4 / 37
④
しおりを挟む──────── 数年後 ─────────
「はあっ、んつっ……あ…ああんっ…………」
部屋の中に、ぽつんと照らされたライトに浮かび上がる、結合を果たした男女。
男の腰使いが緩く円を書き、女のイぃ所を探し出し穿つ度、女の白い喉から嬌声が迸る。
「この淫乱。流石、双子だよな。淫売な所はアイツにそっくり」
「違うっ……んっ……あぁっ」
「良く言うよ、自分は違うと言いたい訳? ……何処が? 義兄に犯されてよがり狂うお前が? 」
「す……なの……ひっやああぁぁ……」
いきなりズクンと子宮口まで突かれて、女は悲鳴を上げる。
──── 違う、違うの……。
私は、ただ、ただ、貴方が好きなだけ……。
お姉ちゃんより先に出逢ったのに、お姉ちゃんよりも先に好きになったのに。
お姉ちゃんはあたしの前で、これ見よがしに、あたしの好きな人を、貴方を、奪って行った。
でも、そんなお姉ちゃんも、もうこの世に居ない……。
そして、奇しくも、愛する貴方は絶望と言う名の闇に堕ちてしまった。
自分勝手かもしれない、ほっておいてくれと言われるかも知れない。
けれど…………。
私は貴方を、お姉ちゃんに会う前の貴方に戻したいの。
私に笑いかけてくれて、
額に唇を落としてくれて、
優しく私を乱しては、微笑んでくれた貴方に。
あの女よりも、私に愛を囁いてくれていた、
あの頃の貴方に、
私は、戻って欲しいだけなの────。
「考え事か? 結芽? 余裕だな」
そう言った男が、結芽と呼んだ女を抱え起こす。
抱えられれば、奥の奥まで男を受け入れた彼女。
「ん……はぁっ……あ////…あんっ………」
ゆるりと上下に揺さぶられてより一層快感に打ち振るえた。
「あぁっ、だめぇそんなにしちゃ………」
息も絶え絶え。
生理的な涙が瞳に溜まる。
けれど男は容赦がなかった。
「あっ、……イク……いっ」
「一度イッとけ、夜は長い。壊れるまで抱いてやるよ………… 」
「あっ…やっ…いいっ…イ…ッ……くっ…… 」
意外と甘やかな男の声に、結芽は昔に思いを馳せた。
────初めて抱かれた頃のように優しい────
たまにある、男の優しさ。
毎夜、狂ったように結芽の胎内(なか)に精を吐き出し、朝には総てを忘れたように、優しい義兄(あに)に変貌する。
結芽の姉によって闇へと堕とされた男。
彼を思って、快感に打ち振るえて、結芽の目尻から一滴。
涙が頬を伝った。
「はぁぁぁん、気持ち良い…気持ち良いのぉ、……真紘っ…さ、あんっ…………… 」
結芽は、そう叫ぶと、真紘と呼んだ男の自分の中に埋まる息子をきゅうきゅうと締め付けて果ててしまった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる