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10章 レビオルムの惨劇
STORY158 謎の人物
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エンダイク城の図書室。リャッカは時が経つのも忘れて読書に耽っている。リャッカは近付いてくる人物がいることに気付いていない。
「あなたも本を読むと周りが見えなくなるタイプ?」
リャッカの隣まできたその人物が声をかける。
「ニャッ!?」
そこで初めて気がついたリャッカは驚いたように顔を上げた。そこにいたのは魔女リリアだ。
「い、いつからそこにいたニャ?」
リリアは、リャッカに訊かれてため息をつく。
「さっきからよ。まったく、本を読み出すとこうも隙だらけなんてね。こんな時に敵に襲われればひとたまりもないわね。こんなのに敗けちゃったなんて……」
リリアは自分が情けなくなり、首を振る。
「う、うるさいニャ~。わざわざ嫌味を言いに来たのかニャ?」
「んなわけないでしょ。そこまで暇じゃないわよ」
リリアは即答で否定する。
「だったら、何の用ニャ?」
リャッカが用件を切り出すよう促す。
「ねぇ。あなたはあの巨大ガーゴイルをどう思う?」
真剣な表情で訊くリリア。リャッカは暫し黙考する。
「それはどういうことニャ? あのガーゴイルを動かしたのは、やっぱりリリアじゃなかったのかニャ?」
「うっ……やっぱりってどういう意味かしら?」
リャッカの言葉に顔をひきつらせるリリア。
「簡単ニャ。リリアにあれだけ巨大なガーゴイルを動かせるだけの魔力はないと思ったニャ」
リャッカはストレートにはっきりと答える。
「あなたねぇ……」
リリアはガックリと落ち込む。
「あのガーゴイルをどうやって味方にしたニャ?」
今度はリャッカが訊く。
「もらったのよ」
簡潔な答えが返ってきた。
「もらった……って簡単に言うけど、いったいだれがあんなのをくれたのかニャ?」
「さあ?」
あっけらかんと答えるリリア。
「あたしはどこの子供と話してるのかニャ?」
「しかたないでしょ、ほんとに知らないんだから。そもそも私にあのガーゴイルをくれた魔術師がフリーネ姫誘拐を持ち掛けてきたんだから!」
リリアが外方を向きながら爆弾発言をぶち込む。
「ちょっと待つニャ! フリーネ姫誘拐を企てたのはリリアじゃないのかニャ!?」
「そうだけど? 何か問題でも?」
リャッカが何を言いたいのかわからず困惑の表情を見せる。
「大ありニャ! そいつが本当に国の行く行く末を案じてるなら、姫を誘拐するようなことは言わないニャ! 考えてもみるニャ。姫が連れ去られれば城内が混乱するニャ。それは城下町へと伝わり、さらに国中に広がっていくニャ。まして、フリーネ姫はラグーナ様にとっては一人娘ニャ。もしも、そいつが国家転覆を考えてるようなやつだとしたら、その機を逃したりはしないはずニャ」
「あっ!……」
(今さら気付いたのかニャ……。こんなのに姫様の教育係を任せて大丈夫なのか不安になってきたニャ)
リャッカがジト目でリリアを見る。
「な、なによ! そ、それじゃ、私はこのことをラグーナ様に報告に行くからね!」
気まずそうに立ち去るリリア。リャッカはその後ろ姿を黙って見送り、思った。
(あいつ、結局のところ何しに来たニャ?)
「あなたも本を読むと周りが見えなくなるタイプ?」
リャッカの隣まできたその人物が声をかける。
「ニャッ!?」
そこで初めて気がついたリャッカは驚いたように顔を上げた。そこにいたのは魔女リリアだ。
「い、いつからそこにいたニャ?」
リリアは、リャッカに訊かれてため息をつく。
「さっきからよ。まったく、本を読み出すとこうも隙だらけなんてね。こんな時に敵に襲われればひとたまりもないわね。こんなのに敗けちゃったなんて……」
リリアは自分が情けなくなり、首を振る。
「う、うるさいニャ~。わざわざ嫌味を言いに来たのかニャ?」
「んなわけないでしょ。そこまで暇じゃないわよ」
リリアは即答で否定する。
「だったら、何の用ニャ?」
リャッカが用件を切り出すよう促す。
「ねぇ。あなたはあの巨大ガーゴイルをどう思う?」
真剣な表情で訊くリリア。リャッカは暫し黙考する。
「それはどういうことニャ? あのガーゴイルを動かしたのは、やっぱりリリアじゃなかったのかニャ?」
「うっ……やっぱりってどういう意味かしら?」
リャッカの言葉に顔をひきつらせるリリア。
「簡単ニャ。リリアにあれだけ巨大なガーゴイルを動かせるだけの魔力はないと思ったニャ」
リャッカはストレートにはっきりと答える。
「あなたねぇ……」
リリアはガックリと落ち込む。
「あのガーゴイルをどうやって味方にしたニャ?」
今度はリャッカが訊く。
「もらったのよ」
簡潔な答えが返ってきた。
「もらった……って簡単に言うけど、いったいだれがあんなのをくれたのかニャ?」
「さあ?」
あっけらかんと答えるリリア。
「あたしはどこの子供と話してるのかニャ?」
「しかたないでしょ、ほんとに知らないんだから。そもそも私にあのガーゴイルをくれた魔術師がフリーネ姫誘拐を持ち掛けてきたんだから!」
リリアが外方を向きながら爆弾発言をぶち込む。
「ちょっと待つニャ! フリーネ姫誘拐を企てたのはリリアじゃないのかニャ!?」
「そうだけど? 何か問題でも?」
リャッカが何を言いたいのかわからず困惑の表情を見せる。
「大ありニャ! そいつが本当に国の行く行く末を案じてるなら、姫を誘拐するようなことは言わないニャ! 考えてもみるニャ。姫が連れ去られれば城内が混乱するニャ。それは城下町へと伝わり、さらに国中に広がっていくニャ。まして、フリーネ姫はラグーナ様にとっては一人娘ニャ。もしも、そいつが国家転覆を考えてるようなやつだとしたら、その機を逃したりはしないはずニャ」
「あっ!……」
(今さら気付いたのかニャ……。こんなのに姫様の教育係を任せて大丈夫なのか不安になってきたニャ)
リャッカがジト目でリリアを見る。
「な、なによ! そ、それじゃ、私はこのことをラグーナ様に報告に行くからね!」
気まずそうに立ち去るリリア。リャッカはその後ろ姿を黙って見送り、思った。
(あいつ、結局のところ何しに来たニャ?)
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