サラリーマン、現代日本みたいな異世界で勇者に転職、魔王討伐の旅に出ます。……戦闘力?赤ちゃん以下ですが、なにか?

ソリダス

文字の大きさ
40 / 40
第4章 ハルマ編

第39話 ハロウィンと秋のパン祭り

しおりを挟む

 俺はたくさんの通信機材が整然と並べられた通信室、その中央にある椅子に腰掛けて設置された正面の大型モニターを真っ直ぐに見つめる。

 今、この通信室にいるのは俺一人だ。
 他の人達は別室で待機しているが、モニターに映る映像は共有している。
 しかし今のところ、その画面には何も映ってはおらず暗いままだ。俺はモニター上部に取り付けられた通信用のカメラと、暗い画面を交互に見つめた。

 今は部屋全体がしんと静まり返っているが、直にこの静寂も終わりを迎える。俺はその時が来るのを、体勢を変えずにじっと待ち構えた。

 ――それから数分後、とうとうその時は訪れた。

「ハルマ電波塔からの通信を確認!映像、映ります!」

 隊員のアナウンスが部屋に取り付けられたスピーカーから流れる。その瞬間、モニターから砂嵐とノイズが発せられた。
 しかしすぐにそれらは止まり、代わりに1度見たら忘れられないあの真ん丸な顔面が画面いっぱいに映し出される。

「――おっ、映った映った!……やあ、はじめまして!君が勇者だね!ボクは魔王軍最高幹部のアンパン魔人だよ……って、別に改めて言う必要は無いか。どうせ知ってるだろうしね」

 アンパン魔人はニッコリと、だがどこかゾッとするような狂気を内包した笑みを浮かべながらそう言った。

「あぁ、あんなにご丁寧な自己紹介されたら嫌でもお前の顔は忘れらんねぇよ」

「あははは!嬉しいなぁ!そう言ってもらえるとこっちも貴重な手札を使ってまで、あんな茶番をしたかいがあったってもんだよ!……そんな事よりも、君の名前をボクに教えてもらえるかな?」

 アンパン魔人は惨たらしいあの残酷な所業を『茶番』呼ばわりし、挙句にまるで楽しい話を聞かせるように笑いながら語っている。
 さらに、その話はついでと言わんばかりの態度で、アンパン魔人は俺の名前を尋ねてきた。

 俺は頭の血管がプッチンしそうなのを堪えながら、冷静に対応する事を心掛けて話をする。

「俺は山田太郎だ。お前らの探しているドラゴンとドラゴンゾンビを倒した勇者はこの俺だよ」

「へぇー、ヤマダタロウ君か。……それよりも君のそのマスクは何?もしかして仮装パーティーでも開いてる最中だったのかなぁ?」

 予想通りアンパン魔人の注意が、俺の身に着けているハロウィンマスクにいった。
 この可能性も予想はしていたとはいえ、もしここでマスクを外すことになったら非常に困る。この後の作戦を大きく加筆修正しなければならなくなってしまう。
 俺は焦る気持ちをグッと押さえつけ、身振り手振りを使ったアクションを交えながら話をする。

「おっ、惜しい。残念ながら仮装パーティーではないな。けど案外いい線いってるぜ?このマスクはお前のアンパン頭を断頭してみんなに振る舞うっていう祭りで身に着ける正装だからよ。その名も『ヤマダ秋のパン祭り』ってな。……そんでせっかく気合入れて待ってたのに、全く来る気配がねぇんだからなぁ!?」

 何とかここから話を戻そうと、アンパン魔人が外に出てこなかった事にも、少々無理やりな形ではあるが触れていく。 
 しかし、当のアンパン魔人はすっとぼけた表情で腕を組んで首を捻った。

「……ボクはそんな名前の祭りがあるなんて聞いたことがないなぁ。まぁ、そんなのはどうでもいいからさ、取りなよ。そのマスク。そういえば広場にいた時もマスク付けてたよね?実は電波塔から君の姿がちょうど見えたんだよ!ボクに君の顔を見せてくれないか?」

 はい、いきなりきた、最初の難関。
 やっぱり今の話程度じゃ話を逸らすのは無理だったかぁ。
 マスクに隠れていたから良かったものの、俺はショックのあまりマスクの下で白目を剥いていた。
 だが、なんとかギリギリのところでその感情の動揺を外に出さずに済んだのはグッジョブ!と自分自身を褒めてやりたい。

「あぁ、そうかよ。……ちょうどいいや、このマスクと絡めてそろそろ本題に入ることにしよう」

 自分のマスクを指差しながら、なるべく声色を一定に保ったままで語り始める。

「まずは最初にはっきり言わせてもらうが、俺はマスクを取らねぇ。どうしても確認したいというのなら、俺から直接剥ぎ取ればいいだけじゃないか。俺はそれを含めて、わざわざ交渉を行える機会をお前に与えたんだぜ?『中央広場で直接会おう』っつってな。……しかし、お前はそれを拒否したよな。何か来られない理由でもあったのか?例えばだが、天気が悪いから外に出たくない、とかか?」

 ここではじめてアンパン魔人の不快な笑みを――一瞬ではあるが――確かに曇らせることが出来た。
 この反応を見て俺の中のある可能性は、より一層確信へと近付いた。
 俺はニヤける口元をマスクで隠したままふんと鼻を鳴らし、椅子の肘置きに肘を置いて頬杖をついた。

「まあいいさ。それじゃあもう一度だけ、お前らにチャンスをやろう。俺のマスクを取る機会、そして俺を殺す機会だ。……どうせお前らにはそれすらも、ただのオマケに過ぎないんだろうけどな」

 俺は嘲るような声色で冷たく言い放ち、モニターを真っ直ぐに見やりながら右手の人差し指を天井に向けてピンと立てる。
 その動作から一拍の合間を挟んで、俺はこう言った。

「……こっちは一人だ。一人でその電波塔の正面から乗り込んでやる。もし倒すことができればお前らの言い分は全部聞いてやるよ」

 俺はそう言い切り、後はアンパン魔人の返答をじっくりと待つ。しかし、アンパン魔人は平然とした変わらぬ表情のまま、目だけを僅かに細めた。
 そして次の瞬間、アンパンは吐息を吐くと同時にこう言い放った。

「……君の言いたかったことはそれで全部かな?」

「なっ……!」

 思わず動揺してしまった俺を他所に、アンパンは変わらぬ態度のまま続ける。

「それじゃあ次はこちら側の要求を言わせてもらうね。ボク達の要求は1つだけ、勇者の……君の首を渡して欲しいんだ。そうすれば人質は全員解放してあげるよ。けど、もし渡してくれないのであれば――」

 そこまでアンパン魔人が話したところで、俺はそれを遮った。

「――おいおいおい!!お前はまだ自分が置かれた立場ってものを分かってないみたいだな!お前らは人質を既に1人殺してんだ。それもあんなに惨たらしく、まるでなんてことでもないようにな。……分かるか?この件では『人質が死亡』っつー事実がもう出来上がってんだよ!そんな奴が『人質を解放だ』なんて条件を出しても、こっちはそれをすんなり言葉通りに受け取れるのかって事だ」

 これを受けて、僅かにだが口元を引きつらせたアンパン魔人はまた何かを言おうとする。

「……まさか君、ここにいる人質ごとボク達を――」

 しかし、俺は再びそれを遮る形となって話を始めた。

「――おっと!悪いけど、ぶっ飛んだ事は言わないでくれよ?……俺だって一応、血の通った人間だぜ?街一つ軽く吹き飛ばす威力の新型兵器をそこに投入したり、人質の生命を犠牲にしてでも強行突入したり、討伐隊の全ての魔法使いにその建物を一斉攻撃させたり……なんて選択肢があったとしても、マトモな人間だったら使おうなんざ考えねぇだろうさ」

 これは俺の紛れもない本音だった。
 しかし、どうやらアンパン魔人はそうは捉えていないように感じる。何となく、俺が話した瞬間の雰囲気とか表情とかの諸々を見てそう思った。
 ……考え方がフワフワしてるのはいつも通りだから、あまり深く考えてはならない。

「勘違いしてもらっちゃ困るが、俺は至ってまともだからな?何の罪もない大勢の人達を犠牲にしてもいい、なんて馬鹿みたいな考えはこれっぽっちも持っちゃいねぇよ」

 俺が真剣な表情で――マスクで隠れてるけど――そう伝えると、アンパン魔人は何故か狂ったような笑みと笑い声を上げた。

「アッハハハハハハ!!……ボクが言うのもなんだけどさ、君イカれてるよ。少なくともマトモじゃないね。どちらかというと君はこっち側だと思うよ」

「あぁ、そうかよ。もう何とでも呼べばいいさ。……それじゃ最後に、もう一度だけ取引と行こう。こちら側はたった一人で真正面からそっちに向かう。たった一人だ。そんで、倒せればお前らの勝ちだ。その後でマスクなりなんなり取ればいい。これだとお前らは無駄に手札を切らずに済むし、お前らの提示した条件も達成される。……どうだ?悪い条件じゃないと思うんだがなぁ?」

 こうは言ってみるが、恐らくこいつはまだ食い下がってくるだろう。次にどう仕掛けてくるのか、俺はマスクの下に隠れた表情を尋常じゃないくらい歪めながら、必死に相手の数手先を読もうとする。
 しかし、俺のその予想は呆気なく外れることとなった。

「――うん、それでいいや。それじゃあ、なるべく早く来てね~!あんまり遅いと人質で遊んじゃうかも知れないからね~!」

 アンパン魔人が笑顔でこちらに手を振る映像が流れたのを最後に、画面はプッツリと途切れた。

「……………えっ?」

 予想外のことに拍子抜けし、脳が急停止する俺。
 しかし、俺だって伊達に何度も思考が停止してるわけじゃないからねぇ!今回は気合いで気持ちを奮い立たせ、瞬時に復活を果たす。
 そうして俺はすぐさま椅子から立ち上がり、皆が集まっている部屋へと向かった。

 
 ◆◆◆◆

 
 部屋に入ると皆がこちらに視線を向けていた。ここで俺はマスクを外し、皆の顔を見回しながら話す。

「現状は今みんなも見てくれたとおりだ。電波塔での戦いとなる。作戦は変更せずに、事前に立てた作戦通りで行こう」

 皆は真剣な表情でこくりと頷いた。
 それを確認した俺は一呼吸を置いた後、落ち着いた口調で話をし始める。

「ここからが正念場だ。今回の目的を成し遂げるには、ここにいる全員の協力が必要不可欠なんだ。ひとつ間違えば人質の命も俺達の命も、そして人類の未来も終わる事になるだろう。……こんな状況の時くらい『勇者の俺に全部任せておけ!』……なんて言えたらいいんだが、俺はそんな大層なことを言えるような、ましてやその称号に相応しいような特別な人間じゃないんだ。それどころか俺はこの場にいる誰よりもずっと弱い。1人では何も出来ないほどにな」

 俺は一瞬顔を俯かせるが、先ほどよりも強い決意を込めて顔を上げる。

「……だけど、俺は死ぬつもりは毛頭ないし、これ以上誰一人として死なせるつもりもない!そのために考えうる最善を全力で尽くしてきた!そしてそれは、これからも変わらない!」

 感情を漲らせ血走った目をこれでもかと見開き、拳を震えるほど固く握りながら俺は叫んだ。

「奴らの計画を含めた全てを完膚なきまでに叩き潰すッ!」
 
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

michael
2018.04.20 michael

こういうフックが効いた作品は好みですね(^-^)
第3話変えられたみたいですが、より具体的になって良くなったと思います。
もっとも、私はこんな批判が出来るような者ではないので恐縮です。
私はただの波紋使いなだけですので、……何か歳がばれそうなのでもう止めておきます(>_<)
では、続き楽しみにしておりますm(__)m



2018.04.20 ソリダス

感想ありがとうございますっ!!
他の作品だと、主人公がチート能力を使って異世界で無双する展開が多いので、チート能力を持たない主人公が異世界に行ったらどうなるんだろう?という素朴な疑問をそのまま小説にしたのが本作品になります。
他作品と明らかにベクトルが異なるため、読者の方々の反応が全く予測できず、毎話投稿する時にビクビクしていたんですが、michaelさんの感想のおかげで自信を持つことが出来ました!
これからも頑張っていきますので、応援の方よろしくお願いします!
………波紋使いなんですか!?ぜ、是非とも私の横隔膜付近をど突いてください!(瞳孔ガン開き)

解除

あなたにおすすめの小説

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。