226 / 258
フォレスタニア調査隊
ブランシェ家の秘密1
しおりを挟む
みんなに叱られ、すっかり大人しくなった学園長。お陰でこれ以上のトラブルも無く、王都の目の前まで辿り着く事が出来た。今は離れた場所で様子を伺っている状態である。
「こうして見ている限りですと、王都内に入る事は出来るようですね?」
「あぁ。それでも物々しいのはやっぱり・・・」
「例のゴブリンとコボルトでしょうね。」
王都への門を警備する人数があまりにも多いのは、魔物を警戒しているからだろう。そうオレ達は考えたのだが、1人険しい表情を浮かべている。
「どうかしたの、学園長?」
「うむ。どうにも腑に落ちんのじゃ。」
「「「?」」」
「招集されたという村人らしき姿が見当たらん。オマケに警備をしとる連中はガラの悪そうな者ばかりじゃ。」
「言われてみれば・・・」
「確かにそうね。」
え?まだ1キロ以上距離があるんですけど、みんなには顔が見えてるの?狩猟民族恐るべし。しかし、ガラが悪いのは問題なんだろうか?オレが言いたいのは、交易してる国なら問題かもしれないが、ほぼ鎖国状態の国なら構わないのではないか、という事である。
他国の者とトラブルになったらマズイだろうが、自国民ならば国際問題になる事はないのだから。
「いつもと違うのか?」
「少なくとも、数日前とは違うのじゃ。」
「あぁ、なるほどね。ルークとティナは、ほぼ交流が無いんだから問題無いと思ってるでしょ?」
「あぁ(はい)。」
「やっぱり。幾ら国外から訪れる者が少なくても、国内での移動があるでしょ?」
「いや、それは同族なら問題無いんじゃないのか?」
「それは・・・」
言葉に詰まるフィーナの様子を見るに、当たらずとも遠からずといった所だろうか。
「問題はそこでは無いのじゃ。村人を含め、実力者の姿が見えん。そしてガラの悪い連中というのは、軍事行動中に和を乱す可能性がある。」
「つまり村人を含めた軍隊が、今は王都にいないとおっしゃりたいのですね?」
「ティナの言う通りじゃ。」
なるほど。学園長は村人と軍の混成部隊が、ゴブリンとコボルトの討伐に向かったと考えているのか。いや、討伐と言うよりも防衛だろうな。
「学園長の言いたい事はわかった。でも冷たいようだが今回、オレ達の目的は魔物の討伐じゃない。」
「う~む・・・わかったのじゃ。」
「「・・・・・。」」
あえて口にはしなかったが、要請も無しに手を貸す事は出来ない。辺境の村であればすっとぼける事も出来るが、流石に王都で誤魔化すのは無理だろう。嫁さん達が賑やかに食卓を囲う状況で、冷蔵庫からプリンを取り出すようなもの。
約1名、絶対に見逃してくれそうにない者がいるよね?今回の場合、それが王族だという話。立場上、絶対に見逃すはずがないのだ。臣下に示しが付かないし、強かな者であれば賠償請求する事態も考えられる。
まぁ、嫁さん達の家族が危険なら助けに入るつもりだ。ティナもフィーナも、それがわかってるから何も言わないんだろうし。
「さて。ここで景色を眺めてても仕方ないし、そろそろ移動しないか?」
「そうですね。」
「このまま王都で情報収集するの?」
「いや、まずは学園長の故郷を目指そうと思う。」
「それは有り難いが・・・一体何故じゃ?」
「まず1つは、王都に留まると騒動に巻き込まれる可能性が高いという事。」
「高いっていうか、確実に巻き込まれるでしょうね。」
フィーナの言葉に、ティナと学園長が頷く。説明が必要かと思ってたけど、みんなの理解が早くて助かる。
「もう1つは、王都周辺の村と同じ状況に陥ってる可能性があるからなんだ。まぁ、かなり低いとは思うけどね。」
「確かに魔物は王都近郊に集まっているようですが、移動経路までは不明ですからね。遠回りしていないとも限りませんし。」
「そう。それに、1度行っておけばいつでも転移出来るし。」
「ルークぅぅぅ!恩に着るのじゃぁぁぁ!!」
学園長が物凄く喜んでいるので言えないが、必ずしも助けられる保証は無い。だって、連絡手段が無いんだもの。いつでも転移は出来るが、都合良くピンチに現れるとは限らない。まぁ、いたずらに不安を煽るものでもなし、黙っておくとしよう。
「なら、王都を抜けて行く道でいいのね?」
「いいと言うか、私とルークは道がわかりませんので・・・。」
「今更空を飛ぶ訳にもいかないし、フィーナと学園長に任せるよ。」
「わかったのじゃ!」
こうしてオレ達は、王都内を通り抜けるべく門に向かったのである。予想外の展開が待つとも知らずに。
「そこで止まれ!・・・ダークエルフのガキに、エルフが2人。それに人族か?奴隷・・・じゃなさそうだな。順番に身分証を出せ!!」
(随分と偉そうだな?)
(そうね。絡まれるとしたらルークだけど・・・大丈夫?)
(問題無いだろ。今回の身分証はスフィアが用意してくれたし。)
みんなは冒険者ギルドのカードを出すつもりらしいが、オレは違う。色々と学習したのだ。今回の身分証は帝国が発行する正式な書類。『吾輩は皇帝である』って書いてあるのだ。アイテムボックスから取り出し準備万端で待ち構えていると、思わぬ肩透かしを喰らう事となった。
「ティナ=ブランシェだと?確か・・・おい!」
「何ですか、隊長?」
「すぐに調べろ!!」
「はっ!!」
なにやら兵士達の動きが慌ただしい。まさか最初のティナで躓く事になるとは思わなかった。待つ事数分、何かを調べに行っていた兵士達が応援を引き連れて戻って来た。隊長と呼ばれた男に耳打ちし、みんな揃ってオレ達に槍を向ける。
「ティナ=ブランシェ!お前には入国禁止命令が出ている!!」
「「「「はぁ!?」」」」
全く心当たりも無い命令に、ティナ達が揃ってオレを見る。やめて!今回はオレじゃありません!!
「色々と怪しいな・・・。お前達、その男とどういう関係だ?」
「え?夫婦ですけど・・・」
「夫婦だと?・・・・・そうかそうか。」
ティナの言葉を受け、隊長と呼ばれた男が気色悪い笑みを浮かべる。
「人族の男に腰を振るような売国奴は、きっちり取り調べないとなぁ?」
「隊長、なら?」
「あぁ。このエルフ2人を捕らえて、体に聞くしかないだろ?」
「「「「「へへへ・・・・・」」」」」
「たっぷり可愛がってやるよ!来い!!」
ティナに向かって伸ばされる隊長の手。誰もがティナを掴んだと思ったのだが、その手がティナに触れる事は無かった。
「へっへっへっ。・・・あれ?っ!?何だ貴様は!!」
「オレの女に色目を使っただけじゃなく、勝手に触れようとしやがって。まぁ、今回は腕1本で勘弁してやる。」
「何だと!?」
ティナの前に移動したオレに驚き、声を上げた隊長。ウチの嫁さん達は美人揃いなので、何時かこういう連中が現れるとは思っていたが・・・まさか美形のエルフも、とは。
「た、隊長!腕が!!」
「あ?腕?・・・なんじゃこりゃあ!!!」
部下の指摘にようやく気付いた隊長が悲鳴を上げる。腕が無くなっているのだから無理もない。ちなみにだが、腕を斬ってから傷口を塞いでやったので死ぬことは無い。返り血を浴びるのは嫌だし、殺さなければ言い逃れは出来る。・・・はず。
「「「「「貴様!!」」」」」
「待つのじゃ!このティナという者は、守護神であるアスコットとエレナの娘じゃぞ!!」
「なっ!?」
仲裁に入った学園長の言葉に、兵士達が驚きの声を上げる。
「・・・エレナだと?嘘を吐くな!あの女が子供を産めるはずがない!!」
「なんじゃと?」
「あの女はなぁ、若い頃に大怪我を負ったんだ。そのせいで、子供を産めない体になっちまったのさ!」
「「「「っ!?」」」」
全く信用出来ない相手の言葉だが、オレ達が動揺するには充分な内容だった。そして隊長は更に畳み掛ける。
「アスコットも馬鹿だよなぁ。あんな欠陥品なんか捨てて、他の女に乗り換えりゃいいものを。」
「何故お主がそんな事を知っておる!?」
「あ?そんなもん決まってるだろ?その時同じパーティにいたからだよ!」
「「「「っ!?」」」」
この男の言葉、何が真実かはわからない。しかし丸っきり嘘を吐いているとも思えないんだよな。意味が無いんだから。どうせ嘘を吐くなら、もっとマシな嘘を吐くはず。
更に言えばオレの時とは違って、ティナとエレナはソックリだ。親子に見えないとしたら、思い浮かぶのは姉妹って程に似ている。
「嘘・・・お父さんとお母さんが・・・・・」
「ティナ!・・・くそっ!!フィーナ!?」
「ごめんなさい。私も知らないわ・・・。」
完全に動揺しているティナに呼び掛けるも、心ここに非ず。事情を知っていそうなフィーナに呼び掛けるが、彼女にも動揺が見られた。
身動き出来ずにいるオレ達とは対象的に、兵士達が冷静さを取り戻す。こんな事なら隊長の腕を止血するんじゃなかった。
「貴様は徹底的にいたぶってから殺して・・・いや、貴様の目の前で女共を犯してから殺してやるよ!!」
「・・・ここまでオレを怒らせた馬鹿は久しぶりだよ。」
「あ?」
このまま王都と一緒に消し飛ばしてしまいそうになるのを必死で堪える。今は争うよりもティナのケアを優先したいからな。
「明日、アストラル王国に対して正式に抗議させて貰う。」
「何だと?」
「あぁ、そう言えば名乗ってなかったな。オレはフォレスタニア帝国皇帝、ルーク=フォレスタニア!精々首を洗って待っている事だ。」
何だか悪党の捨て台詞みたいになってしまったが、今はそれどころじゃない。ティナ達を連れて城へと転移したのだった。
残された兵士達は、と言うと ーー
「消えた・・・」
「帝国の・・・皇帝陛下?」
「不敬罪なんじゃ・・・」
「た、隊長!」
「う、五月蝿い!すぐに城へ向かうぞ!!」
普通、悪党ならばもみ消す為に報告しないか逃げ出すだろう。しかし彼等は違った。素直に城へと報告に向かったのである。だがそれは、自らの首を差し出す為では無い。
彼等が罪を犯しても咎められる事無く兵士を続けられる理由。それが城には存在していたのである。
「こうして見ている限りですと、王都内に入る事は出来るようですね?」
「あぁ。それでも物々しいのはやっぱり・・・」
「例のゴブリンとコボルトでしょうね。」
王都への門を警備する人数があまりにも多いのは、魔物を警戒しているからだろう。そうオレ達は考えたのだが、1人険しい表情を浮かべている。
「どうかしたの、学園長?」
「うむ。どうにも腑に落ちんのじゃ。」
「「「?」」」
「招集されたという村人らしき姿が見当たらん。オマケに警備をしとる連中はガラの悪そうな者ばかりじゃ。」
「言われてみれば・・・」
「確かにそうね。」
え?まだ1キロ以上距離があるんですけど、みんなには顔が見えてるの?狩猟民族恐るべし。しかし、ガラが悪いのは問題なんだろうか?オレが言いたいのは、交易してる国なら問題かもしれないが、ほぼ鎖国状態の国なら構わないのではないか、という事である。
他国の者とトラブルになったらマズイだろうが、自国民ならば国際問題になる事はないのだから。
「いつもと違うのか?」
「少なくとも、数日前とは違うのじゃ。」
「あぁ、なるほどね。ルークとティナは、ほぼ交流が無いんだから問題無いと思ってるでしょ?」
「あぁ(はい)。」
「やっぱり。幾ら国外から訪れる者が少なくても、国内での移動があるでしょ?」
「いや、それは同族なら問題無いんじゃないのか?」
「それは・・・」
言葉に詰まるフィーナの様子を見るに、当たらずとも遠からずといった所だろうか。
「問題はそこでは無いのじゃ。村人を含め、実力者の姿が見えん。そしてガラの悪い連中というのは、軍事行動中に和を乱す可能性がある。」
「つまり村人を含めた軍隊が、今は王都にいないとおっしゃりたいのですね?」
「ティナの言う通りじゃ。」
なるほど。学園長は村人と軍の混成部隊が、ゴブリンとコボルトの討伐に向かったと考えているのか。いや、討伐と言うよりも防衛だろうな。
「学園長の言いたい事はわかった。でも冷たいようだが今回、オレ達の目的は魔物の討伐じゃない。」
「う~む・・・わかったのじゃ。」
「「・・・・・。」」
あえて口にはしなかったが、要請も無しに手を貸す事は出来ない。辺境の村であればすっとぼける事も出来るが、流石に王都で誤魔化すのは無理だろう。嫁さん達が賑やかに食卓を囲う状況で、冷蔵庫からプリンを取り出すようなもの。
約1名、絶対に見逃してくれそうにない者がいるよね?今回の場合、それが王族だという話。立場上、絶対に見逃すはずがないのだ。臣下に示しが付かないし、強かな者であれば賠償請求する事態も考えられる。
まぁ、嫁さん達の家族が危険なら助けに入るつもりだ。ティナもフィーナも、それがわかってるから何も言わないんだろうし。
「さて。ここで景色を眺めてても仕方ないし、そろそろ移動しないか?」
「そうですね。」
「このまま王都で情報収集するの?」
「いや、まずは学園長の故郷を目指そうと思う。」
「それは有り難いが・・・一体何故じゃ?」
「まず1つは、王都に留まると騒動に巻き込まれる可能性が高いという事。」
「高いっていうか、確実に巻き込まれるでしょうね。」
フィーナの言葉に、ティナと学園長が頷く。説明が必要かと思ってたけど、みんなの理解が早くて助かる。
「もう1つは、王都周辺の村と同じ状況に陥ってる可能性があるからなんだ。まぁ、かなり低いとは思うけどね。」
「確かに魔物は王都近郊に集まっているようですが、移動経路までは不明ですからね。遠回りしていないとも限りませんし。」
「そう。それに、1度行っておけばいつでも転移出来るし。」
「ルークぅぅぅ!恩に着るのじゃぁぁぁ!!」
学園長が物凄く喜んでいるので言えないが、必ずしも助けられる保証は無い。だって、連絡手段が無いんだもの。いつでも転移は出来るが、都合良くピンチに現れるとは限らない。まぁ、いたずらに不安を煽るものでもなし、黙っておくとしよう。
「なら、王都を抜けて行く道でいいのね?」
「いいと言うか、私とルークは道がわかりませんので・・・。」
「今更空を飛ぶ訳にもいかないし、フィーナと学園長に任せるよ。」
「わかったのじゃ!」
こうしてオレ達は、王都内を通り抜けるべく門に向かったのである。予想外の展開が待つとも知らずに。
「そこで止まれ!・・・ダークエルフのガキに、エルフが2人。それに人族か?奴隷・・・じゃなさそうだな。順番に身分証を出せ!!」
(随分と偉そうだな?)
(そうね。絡まれるとしたらルークだけど・・・大丈夫?)
(問題無いだろ。今回の身分証はスフィアが用意してくれたし。)
みんなは冒険者ギルドのカードを出すつもりらしいが、オレは違う。色々と学習したのだ。今回の身分証は帝国が発行する正式な書類。『吾輩は皇帝である』って書いてあるのだ。アイテムボックスから取り出し準備万端で待ち構えていると、思わぬ肩透かしを喰らう事となった。
「ティナ=ブランシェだと?確か・・・おい!」
「何ですか、隊長?」
「すぐに調べろ!!」
「はっ!!」
なにやら兵士達の動きが慌ただしい。まさか最初のティナで躓く事になるとは思わなかった。待つ事数分、何かを調べに行っていた兵士達が応援を引き連れて戻って来た。隊長と呼ばれた男に耳打ちし、みんな揃ってオレ達に槍を向ける。
「ティナ=ブランシェ!お前には入国禁止命令が出ている!!」
「「「「はぁ!?」」」」
全く心当たりも無い命令に、ティナ達が揃ってオレを見る。やめて!今回はオレじゃありません!!
「色々と怪しいな・・・。お前達、その男とどういう関係だ?」
「え?夫婦ですけど・・・」
「夫婦だと?・・・・・そうかそうか。」
ティナの言葉を受け、隊長と呼ばれた男が気色悪い笑みを浮かべる。
「人族の男に腰を振るような売国奴は、きっちり取り調べないとなぁ?」
「隊長、なら?」
「あぁ。このエルフ2人を捕らえて、体に聞くしかないだろ?」
「「「「「へへへ・・・・・」」」」」
「たっぷり可愛がってやるよ!来い!!」
ティナに向かって伸ばされる隊長の手。誰もがティナを掴んだと思ったのだが、その手がティナに触れる事は無かった。
「へっへっへっ。・・・あれ?っ!?何だ貴様は!!」
「オレの女に色目を使っただけじゃなく、勝手に触れようとしやがって。まぁ、今回は腕1本で勘弁してやる。」
「何だと!?」
ティナの前に移動したオレに驚き、声を上げた隊長。ウチの嫁さん達は美人揃いなので、何時かこういう連中が現れるとは思っていたが・・・まさか美形のエルフも、とは。
「た、隊長!腕が!!」
「あ?腕?・・・なんじゃこりゃあ!!!」
部下の指摘にようやく気付いた隊長が悲鳴を上げる。腕が無くなっているのだから無理もない。ちなみにだが、腕を斬ってから傷口を塞いでやったので死ぬことは無い。返り血を浴びるのは嫌だし、殺さなければ言い逃れは出来る。・・・はず。
「「「「「貴様!!」」」」」
「待つのじゃ!このティナという者は、守護神であるアスコットとエレナの娘じゃぞ!!」
「なっ!?」
仲裁に入った学園長の言葉に、兵士達が驚きの声を上げる。
「・・・エレナだと?嘘を吐くな!あの女が子供を産めるはずがない!!」
「なんじゃと?」
「あの女はなぁ、若い頃に大怪我を負ったんだ。そのせいで、子供を産めない体になっちまったのさ!」
「「「「っ!?」」」」
全く信用出来ない相手の言葉だが、オレ達が動揺するには充分な内容だった。そして隊長は更に畳み掛ける。
「アスコットも馬鹿だよなぁ。あんな欠陥品なんか捨てて、他の女に乗り換えりゃいいものを。」
「何故お主がそんな事を知っておる!?」
「あ?そんなもん決まってるだろ?その時同じパーティにいたからだよ!」
「「「「っ!?」」」」
この男の言葉、何が真実かはわからない。しかし丸っきり嘘を吐いているとも思えないんだよな。意味が無いんだから。どうせ嘘を吐くなら、もっとマシな嘘を吐くはず。
更に言えばオレの時とは違って、ティナとエレナはソックリだ。親子に見えないとしたら、思い浮かぶのは姉妹って程に似ている。
「嘘・・・お父さんとお母さんが・・・・・」
「ティナ!・・・くそっ!!フィーナ!?」
「ごめんなさい。私も知らないわ・・・。」
完全に動揺しているティナに呼び掛けるも、心ここに非ず。事情を知っていそうなフィーナに呼び掛けるが、彼女にも動揺が見られた。
身動き出来ずにいるオレ達とは対象的に、兵士達が冷静さを取り戻す。こんな事なら隊長の腕を止血するんじゃなかった。
「貴様は徹底的にいたぶってから殺して・・・いや、貴様の目の前で女共を犯してから殺してやるよ!!」
「・・・ここまでオレを怒らせた馬鹿は久しぶりだよ。」
「あ?」
このまま王都と一緒に消し飛ばしてしまいそうになるのを必死で堪える。今は争うよりもティナのケアを優先したいからな。
「明日、アストラル王国に対して正式に抗議させて貰う。」
「何だと?」
「あぁ、そう言えば名乗ってなかったな。オレはフォレスタニア帝国皇帝、ルーク=フォレスタニア!精々首を洗って待っている事だ。」
何だか悪党の捨て台詞みたいになってしまったが、今はそれどころじゃない。ティナ達を連れて城へと転移したのだった。
残された兵士達は、と言うと ーー
「消えた・・・」
「帝国の・・・皇帝陛下?」
「不敬罪なんじゃ・・・」
「た、隊長!」
「う、五月蝿い!すぐに城へ向かうぞ!!」
普通、悪党ならばもみ消す為に報告しないか逃げ出すだろう。しかし彼等は違った。素直に城へと報告に向かったのである。だがそれは、自らの首を差し出す為では無い。
彼等が罪を犯しても咎められる事無く兵士を続けられる理由。それが城には存在していたのである。
0
あなたにおすすめの小説
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
あの子を甘やかして幸せにスローライフする為の、はずれスキル7回の使い方
tea
ファンタジー
はずれスキル持ちなので、十八になったら田舎でスローライフしようと都落ちの日を心待ちにしていた。
しかし、何故かギルマスのゴリ押しで問答無用とばかりに女勇者のパーティーに組み込まれてしまった。
追放(解放)してもらうため、はずれスキルの無駄遣いをしながら過去に心の傷を負っていた女勇者を無責任に甘やかしていたら、女勇者から慕われ懐かれ、かえって放してもらえなくなってしまったのだが?
どうなる俺の田舎でのスローライフ???
【完結】奪われたものを取り戻せ!〜転生王子の奪還〜
伽羅
ファンタジー
事故で死んだはずの僕は、気がついたら異世界に転生していた。
しかも王子だって!?
けれど5歳になる頃、宰相の謀反にあい、両親は殺され、僕自身も傷を負い、命からがら逃げ出した。
助けてくれた騎士団長達と共に生き延びて奪還の機会をうかがうが…。
以前、投稿していた作品を加筆修正しています。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる