最強猫科のベヒーモス ~モフりたいのに、モフられる~

メイン君

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第二章 

第37話「肉じゃがをカレーにリメイク!?」

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 イモムシは意外にもクセに……、
 ……とりあえず土魔法を手に入れた。

 今までに覚えた魔法は四つ。
 “火魔法” “風魔法” “土魔法” “雷魔法”

 この内、火、風、土魔法は四大元素魔法に属する。
 雷魔法は派生魔法に分類されるらしい。
 持ってない四大元素魔法はライミーが使ってた水魔法だけになった。

 水魔法を使ってくる敵と戦いたいね。
 ミーナに水魔法を使う魔物を教えてもらおうと思った。

「クルニャン!(さて、最下層をめざそう!)」

 俺はダンジョン探索を再開した。





 俺の記憶が正しければ、もうすぐドラゴンのいた最下層だ……。

「クルルゥ……(なんか嫌な予感がしてきた……)」

 ここに来るまで考えてなかったけど、ボス復活とか新たなボス出現とか無いよね。

 この考えがフラグだったかもしれない……。

 ドラゴンのいた最下層の広間まで近くというところまで来ると、重いものを引きずるような音が聞こえてきた。
 ズルズルズルというその音が不安をかき立てる。

 不安に思っていてもらちが明かないので、俺は広間に近づき物陰からそっと中をのぞいてみた。

「クルゥ……(何あれ……)」

 広間をドラゴンだったもの・・・・・が徘徊していた。

 肉はほぼ削げ落ちていて、骨だけの状態に近い。
 大きさは以前のままなので、とてつもなく巨大だ。
 俺とのサイズ感は、まるでカブトムシと象だ。

 ドラゴンゾンビ、またはドラゴンスケルトンといったところだろうか。

 どうしてこんなことに……。

 ちゃんと火葬しなかったのがまずかったか。
 ドラゴンの濃密な魔力の残滓ざんしが原因とかだろうか。

 理由は分からないけど、目の前のものが現実だ。
 意思と呼べるかすら分からない何かが、ドラゴンの骨を動かしている。

 素材を手に入れるために戦うか、それとも放置して逃げるか。
 こんなダンジョンの奥底には人も来ないし、放置しても危険はないだろう。

 でも……。

「クルナー……(戦うか……)」

 素材は捨てがたいし、俺はもっと強くなりたい。
 そんなわけで逃げずに戦うことにした。

 俺が広間に出ていくと、何かを感じ取ったのかドラゴンスケルトンがこちらを振り向いた。

「グギギギッギィー!!!」

 歯ぎしりに似た音を立て、こちらへ殺意を向けてきた。
 その殺意は生あるもの全てをねたむかのように、暗くよどんだものを感じさせる。

 以前、リルを助ける強さを手に入れることができたのは、このドラゴンをかてにすることができたからだ。
 そのドラゴンの今の姿を見て、少し悲しい気持ちになった。
 以前のドラゴンはまさに自然そのものと言っていいほど、雄大で強大な存在だったからだ。

「クルニャー!(成仏させてやるからな!)」

 俺はドラゴンスケルトンと対峙たいじした。

 ――炎熱嵐ファイアストーム――

 火と風の魔法を合成した。
 アンデッド系には火属性が効きそうだと思っての攻撃だ。

 炎の竜巻が、ドラゴンスケルトンを包む。

「グギギィ!!」

「クルニャー?(効いたか?)」

 俺は油断せずに、様子をうかがう。

 炎が消え去ったあとには、ほとんど変わらない姿のドラゴンスケルトンがいた。
 いや……、わずかに残っていたドラゴンの肉が燃え落ち、完全に骨だけの状態になった。

「ギッギッギィー!!!」

 炎は全く効いていない様子で、俺に向けて骨の腕を振り下ろしてきた。

 攻撃をかわそうとして――。

「ルニャ!?(なっ!?)」

 かわしたつもりが、ドラゴンの一撃をもろに食らった。
 俺は弾き飛ばされ、洞窟の壁に激突した。

 痛っててて……。

 すぐさま起き上がって体勢を整える。

 攻撃を食らった理由はなんとなく分かった。
 どうやら骨だけのためか、関節の動きに縛られず動かせるようだ。
 かわしたと思ったら、そこから攻撃が伸びてきた。

 新手の戦闘スタイルだな……。
 真似したくはないけど。

 それにドラゴンスケルトンは、赤竜の時に火耐性を持っていたためか、火属性の攻撃が効きづらいようだ。

「クルニャー……(どうしよ……)」

 良い攻撃手段が思い浮かばない。
 地道に打撃で攻撃していっても、巨大すぎて削りきるのに時間がかかりすぎる。
 当初の目的の素材をボロボロにするのも、なんだかなあと思うし。

 何か弱点みたいなものはあるのだろうか。
 
 そもそも何が骨を動かしてるんだろうか。

 何か霊的なもの?
 それとも何か呪い的なもの?

 全然わからない……。

 とりあえず俺は全力をぶつけてみることにした。



 “火魔法”と“風魔法”と“土魔法”を合わせようと意識を集中する。
 集中といっても時間はわずか一瞬だ。

「クルル……(うーん……)」

 何か足らない感じがあるんだよな。
 料理の味付けをしてて、調味料が一つ足らない感じというか。

 肉じゃが作ってたのに、醤油しょうゆが切れてて困る感じだ。

 四大元素魔法のうちの一つを持ってないからだろうか?
 四つを合わせたら何か完成する予感がある。

 誰か俺にせうゆを!!

 というのは冗談として、どうしようかな……?

 三つだけの合成でも、結構な威力が出る予感はある。
 
 よし!

 水魔法の代わりに、雷魔法を合わせよう。

 名付けて、肉じゃが作ってたら醤油が無かったからカレーにしちゃったよ――だ。

 “火魔法”と“風魔法”と“土魔法”を合わせ、さらに“雷魔法”をスキル合成する。

 おっ!?

 なかなか良さそうだぞ。

「クルニャーン!!(行くぞ!!)」

 ――聖光の祝福オーロラブレス(もどき)――

 複数の光り輝くレーザーが、ドラゴンスケルトンを各方向から貫く。

「グギギギィィィ!!」

 ドラゴンスケルトンはまばゆい光に包まれた。

 おそらくだが、分かったことがある。
 四大元素魔法を全て合成すると光属性的な魔法になるのだろう。

 今回は水魔法が無かったから完全ではないけど、それに近いものにはなった気がする。
 やっぱり、アンデッドには光属性だよね。

 今度の魔法は間違いなく効いてる手応えがある。

 光が徐々に収まっていく――。

 その時、ドラゴンスケルトンの方から、黒い光が俺に向かって飛んできた。

「クルニャ!?(何だ!?)」

 あまりの速度に俺は避けきれず、黒い光を浴びてしまう。
 黒い光に禍々まがまがしさを感じた。
 黒い光を浴びた瞬間、黒い髑髏どくろを幻視した気さえした。

 もしかして……、完全な光属性では無かったために、完全に倒すことができなかったのか……?

 やばいか!?

 俺は内心あせったけど、黒い光は俺の体に吸収されてすぐに消えた。
 特に痛みやダメージは無い。

 気になって自己鑑定をしてステータスを確認したけど、特に変わった様子もない。
 状態異常も特に無かった。
 
 今の黒い光は、いったい何だったんだ……?

 まあ、いいか……。

 耐性をいくつも持ってるから、どれかで抵抗レジストできたのかもしれない。
 そんな兆候はなかったけど、そういうこともあるだろう。

 気を取り直してドラゴンスケルトンの方を見ると、さっきまでの禍々まがまがしさが消えている。
 不快な歯ぎしり音も、もう止んでいる。
 そこにあるのはただの巨大な竜の骨だった。

 ちょっとキラキラ光ってる気がするけど、竜の骨ってそういうものなのだろう。

 予定外のことがいろいろあったけど、当初の目的達成だ。
 やっぱりダンジョンは一筋縄では行かないと、あらためて思ったのだった。
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