ゴミクズ君

鳥居 渚

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第5話 オイメ

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後日俺は前田さんをデートに誘い
2人で買い物に行くことになった

「よ!お待たせ」

「待ちましたよ」

「そういうのは待ってないよって言うもんだよ」

「知ってますけど」

「うそだ」

「嘘じゃないですけど」

「さ、行くよ」

そうやって先輩に手を引っ張られた

周りから見たら俺たちカップルなのかな

そんなこと考えながら


「ねぇこの服いいじゃん似合ってるんじゃない?」

「そうですかね?」

「いいと思うよ!橘くんらしい」


一緒に服も買って夜になった


「晩御飯食べよっか」

「ですね、どっかオススメの場所ありますか?」

「前行ったとこなんだけどね、ここの居酒屋のご飯すっごく美味しいの!」


2人で居酒屋に入って
案の定年齢確認はされず、2人で酒を交わした

仕事の話をしたり、過去の恋愛の話をしたり

同じ職場どうしの2人なのに
どこか変な感じがする

「これ美味しいよ、肉巻きおにぎり。」

「美味しそうですね、このチャプチェふたりで半分こしません?」

「いいね、頼むね」



先輩はすごくお酒に強い人でどんどんお酒を頼んでは飲んでいた


会計を済まして公園でゆっくりすることにした


「もう、先輩飲み過ぎですよ」

「そんなことないってば」

「ちゃんと帰れますか」

「わかんない。私今おかしいかも」

「何言ってるんですか」



そういってふいにキスをされた


先輩の唇は柔らかく、どこか甘い味がした


「ちょっと...」

「最後プリン食べたから甘いでしょ」


このままじゃやばい...

そう思って先輩を無理やり返すことにした。

「もう帰るの?」

「明日も仕事なんですから」

「もし仕事じゃなかったら?」


2人で泊まりたい
そんなこと言えるはずもなく
ずっとそこに立ちすくんでしまった。

どうしよ、正解がわからない


「冗談だよ、じゃあね」

そういって先輩は帰って行った

もし言ってたらどうなってたんだろう


今日のことは忘れられないんだろうな


そんな中田中さんからLINEが来た

~LINE~

「橘くん」

「どうしたの?」

「この前ランチ行った時ね、橘くん楽しそうじゃなかったからやっぱり私何かしちゃったのかなと思って...」

「そんなことないってば、ちょっと考え事しちゃってて」

「考え事って?」

「あ、いや、ごめんちょっと言えない」

「そっか、また私ランチ行きたいな」

「また行こ、田中さん」

「ありがと」

「今週末また空いてるかな?」

「空いてるよ」

「わかった」


俺はどっちが好きなのか未だにわからない
きっと二人とも好きなのかもしれない


次の日バイトに行き、
バイトが終わった後ちょうど西村が居た

「なんだか久しぶりだな」

「そうだな」

「お前に相談したいことがあるんだけどこの後飯行かね?」

「そのために来たのか?」

「ちょっとな」


2人で老舗のラーメン屋に向かった
ここのラーメンは上手いからって言われてここにした

「俺前田さんのこと好きなんだ」

やっぱりな、だけどお前には無理だ
彼女も出来たことないくせに

「いいんじゃない?あの人優しいし」

「お前はいいよな」

「なにがだよ」

「電話したりご飯行ったりしてて」

「仲良いだけだって」

俺は颯爽とラーメンの麺をすすって会計を済ませた

お前には絶対先輩は渡さない

今は好きな気持ちを強くさせといて
最後俺達が付き合ったなんてこと知ったら



どれだけ傷付くのか楽しみだな
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