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6章 決戦! 正義の鉄槌
56話 VS鳥人
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重騎士の少女リーシャは、上空から容赦なく浴びせられる攻撃魔術になす術もなく回避と防御に専念していた。
魔神リュカリオンから賜った赤き重鎧の性能は秀逸で、鳥人から放たれる攻撃魔術の威力を激減させてくれた。しかし、それでもダメージは着実に蓄積されおり、少女は苦戦を強いられていた。
(このままじゃ!……でも、私には反撃する手段がない……)
遠距離の敵を攻撃する方法を持たないリーシャにとって、空を飛ぶ鳥人は相性が最悪の相手である。
「アッハハハハハ! 愉快愉快!! 実に愉快であるぞ! 反撃の術を持たない者を一方的に蹂躙することの愉しさ! これこそ強者にのみ許された特権というもの!!!」
鳥人は愉悦に浸り、恍惚の表情で風属性上級魔術を連発する。
リーシャは地面を疾走する。防御力と軽量さを兼ね備えた赤き重鎧により軽やかな動きで躱す。が、不利な状況が変わるわけではない。
「えい!」
苦し紛れに足元の小石をひとつ拾い上げて投げつける。
「はん! 子供騙しだな!!」
鳥人はリーシャを小馬鹿にしたように嗤う。小石は風属性上級魔術によって空中であっけなく粉砕されてしまう。
全力で跳躍しても届く距離ではないのは明らかだ。
(攻撃魔術さえ使えれば!……)
少女は攻撃魔術に対しての適性がなかったらしく、初級の魔術すら使うことができなかった。この危機的状況に於いてはその事が悔やまれてならない。
(ちっ! 想像以上にしぶとい!!)
一方、空中から攻撃を浴びせかけている鳥人も苛立っていた。反撃もできない小娘ひとりにこれだけ手こずっていることが原因だ。
「あっ!!」
少女が声をあげる。軌道を読み誤った風属性上級魔術が迫ってくる。もはや回避の猶予はない。顔をガードして瞼を固く閉じるリーシャ。
ダァァンッ!
風属性上級魔術が大きな音を立てて砕けた。薄く目を開けたリーシャの視界に巨漢の背中が映る。
「よぉ、待たせちまったな」
風属性上級魔術をラウンドシールドで受け止めたウィナーが後方にチラリと視線を流す。
「ウィナー様!!」
少女は歓喜の声をあげる。
「ほかのやつらは殺られたのか!? だらしねぇ!」
鳥人は顔をしかめる。
「あの、あいつをどうやって倒せばいいんでしょうか?」
リーシャがウィナーに意見を求める。
「それに関しちゃ考えがある。まぁ、任せな!」
ウィナーは自信ありげに口角をあげる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「いくぜ、リーシャ!」
執拗に繰り出される鳥人の風属性上級魔術をしのぎながらリーシャに作戦を伝えたウィナーが叫ぶ。
「は、はい!」
緊張の面持ちで答える重騎士の少女。それを受けてウィナーが動く。まずは足元の石を投げつける。
「所詮はそこの小娘と同じ程度の考えか!」
風属性上級魔術で石を粉砕し、さらに攻撃を続ける鳥人。だが、すぐに次の石が投げつけられる。
「あまいわ!!」
苦もなく投擲された石を躱してみせる鳥人。
「ぬぉぉぉぉぉ!!」
ウィナーは石を避けるために高度を下げた鳥人に向かって跳躍する。しかし、もう少しのところで失速してしまう。
「バカめ! いかに魔力で身体能力を強化しようとここまでは届かなかったようだな!」
鳥人は嘲笑する。が、直後にその笑みは消え去った。ウィナーの陰からリーシャが姿を現したからだ。
「いけ、リーシャ!」
「はい!!」
リーシャは空中のウィナーを踏み台としてさらに跳躍し、遂に鳥人と同じ位置までたどり着く。
「バカな!?」
予想だにしなかった事態の戸惑った鳥人は対応が後手に回った。
「やぁ!!」
リーシャの大槍が閃き、鳥人の翼を切り落とした。
「ギャアァァァァァァァァッ!!」
絶叫とともに落下した鳥人は地面を転げ回る。
「うっし! 成功だぜ!」
着地したウィナーがガッツポーズをとる。
「きゃあっ!」
リーシャは着地に失敗して足を滑らせて尻もちをつく。
「大丈夫か、リーシャ!?」
「は、はい……」
少女はお尻に手を当てながら立ち上がる。
「貴様らぁぁ!! 絶対に殺してやる!!!」
その間に起き上がった鳥人は憤怒の形相で殺意に満たされた鋭い視線を二人に飛ばす。
「言ってろよ! 地上戦に持ち込めばこっちのもんだぜ!」
ウィナーは得意げに大剣クレイモアとラウンドシールドを構える。それに続くようにリーシャも大槍を構えた。
「はん! 片翼を失おうともこの爪がある!! 貴様らなど切り刻んでくれるわ!!!」
鳥人の両手足の長く鋭い爪が鈍色の光を放つ。
「そうかよ!」
言い放ち、ウィナーが地面を蹴って跳び上がる。それとタイミングを合わせてリーシャが鳥人に向かって突進した。
「らぁ!」
空中でクレイモアを掲げたウィナーが一気に振り下ろす。だが、鳥人はひらりと回避し、着地した直後のウィナーに右手の爪を一閃する。
ガッ!
ラウンドシールドが爪を受け止める。が、鳥人は攻撃を防がれることを予測していた。すぐに左足で蹴りを入れる。ウィナーの鍛え上げられた腹筋が長く鋭い爪によってえぐられた。
「うがっ!」
短い声をあげて苦悶の表情を見せるウィナー。そこに鳥人の左手の爪が襲う。
「ぬぁぁぁぁぁぁ!!」
右肩から左脇腹にかけて深手を負わされたウィナーが悲鳴をあげる。
「このぉ!!」
駆けつけたリーシャの怒りの一閃が鳥人の首を狙う。鳥人は素早く身を屈める。大槍は鳥人の頭上を通過した。
「くっ!」
リーシャは大槍の刃を返し、次の一撃を放つ。
「ぬぅ!」
一瞬早くその場を飛び退いた鳥人の鼻先を大槍が過ぎる。
間合いをとった鳥人は右手を高々と掲げ、練り上げた魔力を解放する。
「風属性初級広域魔術!」
無数の小さな風の刃が竜巻となって周囲の敵を薙ぐ。
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」
ウィナーとリーシャの悲鳴が同時に響く。
「バカめ! 貴様らに最初から勝機なんぞあるはずがないのだ!」
鳥人が勝利への自信をのぞかせて叫ぶ。
「そいつぁ、どうかな!?」
「私たちだって!」
風属性初級広域魔術の竜巻が消え去ったあと、傷だらけになりながらも耐えきったウィナーもリーシャが同時に斬りかかる。
鳥人は最初のウィナーの剣閃を躱す。が、次のリーシャの斬撃は右太ももを斬る。
「くそっ!」
鳥人は顔をしかめる。
「よくやった! これであいつの動きを鈍らせることはできたはずだ!」
言ったウィナーの目がギラリと光り、クレイモアの刃を返す。その大剣が描く軌跡が鳥人の左上腕を捉える。
「ぐっ……うぅ!」
鳥人は激痛に堪えつつ飛び退き、右手に魔力を集中する。
「なめんなよぉぉ!! 氷属性上級魔術!!!」
練り上げた魔力を氷の弾丸にして、リーシャに狙いを定めて撃つ。それにいち早く気付いたウィナーがラウンドシールドで受け止める。
「いけ! リーシャ!!」
ウィナーが背中のリーシャに叫ぶ。
「はぁっ!!」
ウィナーの脇から飛び出したリーシャは素早く鳥人に近付き、大槍を一閃した。その軌道上にあった鳥人の首が切断されて地面に転がる。
「さぁ、これでおまえたち以外は全員片付いたぜ!」
ウィナーはクレイモアの切先を崖の上から見下ろしているジュベックとラースに向けた。
魔神リュカリオンから賜った赤き重鎧の性能は秀逸で、鳥人から放たれる攻撃魔術の威力を激減させてくれた。しかし、それでもダメージは着実に蓄積されおり、少女は苦戦を強いられていた。
(このままじゃ!……でも、私には反撃する手段がない……)
遠距離の敵を攻撃する方法を持たないリーシャにとって、空を飛ぶ鳥人は相性が最悪の相手である。
「アッハハハハハ! 愉快愉快!! 実に愉快であるぞ! 反撃の術を持たない者を一方的に蹂躙することの愉しさ! これこそ強者にのみ許された特権というもの!!!」
鳥人は愉悦に浸り、恍惚の表情で風属性上級魔術を連発する。
リーシャは地面を疾走する。防御力と軽量さを兼ね備えた赤き重鎧により軽やかな動きで躱す。が、不利な状況が変わるわけではない。
「えい!」
苦し紛れに足元の小石をひとつ拾い上げて投げつける。
「はん! 子供騙しだな!!」
鳥人はリーシャを小馬鹿にしたように嗤う。小石は風属性上級魔術によって空中であっけなく粉砕されてしまう。
全力で跳躍しても届く距離ではないのは明らかだ。
(攻撃魔術さえ使えれば!……)
少女は攻撃魔術に対しての適性がなかったらしく、初級の魔術すら使うことができなかった。この危機的状況に於いてはその事が悔やまれてならない。
(ちっ! 想像以上にしぶとい!!)
一方、空中から攻撃を浴びせかけている鳥人も苛立っていた。反撃もできない小娘ひとりにこれだけ手こずっていることが原因だ。
「あっ!!」
少女が声をあげる。軌道を読み誤った風属性上級魔術が迫ってくる。もはや回避の猶予はない。顔をガードして瞼を固く閉じるリーシャ。
ダァァンッ!
風属性上級魔術が大きな音を立てて砕けた。薄く目を開けたリーシャの視界に巨漢の背中が映る。
「よぉ、待たせちまったな」
風属性上級魔術をラウンドシールドで受け止めたウィナーが後方にチラリと視線を流す。
「ウィナー様!!」
少女は歓喜の声をあげる。
「ほかのやつらは殺られたのか!? だらしねぇ!」
鳥人は顔をしかめる。
「あの、あいつをどうやって倒せばいいんでしょうか?」
リーシャがウィナーに意見を求める。
「それに関しちゃ考えがある。まぁ、任せな!」
ウィナーは自信ありげに口角をあげる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「いくぜ、リーシャ!」
執拗に繰り出される鳥人の風属性上級魔術をしのぎながらリーシャに作戦を伝えたウィナーが叫ぶ。
「は、はい!」
緊張の面持ちで答える重騎士の少女。それを受けてウィナーが動く。まずは足元の石を投げつける。
「所詮はそこの小娘と同じ程度の考えか!」
風属性上級魔術で石を粉砕し、さらに攻撃を続ける鳥人。だが、すぐに次の石が投げつけられる。
「あまいわ!!」
苦もなく投擲された石を躱してみせる鳥人。
「ぬぉぉぉぉぉ!!」
ウィナーは石を避けるために高度を下げた鳥人に向かって跳躍する。しかし、もう少しのところで失速してしまう。
「バカめ! いかに魔力で身体能力を強化しようとここまでは届かなかったようだな!」
鳥人は嘲笑する。が、直後にその笑みは消え去った。ウィナーの陰からリーシャが姿を現したからだ。
「いけ、リーシャ!」
「はい!!」
リーシャは空中のウィナーを踏み台としてさらに跳躍し、遂に鳥人と同じ位置までたどり着く。
「バカな!?」
予想だにしなかった事態の戸惑った鳥人は対応が後手に回った。
「やぁ!!」
リーシャの大槍が閃き、鳥人の翼を切り落とした。
「ギャアァァァァァァァァッ!!」
絶叫とともに落下した鳥人は地面を転げ回る。
「うっし! 成功だぜ!」
着地したウィナーがガッツポーズをとる。
「きゃあっ!」
リーシャは着地に失敗して足を滑らせて尻もちをつく。
「大丈夫か、リーシャ!?」
「は、はい……」
少女はお尻に手を当てながら立ち上がる。
「貴様らぁぁ!! 絶対に殺してやる!!!」
その間に起き上がった鳥人は憤怒の形相で殺意に満たされた鋭い視線を二人に飛ばす。
「言ってろよ! 地上戦に持ち込めばこっちのもんだぜ!」
ウィナーは得意げに大剣クレイモアとラウンドシールドを構える。それに続くようにリーシャも大槍を構えた。
「はん! 片翼を失おうともこの爪がある!! 貴様らなど切り刻んでくれるわ!!!」
鳥人の両手足の長く鋭い爪が鈍色の光を放つ。
「そうかよ!」
言い放ち、ウィナーが地面を蹴って跳び上がる。それとタイミングを合わせてリーシャが鳥人に向かって突進した。
「らぁ!」
空中でクレイモアを掲げたウィナーが一気に振り下ろす。だが、鳥人はひらりと回避し、着地した直後のウィナーに右手の爪を一閃する。
ガッ!
ラウンドシールドが爪を受け止める。が、鳥人は攻撃を防がれることを予測していた。すぐに左足で蹴りを入れる。ウィナーの鍛え上げられた腹筋が長く鋭い爪によってえぐられた。
「うがっ!」
短い声をあげて苦悶の表情を見せるウィナー。そこに鳥人の左手の爪が襲う。
「ぬぁぁぁぁぁぁ!!」
右肩から左脇腹にかけて深手を負わされたウィナーが悲鳴をあげる。
「このぉ!!」
駆けつけたリーシャの怒りの一閃が鳥人の首を狙う。鳥人は素早く身を屈める。大槍は鳥人の頭上を通過した。
「くっ!」
リーシャは大槍の刃を返し、次の一撃を放つ。
「ぬぅ!」
一瞬早くその場を飛び退いた鳥人の鼻先を大槍が過ぎる。
間合いをとった鳥人は右手を高々と掲げ、練り上げた魔力を解放する。
「風属性初級広域魔術!」
無数の小さな風の刃が竜巻となって周囲の敵を薙ぐ。
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」
ウィナーとリーシャの悲鳴が同時に響く。
「バカめ! 貴様らに最初から勝機なんぞあるはずがないのだ!」
鳥人が勝利への自信をのぞかせて叫ぶ。
「そいつぁ、どうかな!?」
「私たちだって!」
風属性初級広域魔術の竜巻が消え去ったあと、傷だらけになりながらも耐えきったウィナーもリーシャが同時に斬りかかる。
鳥人は最初のウィナーの剣閃を躱す。が、次のリーシャの斬撃は右太ももを斬る。
「くそっ!」
鳥人は顔をしかめる。
「よくやった! これであいつの動きを鈍らせることはできたはずだ!」
言ったウィナーの目がギラリと光り、クレイモアの刃を返す。その大剣が描く軌跡が鳥人の左上腕を捉える。
「ぐっ……うぅ!」
鳥人は激痛に堪えつつ飛び退き、右手に魔力を集中する。
「なめんなよぉぉ!! 氷属性上級魔術!!!」
練り上げた魔力を氷の弾丸にして、リーシャに狙いを定めて撃つ。それにいち早く気付いたウィナーがラウンドシールドで受け止める。
「いけ! リーシャ!!」
ウィナーが背中のリーシャに叫ぶ。
「はぁっ!!」
ウィナーの脇から飛び出したリーシャは素早く鳥人に近付き、大槍を一閃した。その軌道上にあった鳥人の首が切断されて地面に転がる。
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