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相澤の改心〈5〉
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「アイツ…俺に喧嘩を売ってたのか?」
葉山を思い浮かべながらブツブツと独り言を口にする。
《自分の恋人が奪われるかもしれないのに?余程に自信があるんだな…!》
《いや、俺に勝つ自信か?まぁ、確かに勝負しても俺の負けは目に見えてるけどな…》
「ハァ……。俺って、ホント何も無いな…。」
改めて、自分には何の取り柄も無い事に気付く。男として優れた部分が何も無い。外見は勿論の事、運動は苦手、体力は無い、力も弱い。殴り合いどころか口喧嘩でさえも勝てない。葉山に勝てるとしたら勉強ぐらいかもしれないが、それも自信がある訳ではない。俺の成績は普通だ。
「俺がアイツに勝てる事って何だ?」
《……セックスの回数と色気ぐらいじゃないか?!》
自分で考えて情けなくなる。男を手玉に取るようになってから「復讐」に関してだけは変に自信を持っていた。成功率は100%だったからだ。つまり、俺の外見はそういう意味では見栄えが良い。全くもって納得したくない事だが「それが事実」だ。
それが原因で女扱いされ続け、それが原因で男に犯され、それが原因でこんな風になった。周りを憎み、人生を恨み、自分の身体を嫌悪した。何もかも全てを傷付けて破壊してしまいたかった。
怒りに我を見失いヤケクソになっていた中学時代は前後不覚だった所もある。とにかく怒りを周りに向けた。溜め込んでいたものを吐き出すように向かって来る敵に牙を剥いた。
そして、一つの「キッカケ」が訪れた。中学時代の最後のターゲットになった男が登校拒否になったのだ。
ただ「いけ好かない野郎」だと思っていた。彼女が出来ただの童貞を捨てただのと、自慢げに楽しそうにはしゃいでいたのが目障りだった。幸せそうに浮足立ったそいつは、俺の罠にまんまと嵌り地に落ちた。「ざまあみろ!いい気味だ!」と思っていた。欲を出して手を出してきた方が悪いのだ。
だが、登校拒否になった事を知り一時期は冷や汗ものだった。全てが明るみに出るのではないかと恐ろしくなった。それでも、悪いのは奴の方であり自業自得でもあった。結局、奴は誰にも打ち明けられないままに自滅したのだ。表向きは「病休」とだけ告げられたが、実際には「引きこもり」だろう。
そして、周りの奴等の関心も直ぐに消え失せた。やがて、誰も見向きさえしなくなった。中には悪口を言う奴も居た。他人事のようにあざ笑う奴等も居た。呆気なくも残酷に「奴の存在」は簡単に消滅したのだ。とうとう卒業式にも顔を出さなかった。俺としては、顔を見なくて済んだ事に清々した。
その時ばかりは「自分の影」を見ているようで少しばかり胸が痛んだ気もした。だが、俺が散々に受けて来た心の傷を思えば、奴の苦しみなど大した事ではない。俺は長年に渡って苦しみ続けて来たからだ。そして、俺自身が味わった体験に比べれば、奴への復讐など可愛らしいものだった。奴は自ら飛び込んで来て自ら自滅しただけの事だ。
「自滅したのは奴が弱すぎたからだ。俺は強く生きてやる!」そう思った。そこで自分を責め始めればキリがないからだ。俺自身が倒れて自滅するだけだ。他人に心を向ける余裕など無かった。そんな事をすれば二度と立ち上がれなくなるかもしれないと思ったからだ。
そして、俺は「自分の心」を棄て去った。
上辺だけの冷たい世の中、他人を蹴落とし蔑む人間、無責任、誹謗中傷、裏切り、汚れた欲望…。そんな薄汚れた世の中の腹黒い人間共の集まりに「信じられるモノ」などあるはずもない。目に見えるもの全てが「偽り」で、何もかもが歪んで見えた。
そんな中で生き抜くには「より強く」在らねばならない。弱い人間は自滅して行くだけだ。只の負け犬になる。「正直者はバカを見る」そんな言葉もあるぐらいだ。「偽り」でも何でも良い。俺は自分自身に嘘をついてでも護らなければならなかった。傷付けられた「俺の心」は剥き出しにされた心臓のようだったからだ。
俺は、心を護るために心を棄てたのだ。
そうしなければ、更に傷付くだけだと思った。それほどに俺は弱くてちっぽけで惨めな人間だった。それを認めたくなくて腹の中で虚勢を張り続けてきた。女のような自分を認めたくなくて、更に「男」で在ろうとした。
俺は…ずっと抗い続けて来たのだ。もしかしたら…ずっと闘い続けて来た相手は、他の誰でもなく「俺自身」だったのかもしれない。今なら、そんな風にも思える気がする…。
「敵は己の中にあり」そんな言葉もある。何を言う?!敵は周りの奴等全員だ!世の中の全部が敵だ!そんな風に思っていた。俺は、いつも敵陣の中に独りで居るような気がしていた。周りを遮断し、他人との関わりを避け、自分のガードを固めた。顔を上げず、周りを見ず、閉ざした自分の世界の隙間からコッソリと用心深く辺りを窺う。常に身構えて防御し、相手を疑ってかかる。心も無く感情も無く、冷めた目で周りを見ていた。自分の中で息を潜め、自分の存在空間だけを死守しようとした。感情を逆撫でされると牙を剥き、怒りと復讐だけに身を染めた。それ以外では侵食される事を好まず、受け入れる事さえもしなかった。
そんな人生に何が残るというのだろう。心を棄て去った俺には何も無かった。行く先を見失い途方に暮れる。徐々に取り残されて行くような虚しさ。忘れ去られて行くような不安。置き去りされて行くような寂しさ。そして、いつしか完全に消え去ってしまうかもしれない自分…全てを失うかもしれない孤独と絶望感。そんな恐ろしさがあった。
だからこそ、余計に「偽りの自分」に成りきる事に徹したのだろう。恐怖や不安を消し去るには弱い自分を完全に棄て去るしかなかった。そうしなければ、根性無しの俺に「復讐」など出来るはずもない。そして、そんな自分さえも「ニセモノ」として切り離すしかなかった。
何とも複雑極まりない、解読困難、解説不可能、哀れで悲惨な人生にもほどがある。余りの複雑さに…俺自身にも何がなんだか良く分からない。こんな悲惨な人生を誰かに語り聞かせるほどバカではない。完全に開き直れるほど無謀でもない。自分で選択しておきながらも「これは本当の俺じゃない!」と、自分でも目を背けてきた。
俺は他人事のようにしてこの数年間を生きて来た。偽りに身を隠して、自分自身を誤魔化し続けて来たという事だ。
こんな俺を理解出来る人間など居るのだろうか…?
こうなると、自分でも何が「本当」で何が「嘘」なのかも分からなくなる。俺は一体「何者」なのだろう…?
「クソッ…!ホントに何もないな!」
思わず吐き捨てるように声を荒げる。これは自分に対する苛立ちだ。だが、余りにも酷すぎて反省するどころの話ではない。復讐に対する罪の意識は余りない。既に、復讐人生は終えている。俺の中の「復讐心」は完全に消滅している。
残っているのは、男であるという「強い意識」と「男のプライド」だけだ。それだけは崩れる事がない「俺自身」だ。
《俺がアイツ等に勝てるものなんて何一つ無いじゃないか!》
それが悔しい。それでも不思議とあの2人には腹が立たない。それは、俺自身が奴等を認めているからだ。
「全く…!バカじゃないのか?!」
そして、対抗意識を燃やす。
《俺なんか相手にマジになりやがって…!》
「隠し通せばいい事だろ!」
《バカ正直に真剣になりやがって…!》
「世の中はそんなに甘くないんだよ!」
《あんなに純粋な奴等…見た事ないよな…》
「人間なんて汚いんだ…!」
《アイツ等は違ってた…》
「嘘なんて平気だろ。隠し事なんて当たり前だろ。人を騙すなんてよくある事だろ!」
《真っ直ぐに俺に向かって来たよな…。佐久間なんか頭まで下げやがって…》
「俺なんか…嘘だらけだ…。」
《陥れようとした…。何もかもぶち壊して傷付けようとした…》
「葉山だって…、何だよ…。」
《正々堂々としてた…。佐久間を護ろうとしてた…。真っ直ぐで意志の強い目をしてた…》
「葉山…弘人か…。」
佐久間の隣に立つ葉山の存在が頼もしく思えてくる。そんな葉山を羨ましいとも思う。生き生きとして明るくハツラツと笑う姿が目に浮かぶ。汚れのない純粋さと真っ直ぐな目をした正義感に溢れた男だ。懸命に佐久間を護ろうとする気持ちと揺るぎない想い。恐れる事をしない強い心の持ち主なのだろう。
「俺なんかとは全然違うな…。」
《勝てる要素も無い…。勝負にもならないだろ…》
俺にはそんな強い想いなど無かった。佐久間に向けていたのは「憧れ」のような感情だ。理想的で格好良く、圧倒的な存在感に魅入られた。その気さくな性格と独特な雰囲気に心が揺れ動いた。見つめられて触れらてドキドキした。少なからず色気も感じた。拒まれた時は激しく傷付いたが、その後の迫力が凄すぎて全てが吹き飛んでしまった。
「やっぱり…俺のは憧れって感じだよな…。」
《恋愛するって難しいんだな。誰かを本気で好きになるって…なんか、凄い事なのかもな…?》
《俺には、やっぱり分からないよな…》
《……佐久間は、俺にとっては高嶺の花だ……》
佐久間に向ける感情は以前と余り変わらない。正直なところ、もう正面きって顔を合わせる勇気はない。それでも、佐久間を遠目からでも眺めていたい気持ちはある。俺は意外と健気な所もあるらしい…。
《まぁ…当分は無理だけど…》
まるで一人二役のような俺は器用なのか不器用なのか…?口から出る言葉は意地っ張りだが、心の声は正直だ。
葉山を思い浮かべながらブツブツと独り言を口にする。
《自分の恋人が奪われるかもしれないのに?余程に自信があるんだな…!》
《いや、俺に勝つ自信か?まぁ、確かに勝負しても俺の負けは目に見えてるけどな…》
「ハァ……。俺って、ホント何も無いな…。」
改めて、自分には何の取り柄も無い事に気付く。男として優れた部分が何も無い。外見は勿論の事、運動は苦手、体力は無い、力も弱い。殴り合いどころか口喧嘩でさえも勝てない。葉山に勝てるとしたら勉強ぐらいかもしれないが、それも自信がある訳ではない。俺の成績は普通だ。
「俺がアイツに勝てる事って何だ?」
《……セックスの回数と色気ぐらいじゃないか?!》
自分で考えて情けなくなる。男を手玉に取るようになってから「復讐」に関してだけは変に自信を持っていた。成功率は100%だったからだ。つまり、俺の外見はそういう意味では見栄えが良い。全くもって納得したくない事だが「それが事実」だ。
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怒りに我を見失いヤケクソになっていた中学時代は前後不覚だった所もある。とにかく怒りを周りに向けた。溜め込んでいたものを吐き出すように向かって来る敵に牙を剥いた。
そして、一つの「キッカケ」が訪れた。中学時代の最後のターゲットになった男が登校拒否になったのだ。
ただ「いけ好かない野郎」だと思っていた。彼女が出来ただの童貞を捨てただのと、自慢げに楽しそうにはしゃいでいたのが目障りだった。幸せそうに浮足立ったそいつは、俺の罠にまんまと嵌り地に落ちた。「ざまあみろ!いい気味だ!」と思っていた。欲を出して手を出してきた方が悪いのだ。
だが、登校拒否になった事を知り一時期は冷や汗ものだった。全てが明るみに出るのではないかと恐ろしくなった。それでも、悪いのは奴の方であり自業自得でもあった。結局、奴は誰にも打ち明けられないままに自滅したのだ。表向きは「病休」とだけ告げられたが、実際には「引きこもり」だろう。
そして、周りの奴等の関心も直ぐに消え失せた。やがて、誰も見向きさえしなくなった。中には悪口を言う奴も居た。他人事のようにあざ笑う奴等も居た。呆気なくも残酷に「奴の存在」は簡単に消滅したのだ。とうとう卒業式にも顔を出さなかった。俺としては、顔を見なくて済んだ事に清々した。
その時ばかりは「自分の影」を見ているようで少しばかり胸が痛んだ気もした。だが、俺が散々に受けて来た心の傷を思えば、奴の苦しみなど大した事ではない。俺は長年に渡って苦しみ続けて来たからだ。そして、俺自身が味わった体験に比べれば、奴への復讐など可愛らしいものだった。奴は自ら飛び込んで来て自ら自滅しただけの事だ。
「自滅したのは奴が弱すぎたからだ。俺は強く生きてやる!」そう思った。そこで自分を責め始めればキリがないからだ。俺自身が倒れて自滅するだけだ。他人に心を向ける余裕など無かった。そんな事をすれば二度と立ち上がれなくなるかもしれないと思ったからだ。
そして、俺は「自分の心」を棄て去った。
上辺だけの冷たい世の中、他人を蹴落とし蔑む人間、無責任、誹謗中傷、裏切り、汚れた欲望…。そんな薄汚れた世の中の腹黒い人間共の集まりに「信じられるモノ」などあるはずもない。目に見えるもの全てが「偽り」で、何もかもが歪んで見えた。
そんな中で生き抜くには「より強く」在らねばならない。弱い人間は自滅して行くだけだ。只の負け犬になる。「正直者はバカを見る」そんな言葉もあるぐらいだ。「偽り」でも何でも良い。俺は自分自身に嘘をついてでも護らなければならなかった。傷付けられた「俺の心」は剥き出しにされた心臓のようだったからだ。
俺は、心を護るために心を棄てたのだ。
そうしなければ、更に傷付くだけだと思った。それほどに俺は弱くてちっぽけで惨めな人間だった。それを認めたくなくて腹の中で虚勢を張り続けてきた。女のような自分を認めたくなくて、更に「男」で在ろうとした。
俺は…ずっと抗い続けて来たのだ。もしかしたら…ずっと闘い続けて来た相手は、他の誰でもなく「俺自身」だったのかもしれない。今なら、そんな風にも思える気がする…。
「敵は己の中にあり」そんな言葉もある。何を言う?!敵は周りの奴等全員だ!世の中の全部が敵だ!そんな風に思っていた。俺は、いつも敵陣の中に独りで居るような気がしていた。周りを遮断し、他人との関わりを避け、自分のガードを固めた。顔を上げず、周りを見ず、閉ざした自分の世界の隙間からコッソリと用心深く辺りを窺う。常に身構えて防御し、相手を疑ってかかる。心も無く感情も無く、冷めた目で周りを見ていた。自分の中で息を潜め、自分の存在空間だけを死守しようとした。感情を逆撫でされると牙を剥き、怒りと復讐だけに身を染めた。それ以外では侵食される事を好まず、受け入れる事さえもしなかった。
そんな人生に何が残るというのだろう。心を棄て去った俺には何も無かった。行く先を見失い途方に暮れる。徐々に取り残されて行くような虚しさ。忘れ去られて行くような不安。置き去りされて行くような寂しさ。そして、いつしか完全に消え去ってしまうかもしれない自分…全てを失うかもしれない孤独と絶望感。そんな恐ろしさがあった。
だからこそ、余計に「偽りの自分」に成りきる事に徹したのだろう。恐怖や不安を消し去るには弱い自分を完全に棄て去るしかなかった。そうしなければ、根性無しの俺に「復讐」など出来るはずもない。そして、そんな自分さえも「ニセモノ」として切り離すしかなかった。
何とも複雑極まりない、解読困難、解説不可能、哀れで悲惨な人生にもほどがある。余りの複雑さに…俺自身にも何がなんだか良く分からない。こんな悲惨な人生を誰かに語り聞かせるほどバカではない。完全に開き直れるほど無謀でもない。自分で選択しておきながらも「これは本当の俺じゃない!」と、自分でも目を背けてきた。
俺は他人事のようにしてこの数年間を生きて来た。偽りに身を隠して、自分自身を誤魔化し続けて来たという事だ。
こんな俺を理解出来る人間など居るのだろうか…?
こうなると、自分でも何が「本当」で何が「嘘」なのかも分からなくなる。俺は一体「何者」なのだろう…?
「クソッ…!ホントに何もないな!」
思わず吐き捨てるように声を荒げる。これは自分に対する苛立ちだ。だが、余りにも酷すぎて反省するどころの話ではない。復讐に対する罪の意識は余りない。既に、復讐人生は終えている。俺の中の「復讐心」は完全に消滅している。
残っているのは、男であるという「強い意識」と「男のプライド」だけだ。それだけは崩れる事がない「俺自身」だ。
《俺がアイツ等に勝てるものなんて何一つ無いじゃないか!》
それが悔しい。それでも不思議とあの2人には腹が立たない。それは、俺自身が奴等を認めているからだ。
「全く…!バカじゃないのか?!」
そして、対抗意識を燃やす。
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「隠し通せばいい事だろ!」
《バカ正直に真剣になりやがって…!》
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《あんなに純粋な奴等…見た事ないよな…》
「人間なんて汚いんだ…!」
《アイツ等は違ってた…》
「嘘なんて平気だろ。隠し事なんて当たり前だろ。人を騙すなんてよくある事だろ!」
《真っ直ぐに俺に向かって来たよな…。佐久間なんか頭まで下げやがって…》
「俺なんか…嘘だらけだ…。」
《陥れようとした…。何もかもぶち壊して傷付けようとした…》
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「俺なんかとは全然違うな…。」
《勝てる要素も無い…。勝負にもならないだろ…》
俺にはそんな強い想いなど無かった。佐久間に向けていたのは「憧れ」のような感情だ。理想的で格好良く、圧倒的な存在感に魅入られた。その気さくな性格と独特な雰囲気に心が揺れ動いた。見つめられて触れらてドキドキした。少なからず色気も感じた。拒まれた時は激しく傷付いたが、その後の迫力が凄すぎて全てが吹き飛んでしまった。
「やっぱり…俺のは憧れって感じだよな…。」
《恋愛するって難しいんだな。誰かを本気で好きになるって…なんか、凄い事なのかもな…?》
《俺には、やっぱり分からないよな…》
《……佐久間は、俺にとっては高嶺の花だ……》
佐久間に向ける感情は以前と余り変わらない。正直なところ、もう正面きって顔を合わせる勇気はない。それでも、佐久間を遠目からでも眺めていたい気持ちはある。俺は意外と健気な所もあるらしい…。
《まぁ…当分は無理だけど…》
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