僕のあの夏

まったり

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始まり

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中学2年生だった僕は今年の夏、母の実家に預けられることになった。
なんでも僕の喘息の治療のためらしい。

僕は父が運転する車に揺られながら窓を開け、外を眺めていた。
時間が経つ度に緑が増え、トンネルを抜けた先には田んぼばかりが広がっていた。

田舎に来ても相変わらずセミの音が聞こえるが、都会のセミのようなうるささは何故か感じなかった。

「さく、着いたぞ~」

父に呼ばれ僕は目を覚ました。どうやら寝ていたらしい。
頭がまだ回らないがゆっくりと車から降りた。土で出来た道は昨日雨が降ったのかぬかるんでいて車も泥だらけだった。

そして僕の目の前にあったのは大きな大きな門だった。


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