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恋愛編
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レオナルド様の反応に逆にこちらが驚いてしまう
え…私何かしたかしら…?
戸惑いつつも殿下に目をやると、彼は彼で先程よりもさらに機嫌の悪そうな表情を浮かべていた
え…何故?
別に不味いことはしてないと思うのだけど…
「どうかされました…?」
恐る恐る二人に尋ねてみると、レオナルド様がパッと表情を切り替えていつもの笑みを浮かべた
「いや、なんでもないよ
それより、どう?気に入ってもらえたかな?」
質問は流され、代わりに質問される
気にはしつつも微妙な空気が続くのも嫌で、私は素直にそれに答えた
「はい、キャラメルとバターが香り高くて…
とても気に入りました」
「それはよかった
実はそのお菓子は見た目が茶色一色で地味だからか、女性への贈り物としてあまり人気のあるお菓子ではないんだ
だからちょっと不安だったんだけど…」
そこで言葉を区切ったレオナルド様はちらりと意味ありげな視線を殿下に向けた
それをみて嫌な予感を感じる
何か余計な事を言うつもりじゃないでしょうね…
何かおこる前に話題を変えようと口を開く
しかし、一瞬遅かった
「昨日もらったクッキーもパウンドケーキも、他のご令嬢たちが好むような華美なものではなかったからね
セシリア嬢はもしかしたらこういうのも好きなんじゃないかと思って」
「「!」」
他意のなさげな笑顔でそう口にしたレオナルド様
その発言に、今度は私が固まった
この世界ではお礼、お詫び、お見舞いの三つ以外で異性へ自分から贈り物をする事は好意を示す
先程の言い方では私がレオナルド様に自発的にお菓子を渡したように聞こえてしまう
「クッキーとパウンドケーキ…?」
案の定、レオナルド様の発言に殿下が反応した
ただでさえ不機嫌そうな顔をしていたのに、今は3割増しになっている
婚約者が自分を差し置いて友人に贈り物をしていれば、そりゃいい気はしないだろう
「はい、昨日私がお茶をしている時にレオナルド様とお会いしまして、お裾分けしたのです」
これ以上誤解を生むような事を言われる前に何でもないと強調する意味も込めて笑顔で説明すると、殿下の雰囲気がいくぶんか和らぐ
「なるほどな」
「そうそう、クッキーもパウンドケーキもとても美味しかったよ
あんなに美味しいお菓子が作れる婚約者がいるなんてアルベルトは幸せだね」
ほっとしたのもつかの間、レオナルド様が更なる爆弾を落としてくださった
殿下はきっと、私がお菓子を作ったり料理をしたりすることを知らない
今まで一度もそんな話をしたことはないし、差し上げたことももちろんない
だってついこの間まで数年間、会話すらまともにしていなかったんだもの…
そう考えると当たり前ではあるのだが、やはり婚約者よりも先にその友人が手作りのお菓子を食べると言うのは…あまり良いことではない
またしても表情のこわばった殿下が私に向かって口を開く
「…料理をするのか?」
「え、えぇ…
趣味の範囲ですが…」
「…知らなかったな」
「そう、でしたか?…あぁ、初めて作ったのは学園に入学してからですので…
お話しする機会がなかったのかもしれません」
「そうか…」
「それに、誰かに差し上げられるような出来ではないのです」
あくまで自分で楽しむ程度なので、と続けると殿下も納得したように頷いてくださった
「アルベルト食べたことなかったんだ?
滅茶苦茶美味しいのに、勿体ない
…あ、てことは僕アルベルトよりも先に食べちゃったんだ?なんか申し訳ないことしちゃったね」
レオナルド様の言葉でまた殿下の雰囲気が固くなる
もう頼むから余計なこと言わないで…
え…私何かしたかしら…?
戸惑いつつも殿下に目をやると、彼は彼で先程よりもさらに機嫌の悪そうな表情を浮かべていた
え…何故?
別に不味いことはしてないと思うのだけど…
「どうかされました…?」
恐る恐る二人に尋ねてみると、レオナルド様がパッと表情を切り替えていつもの笑みを浮かべた
「いや、なんでもないよ
それより、どう?気に入ってもらえたかな?」
質問は流され、代わりに質問される
気にはしつつも微妙な空気が続くのも嫌で、私は素直にそれに答えた
「はい、キャラメルとバターが香り高くて…
とても気に入りました」
「それはよかった
実はそのお菓子は見た目が茶色一色で地味だからか、女性への贈り物としてあまり人気のあるお菓子ではないんだ
だからちょっと不安だったんだけど…」
そこで言葉を区切ったレオナルド様はちらりと意味ありげな視線を殿下に向けた
それをみて嫌な予感を感じる
何か余計な事を言うつもりじゃないでしょうね…
何かおこる前に話題を変えようと口を開く
しかし、一瞬遅かった
「昨日もらったクッキーもパウンドケーキも、他のご令嬢たちが好むような華美なものではなかったからね
セシリア嬢はもしかしたらこういうのも好きなんじゃないかと思って」
「「!」」
他意のなさげな笑顔でそう口にしたレオナルド様
その発言に、今度は私が固まった
この世界ではお礼、お詫び、お見舞いの三つ以外で異性へ自分から贈り物をする事は好意を示す
先程の言い方では私がレオナルド様に自発的にお菓子を渡したように聞こえてしまう
「クッキーとパウンドケーキ…?」
案の定、レオナルド様の発言に殿下が反応した
ただでさえ不機嫌そうな顔をしていたのに、今は3割増しになっている
婚約者が自分を差し置いて友人に贈り物をしていれば、そりゃいい気はしないだろう
「はい、昨日私がお茶をしている時にレオナルド様とお会いしまして、お裾分けしたのです」
これ以上誤解を生むような事を言われる前に何でもないと強調する意味も込めて笑顔で説明すると、殿下の雰囲気がいくぶんか和らぐ
「なるほどな」
「そうそう、クッキーもパウンドケーキもとても美味しかったよ
あんなに美味しいお菓子が作れる婚約者がいるなんてアルベルトは幸せだね」
ほっとしたのもつかの間、レオナルド様が更なる爆弾を落としてくださった
殿下はきっと、私がお菓子を作ったり料理をしたりすることを知らない
今まで一度もそんな話をしたことはないし、差し上げたことももちろんない
だってついこの間まで数年間、会話すらまともにしていなかったんだもの…
そう考えると当たり前ではあるのだが、やはり婚約者よりも先にその友人が手作りのお菓子を食べると言うのは…あまり良いことではない
またしても表情のこわばった殿下が私に向かって口を開く
「…料理をするのか?」
「え、えぇ…
趣味の範囲ですが…」
「…知らなかったな」
「そう、でしたか?…あぁ、初めて作ったのは学園に入学してからですので…
お話しする機会がなかったのかもしれません」
「そうか…」
「それに、誰かに差し上げられるような出来ではないのです」
あくまで自分で楽しむ程度なので、と続けると殿下も納得したように頷いてくださった
「アルベルト食べたことなかったんだ?
滅茶苦茶美味しいのに、勿体ない
…あ、てことは僕アルベルトよりも先に食べちゃったんだ?なんか申し訳ないことしちゃったね」
レオナルド様の言葉でまた殿下の雰囲気が固くなる
もう頼むから余計なこと言わないで…
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