私の番は薬師という名の如来様でした

黄色いひよこ

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人物紹介と言う名のお話

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階下まで降りると、薄ぼんやりと外の明かりが漏れて夜が明けはじめるのが見て取れた。

小さな庭に面したカーテンを開ける。

まだ誰も起きてきていない所で、凪は腕捲りをして朝食の準備に取り掛かった。


この家には、食べ盛りの高校生と大学生の男二人が居候している。

名前を日光  豊にっこう  ゆたか月光  拓海がっこう  たくみと言う。

神様名を、日光菩薩、月光菩薩と言い、人界での名前は仮名かりなである。

そしてここの家人、瑠璃光  櫂るりこう  かいは彼等の主、薬師如来だった。


── はっ!? ──


「だっ、駄目~っ!」


後ろのテーブルからふと、サクッと言う音が聞こえた気がして、後ろを振り返った凪は、何時の間にか起きてきていた旦那と、彼がかじっていた黒い物体を見て叫び声を上げた。

朝から賑やかである。

黒い物体をかじっている櫂こと薬師を見ると、あの物体はどうやら食べ物のようだ。

薬師が凪に向かって飄々と、言ってのけた。


「おはよう~凪ちゃん。ポップアップトースターなのに見事に真っ黒だね。どうしたらこんなトーストが焼けるのか。理解に苦しむ」


そう言う薬師に、


── その黒こげ食パンを口にする、貴方の方があたしは理解に苦しむんですけど~ ──


と、脳内突っ込みをぶちかます凪。

何とか必死に朝ご飯を作って、学生二人を送り出した。

三階立ての極普通の民家に住んで居る二人と居候の家に、9時になるとベンツが止まる。

其処から降り立つ初老の男が居るのだが、彼が2人に仕事を持ち込む訳だが、勿論、霊や怪異に関する仕事な訳で。

老人は、2人をサポートする為に足げく通って居る、瑠璃光の一族の15代目だった。

薬師と凪は地上では人間の身体を持ち、夫婦なのだから当然、夫婦の夜の生活があり、なかむずましい。

20代半ばの薬師と20代初めの凪なのだから、夜の生活はほぼ毎日あると言っても過言では無い。

だから子供は当たり前に出来る。

勿論、『家族計画』に基づいての子供であるから問題は無い。

その子孫なのだ。

このご老人は。

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