鄒家道士恋物語 憧れていた師兄に溺愛されていました?!~恋の自覚は体から~

オジカヅキ・オボロ

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25 交談会05

 翌日から交談は始まる。
 と思っていたが、まずは成人した各道家・仙家の道士たちによる演武や符術の披露、狩りが行われた。狩りの得物がただの動物であるわけがなく、ようするに鬼狩りだ。

 数と質、どちらも評価対象だという。

「聞いてないんだけど……!?」

 すぐに朝食の膳が運ばれてきてしまい、そうなると食事中に喋るわけにはいかない。
  大人しく食事を済ませると、食後に渢雪の部屋へ四人が集まった。

「我々も聞いていないし、前回までは行われなかった。邵総領が思いつきを実行された可能性はあるね。新人のお披露目があるのはわかっていたし、荒れるとは思ったけれど、まさかこう来るとは思わなかったよ」

 渢雪が苦笑する。
 邵家には今回、成人する道士はいない。だからできたことなのだろう。そうでなければ自家に有利になるに決まっていたし、その非難は免れない。
 公平を期すためになのかどうかはわからないが、諸々の通達は朝食前に行われた。鬼狩りは午後、咸陽の西にある彭山が開催地。この山は癖山としても知られ、邵家は定期的に鬼狩りに出ているらしい。
 定期的な鬼狩りを一回分、新人道士に任せることで省いているのではないかという疑惑もあるが、直接言う者はいないだろう。大半の者は、他家の新米道士がどれくらい力を持っているのか気になるものだ。

張番はりばんは成人道士ひとりにつき邵家の道士一名と、成人する道士の各家から一名ずつ」
「公平に、という意味では妥当だろう。自家の張番の見張りも兼ねているだろうからな」

 汐柳の言葉になるほどと頷く。他家が見ていなければ、自家の張り番が成人したての道士の代わりに鬼狩りをしてもわからないからだ。
 もっとも、張番以外にも他家の目はあるのだが。

「わざわざ観覧台まで作ったとは、物好きの極みという気がするけど……」
「邵家は先代もそういうところがあったから、血筋なのかもしれないね」

 物好きが血筋とは厄介だ。主に被害・迷惑を被るのは周囲だからだ。

「はあ……仕方ないなぁ」

 文句を言っても始まらず、一通りの準備を済ませ、鄒家の四人も彭山へと移動する。

彭山ぼうざんには大きな妖物はおらず、陰気を好む小物から中程度の妖物がいるだけ、だそうだ」
「中程度ってどの程度なんだろう……」

 雪游の疑問に、汐柳が口を開く。

「雪游は、朱面猩々は倒せたな?」
「はい」
「おおむねそのあたりが中程度のから中の中だ」
「…………あれよりもっと上が中程度の上なんですね……」

 朱面猩々には大苦戦したわけではないが、精一杯は戦ったと思う。あれより上となると、きっと苦戦することは目に見えていた。油断すれば大怪我を負うだろう。

「危なくなれば張番も手を貸す」

 逆に言えば、危なくならなければ手は貸されない。
 けれど成人した道士なのだから、そこまでのことにはならないだろうと思われている。もちろん、双子も――特に冰淵も見ているのだから、無様な結果を残すつもりはない。

「頑張ります」

 強く言い切ると、三人とも微笑んで頷いてくれた。
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