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4章 呪われたウラボス
STORY77 別れと新たな旅立ち
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「ゼルアル、元気でね! また会いましょう」
宿を出て、リアーナはゼルアルに別れの挨拶を済ませる。
「おぅ! 宿代に食事代、なんかかえって悪かったな」
「そんなことないよ。ゼルアルに逢えなかったら本当に大変だったんだから!」
「頼りのウラボスはお子ちゃまだったしな!」
ゼルアルは悪戯っぽい笑みを浮かべてウラボスを見る。
「けっ、言ってろ……」
ウラボスはどこか拗ねた子供のようにゼルアルと視線を合わせようとしない。
「ニャハハ……。案外、二人は気が合うんじゃないかニャ?」
そんな二人の様子を見たリャッカが言う。
「「おいおい、冗談だろ」」
ウラボスとゼルアルの声がハモり、互いに顔を見合わせ、すぐにそっぽを向いてしまう。それがまたリアーナたちの笑いを誘う。
「……ところで、グランザに訊いておきたいんだが?」
ウラボスが話題を変える。
「はい、なんですか?」
「アリムルという名の魔族に心当たりはないか?」
ウラボスの口から出た名前にグランザが驚いたような表情を見せた。
「どうして、ウラボスさんがアリムル様のお名前を知ってるんですか!?」
グランザは逆に質問を返す。
「ん……いや、ちょっとな……」
言葉を濁すウラボス。
「アリムルってだれニャ?」
リャッカが改めてグランザに訊く。
「アリムル様はタレク島を治めておられる方です」
「俺たちが行ったとして会えるのか?」
ウラボスの質問にグランザは「うーん」と唸る。
「たぶん、アリムル様にお会いすることは可能かと……。ただ、タレク島はここからだとすごく遠いですし、上陸するのもかなりの危険を伴いますよ?」
「だとしても、ウラボスはそのアリムルさんに会いたいんだよね?」
リアーナがウラボスに訊く。
「ああ。会って訊きたいことがあるからな」
ウラボスの意思を確認したリアーナは決心を固める。
「ねぇ、とりあえずの暁の渡り鳥の目的地はタレク島にしようと思うんだけど、それでいいかな?」
「賛成ニャ。遠いなら道中でギルドの仕事をこなしながら旅の資金を稼げばいいニャ!」
「僕も賛成です。タレク島は僕の故郷だし、皆さんにもぜひ来てほしいです!」
暁の渡り鳥は全員の意見がまとまり、目的地が決定した。
「いいのか? 相当危険なんだろ?」
「冒険に危険は付き物じゃない!」
「そうニャ、そうニャ! どんな困難だって暁の渡り鳥なら乗り越えられるニャ!」
「みんなで力を合わせればなんとかなりますよ!」
仲間たちから前向きな言葉が口々に飛び出す。
「すまない。ありがとう」
ウラボスは素直に感謝の気持ちを言葉に出す
「そっか。そんじゃ、気をつけろよ」
ゼルアルが暁の渡り鳥に声をかける。
「ゼルアルも一緒に行かないかニャ?」
リャッカがゼルアルを誘う。
「悪ぃな。俺は気ままな一人旅を続けるつもりだ。まっ、気が向いたら、そっちにも行ってみるとしよう。……そんじゃな!」
ゼルアルは笑顔で別れを告げると仮面を着けて旅立っていった。
「それじゃ、わたしたちも行こ!」
「おぅ!!」
リアーナに反応したリャッカとグランザの元気な声で、暁の渡り鳥も次なる冒険へと旅立った。
~4章 呪われたウラボス 完~
宿を出て、リアーナはゼルアルに別れの挨拶を済ませる。
「おぅ! 宿代に食事代、なんかかえって悪かったな」
「そんなことないよ。ゼルアルに逢えなかったら本当に大変だったんだから!」
「頼りのウラボスはお子ちゃまだったしな!」
ゼルアルは悪戯っぽい笑みを浮かべてウラボスを見る。
「けっ、言ってろ……」
ウラボスはどこか拗ねた子供のようにゼルアルと視線を合わせようとしない。
「ニャハハ……。案外、二人は気が合うんじゃないかニャ?」
そんな二人の様子を見たリャッカが言う。
「「おいおい、冗談だろ」」
ウラボスとゼルアルの声がハモり、互いに顔を見合わせ、すぐにそっぽを向いてしまう。それがまたリアーナたちの笑いを誘う。
「……ところで、グランザに訊いておきたいんだが?」
ウラボスが話題を変える。
「はい、なんですか?」
「アリムルという名の魔族に心当たりはないか?」
ウラボスの口から出た名前にグランザが驚いたような表情を見せた。
「どうして、ウラボスさんがアリムル様のお名前を知ってるんですか!?」
グランザは逆に質問を返す。
「ん……いや、ちょっとな……」
言葉を濁すウラボス。
「アリムルってだれニャ?」
リャッカが改めてグランザに訊く。
「アリムル様はタレク島を治めておられる方です」
「俺たちが行ったとして会えるのか?」
ウラボスの質問にグランザは「うーん」と唸る。
「たぶん、アリムル様にお会いすることは可能かと……。ただ、タレク島はここからだとすごく遠いですし、上陸するのもかなりの危険を伴いますよ?」
「だとしても、ウラボスはそのアリムルさんに会いたいんだよね?」
リアーナがウラボスに訊く。
「ああ。会って訊きたいことがあるからな」
ウラボスの意思を確認したリアーナは決心を固める。
「ねぇ、とりあえずの暁の渡り鳥の目的地はタレク島にしようと思うんだけど、それでいいかな?」
「賛成ニャ。遠いなら道中でギルドの仕事をこなしながら旅の資金を稼げばいいニャ!」
「僕も賛成です。タレク島は僕の故郷だし、皆さんにもぜひ来てほしいです!」
暁の渡り鳥は全員の意見がまとまり、目的地が決定した。
「いいのか? 相当危険なんだろ?」
「冒険に危険は付き物じゃない!」
「そうニャ、そうニャ! どんな困難だって暁の渡り鳥なら乗り越えられるニャ!」
「みんなで力を合わせればなんとかなりますよ!」
仲間たちから前向きな言葉が口々に飛び出す。
「すまない。ありがとう」
ウラボスは素直に感謝の気持ちを言葉に出す
「そっか。そんじゃ、気をつけろよ」
ゼルアルが暁の渡り鳥に声をかける。
「ゼルアルも一緒に行かないかニャ?」
リャッカがゼルアルを誘う。
「悪ぃな。俺は気ままな一人旅を続けるつもりだ。まっ、気が向いたら、そっちにも行ってみるとしよう。……そんじゃな!」
ゼルアルは笑顔で別れを告げると仮面を着けて旅立っていった。
「それじゃ、わたしたちも行こ!」
「おぅ!!」
リアーナに反応したリャッカとグランザの元気な声で、暁の渡り鳥も次なる冒険へと旅立った。
~4章 呪われたウラボス 完~
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