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3章 さらわれた元王女様
23話 決別
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ジュベックは跳躍し、愛用の戦斧を振り下ろす。
ルットは後方へ飛び退き、魔力を練る。
バキッ
戦斧が廃屋の木製の床を叩き割る。
「火属性中級魔術!」
「ふん……」
ジュベックは、ルットが放った火炎の矢を回避しようともしない。防御膜魔術によってルットの魔術をノーダメージに抑える。
(大したダメージにはならないとは思ったけど、まさか全く効かないとはね……)
「濃霧魔術!」
早々に攻撃を諦めたルットは、魔力を使って濃霧を発生させることでジュベックとラースの視界を遮る。
(いい判断だ。勝利するどころか足止めすらできねぇとみるや逃走するか。だがな!)
「逃がさねぇよ!」
濃霧の中、索敵魔術でルットの位置を瞬時に把握し、的確に戦斧を撃ち込む。
「ぐぁっ!」
ルットは短い悲鳴をあげた。弾かれて玄関から表に飛び出し、地面でバウンドして別の建物の壁に背中をぶつける。
「もらった!」
間合いを詰めたジュベックが戦斧をルットの脳天目掛けて振り下ろす。
ガッ
ルットは魔杖で戦斧を受け止める。
「おいおい、俺と力比べは無謀ってもんだぜ?」
不敵な笑みを浮かべて戦斧を持つ手に力を加える。戦斧はルットの鼻先に触れようというところまで迫る。
「そんな……ことは……わかってるさ!」
ルットが魔杖ロープワンドに魔力を流し込む。
(なに!?)
ルットが持っていた魔杖が一瞬でジュベックの上半身に巻き付く。
「なんだ、こりゃ!?」
ジュベックは引き千切ろうと力を込めるがびくともしない。
(ちっ……妙な物を持ってやがる)
ルットは、拘束されて動きが止まったジュベックから素早く距離をとり、魔杖にさらに魔力を送り込む。
魔杖ロープワンドはさらにジュベックの身体を絞めつけていく。
(おもしれぇ。俺を絞め殺そうってか?)
「なにがおかしい!?」
ジュベックの口元に笑みがこぼれていることに気付いたルットが訊く。
「いいじゃねぇか。ますます気に入ったぜ。どうだ、やはり俺の仲間に入っちゃくれねぇか? おまえなら俺の右腕にしてやってもかまわねぇぜ? 言っとくが、このまま戦っても勝ち目は皆無だぞ。ならば、正義の鉄槌に加わったほうが賢明ってもんだろう?」
「断る! 僕は二度とアルフォスを裏切らないと言ったはずだ! リュカリオン様から授かった、変幻自在の魔杖ロープワンドに誓っても!!」
ルットはジュベックからの誘いを即断で拒否する。
「そうか、残念だよ。……ラース、その男を殺せ」
ジュベックは戦いの行く末を見守っていた若き騎士に視線を向ける。だが、ラースは戸惑っていた。
「いいか。その男は正義の鉄槌にとって脅威となる存在だ。今のうちに消さねば取り返しがつかぬ事態になるかもしれねぇ。それに、全魔力を俺の拘束に使っている今なら反撃される心配はねぇ。殺れ!」
ジュベックに命令され、ラースは槍の穂先をルットに向けて構える。
「目を覚ますんだ、ラース! 君は利用されているだけだ!!」
ルットはラースの説得を試みる。
「耳を貸す必要はねぇ! 正しきラミーネルのため、正しき世界のために行動しろ!!」
ジュベックが鋭く言い放つ。それを受けてラースは決心したようにルットに襲いかかる。
「うぉぉぉぉ!!!」
ラースは猛然とルットに向かって駆ける。
(まずい!)
ジュベックの動きを封じるだけで手一杯のルットは回避行動すらとれない。
「ラース!!!」
頭上から怒声を投げ掛けられ、ラースの動きが鈍る。その直後、ウィナーが屋根の上からルットとラースの間に降り立つ。
「ウィナー殿!」
現れた救世主にルットが歓喜の声をあげる。が、ウィナーは険しい表情をラースに向けたままだ。
「ラース! てめぇ、どういうつもりだ!?」
ウィナーが詰問する。
「俺は……ラミーネルを、世界を正しく導くんだ!!」
攻撃の穂先をウィナーに向けて突く。
「てめぇの言う正しい世界とはなんだ!?」
ラースの攻撃を盾で弾きながら問う。
「魔神リュカリオンや魔族の支配から解放された自由な世界だ!」
左手で腰の鞘からロングソードを引き抜いて振り抜くラース。
キンッ
ウィナーは、クレイモアでロングソードの軌道をそらす。
「バカ野郎が!」
ウィナーがラースの腹に蹴りを入れる。
「がはっ!」
ラースは苦悶の表情を張り付かせて後ろによろめく。
「種族で善悪を判断してんじゃねぇ!!」
叫んで、ラースの腹を再度蹴飛ばす。今度は大きく後方へと吹っ飛ばされ、地面にバウンドする。
「全ての人間が善人ばかりじゃねぇように、全ての魔族が悪人ばかりじゃねぇんだ! そんな当たり前のことも忘れてんじゃねぇよ!」
「ぐぁ!」
ウィナーがクレイモアの切先を立ち上がったラースに向けた瞬間、上半身を拘束されたジュベックに蹴り飛ばされたルットが建物の壁に激突する。その際に魔力が途切れ、魔杖ロープワンドが元の状態に戻り、地面に転がる。
「死ね!!」
拘束が解けたジュベックがウィナーに襲いかかる。
ガキィンッ……ガキッ……キィンッ……
クレイモアと戦斧が幾度も激しくぶつかり合い、火花を散らす。
「「うぉぉぉぉ!!!」」
両者とも咆哮し、一進一退の激しい攻防戦を繰り広げる。一見すれば互角に見える戦いではあるが、ウィナーの肉体は確実にダメージを受けていた。
(こいつ、強ぇじゃねぇかよ!)
ウィナーは全身に傷を負いながらも笑みを浮かべる。
「「ウィナーさん!!」」
メルティナとピファが近衛騎士団と共に応援に駆けつけたのはそんな時だった。
「……潮時か……ラース、退くぞ!」
ジュベックは一言残し、ウィナーから離れるとラースと共に退散する。
「待ちやがれ!」
ウィナーは即座に追跡しようと動く。
「待ってください、ウィナー殿! 今は追うべきではありません!!」
ルットはそんなウィナーを制止する。
(……まっ、たしかに今のオレひとりで突っ走ったところでどうにかできる相手じゃねぇか……)
冷静さを取り戻したウィナーは追跡を諦めた。
「ルット! 大丈夫なの、ルット!!」
ピファが涙声で叫びながらルットに抱きつく。
「ピファ!」
愛しき少女の姿にルットが安堵し、抱き締めた。
「しっかし、ルットのお陰で助かったぜ。正直、近衛騎士団を連れてきてくれなきゃやばかったな……」
ウィナーがクレイモアを魔空間に納めて言う。
「ほんと。ありがとう」
メルティナも改まって礼を述べる。
「いや。結局、僕自身は大したことは何もできなかった」
「そんなことないよ! ルットだって頑張ってくれたもん!」
ピファがルットの胸に抱きついたまま言う。
「ありがとう。それじゃ、アルスフェルト城に帰ろう。ジルバーナ様が心配されているよ」
ルットはそんなピファの頭を優しく撫でると、皆を促して帰路についた。
ルットは後方へ飛び退き、魔力を練る。
バキッ
戦斧が廃屋の木製の床を叩き割る。
「火属性中級魔術!」
「ふん……」
ジュベックは、ルットが放った火炎の矢を回避しようともしない。防御膜魔術によってルットの魔術をノーダメージに抑える。
(大したダメージにはならないとは思ったけど、まさか全く効かないとはね……)
「濃霧魔術!」
早々に攻撃を諦めたルットは、魔力を使って濃霧を発生させることでジュベックとラースの視界を遮る。
(いい判断だ。勝利するどころか足止めすらできねぇとみるや逃走するか。だがな!)
「逃がさねぇよ!」
濃霧の中、索敵魔術でルットの位置を瞬時に把握し、的確に戦斧を撃ち込む。
「ぐぁっ!」
ルットは短い悲鳴をあげた。弾かれて玄関から表に飛び出し、地面でバウンドして別の建物の壁に背中をぶつける。
「もらった!」
間合いを詰めたジュベックが戦斧をルットの脳天目掛けて振り下ろす。
ガッ
ルットは魔杖で戦斧を受け止める。
「おいおい、俺と力比べは無謀ってもんだぜ?」
不敵な笑みを浮かべて戦斧を持つ手に力を加える。戦斧はルットの鼻先に触れようというところまで迫る。
「そんな……ことは……わかってるさ!」
ルットが魔杖ロープワンドに魔力を流し込む。
(なに!?)
ルットが持っていた魔杖が一瞬でジュベックの上半身に巻き付く。
「なんだ、こりゃ!?」
ジュベックは引き千切ろうと力を込めるがびくともしない。
(ちっ……妙な物を持ってやがる)
ルットは、拘束されて動きが止まったジュベックから素早く距離をとり、魔杖にさらに魔力を送り込む。
魔杖ロープワンドはさらにジュベックの身体を絞めつけていく。
(おもしれぇ。俺を絞め殺そうってか?)
「なにがおかしい!?」
ジュベックの口元に笑みがこぼれていることに気付いたルットが訊く。
「いいじゃねぇか。ますます気に入ったぜ。どうだ、やはり俺の仲間に入っちゃくれねぇか? おまえなら俺の右腕にしてやってもかまわねぇぜ? 言っとくが、このまま戦っても勝ち目は皆無だぞ。ならば、正義の鉄槌に加わったほうが賢明ってもんだろう?」
「断る! 僕は二度とアルフォスを裏切らないと言ったはずだ! リュカリオン様から授かった、変幻自在の魔杖ロープワンドに誓っても!!」
ルットはジュベックからの誘いを即断で拒否する。
「そうか、残念だよ。……ラース、その男を殺せ」
ジュベックは戦いの行く末を見守っていた若き騎士に視線を向ける。だが、ラースは戸惑っていた。
「いいか。その男は正義の鉄槌にとって脅威となる存在だ。今のうちに消さねば取り返しがつかぬ事態になるかもしれねぇ。それに、全魔力を俺の拘束に使っている今なら反撃される心配はねぇ。殺れ!」
ジュベックに命令され、ラースは槍の穂先をルットに向けて構える。
「目を覚ますんだ、ラース! 君は利用されているだけだ!!」
ルットはラースの説得を試みる。
「耳を貸す必要はねぇ! 正しきラミーネルのため、正しき世界のために行動しろ!!」
ジュベックが鋭く言い放つ。それを受けてラースは決心したようにルットに襲いかかる。
「うぉぉぉぉ!!!」
ラースは猛然とルットに向かって駆ける。
(まずい!)
ジュベックの動きを封じるだけで手一杯のルットは回避行動すらとれない。
「ラース!!!」
頭上から怒声を投げ掛けられ、ラースの動きが鈍る。その直後、ウィナーが屋根の上からルットとラースの間に降り立つ。
「ウィナー殿!」
現れた救世主にルットが歓喜の声をあげる。が、ウィナーは険しい表情をラースに向けたままだ。
「ラース! てめぇ、どういうつもりだ!?」
ウィナーが詰問する。
「俺は……ラミーネルを、世界を正しく導くんだ!!」
攻撃の穂先をウィナーに向けて突く。
「てめぇの言う正しい世界とはなんだ!?」
ラースの攻撃を盾で弾きながら問う。
「魔神リュカリオンや魔族の支配から解放された自由な世界だ!」
左手で腰の鞘からロングソードを引き抜いて振り抜くラース。
キンッ
ウィナーは、クレイモアでロングソードの軌道をそらす。
「バカ野郎が!」
ウィナーがラースの腹に蹴りを入れる。
「がはっ!」
ラースは苦悶の表情を張り付かせて後ろによろめく。
「種族で善悪を判断してんじゃねぇ!!」
叫んで、ラースの腹を再度蹴飛ばす。今度は大きく後方へと吹っ飛ばされ、地面にバウンドする。
「全ての人間が善人ばかりじゃねぇように、全ての魔族が悪人ばかりじゃねぇんだ! そんな当たり前のことも忘れてんじゃねぇよ!」
「ぐぁ!」
ウィナーがクレイモアの切先を立ち上がったラースに向けた瞬間、上半身を拘束されたジュベックに蹴り飛ばされたルットが建物の壁に激突する。その際に魔力が途切れ、魔杖ロープワンドが元の状態に戻り、地面に転がる。
「死ね!!」
拘束が解けたジュベックがウィナーに襲いかかる。
ガキィンッ……ガキッ……キィンッ……
クレイモアと戦斧が幾度も激しくぶつかり合い、火花を散らす。
「「うぉぉぉぉ!!!」」
両者とも咆哮し、一進一退の激しい攻防戦を繰り広げる。一見すれば互角に見える戦いではあるが、ウィナーの肉体は確実にダメージを受けていた。
(こいつ、強ぇじゃねぇかよ!)
ウィナーは全身に傷を負いながらも笑みを浮かべる。
「「ウィナーさん!!」」
メルティナとピファが近衛騎士団と共に応援に駆けつけたのはそんな時だった。
「……潮時か……ラース、退くぞ!」
ジュベックは一言残し、ウィナーから離れるとラースと共に退散する。
「待ちやがれ!」
ウィナーは即座に追跡しようと動く。
「待ってください、ウィナー殿! 今は追うべきではありません!!」
ルットはそんなウィナーを制止する。
(……まっ、たしかに今のオレひとりで突っ走ったところでどうにかできる相手じゃねぇか……)
冷静さを取り戻したウィナーは追跡を諦めた。
「ルット! 大丈夫なの、ルット!!」
ピファが涙声で叫びながらルットに抱きつく。
「ピファ!」
愛しき少女の姿にルットが安堵し、抱き締めた。
「しっかし、ルットのお陰で助かったぜ。正直、近衛騎士団を連れてきてくれなきゃやばかったな……」
ウィナーがクレイモアを魔空間に納めて言う。
「ほんと。ありがとう」
メルティナも改まって礼を述べる。
「いや。結局、僕自身は大したことは何もできなかった」
「そんなことないよ! ルットだって頑張ってくれたもん!」
ピファがルットの胸に抱きついたまま言う。
「ありがとう。それじゃ、アルスフェルト城に帰ろう。ジルバーナ様が心配されているよ」
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