異世界人の父は筋力がありません。勿論、息子の俺も筋力が無く武器を持てません。武器を持てないハンターの成り上がり。

やーま

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何を知っているんだよ…

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 お前達が何を知っているって言うんだよ…
 親父がモンスターと闘うために何百何千回も失敗を繰り返して、調合の知識を得る為にどれだけ時間を費やしてきたか。
 この世界の人間は筋力に恵まれている。
 調合の知識なんて対して必要ない。
 武器一つ有ればそれで討伐出来るのだから。
 つくつぐ羨ましいと思う。
 たしかに才能が無いなら、ハンターなんて辞めてしまえばいい。

 だが無謀って言われても、それでも諦めれない目的が俺にはある…
 親父の諦めてしまった夢を俺が代わりに見してやるって決めたんだ。
 時折、親父の見せる表現がきっとまだ諦め切れてないんだと思うから…

 ーー生息地 星屑の塔 星種 ダストリュオンーー

 親父をこの世界に転生させたモンスター。
 こいつを見つけるまでは…
 
 ガルダは沸き上がる怒りを抑え、手を掛けている把手を押し出した。

 「脳筋のお前らに教えてやる程、安い知識じゃねぇよ」

 そう言い残し、外に足を出した時ーー

 「アンタら、あれが手榴弾に見えたの?」
 背後で誰かがハンター達に問い掛けた。

 その声の主を確認しようと振り向くと、そこにはエマが一人のハンターの肩を掴んでいた。

 「支給品袋には、砥石、縄、投石、ライポイル草、剥ぎ取り用ナイフしか入っていなかったわ。恐らくあの爆弾はあの場で作ったのよ。ライポイル草の汁は可燃性のガスを発生させるし、投石を砕いてたのも、恐らく粉塵にする為だったんでしょうね。それで粉塵爆発を起こしたんでしょ。そんな事も知らないの貴方達…」

 肩を掴まれたハンターは迷惑そうに振り解き、「しっ…知ってるさ、そんなの知ってても普段は手榴弾で充分だしなっ」と言い残し、そそくさと離れていく。

 「貴方達が良く使う手榴弾もこの人の親父さんが作った物だけど。まぁいいわ、私もこんな頭の悪い人達と組みたくないし、帰るわ」

 エマはそう吐き捨て、呆然としているガルダの横を通り過ぎ、店の外に出て行く。

 自分を助けてくれた訳では無いが、代弁してくれた様な気がして、少しなんだかスッキリした。

 「おいっ!待ってくれっ!」

 ガルダも急いで店から出る。
 店を出て直ぐ右の道をエマは歩いていた。

 「なぁ!さっきはありがとっ!」
 
 エマは自分に向けられた言葉だと思い、立ち止まる。

 「別に、お礼を言われる事なんてしてないわ」

 「まぁ…そうなんだけど…」

 そういえば、コイツは何で俺の親父が手榴弾を作ったの知っているんだ?

 あ…
 
 前に、親父がフォーリアル家に手榴弾の納品頼まれて沢山作らないといけないだとか言ってたな…
 エマはフォーリアル家なのか?

 ガルダが確かめようと声を出しかけたが、エマの方が先に声を出したーー
 
 「一つ聞きたい…」

 「何?」

 「貴方は何のためにハンターになったの?」
 
 そう問い掛けてきたエマの顔が一瞬、寂寥さを感じさせる表情をした気がした。
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