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右手 左手 (広瀬×今井)
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俺、広瀬 優人(ひろせ ゆうと)には付き合って二週間になる彼女がいる。
「最近ちょっと暑くなってきたね~」
彼女は今井 美咲(いまい みさき)。
容姿端麗、スタイル抜群、頭脳明晰。
俺みたいな冴えない野郎にはもったいなさすぎるほどの存在。
部活に取り組む俺の姿に惹かれてくれたらしくなんの奇跡か彼女のほうから告白をしてきたのだ。
あまりの嬉しさに二つ返事でOKをしてしまったが、今となってはむしろ俺の方が彼女にぞっこんな自信がある。それぐらい俺は美咲が好きだ。
「早く夏服に変わらないかな~」
互いに部活が終わって一緒に帰る途中。
俺は今日、どうしても達成したい目標がある…!
彼女の……手を握る……!!
付き合って二週間。俺たちはキスはおろか手すら握っていない。
彼女がそれを寂しく思っているか気にしていないかは分からない。
だが、俺は決めたのだ。
今日、この時間に美咲の手を男らしく握ると!
「優人くん、聞いてる??」
「えっ?あ、ああ聞いてるよ(汗」
「嘘だあ~!なんかずっとブツブツ言ってたもん!」
「そんなことないよちゃんと聞いてたよ!」
「じゃあさっき私が何にぼやいてたか言ってみてよー」
「え、え~っと…や、痩せたいなあ~とか??」
「ち・が・う・よ!確かにちょっと太っちゃったけど。。」
「そ、そんなことないよ!美咲はスタイル抜群なんだから!」
「うええ?!あ…ありがとっ…///」
「~~~(かわいいいいいい!!)」
「ってそうじゃなくて!やっぱり聞いてなかったんじゃん!!」
「う…す、すいません。。」
「もうっ!(プイッ)」
「(怒ったとこも可愛いとか何この天使みたいな生き物///)」
こんな感じでついつい上の空になりがちな俺。
「(こんなんで手なんて繋げるのだろうか…ムードもへったくれもないよ……)」
そう思っていたその時---
「ねぇ、優人くん?」
「な、何?」
「私達ってもう付き合って二週間だよね?」
「そ、そうだね。。」
「私、そ、そろそろ…カップルっぽいこと…したいなって…///」
「!?」
こ、これは……チャンスなのでは?!
「カップルっぽいことって…た、例えば??」
「っ……//そ、それは優人くんが考えてよ…//恥ずかしいよ……//」
「お、俺がって…言われても……//」
「っ……///」
「っ……///」
唐突な美咲からの要求に一気に恥ずかしさと焦りが押し寄せる。
果てしなく長く感じる沈黙を破ったのは、美咲だった。
「っ……もう//じゃあ私が、ヒント出すからっ//」
「えっ…//ヒントって…」
「ん…//んーーっ//」
「!!!!!!」
てっきり俺と同じで手をつないでほしがっているのだと思っていた。
だが美咲の出したヒントは---
目を閉じて上を向き唇をゆっくり俺の方に向けるというもの。
これが何を意味するのかはどんな馬鹿でも分かるだろう。。
「(き、きききききき……キス?!?!)」
「(いやいやいやいや、俺は手を繋げれば今日の所はそれで良かったのに!それを飛び越えていきなりキス?!なにそのエリートコース!飛び級も飛び級じゃねえか!!)」
突然の美咲の大胆すぎるヒント(ほぼ答え)に頭がとにかく混乱する。
「(そもそもこれキスで合ってんだよね??いやでもキスだとしてどんなやつ?!ソフトなやつ?それとも深いオトナなやつ?いや最初のキスでそんなことしたらそれこそ20段ぐらい飛び越えてるよ!!いやでもこれってかなりのチャンスなわけだしああどうしよどうしよおおおお)」
ちょっとした生物になら十分火が通りそうなほど顔が熱い。こんなにまで赤面したことがあっただろうか。。
「(……い、いや待て待て。。冷静になれ、俺。美咲が望んでるとしてもこういうことはちゃんと段階を踏まないといけないだろ…手すら繋いでないのにいきなりキスなんて……)」
無理やり頭を冷やし冷静に考える。
もし彼女のこのヒントの答えが本心だとしても本当にそれでいいのか?
もし冗談のつもりだったら?
もしからかうだけのつもりだったら?
これで本当にしてしまって彼女を傷つけるようなことになったら?
そんなのは、嫌だ。
そんな結末だけは………嫌だ。
「み、美咲…!」
「ん…?パチッ」
目を開けた美咲に、自分の正直な気持ちを伝える。
「お、俺たちはさ…まだ手だって繋いでないし…ハグだって…してないわけだろ…?」
「う、うん……」
「そ、それなのに…いきなり…キスなんて…できないよ…」
「っ………………」
「俺はもっと美咲を大事にしたいし…今よりももっと……美咲を…好きになりたい…!」
「っ……!」
「だ、だからっ…まだキス…とかは…俺自信…恥ずかしくて……できない…」
「う、うん……」
「だからっ………まずは…手、繋がないか…?///」
「っ………///」
自分の右手を美咲に向けて差し出す---
「……はいっ//」
美咲が左手で俺の手を包む---
「っ………!//」
美咲の手の感触、体温が一度に伝わってくる。。
嗚呼---
「(やっと…やっと…できた……!)」
カップルとしての、小さく大きな新たな一歩---
「ゆ、優人くんの手…」
「……?」
「おっきくて…暖かいね!//」
「(……!!////)」
美咲の満面の笑みが、俺の顔をまた赤く染めた。。
「そ、そんなことないよ!普通だって!///」
「あー!赤くなってるー!!」
「あ、赤くなってなんかねえし!!//」
「優人くんも照れてるんだー!可愛いー!!」
「う、うるせえよ//早く帰ろ!!」
いつも短い二人でいる下校中のこの時間。
今日はどんな退屈な授業よりも長く感じた。
俺の目標は達成できた。些細で青い目標。
これからまだまだ目標は増えていくだろう。
必ず一つ一つ俺は達成してみせる。
(優人くんの手、おっきくて…暖かいね!//)
あの笑顔のためにならどんな恥ずかしいハードルも越えられる。。
きっと。絶対、叶えられる---
「最近ちょっと暑くなってきたね~」
彼女は今井 美咲(いまい みさき)。
容姿端麗、スタイル抜群、頭脳明晰。
俺みたいな冴えない野郎にはもったいなさすぎるほどの存在。
部活に取り組む俺の姿に惹かれてくれたらしくなんの奇跡か彼女のほうから告白をしてきたのだ。
あまりの嬉しさに二つ返事でOKをしてしまったが、今となってはむしろ俺の方が彼女にぞっこんな自信がある。それぐらい俺は美咲が好きだ。
「早く夏服に変わらないかな~」
互いに部活が終わって一緒に帰る途中。
俺は今日、どうしても達成したい目標がある…!
彼女の……手を握る……!!
付き合って二週間。俺たちはキスはおろか手すら握っていない。
彼女がそれを寂しく思っているか気にしていないかは分からない。
だが、俺は決めたのだ。
今日、この時間に美咲の手を男らしく握ると!
「優人くん、聞いてる??」
「えっ?あ、ああ聞いてるよ(汗」
「嘘だあ~!なんかずっとブツブツ言ってたもん!」
「そんなことないよちゃんと聞いてたよ!」
「じゃあさっき私が何にぼやいてたか言ってみてよー」
「え、え~っと…や、痩せたいなあ~とか??」
「ち・が・う・よ!確かにちょっと太っちゃったけど。。」
「そ、そんなことないよ!美咲はスタイル抜群なんだから!」
「うええ?!あ…ありがとっ…///」
「~~~(かわいいいいいい!!)」
「ってそうじゃなくて!やっぱり聞いてなかったんじゃん!!」
「う…す、すいません。。」
「もうっ!(プイッ)」
「(怒ったとこも可愛いとか何この天使みたいな生き物///)」
こんな感じでついつい上の空になりがちな俺。
「(こんなんで手なんて繋げるのだろうか…ムードもへったくれもないよ……)」
そう思っていたその時---
「ねぇ、優人くん?」
「な、何?」
「私達ってもう付き合って二週間だよね?」
「そ、そうだね。。」
「私、そ、そろそろ…カップルっぽいこと…したいなって…///」
「!?」
こ、これは……チャンスなのでは?!
「カップルっぽいことって…た、例えば??」
「っ……//そ、それは優人くんが考えてよ…//恥ずかしいよ……//」
「お、俺がって…言われても……//」
「っ……///」
「っ……///」
唐突な美咲からの要求に一気に恥ずかしさと焦りが押し寄せる。
果てしなく長く感じる沈黙を破ったのは、美咲だった。
「っ……もう//じゃあ私が、ヒント出すからっ//」
「えっ…//ヒントって…」
「ん…//んーーっ//」
「!!!!!!」
てっきり俺と同じで手をつないでほしがっているのだと思っていた。
だが美咲の出したヒントは---
目を閉じて上を向き唇をゆっくり俺の方に向けるというもの。
これが何を意味するのかはどんな馬鹿でも分かるだろう。。
「(き、きききききき……キス?!?!)」
「(いやいやいやいや、俺は手を繋げれば今日の所はそれで良かったのに!それを飛び越えていきなりキス?!なにそのエリートコース!飛び級も飛び級じゃねえか!!)」
突然の美咲の大胆すぎるヒント(ほぼ答え)に頭がとにかく混乱する。
「(そもそもこれキスで合ってんだよね??いやでもキスだとしてどんなやつ?!ソフトなやつ?それとも深いオトナなやつ?いや最初のキスでそんなことしたらそれこそ20段ぐらい飛び越えてるよ!!いやでもこれってかなりのチャンスなわけだしああどうしよどうしよおおおお)」
ちょっとした生物になら十分火が通りそうなほど顔が熱い。こんなにまで赤面したことがあっただろうか。。
「(……い、いや待て待て。。冷静になれ、俺。美咲が望んでるとしてもこういうことはちゃんと段階を踏まないといけないだろ…手すら繋いでないのにいきなりキスなんて……)」
無理やり頭を冷やし冷静に考える。
もし彼女のこのヒントの答えが本心だとしても本当にそれでいいのか?
もし冗談のつもりだったら?
もしからかうだけのつもりだったら?
これで本当にしてしまって彼女を傷つけるようなことになったら?
そんなのは、嫌だ。
そんな結末だけは………嫌だ。
「み、美咲…!」
「ん…?パチッ」
目を開けた美咲に、自分の正直な気持ちを伝える。
「お、俺たちはさ…まだ手だって繋いでないし…ハグだって…してないわけだろ…?」
「う、うん……」
「そ、それなのに…いきなり…キスなんて…できないよ…」
「っ………………」
「俺はもっと美咲を大事にしたいし…今よりももっと……美咲を…好きになりたい…!」
「っ……!」
「だ、だからっ…まだキス…とかは…俺自信…恥ずかしくて……できない…」
「う、うん……」
「だからっ………まずは…手、繋がないか…?///」
「っ………///」
自分の右手を美咲に向けて差し出す---
「……はいっ//」
美咲が左手で俺の手を包む---
「っ………!//」
美咲の手の感触、体温が一度に伝わってくる。。
嗚呼---
「(やっと…やっと…できた……!)」
カップルとしての、小さく大きな新たな一歩---
「ゆ、優人くんの手…」
「……?」
「おっきくて…暖かいね!//」
「(……!!////)」
美咲の満面の笑みが、俺の顔をまた赤く染めた。。
「そ、そんなことないよ!普通だって!///」
「あー!赤くなってるー!!」
「あ、赤くなってなんかねえし!!//」
「優人くんも照れてるんだー!可愛いー!!」
「う、うるせえよ//早く帰ろ!!」
いつも短い二人でいる下校中のこの時間。
今日はどんな退屈な授業よりも長く感じた。
俺の目標は達成できた。些細で青い目標。
これからまだまだ目標は増えていくだろう。
必ず一つ一つ俺は達成してみせる。
(優人くんの手、おっきくて…暖かいね!//)
あの笑顔のためにならどんな恥ずかしいハードルも越えられる。。
きっと。絶対、叶えられる---
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