6 / 17
な
しおりを挟む
拍動を、体全体で、強く、一々と感じる。
夕日が視界に粒子を散りばめて、鬱陶しささえ覚えてしまう。
あぁ、俺は今、生きているんだ。生きて、しまっているんだ。とありありと感じさせられる。
心臓から送り出された血液が頭で跳ね、手首で跳ね、踝で跳ねる。自動的な循環によって持続させられる俺の命。俺の悲しみも、憂いもそんなもの知ったものかと言わんばかりに強く脈打つ。
生きている実感は、死んでいる俺に、生きることを強いているようにも思えた。
俺はまだ何も成していない。為してもいない。このまま死ぬことは俺が許しても『俺』が許さないのだろう。きっと、そうだ。
『俺』は俺だから。
夕日が視界に粒子を散りばめて、鬱陶しささえ覚えてしまう。
あぁ、俺は今、生きているんだ。生きて、しまっているんだ。とありありと感じさせられる。
心臓から送り出された血液が頭で跳ね、手首で跳ね、踝で跳ねる。自動的な循環によって持続させられる俺の命。俺の悲しみも、憂いもそんなもの知ったものかと言わんばかりに強く脈打つ。
生きている実感は、死んでいる俺に、生きることを強いているようにも思えた。
俺はまだ何も成していない。為してもいない。このまま死ぬことは俺が許しても『俺』が許さないのだろう。きっと、そうだ。
『俺』は俺だから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる