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8章 王都レビオルム

STORY139 国王からの依頼

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 「なんということだ……。フリーネが連れ去られようとは……」

 ラグーナは落胆し、玉座にもたれ掛かるようにして腰を沈める。

 「ふん…。偉そうなことをぬかしておったわりにはフリーネ姫様を目の前で連れ去られるとは情けない」

 ヴァズはウラボスに冷ややかな視線を向ける。だが、ウラボスは特に気にする様子を見せない。

 「すまないが、俺は武器を調達してくる。すぐに戻るがそれまでは無理はするな」

 ウラボスはリアーナに少しパーティーを離れることを告げる。

 「うん、わかった」

 リアーナは了解する。

 「待て! どこへ行く!?」

 ヴァズが止めるのも聞かず、ウラボスは瞬間移動魔術テレポーテーションを発動させ、その姿を消してしまった。 

 「ふん! 臆病風にでも吹かれたか?」

 ヴァズが言い捨てる。

 「ウラボスはそんな人じゃありません!」

 リアーナがヴァズに真っ向から反論する。

 「はん、どうだか……」

 「ウラボスさんは本当にすごい人です。戦士として僕よりも強いですし、暁の渡り鳥ぼくたちがこれまで戦ってこられたのはウラボスさんのお陰でもあるんです」

 「たしかにニャ。魔術に関しては賢者のあたしよりも上なのは認めてやるニャ」

 グランザとリャッカもウラボスの実力を評価する。

 「……ベイズからの手紙にもそのようなことが書いてあったな…」

 ラグーナは暫く思考を巡らせていたが、やがてリアーナに視線を移す。

 「リアーナよ、暁の渡り鳥そなたたちに改めて依頼いたそう。我が国の魔女リリアが反乱を起こしたのだ。恐らく、此度こたびの襲撃の裏にもリリアが絡んでおるのだろう。魔女リリアを討ってはくれまいか?」

 「その魔女リリアというのは?」

 リアーナが問う。

 「……」

 ラグーナとヴァズは沈黙する。

 「どうかしたのかニャ?」

 リャッカが訊く。

 「魔女リリアは我が国で最も優れた魔術師であり、幅広い知識を持っておった」

 「魔女というよりは賢者だニャ」

 リャッカの言葉にラグーナは首肯する。

 「たしかにな。だが、本人は賢者のライセンスを取得しようとはしなかった。自分はあくまでも魔女なのだと言ってな……」

 「それがどうして反乱なんかを?」

 「わからぬ……。もしも可能であるならばぜひとも話を聞きたいと思っておる。が、リリアほどの魔女を相手にそれは困難であろう。だからこそ、討伐してほしいと言ったのだ……」

 沈痛な面持ちで語るラグーナ。

 「わかりました。可能なようであればリリアには投降してもらえるように説得を試みます」

 リアーナの言葉にラグーナは表情を明るくする。

 「まことか! では、魔女リリアの件は引き受けてくれるのだな?」

 「はい。魔女リリアの討伐または捕縛依頼は暁の渡り鳥わたしたちがお引き受けします」

 リアーナは答える。

 「すまぬな。なお、リリア側の戦力は全く不明であるため注意してもらいたい。あの黒騎士たちもおそらくリリアの仲間や部下といったところであろう」

 「それはそうと、今回の依頼の報酬についてはどうなんですかニャ?」

 リャッカがラグーナに訊く。

 「まず、フリーネを無事に救出することが大前提ではあるが2000万コルドでどうだ?」

 ラグーナから提示された金額にリャッカは笑みをこぼした。
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