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第一章 聖剣の名のもとに
裏切りのベインドット
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「はぁ、はぁ……」
くそっ、まだ先なのか? 城の地下にあるという宝物庫目指して俺は走り続ける。結構全速力で走ってるっていうのにイーリヤには追いつけていない。あいつどんだけ脚早いんだ。
地下四階への階段を下りて最下層にまで辿り着く。確か陛下に聞いた話だと、この階に来て、回廊を大きく回り込めば宝物庫のはず。俺はかび臭いじめじめした回廊の石壁に触れる。
確かこの壁の向こうはもう宝物庫のはずだ。入口は反対側だけど。
あれ? 話し声が聞こえる。イーリヤ姫は確か一人で来たはずじゃ?
俺は石壁に耳を当てて声に耳を傾けてみた。
「ふっふっふ、姫様には特別に見せてあげましょう……」
この声は……確かベインドット? もう目が覚めたのか? というか何故こんなところに? 宝物庫で何してるんだ?
見せるって何を見せるつもりだ? もしかして火傷のあと? へへっ、その火傷、俺がやったんスよ。
「このような屈辱……くっ、殺せ!」
こっちはイーリヤの声だ。あのアマまたくっころしとるやんけ。危惧した通りだ。
「見せてあげましょう、私のち〇こを……」
!?
おいおいおい、まずいだろ!!
俺は息を整える間もなく再び走り出す。
まずいまずいまずい。これR-18じゃないんだぞ!?
ベインドットがイーリヤに懸想してたのは話の流れから何となく察してはいたけど、まさか思い余ってこんな行動に出るなんて! 削除されたらどうすんだ!!
イーリヤもイーリヤだ。ほんの数十分前に正門でくっころしたかと思ったら今度は地下の宝物庫でくっころかよ。あっちでくっころこっちでくっころしやがって、助ける方の身にもなってくれこのピーチ姫体質め!!
急いで俺は部屋の入り口に回り込む。部屋の表札には確かに「宝物庫」と現地の文字で書いてある。G〇ogle翻訳のカメラ機能みたいにリアルタイムで日本語に翻訳された文字が視界に表示されている。脳みそハッキングされてるみたいで気持ち悪いけど。
ベアリスこういうところはサービスがきめ細かいんだよな。
「オラァ!!」
俺は勢いつけて一気にドアを蹴破って中に入る。
もしイーリヤが人質に取られてたりしたらこの衝撃で隙をついて一期に助け出すつもりだったけど……あれ?
おかしいな。会話の内容から察するにもうベインドットは準備万端で、なんだったらもう先っちょくらいは入ってるかと思ってたんだけど、二人はまだ距離を保っていた。
ち〇こも出てない。まだ一般向けOKだ。
「来たな、勇者」
ベインドットは胸に包帯を巻いてはいるものの、この事態に人質もとらずにどん、と構えている。相当状況悪いと思うんだけど何か策でもあるのか?
「ついさっきまで俺に一撃でやられて情けなくカエルみたいにひっくり返ってやがったくせに余裕そうだな!」
「ふん、なんとでも言え」
「気を付けて下さい勇者様! 一撃でやられてカエルみたいに情けなくひっくり返っていたさっきまでのベインドットとは違います!」
「なに!? ついさっきまで一撃でやられて情けなくカエルみたいにひっくり返っていたベインドットとは何が違うって言うんだ!?」
「言いすぎだろ!!」
うわ、なんか知らんが急に涙目で切れた。情緒不安定だなコイツ。
「フフ、まあいい。今までの俺とは違うという事を見せてやる」
あら、泣いたカラスがもう笑った。
とは言うものの、つい数十分前に会ったばっかりだから「今までのお前」なんか知らんけどね。
「俺の本当の力を見せてやる。見ろ!! この聖剣……」
「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」
当然そんな聖剣の力なんて使わせるわけがない。俺から目を離した一瞬の隙にファイアボールをぶち込むとベインドットはメラメラと燃えだした。
まずいな。地下室で炎なんて使うもんじゃないわ。
俺はすぐにクッコロさんを連れ出して地上を目指す。火事は後で国王にでもなんとかさせりゃいいや。俺の城じゃねえし。
にしてもアホな奴だ。さっき喰らって威力が分からなかったのか? 今回は鎧もないから即死だ。
「おそらく、聖剣を手に入れられるチャンスを目の当たりにして、欲に目がくらんだんでしょう」
階段をのぼりながらイーリヤが呟く。ああ、そういや聖剣結局宝物庫に置いてきちゃったな。まあいいか。
「我が王家に代々伝わる聖剣……雷を操り、魔を払うと言われる伝説の古代剣、アレを手に入れて勇者殿を亡き者にしようと考えていたんでしょう」
そんなヤバい剣なのかアレ。後で火が収まったら取りに行こう。
「それにしてもありがとうございます、勇者様……一度ならず二度までも助けていただけるなんて」
お前の方こそ一度ならず二度までもくっころしてんじゃねーよ。もうちょっと気を付けて行動しようね? わざと突っ込んでってるとしか思えないんですけど。
「このご恩は、いずれ……きっと」
階段を上る足を止め、イーリヤは柔らかい微笑を湛えて、俺の左手を両手で包み込むように握りながらしなだれかかってきた。
トゥンク……
「私の命は……あなた様のものです」
え、なに? この子、こんなにかわいい子だったっけ?
イーリヤの身長は170センチオーバーで俺よりもちょっと高い。今まできつそうな口調と見た目でちょっと怖いと思ってたんだけど、こんなかわいい顔もするのか。
「勇者様……お慕いしております」
そう言ってイーリヤは俺の腰に手を回してきつく抱きしめ、目を閉じて顔を近づけてくる。
ちょっとちょっとちょっと? 胸の圧も凄いし、き、キスを? 早すぎるって! まだ5話目だよ!?
「イーリヤ殿下、ご無事ですか!?」
うおっ!?
俺達は慌てて距離を取る。くそっ、いいところで邪魔が入ったか。まあ当然っちゃあ当然だけど。行先は分かってる上に、地下から煙が昇ってきてるんだから。衛兵たちが異変に気付いて集まってきたみたいだ。
イーリヤの方を見ると彼女はにこっと微笑んで人差し指を口の前に持ってきた。
この子……こんな表情もするんだな。
くそっ、まだ先なのか? 城の地下にあるという宝物庫目指して俺は走り続ける。結構全速力で走ってるっていうのにイーリヤには追いつけていない。あいつどんだけ脚早いんだ。
地下四階への階段を下りて最下層にまで辿り着く。確か陛下に聞いた話だと、この階に来て、回廊を大きく回り込めば宝物庫のはず。俺はかび臭いじめじめした回廊の石壁に触れる。
確かこの壁の向こうはもう宝物庫のはずだ。入口は反対側だけど。
あれ? 話し声が聞こえる。イーリヤ姫は確か一人で来たはずじゃ?
俺は石壁に耳を当てて声に耳を傾けてみた。
「ふっふっふ、姫様には特別に見せてあげましょう……」
この声は……確かベインドット? もう目が覚めたのか? というか何故こんなところに? 宝物庫で何してるんだ?
見せるって何を見せるつもりだ? もしかして火傷のあと? へへっ、その火傷、俺がやったんスよ。
「このような屈辱……くっ、殺せ!」
こっちはイーリヤの声だ。あのアマまたくっころしとるやんけ。危惧した通りだ。
「見せてあげましょう、私のち〇こを……」
!?
おいおいおい、まずいだろ!!
俺は息を整える間もなく再び走り出す。
まずいまずいまずい。これR-18じゃないんだぞ!?
ベインドットがイーリヤに懸想してたのは話の流れから何となく察してはいたけど、まさか思い余ってこんな行動に出るなんて! 削除されたらどうすんだ!!
イーリヤもイーリヤだ。ほんの数十分前に正門でくっころしたかと思ったら今度は地下の宝物庫でくっころかよ。あっちでくっころこっちでくっころしやがって、助ける方の身にもなってくれこのピーチ姫体質め!!
急いで俺は部屋の入り口に回り込む。部屋の表札には確かに「宝物庫」と現地の文字で書いてある。G〇ogle翻訳のカメラ機能みたいにリアルタイムで日本語に翻訳された文字が視界に表示されている。脳みそハッキングされてるみたいで気持ち悪いけど。
ベアリスこういうところはサービスがきめ細かいんだよな。
「オラァ!!」
俺は勢いつけて一気にドアを蹴破って中に入る。
もしイーリヤが人質に取られてたりしたらこの衝撃で隙をついて一期に助け出すつもりだったけど……あれ?
おかしいな。会話の内容から察するにもうベインドットは準備万端で、なんだったらもう先っちょくらいは入ってるかと思ってたんだけど、二人はまだ距離を保っていた。
ち〇こも出てない。まだ一般向けOKだ。
「来たな、勇者」
ベインドットは胸に包帯を巻いてはいるものの、この事態に人質もとらずにどん、と構えている。相当状況悪いと思うんだけど何か策でもあるのか?
「ついさっきまで俺に一撃でやられて情けなくカエルみたいにひっくり返ってやがったくせに余裕そうだな!」
「ふん、なんとでも言え」
「気を付けて下さい勇者様! 一撃でやられてカエルみたいに情けなくひっくり返っていたさっきまでのベインドットとは違います!」
「なに!? ついさっきまで一撃でやられて情けなくカエルみたいにひっくり返っていたベインドットとは何が違うって言うんだ!?」
「言いすぎだろ!!」
うわ、なんか知らんが急に涙目で切れた。情緒不安定だなコイツ。
「フフ、まあいい。今までの俺とは違うという事を見せてやる」
あら、泣いたカラスがもう笑った。
とは言うものの、つい数十分前に会ったばっかりだから「今までのお前」なんか知らんけどね。
「俺の本当の力を見せてやる。見ろ!! この聖剣……」
「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」
当然そんな聖剣の力なんて使わせるわけがない。俺から目を離した一瞬の隙にファイアボールをぶち込むとベインドットはメラメラと燃えだした。
まずいな。地下室で炎なんて使うもんじゃないわ。
俺はすぐにクッコロさんを連れ出して地上を目指す。火事は後で国王にでもなんとかさせりゃいいや。俺の城じゃねえし。
にしてもアホな奴だ。さっき喰らって威力が分からなかったのか? 今回は鎧もないから即死だ。
「おそらく、聖剣を手に入れられるチャンスを目の当たりにして、欲に目がくらんだんでしょう」
階段をのぼりながらイーリヤが呟く。ああ、そういや聖剣結局宝物庫に置いてきちゃったな。まあいいか。
「我が王家に代々伝わる聖剣……雷を操り、魔を払うと言われる伝説の古代剣、アレを手に入れて勇者殿を亡き者にしようと考えていたんでしょう」
そんなヤバい剣なのかアレ。後で火が収まったら取りに行こう。
「それにしてもありがとうございます、勇者様……一度ならず二度までも助けていただけるなんて」
お前の方こそ一度ならず二度までもくっころしてんじゃねーよ。もうちょっと気を付けて行動しようね? わざと突っ込んでってるとしか思えないんですけど。
「このご恩は、いずれ……きっと」
階段を上る足を止め、イーリヤは柔らかい微笑を湛えて、俺の左手を両手で包み込むように握りながらしなだれかかってきた。
トゥンク……
「私の命は……あなた様のものです」
え、なに? この子、こんなにかわいい子だったっけ?
イーリヤの身長は170センチオーバーで俺よりもちょっと高い。今まできつそうな口調と見た目でちょっと怖いと思ってたんだけど、こんなかわいい顔もするのか。
「勇者様……お慕いしております」
そう言ってイーリヤは俺の腰に手を回してきつく抱きしめ、目を閉じて顔を近づけてくる。
ちょっとちょっとちょっと? 胸の圧も凄いし、き、キスを? 早すぎるって! まだ5話目だよ!?
「イーリヤ殿下、ご無事ですか!?」
うおっ!?
俺達は慌てて距離を取る。くそっ、いいところで邪魔が入ったか。まあ当然っちゃあ当然だけど。行先は分かってる上に、地下から煙が昇ってきてるんだから。衛兵たちが異変に気付いて集まってきたみたいだ。
イーリヤの方を見ると彼女はにこっと微笑んで人差し指を口の前に持ってきた。
この子……こんな表情もするんだな。
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