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学院と言う地獄
ホラーザナイト②
しおりを挟む「いいいん?こんなんありなん?貞●出て来そうやん。ってか、きっと出てくるでコレ」
そう言って一通り騒いだ月光は唇の端を釣り上げて笑った。
不適な笑みを湛えている。
其処へ待ってましたとばかりに現れたのは、白いワンピースで髪の長い女。
井戸から出て来た女は、ぎこちない動作で真っ直ぐ歩いてくる。
良く見知った女。
「色々とシリーズ展開してたよなぁ、コレ。最初はビデオテープが呪われとって、仕舞いにはDVDに成ってた気がする」
独り、誰に聞かせるとともなく呟く。
貞●がテレビから這い出して来るのを月光は恐れる事無く余裕で見下ろす。
流石、月光菩薩なだけは有るのか。
「誰かが作るホラー映画のキャラクターに、本物の化け物を相手にする僕が、臆する訳が無いでしょう? 馬鹿ですか? 君は…… 」
何時もの関西弁とは全く違う標準語に、此方が本来の月光なのだと悟らされる。
異様な速さで月光の側までやってきた貞●はがっしっと月光の腕を掴んで例の角度で覗き見た。
普通なら、これで死ぬ筈の相手。
恐怖に染まった苦悶の表情でショック死する筈なのに、貞●の目の前の銀髪青年は違った。
死なない。
怖がらない。
苦悶の表情も無い。
それどころか、目前の男はニヤリと不適に笑う。
唐突に貞●の憑き物が落ちた。
と言うか、落とされた。
── こいつ、何なの ──
と、思ったのかどうか、定かでは無い。
貞●から素の自分に戻った女は、自分が誰だか解らなかった。
「なんや、本当のあんたはこんなに可愛いねんなぁ」
女は月光に指で顎を持ち上げられ(ヒューヒュー、顎クイじゃん)、乱れた髪を掻き分けられると、素顔を見られ恥ずかしくなり顔を真っ赤にさせた。
こんな事は、彼女に取って初めてだから。
「ふふふ、これなら食指も動きますよねぇ。僕は菩薩ですから、色々と自由なんです。久し振りに昇天させてあげましょうかね。一緒に楽しみましょう。綺麗さっぱり上に上げてあげますよ……ね…… 」
月光は悪い顔で、とぉ~っても意味深な言葉を彼女に投げ付けて、その唇を己の唇で塞いだ。
女が、目をまるくする。
この世の者とも思えない程の美青年に、唇を奪われている事実に、貞●に化けていた女が驚愕していた。
普段の飄々とした、姿は一体何なのか。
女の口を割り舌を差し込んでキスを深めると名瀬か押し倒されるベッドの上。
女が目を白黒させていると唇を離した月光は、彼女に目を見張るような言葉を投げた。
「他に上げ方があるって言えば有るのですが、貴女は美少女ですし、僕も女性は嫌いじゃない。沢山、逝ってくださいね…‥ 」
にっこりと微笑む月光の姿は女から見れば悪魔に見えた。
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