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5章 海賊討伐
38話 海戦②
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ドォォォォォンッ
戦艦ディピフェーンスから撃たれた魔砲の轟音が海上の空気を振動させる。
反動でディピフェーンスの船体が大きく揺れる。
「うそ……」
メルティナが呟いた。
ディピフェーンスの魔砲の直撃を受けても海賊船はほとんど無傷だ。
「ちっ……堅い!」
ディピフェーンスの艦長マリアンは舵を握りながら海賊船を睨む。
マリアンはラミーネル王国時代からワントナ近海を護ってきた。ディピフェーンスの前艦長を父に持ち、幼少より海戦技術を叩き込まれてきた彼女は、ルットやジルバーナからも絶大な信頼を得ていた。
「マリアン殿」
「大丈夫です。海賊なんかにやられません。たしかに堅いですが、ルット殿が連れてきてくれた魔術師団がいれば、我が艦を強化可能です」
マリアンのコバルトブルーの瞳は自信に満ちている。
「わかった。アルスフェルト魔術師団は直ちにマリアン殿の指示に従うように!」
「はっ!」
ルットからの指令に魔術師たちが声を合わせる。
マリアンはルットに一礼し、続いて魔術師団に視線を移す。
「アルスフェルト魔術師団は、艦の魔力供給室へ移動し、魔法陣にて待機してもらいたい!」
マリアンから指示が下ると、すぐに魔術師たちが行動する。アルスフェルト魔術師団の中には少数ながら魔族の姿もあった。魔術師が勝敗を分かつ重要な要素となる海戦に於いて、彼らは頼もしい存在だ。
「速力最大! 海賊船の横っ腹に魔砲を撃ち込んでやれ!」
「弓騎士は海賊船が射程圏に入り次第、攻撃せよ!」
マリアンに続き、ルットが騎士団に指示を飛ばす。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「クヒヒヒヒ……やつら、戦艦を持ち出してきたか」
海賊船の甲板で双眼鏡を覗きながら小柄な魔族が愉しげに笑う。
「ワイズラット様、戦艦を相手にするのはヤバいですぜ」
手下の海賊が小柄な魔族に言う。
「バァカ! 相手が戦艦だから面白いんじゃないか」
ワイズラットは腰に提げた鞘からカットラスを抜く。
「いよぉし、おまえら、戦艦を乗っ取るぞ。船を近付けろ!」
ワイズラットの指示により、海賊船はディピフェーンスの船尾をとろうと海面をはしる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「海賊どもは直接乗り込んでくるつもりのようだねぇ……」
マリアンが海賊船の動きから推察する。
「弓騎士は船尾へ移動。やつらが飛び乗るのを阻止せよ! ウィナー殿とリーシャは逆に海賊船へ乗り込んで制圧を! メルティナ様は、騎士たちとともにこの場にとどまり、乗り込んできた海賊の迎撃をお願いします」
ルットの指示の従って各自が速やかに動く。
(さすがはルット殿。的確な指示だ)
マリアンはルットの冷静な判断力に感心し、弓騎士を引き連れて船尾へと移動する彼の後ろ姿を頼もしく思いながら見送る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ワイズラットの海賊船は戦艦ディピフェーンスからの砲撃を掻い潜りながら徐々に船尾に近付いていく。
「ワイズラット様! やつら、船尾に弓兵を多数配置してます!」
「クヒヒヒヒ……オイラたちを乗せないつもりだな」
「このまま進めば弓の射程圏に入りますが?」
「まぁ、見てろよ」
ワイズラットは余裕の笑みを浮かべて、左手をかざす。
「氷属性初級広域魔術!」
ワイズラットが魔術を詠唱発動する。氷塊がディピフェーンスの船尾に降り注ぐ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
ディピフェーンスでは氷属性初級広域魔術を受けて弓騎士たちが次々に負傷していく。
(この距離でこれほど正確に攻撃してくるのか!? だったら……)
ルットは魔杖ロープワンドを水平に構え、魔力を練る。
「風属性中級魔術!」
真空の剣が海賊船へと飛ぶ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「へったくそが」
ルットの放った真空の剣はワイズラットたちの遥か頭上を通過する。海賊たちはゲタゲタと嗤う。
バシュッ
何かが切り裂かれる音がした。
(まさか!?)
ワイズラットは海賊船の帆を見る。
「ちきしょう! 帆を裂きやがった!」
ワイズラットの怒りを帯びた声に手下たちが一斉に視線を動かす。
風属性中級魔術によって裂かれた帆が潮風にヒラヒラと靡いていた。海賊船は速度をどんどん落としていく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「チャンスだ!」
マリアンは、素早く舵をきって魔砲を海賊船に向ける。
「撃ぇ!」
マリアンの号令により魔砲から発射された砲弾が海賊船を直撃する。
「ダメです! 損傷はほとんど見られません!!」
砲手が絶望を含んだ声をあげる。
「泣き言を言ってる暇があるなら、ありったけの砲弾をぶち込んでやりな!」
マリアンに檄を飛ばされ、砲手たちは砲弾を装填していく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
戦艦ディピフェーンスから次々に砲撃され、海賊たちはパニック状態になっていた。
(やべぇな。船体に防御膜魔術をかけてるとはいえ、ダメージは蓄積されている。そのうえ、こっちは帆もやられて速度が出ねぇ。さらに火力もむこうのほうが上ときたか。この距離からだと!こっちの大砲じゃまともなダメージはあたえられねぇだろうな)
ワイズラットはこの状況下に於いても笑みを見せている。
「クヒヒヒヒ……やってやろうじゃねぇか!」
カットラスを腰の鞘に戻し、両方の掌をディピフェーンスを向ける。
「火属性中級広域魔術!!」
ワイズラットが火炎の竜巻をディピフェーンスの甲板で発生させ、砲手や騎士たちを焼き払い、さらに帆の一部にも損傷を与えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
船尾で待機していたルットは背後で発生した火炎の竜巻に振り返り駆け出す。その後にウィナーやリーシャが続く。
「メルティナ様! マリアン殿!」
「大丈夫です。メルティナ様が防御膜魔術をかけてくださいましたので……」
叫ぶルットにマリアンが答える。
「でも……」
メルティナは周りの惨状を目の当たりにし、それ以上は言葉にできない。騎士や砲手たちの多くは焼死してしている。息のある者もほとんどが立ち上がることができないようだ。
「一撃でこの威力……ワイズラットってのはとんだ化け物だね! やつを相手に通常の海戦はできないってことか。息のある者は船内で治療を受けな」
予想を遥かに超えるワイズラットの実力にマリアンは驚嘆の声を漏らし、次いで指示をだす。
「だったら、このまま白兵戦に持ち込めばいいじゃねぇか」
ウィナーの言葉にルットが頷く。
「そうですね。砲手の大半はやられてしまった以上はそれしかないでしょう。それにこんな攻撃を何度も受けては全滅は必至です」
「それじゃ、やつらの船に突っ込みますよ!」
言うが早いか、マリアンはディピフェーンスを海賊船の向けて進ませる。
「へっ! やっと出番が回ってきそうだな。腕が鳴るってもんだ!」
「ウィナー殿、こちらは騎士のほとんどを失ってしまいました。作戦を変更しましょう。こちらは戦力を分散せずに、ディピフェーンスにて敵を迎撃するべきです」
「アルフォスの旦那から総指揮を任されたのはルットだからな。おまえさんが決めたことなら従うさ。それに、ルットは信用できるやつだってわかってるしな!」
言って口角を上げるウィナー。
「ありがとうございます。ウィナー殿の力を頼りにさせてもらいます」
「おぅ!」
ウィナーは、ぐんぐん近付いてくる海賊船に視線を向けて愛剣クレイモアを握りしめた。
戦艦ディピフェーンスから撃たれた魔砲の轟音が海上の空気を振動させる。
反動でディピフェーンスの船体が大きく揺れる。
「うそ……」
メルティナが呟いた。
ディピフェーンスの魔砲の直撃を受けても海賊船はほとんど無傷だ。
「ちっ……堅い!」
ディピフェーンスの艦長マリアンは舵を握りながら海賊船を睨む。
マリアンはラミーネル王国時代からワントナ近海を護ってきた。ディピフェーンスの前艦長を父に持ち、幼少より海戦技術を叩き込まれてきた彼女は、ルットやジルバーナからも絶大な信頼を得ていた。
「マリアン殿」
「大丈夫です。海賊なんかにやられません。たしかに堅いですが、ルット殿が連れてきてくれた魔術師団がいれば、我が艦を強化可能です」
マリアンのコバルトブルーの瞳は自信に満ちている。
「わかった。アルスフェルト魔術師団は直ちにマリアン殿の指示に従うように!」
「はっ!」
ルットからの指令に魔術師たちが声を合わせる。
マリアンはルットに一礼し、続いて魔術師団に視線を移す。
「アルスフェルト魔術師団は、艦の魔力供給室へ移動し、魔法陣にて待機してもらいたい!」
マリアンから指示が下ると、すぐに魔術師たちが行動する。アルスフェルト魔術師団の中には少数ながら魔族の姿もあった。魔術師が勝敗を分かつ重要な要素となる海戦に於いて、彼らは頼もしい存在だ。
「速力最大! 海賊船の横っ腹に魔砲を撃ち込んでやれ!」
「弓騎士は海賊船が射程圏に入り次第、攻撃せよ!」
マリアンに続き、ルットが騎士団に指示を飛ばす。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「クヒヒヒヒ……やつら、戦艦を持ち出してきたか」
海賊船の甲板で双眼鏡を覗きながら小柄な魔族が愉しげに笑う。
「ワイズラット様、戦艦を相手にするのはヤバいですぜ」
手下の海賊が小柄な魔族に言う。
「バァカ! 相手が戦艦だから面白いんじゃないか」
ワイズラットは腰に提げた鞘からカットラスを抜く。
「いよぉし、おまえら、戦艦を乗っ取るぞ。船を近付けろ!」
ワイズラットの指示により、海賊船はディピフェーンスの船尾をとろうと海面をはしる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「海賊どもは直接乗り込んでくるつもりのようだねぇ……」
マリアンが海賊船の動きから推察する。
「弓騎士は船尾へ移動。やつらが飛び乗るのを阻止せよ! ウィナー殿とリーシャは逆に海賊船へ乗り込んで制圧を! メルティナ様は、騎士たちとともにこの場にとどまり、乗り込んできた海賊の迎撃をお願いします」
ルットの指示の従って各自が速やかに動く。
(さすがはルット殿。的確な指示だ)
マリアンはルットの冷静な判断力に感心し、弓騎士を引き連れて船尾へと移動する彼の後ろ姿を頼もしく思いながら見送る。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ワイズラットの海賊船は戦艦ディピフェーンスからの砲撃を掻い潜りながら徐々に船尾に近付いていく。
「ワイズラット様! やつら、船尾に弓兵を多数配置してます!」
「クヒヒヒヒ……オイラたちを乗せないつもりだな」
「このまま進めば弓の射程圏に入りますが?」
「まぁ、見てろよ」
ワイズラットは余裕の笑みを浮かべて、左手をかざす。
「氷属性初級広域魔術!」
ワイズラットが魔術を詠唱発動する。氷塊がディピフェーンスの船尾に降り注ぐ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
ディピフェーンスでは氷属性初級広域魔術を受けて弓騎士たちが次々に負傷していく。
(この距離でこれほど正確に攻撃してくるのか!? だったら……)
ルットは魔杖ロープワンドを水平に構え、魔力を練る。
「風属性中級魔術!」
真空の剣が海賊船へと飛ぶ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「へったくそが」
ルットの放った真空の剣はワイズラットたちの遥か頭上を通過する。海賊たちはゲタゲタと嗤う。
バシュッ
何かが切り裂かれる音がした。
(まさか!?)
ワイズラットは海賊船の帆を見る。
「ちきしょう! 帆を裂きやがった!」
ワイズラットの怒りを帯びた声に手下たちが一斉に視線を動かす。
風属性中級魔術によって裂かれた帆が潮風にヒラヒラと靡いていた。海賊船は速度をどんどん落としていく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「チャンスだ!」
マリアンは、素早く舵をきって魔砲を海賊船に向ける。
「撃ぇ!」
マリアンの号令により魔砲から発射された砲弾が海賊船を直撃する。
「ダメです! 損傷はほとんど見られません!!」
砲手が絶望を含んだ声をあげる。
「泣き言を言ってる暇があるなら、ありったけの砲弾をぶち込んでやりな!」
マリアンに檄を飛ばされ、砲手たちは砲弾を装填していく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
戦艦ディピフェーンスから次々に砲撃され、海賊たちはパニック状態になっていた。
(やべぇな。船体に防御膜魔術をかけてるとはいえ、ダメージは蓄積されている。そのうえ、こっちは帆もやられて速度が出ねぇ。さらに火力もむこうのほうが上ときたか。この距離からだと!こっちの大砲じゃまともなダメージはあたえられねぇだろうな)
ワイズラットはこの状況下に於いても笑みを見せている。
「クヒヒヒヒ……やってやろうじゃねぇか!」
カットラスを腰の鞘に戻し、両方の掌をディピフェーンスを向ける。
「火属性中級広域魔術!!」
ワイズラットが火炎の竜巻をディピフェーンスの甲板で発生させ、砲手や騎士たちを焼き払い、さらに帆の一部にも損傷を与えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
船尾で待機していたルットは背後で発生した火炎の竜巻に振り返り駆け出す。その後にウィナーやリーシャが続く。
「メルティナ様! マリアン殿!」
「大丈夫です。メルティナ様が防御膜魔術をかけてくださいましたので……」
叫ぶルットにマリアンが答える。
「でも……」
メルティナは周りの惨状を目の当たりにし、それ以上は言葉にできない。騎士や砲手たちの多くは焼死してしている。息のある者もほとんどが立ち上がることができないようだ。
「一撃でこの威力……ワイズラットってのはとんだ化け物だね! やつを相手に通常の海戦はできないってことか。息のある者は船内で治療を受けな」
予想を遥かに超えるワイズラットの実力にマリアンは驚嘆の声を漏らし、次いで指示をだす。
「だったら、このまま白兵戦に持ち込めばいいじゃねぇか」
ウィナーの言葉にルットが頷く。
「そうですね。砲手の大半はやられてしまった以上はそれしかないでしょう。それにこんな攻撃を何度も受けては全滅は必至です」
「それじゃ、やつらの船に突っ込みますよ!」
言うが早いか、マリアンはディピフェーンスを海賊船の向けて進ませる。
「へっ! やっと出番が回ってきそうだな。腕が鳴るってもんだ!」
「ウィナー殿、こちらは騎士のほとんどを失ってしまいました。作戦を変更しましょう。こちらは戦力を分散せずに、ディピフェーンスにて敵を迎撃するべきです」
「アルフォスの旦那から総指揮を任されたのはルットだからな。おまえさんが決めたことなら従うさ。それに、ルットは信用できるやつだってわかってるしな!」
言って口角を上げるウィナー。
「ありがとうございます。ウィナー殿の力を頼りにさせてもらいます」
「おぅ!」
ウィナーは、ぐんぐん近付いてくる海賊船に視線を向けて愛剣クレイモアを握りしめた。
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