40 / 125
恋愛編
39
しおりを挟む
レオナルド様の反応に逆にこちらが驚いてしまう
え…私何かしたかしら…?
戸惑いつつも殿下に目をやると、彼は彼で先程よりもさらに機嫌の悪そうな表情を浮かべていた
え…何故?
別に不味いことはしてないと思うのだけど…
「どうかされました…?」
恐る恐る二人に尋ねてみると、レオナルド様がパッと表情を切り替えていつもの笑みを浮かべた
「いや、なんでもないよ
それより、どう?気に入ってもらえたかな?」
質問は流され、代わりに質問される
気にはしつつも微妙な空気が続くのも嫌で、私は素直にそれに答えた
「はい、キャラメルとバターが香り高くて…
とても気に入りました」
「それはよかった
実はそのお菓子は見た目が茶色一色で地味だからか、女性への贈り物としてあまり人気のあるお菓子ではないんだ
だからちょっと不安だったんだけど…」
そこで言葉を区切ったレオナルド様はちらりと意味ありげな視線を殿下に向けた
それをみて嫌な予感を感じる
何か余計な事を言うつもりじゃないでしょうね…
何かおこる前に話題を変えようと口を開く
しかし、一瞬遅かった
「昨日もらったクッキーもパウンドケーキも、他のご令嬢たちが好むような華美なものではなかったからね
セシリア嬢はもしかしたらこういうのも好きなんじゃないかと思って」
「「!」」
他意のなさげな笑顔でそう口にしたレオナルド様
その発言に、今度は私が固まった
この世界ではお礼、お詫び、お見舞いの三つ以外で異性へ自分から贈り物をする事は好意を示す
先程の言い方では私がレオナルド様に自発的にお菓子を渡したように聞こえてしまう
「クッキーとパウンドケーキ…?」
案の定、レオナルド様の発言に殿下が反応した
ただでさえ不機嫌そうな顔をしていたのに、今は3割増しになっている
婚約者が自分を差し置いて友人に贈り物をしていれば、そりゃいい気はしないだろう
「はい、昨日私がお茶をしている時にレオナルド様とお会いしまして、お裾分けしたのです」
これ以上誤解を生むような事を言われる前に何でもないと強調する意味も込めて笑顔で説明すると、殿下の雰囲気がいくぶんか和らぐ
「なるほどな」
「そうそう、クッキーもパウンドケーキもとても美味しかったよ
あんなに美味しいお菓子が作れる婚約者がいるなんてアルベルトは幸せだね」
ほっとしたのもつかの間、レオナルド様が更なる爆弾を落としてくださった
殿下はきっと、私がお菓子を作ったり料理をしたりすることを知らない
今まで一度もそんな話をしたことはないし、差し上げたことももちろんない
だってついこの間まで数年間、会話すらまともにしていなかったんだもの…
そう考えると当たり前ではあるのだが、やはり婚約者よりも先にその友人が手作りのお菓子を食べると言うのは…あまり良いことではない
またしても表情のこわばった殿下が私に向かって口を開く
「…料理をするのか?」
「え、えぇ…
趣味の範囲ですが…」
「…知らなかったな」
「そう、でしたか?…あぁ、初めて作ったのは学園に入学してからですので…
お話しする機会がなかったのかもしれません」
「そうか…」
「それに、誰かに差し上げられるような出来ではないのです」
あくまで自分で楽しむ程度なので、と続けると殿下も納得したように頷いてくださった
「アルベルト食べたことなかったんだ?
滅茶苦茶美味しいのに、勿体ない
…あ、てことは僕アルベルトよりも先に食べちゃったんだ?なんか申し訳ないことしちゃったね」
レオナルド様の言葉でまた殿下の雰囲気が固くなる
もう頼むから余計なこと言わないで…
え…私何かしたかしら…?
戸惑いつつも殿下に目をやると、彼は彼で先程よりもさらに機嫌の悪そうな表情を浮かべていた
え…何故?
別に不味いことはしてないと思うのだけど…
「どうかされました…?」
恐る恐る二人に尋ねてみると、レオナルド様がパッと表情を切り替えていつもの笑みを浮かべた
「いや、なんでもないよ
それより、どう?気に入ってもらえたかな?」
質問は流され、代わりに質問される
気にはしつつも微妙な空気が続くのも嫌で、私は素直にそれに答えた
「はい、キャラメルとバターが香り高くて…
とても気に入りました」
「それはよかった
実はそのお菓子は見た目が茶色一色で地味だからか、女性への贈り物としてあまり人気のあるお菓子ではないんだ
だからちょっと不安だったんだけど…」
そこで言葉を区切ったレオナルド様はちらりと意味ありげな視線を殿下に向けた
それをみて嫌な予感を感じる
何か余計な事を言うつもりじゃないでしょうね…
何かおこる前に話題を変えようと口を開く
しかし、一瞬遅かった
「昨日もらったクッキーもパウンドケーキも、他のご令嬢たちが好むような華美なものではなかったからね
セシリア嬢はもしかしたらこういうのも好きなんじゃないかと思って」
「「!」」
他意のなさげな笑顔でそう口にしたレオナルド様
その発言に、今度は私が固まった
この世界ではお礼、お詫び、お見舞いの三つ以外で異性へ自分から贈り物をする事は好意を示す
先程の言い方では私がレオナルド様に自発的にお菓子を渡したように聞こえてしまう
「クッキーとパウンドケーキ…?」
案の定、レオナルド様の発言に殿下が反応した
ただでさえ不機嫌そうな顔をしていたのに、今は3割増しになっている
婚約者が自分を差し置いて友人に贈り物をしていれば、そりゃいい気はしないだろう
「はい、昨日私がお茶をしている時にレオナルド様とお会いしまして、お裾分けしたのです」
これ以上誤解を生むような事を言われる前に何でもないと強調する意味も込めて笑顔で説明すると、殿下の雰囲気がいくぶんか和らぐ
「なるほどな」
「そうそう、クッキーもパウンドケーキもとても美味しかったよ
あんなに美味しいお菓子が作れる婚約者がいるなんてアルベルトは幸せだね」
ほっとしたのもつかの間、レオナルド様が更なる爆弾を落としてくださった
殿下はきっと、私がお菓子を作ったり料理をしたりすることを知らない
今まで一度もそんな話をしたことはないし、差し上げたことももちろんない
だってついこの間まで数年間、会話すらまともにしていなかったんだもの…
そう考えると当たり前ではあるのだが、やはり婚約者よりも先にその友人が手作りのお菓子を食べると言うのは…あまり良いことではない
またしても表情のこわばった殿下が私に向かって口を開く
「…料理をするのか?」
「え、えぇ…
趣味の範囲ですが…」
「…知らなかったな」
「そう、でしたか?…あぁ、初めて作ったのは学園に入学してからですので…
お話しする機会がなかったのかもしれません」
「そうか…」
「それに、誰かに差し上げられるような出来ではないのです」
あくまで自分で楽しむ程度なので、と続けると殿下も納得したように頷いてくださった
「アルベルト食べたことなかったんだ?
滅茶苦茶美味しいのに、勿体ない
…あ、てことは僕アルベルトよりも先に食べちゃったんだ?なんか申し訳ないことしちゃったね」
レオナルド様の言葉でまた殿下の雰囲気が固くなる
もう頼むから余計なこと言わないで…
93
あなたにおすすめの小説
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました
志熊みゅう
恋愛
十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。
卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。
マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。
その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。
――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。
彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。
断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜
みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。
悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。
私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私はただのモブ。
この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。
……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……?
※2025年5月に副題を追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる