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Extra3:幸せのいろどり ―透side―
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美絵さんと……『結婚してもいい』……なんて思ってたけど、それは、とんでもない思いあがりで、失礼なことかもしれない。ずっと一緒にいたいと思う人は別にいるのに。
――俺が、ずっと一緒にいたいと思う人は……一人しかいない。直くんとは、ずっと一緒にいれるわけはないけれど。
「……でも……、」
「でも?」
「ここまで話が進んでいるのに、そんな勝手なことが許されるわけ……」
「いいじゃない、会社辞めちゃえば」
突拍子もないことを簡単に言ってしまう静香に驚いて言葉が詰まった俺に、静香は更に言葉を続けた。
「お兄ちゃん、今までお父さんに意見言ったり、反抗したことないんでしょう? お父さん、きっと話せば解ってくれると思うんだけど」
「……静香は、ずっと父さんに会ってないのに、なんでそう思うんだ?」
「お母さんの月命日にね……。いつも誰かがお花を供えてくれてるの。お父さんじゃないかな。お父さん、やっぱりずっと一緒に居たかったのは、お母さんじゃないのかな」
静香は同意を求めるように「ね? そう思うでしょ?」と、言いながら、助手席から身を乗り出して俺の顔を覗き込んでくる。
――静香の話は、想像の域を出ない。
だけど……そう言えば、俺はいつも父のことを避けていて、ちゃんと話をしてこなかった。結婚のことも、仕事のことも。
どんな結果になるにせよ、ちゃんと向き合ってみなければ、これ以上先に進むどころか、引き返すことすら出来ない気がした。
でも……その為には……。決めておかなければならない事がある。
「静香、ちょっと電話してきていいかな?」
「うん、どうぞ、どうぞ」
俺が何処に電話すると思ったのか、嬉しそうに応える静香に苦笑しながらドアを開けて外に出た。
暖房の効いた車内との温度差に身震いする。
1枚の名刺を取り出して、番号を確認しながら携帯に入力する。
呼び出し音は2回で途切れ、相手が通話口に出た。
『はい、神谷……』
「篠崎です」
『おっ、早速連絡くれたね』
「……はい。突然で申し訳ないのですが、明日、お時間頂けますか?」
――俺が、ずっと一緒にいたいと思う人は……一人しかいない。直くんとは、ずっと一緒にいれるわけはないけれど。
「……でも……、」
「でも?」
「ここまで話が進んでいるのに、そんな勝手なことが許されるわけ……」
「いいじゃない、会社辞めちゃえば」
突拍子もないことを簡単に言ってしまう静香に驚いて言葉が詰まった俺に、静香は更に言葉を続けた。
「お兄ちゃん、今までお父さんに意見言ったり、反抗したことないんでしょう? お父さん、きっと話せば解ってくれると思うんだけど」
「……静香は、ずっと父さんに会ってないのに、なんでそう思うんだ?」
「お母さんの月命日にね……。いつも誰かがお花を供えてくれてるの。お父さんじゃないかな。お父さん、やっぱりずっと一緒に居たかったのは、お母さんじゃないのかな」
静香は同意を求めるように「ね? そう思うでしょ?」と、言いながら、助手席から身を乗り出して俺の顔を覗き込んでくる。
――静香の話は、想像の域を出ない。
だけど……そう言えば、俺はいつも父のことを避けていて、ちゃんと話をしてこなかった。結婚のことも、仕事のことも。
どんな結果になるにせよ、ちゃんと向き合ってみなければ、これ以上先に進むどころか、引き返すことすら出来ない気がした。
でも……その為には……。決めておかなければならない事がある。
「静香、ちょっと電話してきていいかな?」
「うん、どうぞ、どうぞ」
俺が何処に電話すると思ったのか、嬉しそうに応える静香に苦笑しながらドアを開けて外に出た。
暖房の効いた車内との温度差に身震いする。
1枚の名刺を取り出して、番号を確認しながら携帯に入力する。
呼び出し音は2回で途切れ、相手が通話口に出た。
『はい、神谷……』
「篠崎です」
『おっ、早速連絡くれたね』
「……はい。突然で申し訳ないのですが、明日、お時間頂けますか?」
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