Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜

橘 霞月

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転生〜統治(仮題)

デザート

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小鳥の鳴き声によって目が覚める。オレの横には幸せそうに眠るティナとナディアの姿があった。寝る前に2人から、一緒にいる時は同じベッドで寝るように約束させられた。それだと毎日睡眠不足になりそうで不安になるが、こんなに幸せそうにされると嫌とは言えないな。

朝食を作る必要はあるが、まだ時間があるのでティナとナディアの寝顔を眺めさせてもらおう。この時間が永遠に続くのなら、この世界に来られて良かったと素直に思える。

「おはようございます。」
「おはよう、ティナ。ごめん、起こしちゃった?」
「いいえ、ルークのせいではありませんよ。」

寝起きのティナは初めて見たが、本当に可愛い。オレの理想の女性だ。頑張って大切にしないとね。

「ルーク、昨夜はその・・・本当に幸せでした。夢なのではないかと思ってしまいます。」
「夢なんかじゃないってば。絶対にティナの事を幸せにするからね。」
「ありがとうございます。本当に嬉しいです。ルーク、愛してます。」
「オレも愛してるよ、ティナ。」
「ちょっと2人共、私を除け者にしてズルイんじゃないの?」
「おはよう、ナディア。愛してるよ。」
「っ!?わ、私も愛してるわ、ルーク。」

顔を真っ赤にさせるナディアも可愛い。こんな表情を見られるのも今の内なんだろうな。しっかりと脳内に焼き付けておかないと。

「ナディアも起きたし、そろそろ朝食の支度を・・・」
「まだ大丈夫でしょ?もっとゆっくりしない?」
「いや、これ以上2人とくっついてると・・・その・・・。」
「ルーク、これからは思い切り愛して貰えるはずですよね?私は構いませんよ?」
「わ、私だって!むしろお願いしたい位よ!」

2人に迫られて、オレ如きが我慢出来るはずがなかった。その後は朝食を摂り、ナディアとティナを送り出してから旅の間の料理を作りまくる。
途中休憩を兼ねて買い出しに行き、戻っては調理するを繰り返した。今日1日で200人前はストック出来ただろうか?この調子ならティナに余裕を持って渡せそうだ。予定通りに行動出来なかったら可哀想だからね。

そろそろ晩御飯というタイミングで、ナディアとティナが帰って来た。

「ただいま戻りました。」
「ただいま。良い香りね。」
「おかえり。揃って帰宅とはすごい偶然だね?」
「いいえ、依頼達成の報告にギルドへ行きましたので、ナディアに声を掛けて一緒に戻って来たのですよ。」

成程。無理に依頼を受ける必要は無いと思っていたが、ナディアの頼みで高難易度の依頼は受ける事にしたらしい。危険を放置して国を離れたくないというナディアの気持ちは理解出来る。

とりあえず、食事しながら今日の出来事等を話していく。全員が大体を話終えた所で、ナディアがおかしな事を言い始めた。

「明日、3人で王宮へ向かうわよ。」
「王宮?何かあるの?」
「国王陛下に謁見するわ。」
「ぶーーーっ」
「ちょっと!私に向けて噴き出さないでくれる!?」

聞き慣れない内容に、飲んでいた果実水を吹いてしまった。自分でやっておいてアレだが、一応つっこんでおく。・・・コントかよ!

「ごめん、ナディア。で、何だって?」
「だから・・・ねぇ、ルーク?どうして果実水を口に含んだのかしら?」
「ん?(ゴクリ)いや、喉が乾いちゃって・・・。」
「わかり易い嘘をつくなぁぁぁ!全く・・・王宮で国王陛下に謁見するって言ったのよ。」
「謁見?ふーん、いってらっしゃ~い。」
「ルークも行くのよ。」
「なんですと!?何故オレが!?」

急に国王に謁見だなんて、心当たりが無さ過ぎる。ゴネたら無かった事にならないだろうか?

「言っておくけど、ゴネても無駄だからね?」
「エスパーかよ!?」
「何よそれ?」

通じなかった。こういう所が異世界なんだよな。いや、目の前にいる婚約者達を見るだけで実感するんですけどね。

「何でもないよ。それよりも、せっかく食後のお菓子も作ったんだけど、ナディアは食べないって「断っておくわ!」」

勝った。ナディアはスイーツに弱い。初日は時間が無かったのでクレープにしたが、驚きながらも幸せいっぱいという表情で食べていた。

「ありがとう。じゃあ持って来るね~。」
「くっ!負けた・・・ルークが作るお菓子が美味し過ぎるのがいけないのよ。」
「んんんふぇふふぁ?(いいんですか?)」
「・・・口の中いっぱいに詰め込みながら言われても、私にはわからないからね?」
「ほーふぇふふぁ?(そうですか?)」

「お待たせ。何だかリスみたいで可愛いよね。」
「う゛っ!!」
「あ・・・はい、水」
「ゴクゴクゴク。ふぅ・・・死ぬかと思いました。」
「ごめん。」

ティナが食べてる時は、出来る限り話し掛けないようにしよう。あれ?ゆっくり食べてもらえば済む話なんじゃ・・・。まぁいいや、とりあえず本日のデザートを配膳しよう。

「こちらが本日のデザート、イチゴのショートケーキでございます。」
「な、な、な、何よコレ!?食べ物なの?こんな綺麗なお菓子、見た事ないわよ!?」
「そうなの?まぁ、味は保証するから食べてみてよ。」
「そうね、じゃあ早速。・・・!!」

ショートケーキを口にした瞬間、カッ!っと目を見開いて固まった。ナディア、美人が台無しだからね?嫌いになったりしないけどさ。それよりも、一体いつまで固まってるの?

「な、ナディア?」
「う、う、う・・・」
「「う?」」
「うまぁぁぁぁい!!」

「「ズルッ!」」ティナと一緒に、思わずコケてしまった。ド○フかよ!?

「はぁ。ナディア、紛らわしいですよ?」
「仕方ないじゃない!こんな美味しい物、初めてなのよ!?」
「良かった。ちょっと心配しちゃったよ。」
「ごめんなさい。でも、逆に私も心配だわ。美味しい物を食べさせて、殺そうとしてるのかと思ったもの。」
「どうやったら美味しい物で死ぬんだよ・・・。」
「美味過ぎてショック死するんだわ。そうね、死因は美味死よ。」
「何だよ、美味死って!!上手い事言ったつもりなのかよ!?」
「ウマイ・・・ぷっ!」

ティナが笑いを堪えてる。・・・あ、美味いと上手いって事?・・・・・オヤジかよ!?

「そういうつもりで言ったんじゃ、って、あれだけの量をいつの間に!?」

ナディアがケーキを口にする瞬間、テーブルには10人前の料理が残っていたはず。魔法なの?オレの知らない魔法なの?

「デザートの為に本気を出しました。」
「本気出す所が違うよね?」
「おかわり!」
「ナディアも、無視なの!?」
「細かい事は気にしないものよ。それよりこの、ショートケーキ?ギルドの娘達にも食べさせてあげたいんだけど・・・。」
「別にいいけど、ナディアが旅の道中で食べる分が減るだ「ルークの愛が込められた料理は、私が責任を持って処理するわ!」・・・。」

いや、そこは我慢しようよ。ナディアを連れて行くんだし、ギルドの人達は大変になるだろうな。オレが直接おすそわけして来よう。

この後、食後のデザートを巡る戦いが繰り広げられ・・・ませんでした。充分な量を用意したから、取り合いにはならなかった。甘いものは別腹である。

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