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え〜!?
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衝撃的なその言葉に俺は耳を疑った。
「え…?今、何て言った?!」
ガバッと起き上がろうとした俺の頭を剛が押さえ込み、ギュッと抱きしめられてしまう。
「恥ずかしいから、俺の顔見るな。」
少し照れくさそうな声。だが、先程とは違う強い声質。気持ちが吹っ切れたような落ち着いたその声に、俺の心も落ち着いてゆく。
「俺も、お前の全てが欲しい。ずっと…そう思ってた。だから、お前の童貞は俺がもらう。……意味、分かるだろ?」
耳元でゆっくりと告げられるその言葉、剛の熱い想いと強い意思が込められている。俺の胸が熱くなる。それと同時に「童貞」という言葉に反応してしまった。
「ど、ど、ど…童貞?!バ、バカ野郎!そ…、そういうお前だって童貞だろ!?」
思わずムキになる俺。ガバッと身体を起こして剛を軽く睨む。俺の顔が真っ赤なのは無理もない。どこまでも単純だからだ。
「………。………フフッ。」
不敵な笑みを浮かべているのはいつもの剛だ。普段の見慣れた顔つきに戻っている。それだけで俺を安心させる力がある。
「え…?お前も童貞だろ?!も、もしかして…違うのか?!」
剛が他の誰かと経験しているなど考えたくもない事だ。俺の胸がざわつく。
「いや、俺もそうだぜ。こんな事するの…お前とだけだ。………心配した?」
ニヤリと笑った後、戯れつく仔犬のように嬉しそうにすり寄ってくる。可愛らしすぎてムカつく奴…。
「バ、バ、バカじゃねぇの!?…お前、心配させておいてふざけんなよ!」
妙に安心して、凄く嬉しくて、愛おしくて可愛くて、少し恥ずかしくて…プイとふてくされてみるものの、何故か顔がニヤけてしまう。
「悪い!ごめん!弘人、そんなに怒るなよ。俺の童貞もお前にやるから、ちゃんと受け取れよ。」
謝りながらもサラリと口にする凄い台詞。意味深にニヤリと笑っている。
「え………?!」
俺がその言葉の意味を理解するまでには数分かかったであろう。
一瞬固まる俺の身体にふざけるように戯れついてペロペロと舐めてくる。仔犬から大型犬へと化した剛。
「弘人、俺の身体好きにしていいから…ちょっとだけお前に触りたい。」
かなり大胆な台詞を吐きながらも甘えるように戯れついてくる。剛ならではの特技だろう。いきなり身体を撫でられて慌てる俺。
「うわわ!いきなり何する?!」
「あんまり我慢させるなよ。強引にはしねぇから。お前は…、後で俺を好きにしろ。……いいだろ?」
ゾクリとする声で迫られて俺の脳がブィ~ンと痺れる。剛は俺の性格をよく知っている。かなりの急展開に強烈な台詞の連続だ。真剣に迫られると俺の脳は処理しきれずにショートしていた事だろう。だが、巧みに俺をリードしている。そして、俺も乗せられている。
《恐るべし!その七変化!》
戯れつく大型犬から一転し、色気たっぷりに迫ってくる剛。ムード満点に攻められて俺の身体も熱くなり始めている。
「ちょっとだけだぞ…。」
恥ずかしくてプイと横を向く俺は子供みたいだ。本当なら、もっと甘い言葉の一つでも言ってラブラブな恋人のように過ごしたい気持ちがある。
剛に全てを任せればしっかりと包み込んでくれるのだろう。俺が女なら何の問題も無いのだろう。俺が女なら、全てを任せて委ねられる男だ。剛の相手が女なら、剛が我慢する事も苦しむ事も無いのだろう。
《剛の相手が女なら…。そんなの嫌だ!剛は俺のものだ!誰にも渡さねぇ!》
自分で考えて、自分で嫉妬する。そんな自分が愚かに思える。これは剛に見せられない俺の本心だ。
いつも優しく包み込んでくれる剛の存在に甘えていた。俺も剛を包み込めるようになりたいのだ。剛が求めるなら、精一杯に応えなければならない。剛を手放したくないのなら、俺も強く在らねばならないのだ。
「剛…。」
愛おしい名を呼び、その身体を抱きしめる。
「弘人…。」
優しく愛おしく俺を見つめ返してくる。
「マジで…我慢させてばかりだな。あんまり激しいのはやめろよ。身体がもたないと、後で困るだろ?」
剛に身を任せながら、俺は意地悪く言ってやる。
……剛、お前が愛おしい……。
「分かってる。あんまりやりすぎて抑えがきかなくなると俺も困る。」
剛がニッと笑い返してくる。
……何だか凄くいい感じだ……。
「弘人…好きだ。…好きだよ。」
優しく繰り返し囁く声と、温かい手がしっかりと包み込んでくる。そっと触れてくる口唇、柔らかな舌使い、それだけで心も身体も甘く溶けてゆく。
……凄く幸せな気分だ……。
「え…?今、何て言った?!」
ガバッと起き上がろうとした俺の頭を剛が押さえ込み、ギュッと抱きしめられてしまう。
「恥ずかしいから、俺の顔見るな。」
少し照れくさそうな声。だが、先程とは違う強い声質。気持ちが吹っ切れたような落ち着いたその声に、俺の心も落ち着いてゆく。
「俺も、お前の全てが欲しい。ずっと…そう思ってた。だから、お前の童貞は俺がもらう。……意味、分かるだろ?」
耳元でゆっくりと告げられるその言葉、剛の熱い想いと強い意思が込められている。俺の胸が熱くなる。それと同時に「童貞」という言葉に反応してしまった。
「ど、ど、ど…童貞?!バ、バカ野郎!そ…、そういうお前だって童貞だろ!?」
思わずムキになる俺。ガバッと身体を起こして剛を軽く睨む。俺の顔が真っ赤なのは無理もない。どこまでも単純だからだ。
「………。………フフッ。」
不敵な笑みを浮かべているのはいつもの剛だ。普段の見慣れた顔つきに戻っている。それだけで俺を安心させる力がある。
「え…?お前も童貞だろ?!も、もしかして…違うのか?!」
剛が他の誰かと経験しているなど考えたくもない事だ。俺の胸がざわつく。
「いや、俺もそうだぜ。こんな事するの…お前とだけだ。………心配した?」
ニヤリと笑った後、戯れつく仔犬のように嬉しそうにすり寄ってくる。可愛らしすぎてムカつく奴…。
「バ、バ、バカじゃねぇの!?…お前、心配させておいてふざけんなよ!」
妙に安心して、凄く嬉しくて、愛おしくて可愛くて、少し恥ずかしくて…プイとふてくされてみるものの、何故か顔がニヤけてしまう。
「悪い!ごめん!弘人、そんなに怒るなよ。俺の童貞もお前にやるから、ちゃんと受け取れよ。」
謝りながらもサラリと口にする凄い台詞。意味深にニヤリと笑っている。
「え………?!」
俺がその言葉の意味を理解するまでには数分かかったであろう。
一瞬固まる俺の身体にふざけるように戯れついてペロペロと舐めてくる。仔犬から大型犬へと化した剛。
「弘人、俺の身体好きにしていいから…ちょっとだけお前に触りたい。」
かなり大胆な台詞を吐きながらも甘えるように戯れついてくる。剛ならではの特技だろう。いきなり身体を撫でられて慌てる俺。
「うわわ!いきなり何する?!」
「あんまり我慢させるなよ。強引にはしねぇから。お前は…、後で俺を好きにしろ。……いいだろ?」
ゾクリとする声で迫られて俺の脳がブィ~ンと痺れる。剛は俺の性格をよく知っている。かなりの急展開に強烈な台詞の連続だ。真剣に迫られると俺の脳は処理しきれずにショートしていた事だろう。だが、巧みに俺をリードしている。そして、俺も乗せられている。
《恐るべし!その七変化!》
戯れつく大型犬から一転し、色気たっぷりに迫ってくる剛。ムード満点に攻められて俺の身体も熱くなり始めている。
「ちょっとだけだぞ…。」
恥ずかしくてプイと横を向く俺は子供みたいだ。本当なら、もっと甘い言葉の一つでも言ってラブラブな恋人のように過ごしたい気持ちがある。
剛に全てを任せればしっかりと包み込んでくれるのだろう。俺が女なら何の問題も無いのだろう。俺が女なら、全てを任せて委ねられる男だ。剛の相手が女なら、剛が我慢する事も苦しむ事も無いのだろう。
《剛の相手が女なら…。そんなの嫌だ!剛は俺のものだ!誰にも渡さねぇ!》
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……剛、お前が愛おしい……。
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剛がニッと笑い返してくる。
……何だか凄くいい感じだ……。
「弘人…好きだ。…好きだよ。」
優しく繰り返し囁く声と、温かい手がしっかりと包み込んでくる。そっと触れてくる口唇、柔らかな舌使い、それだけで心も身体も甘く溶けてゆく。
……凄く幸せな気分だ……。
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