず笑顔になる。それを見たナディアは真っ赤になって固まってしまった。

「ナディア?大丈夫?」
「・・・・・・・・・・はっ!?(ルークの本当に嬉しそうな表情、物凄い破壊力だわ。思わず見惚れちゃったじゃない!)ゴホン!だ、大丈夫よ。」
「それで?一体何が言いたいの?」
「・・・もう、勢いで全部言い切った方がダメージは少なそうね。なら聞くけど、これまで見て来て、美人が多いと思わなかった?そして、女性が多いと思わなかった?」
「正直、それは思った。」
「世界の男女比なんだけどね・・・女性は男性の2倍以上なのよ。」

2倍以上!?そんな比率の世界だったの!?しかし驚いている暇は無い。ナディアの説明はまだまだ終わらないのだ。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

ハーレムキング

チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。  効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。  日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。    青年は今日も女の子を口説き回る。 「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」 「変な人!」 ※2025/6/6 完結。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

あの子を甘やかして幸せにスローライフする為の、はずれスキル7回の使い方

tea
ファンタジー
はずれスキル持ちなので、十八になったら田舎でスローライフしようと都落ちの日を心待ちにしていた。 しかし、何故かギルマスのゴリ押しで問答無用とばかりに女勇者のパーティーに組み込まれてしまった。 追放(解放)してもらうため、はずれスキルの無駄遣いをしながら過去に心の傷を負っていた女勇者を無責任に甘やかしていたら、女勇者から慕われ懐かれ、かえって放してもらえなくなってしまったのだが? どうなる俺の田舎でのスローライフ???

【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜

伽羅
ファンタジー
 事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。  しかも王子だって!?  けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。  助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。  以前、投稿していた作品を加筆修正しています。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

処理中です...