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12 美青年の助け3
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「……なあ。俺たちはもしかして、怪異に遭遇するよりめちゃくちゃにヤバい体験をしているんじゃないか……?」
部屋に入って左側には四人掛けと二人掛け、ひとり掛けのソファとその間を埋めるような広いテーブル。右側は小上がりで、和風の寛ぎ空間だ。
ホテルだとしても、この広さは泊まったことがない。縁がない。はしゃぐより「やばい」ということが四人の頭を占めていた。
「どうするよ……」
「助けてくれた相手が高位神族で、しかもその彼の忠告を一回スルーした挙げ句にもう一度助けてもらって大豪邸に連れてきてもらったこと言ってます?」
「そう」
思ったより真面目な顔で真岡に頷かれてしまった。
「二位の熊神と犬神と鳥神と狐神が傅く相手っていったら、それより高位ってことだろ……」
「まあ、竜神か……それより上ってことになりますよね……」
「それより上って……」
「マジの天津神じゃねえか……嫌だぞおれは……竜神でも嫌だ……」
西山が頭を抱える。全員が嫌に決まっているから溜息しか出ない。
ヒト・獣人・神族の三種族は基本的に不可侵ではあるが、支配関係がないわけではない。獣人とは争える場合もあるが、神族は純粋な支配階級だ。獣人とヒトの生活を左右すると言っても過言ではない。産業や金融のトップは、まず間違いなくどこかの神族だから。
他にも、神族の手を煩わせたという理由で投獄することだってできる。司法のトップに神族がいる場合もあるが、この場合は神族の中でも公平であると言われる者が就く。
それがわかっているから、ヒトは――庶民は特に、神族のことを敬遠するのだ。
「そういえば」
ふと瀧が呟く。
「あの人がさっき着てたもの、倭風じゃなかったですよね……?」
表現するなら、大陸の神族風とでもいうような。大陸のことは詳しくないから、テレビや授業で知る限りの知識だ。
だが瀧の呟きは、その場の全員の口を黙らせるには充分だった。
「…………」
「…………」
「…………」
「……考えるのを止めよう。とりあえず、ありがたいと思っておくことにしよう」
真岡の言葉に、三人は疲れたように頷く。
食事をする前に身綺麗になろうと、脚どころか体が伸ばせて余裕がありあまるほど広い風呂に入る。さっぱりすれば、ほんの少しは気持ちも上向くものだ。
食事は四人の入浴が終わってすぐに運ばれてきた。
ヒトの、何の力もない庶民相手だというのに、大学生の感覚では食べきらせる気がないほど質量ともにご馳走にもほどがあるご馳走だった。主に肉料理が多かったのは、こちらが若い男だということを考慮されていたのかもしれない。
胃を膨れさせた後はさすがに疲労と緊張に負け、全員がすぐに就寝した。
部屋に入って左側には四人掛けと二人掛け、ひとり掛けのソファとその間を埋めるような広いテーブル。右側は小上がりで、和風の寛ぎ空間だ。
ホテルだとしても、この広さは泊まったことがない。縁がない。はしゃぐより「やばい」ということが四人の頭を占めていた。
「どうするよ……」
「助けてくれた相手が高位神族で、しかもその彼の忠告を一回スルーした挙げ句にもう一度助けてもらって大豪邸に連れてきてもらったこと言ってます?」
「そう」
思ったより真面目な顔で真岡に頷かれてしまった。
「二位の熊神と犬神と鳥神と狐神が傅く相手っていったら、それより高位ってことだろ……」
「まあ、竜神か……それより上ってことになりますよね……」
「それより上って……」
「マジの天津神じゃねえか……嫌だぞおれは……竜神でも嫌だ……」
西山が頭を抱える。全員が嫌に決まっているから溜息しか出ない。
ヒト・獣人・神族の三種族は基本的に不可侵ではあるが、支配関係がないわけではない。獣人とは争える場合もあるが、神族は純粋な支配階級だ。獣人とヒトの生活を左右すると言っても過言ではない。産業や金融のトップは、まず間違いなくどこかの神族だから。
他にも、神族の手を煩わせたという理由で投獄することだってできる。司法のトップに神族がいる場合もあるが、この場合は神族の中でも公平であると言われる者が就く。
それがわかっているから、ヒトは――庶民は特に、神族のことを敬遠するのだ。
「そういえば」
ふと瀧が呟く。
「あの人がさっき着てたもの、倭風じゃなかったですよね……?」
表現するなら、大陸の神族風とでもいうような。大陸のことは詳しくないから、テレビや授業で知る限りの知識だ。
だが瀧の呟きは、その場の全員の口を黙らせるには充分だった。
「…………」
「…………」
「…………」
「……考えるのを止めよう。とりあえず、ありがたいと思っておくことにしよう」
真岡の言葉に、三人は疲れたように頷く。
食事をする前に身綺麗になろうと、脚どころか体が伸ばせて余裕がありあまるほど広い風呂に入る。さっぱりすれば、ほんの少しは気持ちも上向くものだ。
食事は四人の入浴が終わってすぐに運ばれてきた。
ヒトの、何の力もない庶民相手だというのに、大学生の感覚では食べきらせる気がないほど質量ともにご馳走にもほどがあるご馳走だった。主に肉料理が多かったのは、こちらが若い男だということを考慮されていたのかもしれない。
胃を膨れさせた後はさすがに疲労と緊張に負け、全員がすぐに就寝した。
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