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1章 アルフォスと仲間たち
10話 買い出し依頼
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「おかえり。ご苦労様でした」
「おかえりなさい! お疲れ様ぁ!」
執務室にやってきた俺たちにルットとピファが声をかけてくる。
「ああ」
俺は短く答え、聖剣エクスカリバーと魔剣カラドボルグを壁に立て掛ける。それから自席に落ち着く。
「ただいま」
メルティナは笑顔で答え、中央の机の上に相談箱に入っていた手紙を置く。
「お茶を用意するから、ちょっと待っててね」
「だったら、わたしも手伝うわ」
「いいよぉ。お姉ちゃんは休んでて」
「いいから、いいから」
(メルティナとピファは、ほんとに仲がいいな)
俺は、ピファとメルティナが執務室を出ていくのを見送り、椅子の背もたれに体を預ける。
「買い出し依頼? どういうつもりでこんな馬鹿げた手紙を相談箱に入れるんですの?」
相談内容を記した手紙の一通を開いたセラが呆れたように言う。
「とにかく、緊急性のある依頼、重要性の高い依頼を選り分けてから明日の予定を組もう」
言いつつ、俺も依頼内容の確認作業に加わった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お待たせ!」
俺がルットやセラ、ウィナーと依頼内容の仕分け作業をしているところに、ピファとメルティナがお茶と茶菓子を持って戻ってきた。
「オレとしては酒のほうがいいんだがなぁ……」
差し出された茶をメルティナから受け取りながらウィナーが呟く。
「あら? あなたは毎晩呑んでいると聞いてますわよ。まだ、呑み足りないんですの?」
セラが仕分け作業を続けながらウィナーに鋭い視線を向ける。
「じ、冗談に決まってるじゃねぇかよ。あんまり怒ると皺が増えるぞ?」
顔を引きつらせながらも反論するウィナー。セラの動きがピタリと止まり、執務室の空気が凍りつく。俺たちは素早くウィナーから離れる。
「今、何かおっしゃいました?」
セラが持っていた手紙を机の上に置き、左手に魔力を収束させる。
こんな所でセラが本気で魔術を使ったら大惨事となる。それを避けなければならない。
「セラ、ここは執務室だ。あまり破壊されると困るんだが?」
俺はセラに声をかける。
「もちろん、わかっておりますわ」
振り向いたセラは笑顔を向けてくる。しかし、あれを笑顔と表現していいものか……。ピファは恐怖からルットが羽織っているマントの裾を握っている。
セラはウィナーのほうへ向き直り、ゆっくりと近付いていく。一方、ウィナーはセラの歩調に合わせて後退りする。
「お、落ち着け、セラ! 悪気があったわけじゃないんだ! つい、ポロッと出た言葉なんだ!」
「つい、どんな言葉が飛び出したんですの?」
「い……いや、それは……」
ウィナーは遂に壁際まで追い込まれる。
「その……皺が増えるぞって……」
ウィナーが恐る恐る禁句を口にした。
ルットやメルティナはこれから起こるであろう惨劇を予想して顔を背ける。ピファなどは震えながらルットに抱きついて顔を隠している。
こうなっては、俺としても事態を見守るしかできない。
セラの左手がウィナーの鍛え上げられた肉体に触れる。
ニッコリと笑むセラに引きつった笑顔を返すウィナー。
「雷属性中級魔術!!」
「ぐうぉぉぉぉぉぉっ!!」
セラの雷属性魔術を密着状態で受けたウィナーの絶叫が響く。得意の火属性魔術でなかっただけマシだろうが、かなり効いているはずだ。
「……さて、さっさと終わらせてしまいますわよ、皆さん」
振り返ったセラはスッキリしたような笑顔を向けた。俺たちは床に倒れているウィナーのことには敢えて触れないことにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「これ……」
仕分け作業を再開したメルティナが一通の手紙に目を留めた。それはセラが最初に開封した「買い出し依頼」の手紙だ。
「それがどうかしたのか?」
俺が訊くとメルティナが首肯する。
「うん。依頼人がカーヤだったから……」
俺には聞き覚えのない名前だった。
「知り合いなのか?」
問う俺にメルティナがクスクスと笑う。
「アルフォスも会ってるよ。ほら、わたしがアルフォスに処刑されそうになった時……」
俺は当時のことを思い返す。しかし、思い当たる人物はいない。セラやウィナーも同様のようだ。
今度はピファが笑う。
「ほらぁ、アルフォスお兄ちゃんに処刑を中止するように直談判したお婆さんだよ!」
「ああ、言われてみれば……」
たしかに、メルティナの死刑執行を取り止めるように言ってきた老婆がいた。が、それ以外のことは思い出せない。
「いたのは覚えちゃいるが……」
「それ以外は全く思い出せませんわ」
やはり、この二人も俺と同じだったか。
「ルットは知ってるのか?」
俺はルットに話を振る。
「少しはね。メルティナの世話係だったのは知ってるよ。あとは、名前と容姿くらいかな」
ルットがカーヤの姿を思い浮かべるように天井を見る。
「それはしかたないわよ。だって、わたしの世話係を辞めてから随分と経ってるもの」
「あの死刑執行の日、久しぶりに会ったんだよね、お姉ちゃん!」
「うん!」
ピファとメルティナが微笑み合う。
「あなたたち、微笑ましく語ってますけど、自分たちが死刑を執行されそうになった日のことですわよね?」
セラが的確なツッコミをいれる。
「そうなんだけど……まぁ、そういうこともあるかなって」
「うん、貴重な体験だったよね!」
「執行しようとしていた俺が言うのもおかしいが、あれを貴重な体験ですませられるものなのか」
俺は、軽く言ってのけるメルティナとピファに言う。
「まぁ、僕たちがアルフォスにしてしまったことを思えばね……」
話を聞いていたルットが呟く。メルティナやピファも俯いている。
俺はため息をつく。
「たしかに一時期はおまえたちを恨んでいた。しかし、今は気にしちゃいない。あの一件がなければ俺は魔眼や魔腕の力を手にしていない。それにリュカリオンやセラとも敵対していたかもしれないしな」
「だな! オレにいたってはリュカリオンの造り出した異空間にいたままかもしれねぇしな!」
俺の言葉に、復活したウィナーが続く。
「あなたの場合は異空間とともに消滅していた可能性もありますわね」
セラに言われたウィナーは自らの不幸な結末を想像して身震いする。
「ねぇ、お姉ちゃん。久しぶりにカーヤに会いに行こうよ! あたしも会いたいし」
「ダメですわ! 買い出しなどわたくしたちが受けるような依頼じゃありませんわ!」
メルティナが答える前にセラが却下する。
「え~……セラさんの意地悪ぅ!」
ピファが頬を膨らませるがセラは気にもしない。彼女の性格的にその手は通じないだろうな。俺は苦笑する。
「ルットォ……」
諦めきれないピファはルットに応援を求める。一方、ルットは困ったように笑う。
「……その買い出し依頼をピファに回してもらえないかい?」
ルットが俺に提案を持ちかけてきた。
「俺はかまわない」
「やったぁ!」
俺からの返答を聞いて歓声をあげるピファ。
「よかったね、ピファ。カーヤにはよろしく言っといてね」
「えぇ~、お姉ちゃんも行こうよ!」
「ごめんね。わたしは他の依頼があるから……」
「む~……」
さっきまで喜んでいたピファが今度は項垂れている。感情が豊かなところがピファらしい。
「メルティナも一緒に行けばいいじゃないか」
「「いいの!?」」
メルティナとピファが嬉々として声をあげる。
「アルフォス様! わたくしは反対ですわ」
対して、セラは抗議の眼差しを向けてくる。
「俺とセラ二人だけでも充分だろ」
「アルフォス様と二人きり……しかたないですわね。アルフォス様がおっしゃるのなら反対しませんわ」
セラがあっさりと意見を翻す。
「さっき反対してたじゃねぇかよ」
「あら、ウィナーは雷より炎のほうがお好みですのね?」
余計なツッコミをいれてしまったウィナーが表情を硬くする。
俺たちはウィナーとセラを執務室に残して退散するのだった。
「おかえりなさい! お疲れ様ぁ!」
執務室にやってきた俺たちにルットとピファが声をかけてくる。
「ああ」
俺は短く答え、聖剣エクスカリバーと魔剣カラドボルグを壁に立て掛ける。それから自席に落ち着く。
「ただいま」
メルティナは笑顔で答え、中央の机の上に相談箱に入っていた手紙を置く。
「お茶を用意するから、ちょっと待っててね」
「だったら、わたしも手伝うわ」
「いいよぉ。お姉ちゃんは休んでて」
「いいから、いいから」
(メルティナとピファは、ほんとに仲がいいな)
俺は、ピファとメルティナが執務室を出ていくのを見送り、椅子の背もたれに体を預ける。
「買い出し依頼? どういうつもりでこんな馬鹿げた手紙を相談箱に入れるんですの?」
相談内容を記した手紙の一通を開いたセラが呆れたように言う。
「とにかく、緊急性のある依頼、重要性の高い依頼を選り分けてから明日の予定を組もう」
言いつつ、俺も依頼内容の確認作業に加わった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お待たせ!」
俺がルットやセラ、ウィナーと依頼内容の仕分け作業をしているところに、ピファとメルティナがお茶と茶菓子を持って戻ってきた。
「オレとしては酒のほうがいいんだがなぁ……」
差し出された茶をメルティナから受け取りながらウィナーが呟く。
「あら? あなたは毎晩呑んでいると聞いてますわよ。まだ、呑み足りないんですの?」
セラが仕分け作業を続けながらウィナーに鋭い視線を向ける。
「じ、冗談に決まってるじゃねぇかよ。あんまり怒ると皺が増えるぞ?」
顔を引きつらせながらも反論するウィナー。セラの動きがピタリと止まり、執務室の空気が凍りつく。俺たちは素早くウィナーから離れる。
「今、何かおっしゃいました?」
セラが持っていた手紙を机の上に置き、左手に魔力を収束させる。
こんな所でセラが本気で魔術を使ったら大惨事となる。それを避けなければならない。
「セラ、ここは執務室だ。あまり破壊されると困るんだが?」
俺はセラに声をかける。
「もちろん、わかっておりますわ」
振り向いたセラは笑顔を向けてくる。しかし、あれを笑顔と表現していいものか……。ピファは恐怖からルットが羽織っているマントの裾を握っている。
セラはウィナーのほうへ向き直り、ゆっくりと近付いていく。一方、ウィナーはセラの歩調に合わせて後退りする。
「お、落ち着け、セラ! 悪気があったわけじゃないんだ! つい、ポロッと出た言葉なんだ!」
「つい、どんな言葉が飛び出したんですの?」
「い……いや、それは……」
ウィナーは遂に壁際まで追い込まれる。
「その……皺が増えるぞって……」
ウィナーが恐る恐る禁句を口にした。
ルットやメルティナはこれから起こるであろう惨劇を予想して顔を背ける。ピファなどは震えながらルットに抱きついて顔を隠している。
こうなっては、俺としても事態を見守るしかできない。
セラの左手がウィナーの鍛え上げられた肉体に触れる。
ニッコリと笑むセラに引きつった笑顔を返すウィナー。
「雷属性中級魔術!!」
「ぐうぉぉぉぉぉぉっ!!」
セラの雷属性魔術を密着状態で受けたウィナーの絶叫が響く。得意の火属性魔術でなかっただけマシだろうが、かなり効いているはずだ。
「……さて、さっさと終わらせてしまいますわよ、皆さん」
振り返ったセラはスッキリしたような笑顔を向けた。俺たちは床に倒れているウィナーのことには敢えて触れないことにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「これ……」
仕分け作業を再開したメルティナが一通の手紙に目を留めた。それはセラが最初に開封した「買い出し依頼」の手紙だ。
「それがどうかしたのか?」
俺が訊くとメルティナが首肯する。
「うん。依頼人がカーヤだったから……」
俺には聞き覚えのない名前だった。
「知り合いなのか?」
問う俺にメルティナがクスクスと笑う。
「アルフォスも会ってるよ。ほら、わたしがアルフォスに処刑されそうになった時……」
俺は当時のことを思い返す。しかし、思い当たる人物はいない。セラやウィナーも同様のようだ。
今度はピファが笑う。
「ほらぁ、アルフォスお兄ちゃんに処刑を中止するように直談判したお婆さんだよ!」
「ああ、言われてみれば……」
たしかに、メルティナの死刑執行を取り止めるように言ってきた老婆がいた。が、それ以外のことは思い出せない。
「いたのは覚えちゃいるが……」
「それ以外は全く思い出せませんわ」
やはり、この二人も俺と同じだったか。
「ルットは知ってるのか?」
俺はルットに話を振る。
「少しはね。メルティナの世話係だったのは知ってるよ。あとは、名前と容姿くらいかな」
ルットがカーヤの姿を思い浮かべるように天井を見る。
「それはしかたないわよ。だって、わたしの世話係を辞めてから随分と経ってるもの」
「あの死刑執行の日、久しぶりに会ったんだよね、お姉ちゃん!」
「うん!」
ピファとメルティナが微笑み合う。
「あなたたち、微笑ましく語ってますけど、自分たちが死刑を執行されそうになった日のことですわよね?」
セラが的確なツッコミをいれる。
「そうなんだけど……まぁ、そういうこともあるかなって」
「うん、貴重な体験だったよね!」
「執行しようとしていた俺が言うのもおかしいが、あれを貴重な体験ですませられるものなのか」
俺は、軽く言ってのけるメルティナとピファに言う。
「まぁ、僕たちがアルフォスにしてしまったことを思えばね……」
話を聞いていたルットが呟く。メルティナやピファも俯いている。
俺はため息をつく。
「たしかに一時期はおまえたちを恨んでいた。しかし、今は気にしちゃいない。あの一件がなければ俺は魔眼や魔腕の力を手にしていない。それにリュカリオンやセラとも敵対していたかもしれないしな」
「だな! オレにいたってはリュカリオンの造り出した異空間にいたままかもしれねぇしな!」
俺の言葉に、復活したウィナーが続く。
「あなたの場合は異空間とともに消滅していた可能性もありますわね」
セラに言われたウィナーは自らの不幸な結末を想像して身震いする。
「ねぇ、お姉ちゃん。久しぶりにカーヤに会いに行こうよ! あたしも会いたいし」
「ダメですわ! 買い出しなどわたくしたちが受けるような依頼じゃありませんわ!」
メルティナが答える前にセラが却下する。
「え~……セラさんの意地悪ぅ!」
ピファが頬を膨らませるがセラは気にもしない。彼女の性格的にその手は通じないだろうな。俺は苦笑する。
「ルットォ……」
諦めきれないピファはルットに応援を求める。一方、ルットは困ったように笑う。
「……その買い出し依頼をピファに回してもらえないかい?」
ルットが俺に提案を持ちかけてきた。
「俺はかまわない」
「やったぁ!」
俺からの返答を聞いて歓声をあげるピファ。
「よかったね、ピファ。カーヤにはよろしく言っといてね」
「えぇ~、お姉ちゃんも行こうよ!」
「ごめんね。わたしは他の依頼があるから……」
「む~……」
さっきまで喜んでいたピファが今度は項垂れている。感情が豊かなところがピファらしい。
「メルティナも一緒に行けばいいじゃないか」
「「いいの!?」」
メルティナとピファが嬉々として声をあげる。
「アルフォス様! わたくしは反対ですわ」
対して、セラは抗議の眼差しを向けてくる。
「俺とセラ二人だけでも充分だろ」
「アルフォス様と二人きり……しかたないですわね。アルフォス様がおっしゃるのなら反対しませんわ」
セラがあっさりと意見を翻す。
「さっき反対してたじゃねぇかよ」
「あら、ウィナーは雷より炎のほうがお好みですのね?」
余計なツッコミをいれてしまったウィナーが表情を硬くする。
俺たちはウィナーとセラを執務室に残して退散するのだった。
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