私の番は薬師という名の如来様でした

黄色いひよこ

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きさらぎ駅

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「凪、大丈夫か? まだやれるか?  」

「ん、あたしは大丈夫。櫂も無理しないでね。あの人の心は闇に落ちきってる。有るのは怨みと呪い………… 」

「分かってるよ、凪。さぁ、君の剣を俺に貸してくれるかぃ? 」

「勿論よ……。あたしは、貴方の武器なんだから………… 」


2人の間で交わされた会話は、女からは殆ど聞こえなていなかった。

けれど、僅かに聞こえた声音は、男女のモノだと女にも解った。

やはり、あの2人は男と女。

今一番気になっていた事が解決して、女はほっこりと笑みをこぼした。


その時だった。

ズルッ、

ズルッ

ズルッ。



背中に悪寒が走るような、生理的に嫌悪するかのような、地べたを這うような音が列車内に響いた。


そして。


此処に、現れい出たのは、四つん這いで這う女。

普通の這い方では無い。

腰で上下の向きが違う。

下半身は仰向けでブリッジをしていて、上半身は正面を向いている。

首は一回転して顎を上に向け、逆さまで此方を、否、彼ら男女を睨み付けて居る。

異様な姿の、異様な光景。

日光に庇われる女が、その光景から目を逸らす。

本能が、奴を見るなと、警告する。

『見たら呪われる』

本能が、そう警告していた。

そんな物体を正視出来得る彼等は、一体何者なのだろう。

女は、そう不思議に思った。



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