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八分咲き
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目を伏せ、胸に手を当てる
とくとくと未だに音を立てる胸
ちらりと彼を伺うと、心配そうにこちらを見つめる目とかち合った
とくん、とまた一つ音が鳴る
「姫?」
「・・・」
「姫?大丈夫ですか?」
「業平殿…」
彼の名を口にすると、反応があったことに安心したのかゆるく微笑みが返ってきた
「よかった…大丈夫なようですね」
ふわりと頭を撫でられそのまま優しく髪が梳かれる
「まったく、人騒がせな人ですね。心配させないでください」
軽口をたたきながらも優しい手つきにほんわりと心が温かくなった
同時にまたも大きく音を立てる胸
その時ふと頭の中に文字が浮かんだ
“この方が好き”
「・・・あぁ、そうなのね」
「?何がです?」
呟いた言葉に不思議そうに首をかしげる業平殿
きょとんとした目と軽く傾けられた頭
そのかわいらしい仕草に愛しさが込みあげる
あぁ・・・なんで今まで気が付かなかったのかしら
気が付けばこんなに簡単な事だったのに・・・
私は、
彼を
慕っているのね・・・
とくとくと未だに音を立てる胸
ちらりと彼を伺うと、心配そうにこちらを見つめる目とかち合った
とくん、とまた一つ音が鳴る
「姫?」
「・・・」
「姫?大丈夫ですか?」
「業平殿…」
彼の名を口にすると、反応があったことに安心したのかゆるく微笑みが返ってきた
「よかった…大丈夫なようですね」
ふわりと頭を撫でられそのまま優しく髪が梳かれる
「まったく、人騒がせな人ですね。心配させないでください」
軽口をたたきながらも優しい手つきにほんわりと心が温かくなった
同時にまたも大きく音を立てる胸
その時ふと頭の中に文字が浮かんだ
“この方が好き”
「・・・あぁ、そうなのね」
「?何がです?」
呟いた言葉に不思議そうに首をかしげる業平殿
きょとんとした目と軽く傾けられた頭
そのかわいらしい仕草に愛しさが込みあげる
あぁ・・・なんで今まで気が付かなかったのかしら
気が付けばこんなに簡単な事だったのに・・・
私は、
彼を
慕っているのね・・・
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