7 / 207
1章 出会いの町キャルト
STORY1 真なる支配者VS魔族アリムル
しおりを挟む
カツーン、カツーン、カツーン……
ここはシークレット・パレス。その存在すら知る者はほとんどいない隠された宮殿。大理石を敷き詰めた床を歩く音が薄暗い廊下に響く。足音の主は魔族の女アリムル。
(…寒いな……)
アリムルは悪寒を感じていた。冷気を帯びた空気が肌にまとわりついているが、原因はそればかりではない。向かう先に待ち受けている《奴》のことを考えると恐怖で背すじが凍りつく。
それでも、魔族が世界の覇権を掌握するためには《奴》に会う必要があった。
「ここ、か」
アリムルは、たどり着いた巨大な扉の前で立ち止まる。閉ざされている扉の向こうから感じる《奴》の気配がいやが応にも緊張を高めた。
ゴゴゴゴゴゴゴ……
手もかけていないというのに、重々しい音とともに巨大な扉が開かれる。まるで歓迎しているかのように思われた。奥は真っ暗で何も見えない。
「ここまで来ては戻れぬな」
意を決して中へ入る。
久しく感じていなかった胸の高鳴りが最高潮の緊張を伝えていた。
アリムルは立ち止まる。闇に慣れてきた視線の先には玉座に腰掛けた青年がいた。《奴》だ。
「やあ、よく来たね」
青年は屈託のない笑顔でアリムルを迎える。それから、パチンと指を鳴らすとフロアが明るくなった。
「おまえが真なる支配者だな?」
アリムルは眩しさに目を細めながらも緊張と恐怖を悟られまいと努めて平静を装う。
「ああ、そうだ。真なる支配者……裏ボスといったところかな」
真なる支配者はアリムルの質問を肯定で返した。
「ウラボス……。あたしは魔族アリムル。真なる支配者ウラボスよ、手合わせ願おう!」
アリムルは言い終わると同時に襲いかかる。両手の爪で怒涛の如く連続攻撃を繰り出す。
「ちぃっ!」
全ての攻撃をあっさりとかわされたアリムルは、ウラボスとの距離をとるために素早く後退する。だが、目をはなしていないはずが、そこに既に真なる支配者の姿はなかった。
(どこに消えた!?)
真なる支配者の姿を見失って焦るアリムル。
「いきなりだな。ひどいじゃないか。それと、ウラボスじゃなくて裏ボスなんだけど……まっ、どっちでもいいや」
背後から聞こえた真なる支配者の声に肝を冷やす。弾かれたように飛び退く。
「大業火魔術!!」
肉弾戦では勝てないとみて、即座に得意の魔術を射つ。練り上げられた魔力は渦巻く火炎となって真なる支配者を直撃した。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
フロアに絶叫が響き渡る。
(いける! このまま魔術で押し切ってやる!!)
「大爆発魔術!!」
勝機を見出だしたアリムルは爆発魔術で追撃する。だが、まだ安心することはできない。なにせ相手は世界最強、真なる支配者と呼ばれる存在なのだ。この程度で倒せるとは到底考えられなかった。
「まだまだ! 火炎渦魔術!!」
たちまち発生した業火の大渦が、大爆発魔術を受けて倒れている真なる支配者を焼き払う。
「とどめだ! 氷柱豪雨魔術!!」
無数の巨大な氷柱が真なる支配者に降り注ぐ。
(殺ったか!?)
アリムルは期待のこもった眼差しで様子を見守る。これで最大の脅威は取り除かれたことになるかもしれなかった。
「やった、やったぞ!!」
魔力によって作り出された氷柱が消え去ったあと、床に倒れている真なる支配者の姿を確認してアリムルが歓喜の声をあげた。
「うぅ……」
真なる支配者はよろよろと立ち上がる。
「ちっ、しぶとい!」
アリムルは矢のような速さで真なる支配者の元までやってくると爪で攻撃する。
(もらった!!)
アリムルは勝利を確信した。が、その直後に表情は凍りつく。真なる支配者に対して止めの一撃となるはずだった攻撃は手応えがなく、空を裂くのみだった。
(まさか、ダメージを受けていないというのか!?)
この時、アリムルは悟った。大業火魔術を受けた時の絶叫すらも奴の演技であり、今の己の実力では勝てるはずもない相手なのだ、と。
◎
真なる支配者はニッコリと笑む。
「なぁ、俺の演技はどうだった?」
真なる支配者の無邪気な笑顔がアリムルに更なる戦慄を覚えさせる。真なる支配者の力は予想を遥かに凌駕していた。得意とする攻撃魔術を叩き込むことができれば大ダメージを与えるか、あわよくば倒すことが可能だと考えていた。ノーダメージなどあり得ないはずだったのだ。
「まさか、真なる支配者がこんなに強いなんてね。完敗だわ。どうだい、あたしと手を組まないかい?」
実力で敵わないことがはっきりとした。ならば、なんとしても仲間に引き入れなければならない。それが生き残るための唯一の可能性である。
「俺と君が手を組むだって?」
「そうさ。あんたがあたしたち魔族の味方になってくれるなら、あたしの身も心も全てを捧げようじゃないか」
アリムルは豊満な胸を見せつけ、瞳を潤ませる。
「それ、要らない」
「なっ!?」
絶対的な自信があった色仕掛けすらもあっさりと拒否され、アリムルは固まってしまう。そして、強いショックは怒りに変わる。
「なにさ! ちょっとばかし強いからっていい気になってんじゃないよ! だいたい、それだけの力が持っているってのに、どうして何もしようと思わないのさ!?」
怒りにまかせてぶつけられた質問に、真なる支配者は顎に手を当てて考える。
「なぜ、か……。そういえば、考えたこともなかったな。覇権とか、そういうのに興味がないんだよなぁ。やりたいことがないから何もしないってところか?」
真なる支配者が思考の末に導きだした答えにアリムルは目を見開いた。この世界では、人間、魔族、妖精族など様々な種族がしのぎを削っている。
それなのに、目の前にいるこの男は、真なる支配者と呼ばれ、最も強大な力を持ちながら覇権に興味がないと言ってのけた。
まるで、自分たちの命を懸けた戦いが茶番劇を演じているかのように思え、腹立たしくなってくる。
「ならば、いっそのこと真なる支配者など辞めてしまえ!!」
言ってから、アリムルは我に返った。
(しまった! 刺激し過ぎたか!?)
真なる支配者の怒りを買ってしまえば交渉は不可能だ。その場合、自らの死を意味している。
「……それも悪くない考えだな。よし、辞めてしまおう!」
真なる支配者は右手の拳を左手の掌の上にポンと置く。
「な、なんだと!?」
アリムルは面食らって動揺する。そんな魔族をよそに真なる支配者は魔力によって足下に魔法陣を描く。
「ま、待て! どこへ行く!?」
急展開に慌てるアリムル。
「なーんに決めてない。気の向くまま自由にするさ。じゃあな!」
真なる支配者は瞬間移動魔術を発動させる。
あとに残されたアリムルは静寂の中で呆然と立ち尽くしていた。
ここはシークレット・パレス。その存在すら知る者はほとんどいない隠された宮殿。大理石を敷き詰めた床を歩く音が薄暗い廊下に響く。足音の主は魔族の女アリムル。
(…寒いな……)
アリムルは悪寒を感じていた。冷気を帯びた空気が肌にまとわりついているが、原因はそればかりではない。向かう先に待ち受けている《奴》のことを考えると恐怖で背すじが凍りつく。
それでも、魔族が世界の覇権を掌握するためには《奴》に会う必要があった。
「ここ、か」
アリムルは、たどり着いた巨大な扉の前で立ち止まる。閉ざされている扉の向こうから感じる《奴》の気配がいやが応にも緊張を高めた。
ゴゴゴゴゴゴゴ……
手もかけていないというのに、重々しい音とともに巨大な扉が開かれる。まるで歓迎しているかのように思われた。奥は真っ暗で何も見えない。
「ここまで来ては戻れぬな」
意を決して中へ入る。
久しく感じていなかった胸の高鳴りが最高潮の緊張を伝えていた。
アリムルは立ち止まる。闇に慣れてきた視線の先には玉座に腰掛けた青年がいた。《奴》だ。
「やあ、よく来たね」
青年は屈託のない笑顔でアリムルを迎える。それから、パチンと指を鳴らすとフロアが明るくなった。
「おまえが真なる支配者だな?」
アリムルは眩しさに目を細めながらも緊張と恐怖を悟られまいと努めて平静を装う。
「ああ、そうだ。真なる支配者……裏ボスといったところかな」
真なる支配者はアリムルの質問を肯定で返した。
「ウラボス……。あたしは魔族アリムル。真なる支配者ウラボスよ、手合わせ願おう!」
アリムルは言い終わると同時に襲いかかる。両手の爪で怒涛の如く連続攻撃を繰り出す。
「ちぃっ!」
全ての攻撃をあっさりとかわされたアリムルは、ウラボスとの距離をとるために素早く後退する。だが、目をはなしていないはずが、そこに既に真なる支配者の姿はなかった。
(どこに消えた!?)
真なる支配者の姿を見失って焦るアリムル。
「いきなりだな。ひどいじゃないか。それと、ウラボスじゃなくて裏ボスなんだけど……まっ、どっちでもいいや」
背後から聞こえた真なる支配者の声に肝を冷やす。弾かれたように飛び退く。
「大業火魔術!!」
肉弾戦では勝てないとみて、即座に得意の魔術を射つ。練り上げられた魔力は渦巻く火炎となって真なる支配者を直撃した。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
フロアに絶叫が響き渡る。
(いける! このまま魔術で押し切ってやる!!)
「大爆発魔術!!」
勝機を見出だしたアリムルは爆発魔術で追撃する。だが、まだ安心することはできない。なにせ相手は世界最強、真なる支配者と呼ばれる存在なのだ。この程度で倒せるとは到底考えられなかった。
「まだまだ! 火炎渦魔術!!」
たちまち発生した業火の大渦が、大爆発魔術を受けて倒れている真なる支配者を焼き払う。
「とどめだ! 氷柱豪雨魔術!!」
無数の巨大な氷柱が真なる支配者に降り注ぐ。
(殺ったか!?)
アリムルは期待のこもった眼差しで様子を見守る。これで最大の脅威は取り除かれたことになるかもしれなかった。
「やった、やったぞ!!」
魔力によって作り出された氷柱が消え去ったあと、床に倒れている真なる支配者の姿を確認してアリムルが歓喜の声をあげた。
「うぅ……」
真なる支配者はよろよろと立ち上がる。
「ちっ、しぶとい!」
アリムルは矢のような速さで真なる支配者の元までやってくると爪で攻撃する。
(もらった!!)
アリムルは勝利を確信した。が、その直後に表情は凍りつく。真なる支配者に対して止めの一撃となるはずだった攻撃は手応えがなく、空を裂くのみだった。
(まさか、ダメージを受けていないというのか!?)
この時、アリムルは悟った。大業火魔術を受けた時の絶叫すらも奴の演技であり、今の己の実力では勝てるはずもない相手なのだ、と。
◎
真なる支配者はニッコリと笑む。
「なぁ、俺の演技はどうだった?」
真なる支配者の無邪気な笑顔がアリムルに更なる戦慄を覚えさせる。真なる支配者の力は予想を遥かに凌駕していた。得意とする攻撃魔術を叩き込むことができれば大ダメージを与えるか、あわよくば倒すことが可能だと考えていた。ノーダメージなどあり得ないはずだったのだ。
「まさか、真なる支配者がこんなに強いなんてね。完敗だわ。どうだい、あたしと手を組まないかい?」
実力で敵わないことがはっきりとした。ならば、なんとしても仲間に引き入れなければならない。それが生き残るための唯一の可能性である。
「俺と君が手を組むだって?」
「そうさ。あんたがあたしたち魔族の味方になってくれるなら、あたしの身も心も全てを捧げようじゃないか」
アリムルは豊満な胸を見せつけ、瞳を潤ませる。
「それ、要らない」
「なっ!?」
絶対的な自信があった色仕掛けすらもあっさりと拒否され、アリムルは固まってしまう。そして、強いショックは怒りに変わる。
「なにさ! ちょっとばかし強いからっていい気になってんじゃないよ! だいたい、それだけの力が持っているってのに、どうして何もしようと思わないのさ!?」
怒りにまかせてぶつけられた質問に、真なる支配者は顎に手を当てて考える。
「なぜ、か……。そういえば、考えたこともなかったな。覇権とか、そういうのに興味がないんだよなぁ。やりたいことがないから何もしないってところか?」
真なる支配者が思考の末に導きだした答えにアリムルは目を見開いた。この世界では、人間、魔族、妖精族など様々な種族がしのぎを削っている。
それなのに、目の前にいるこの男は、真なる支配者と呼ばれ、最も強大な力を持ちながら覇権に興味がないと言ってのけた。
まるで、自分たちの命を懸けた戦いが茶番劇を演じているかのように思え、腹立たしくなってくる。
「ならば、いっそのこと真なる支配者など辞めてしまえ!!」
言ってから、アリムルは我に返った。
(しまった! 刺激し過ぎたか!?)
真なる支配者の怒りを買ってしまえば交渉は不可能だ。その場合、自らの死を意味している。
「……それも悪くない考えだな。よし、辞めてしまおう!」
真なる支配者は右手の拳を左手の掌の上にポンと置く。
「な、なんだと!?」
アリムルは面食らって動揺する。そんな魔族をよそに真なる支配者は魔力によって足下に魔法陣を描く。
「ま、待て! どこへ行く!?」
急展開に慌てるアリムル。
「なーんに決めてない。気の向くまま自由にするさ。じゃあな!」
真なる支配者は瞬間移動魔術を発動させる。
あとに残されたアリムルは静寂の中で呆然と立ち尽くしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる