冒険パーティー【暁の渡り鳥】の村人は最強です

美山 鳥

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9章 魔女リリア討伐戦

STORY149 VS魔女リリア①

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 黒騎士ゾワルが出ていったあと、部屋に残された魔女リリアは黙ったまま立っていた。

 「姿を現したらどう?」

 「…さすが魔女だニャ」

 姿を隠すことに意味がないと知ったリャッカが不可視魔術インビシブルを解除する。

 「あら、ケットシーじゃない。でも、残念ね。妖精族程度の魔力じゃ私に勝てないわよ?」

 リリアは不敵に笑う。

 「それはどうかニャ? あたしはこう見えても賢者ニャ。簡単にはやられないニャ」

 「へぇ……。あんた、賢者なのかい。だったら、魔女と賢者、どちらが上かはっきりさせようじゃない!」

 リリアは言い終わると同時に魔力を練り上げる。

 「光線魔術レイ・アロー!」

 いきなり放たれた光線をリャッカは横っ跳びにかわす。それから魔力を練る。

 「雷撃渦魔術ライトニング・トルネード!」

 リャッカは練り上げた魔力で稲妻の渦を発生させた。

 「防御魔術プロテクト

 すかさず防御魔術プロテクトでバリアを張るリリア。全方位からの攻撃に対して防御する。

 「やるじゃないかい! 光線渦魔術レイ・トルネード!!」

 リリアが魔術を詠唱発動する。光線が渦となってリャッカを呑み込む。

 「防御魔術プロテクト


 リャッカもまたバリアを張る。が、リリアの発生させた光線の渦に耐えきれず、バリアは崩壊してしまう。

 「ウニャッ…」

 巻き上げられて天井に叩きつけられたリャッカは声を漏らす。

 (まずいニャ。屋内だと思い切り魔術を使えないニャ。どうにかして外に出るニャ…)

 リャッカは床を蹴って素早くリリアとの間合いを詰める。

 「はん! 魔術戦じゃ勝てないとわかって白兵戦に持ち込むつもり!?」

 リリアは杖を構える。

 「剛力魔術パワー! 加速魔術クイック!」

 魔術を連続詠唱し、自らの力と素早さを強化したリャッカ。ミスリル・ロッドでリリアに殴りかかる。

 「ちっ!」

 リャッカの攻撃を杖で防ぐリリア。だが、遂に防御が追い付かなくなる。

 「うっ……」

 リャッカのミスリル・ロッドがリリアの左脇腹を殴打する。痛みに相好を崩すリリア。

 「こ……のぉ!」

 痛みに耐えながら杖を振るってリャッカを遠ざける。

 (ちっ、忌々しい妖精族ね! こんな狭い所じゃこっちが不利だ…)

 リリアは窓から身をおどらせ外へと飛び出す。しかし、それこそリャッカの狙いどおりの行動であった。

 リリアを追って窓から飛び出したリャッカ。ミスリル・ロッドを構えてリリアと対峙する。
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