悪役令息の三下取り巻きに転生したけれど、チートがすごすぎて三下になりきれませんでした

あいま

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女神様との出会い

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 とある異世界を創ったとされる女神様に真っ白い空間に呼び出され、俺は正座をしながら女神様のお言葉を恭しく聞いていた。

 なぜ俺がこの場にいるかというと、異世界に転生する理由と女神様が創ったという異世界についての説明をされているところだからだ。

 まだ死ぬ運命になかった俺は、女神様が日本へ遊びに降臨した際の衝撃に巻き込まれて帰らぬ人となってしまったのだという。

 転生させようにも同じ世界では転生できないとわかり、女神様の創った異世界に俺という存在を引き取った。ということらしい。

 以前日本で過ごし、歩んできた人生の記憶は残っているし、俺の周囲を取り巻いていた人物を思い出すことはできる。しかし、彼らとの関係値は希薄となり自分の名前すら記憶から消えている。

 まぁ、転生するにあたって、錯乱状態にならないよう精神を保護するようなものだろう。

 それよりも、目の前にいる女神様は女神というだけあって美しかった。

 どう表現をすればいいだろうか。

 膝裏まで付きそうなほど長く豊かな金髪に、海のように澄んだ碧眼、胸はボンッ、腰はキュッ、尻はボンッだ。

 うん、語彙力がないことは許してほしい。

 透けるか透けないか微妙なラインの布をスタイルのよい体に巻いた姿で、俺を見下ろしている。

 一応、頑張って布に目を凝らしたり目を細めたりしたが、うっすらと肌色が見えたような気がしたくらいだろうか。

「こたびのこと大変遺憾であった。だが、おぬしは異世界への転生という選ばれた勇ましき者じゃ。しかと、わらわが創りし世界を堪能するがいい」

 女神様の第一声に俺は首を捻る。

 白い空間に来る前、俺は目の前の女神様から被害を被っているわけだ。

「謝罪は?」

 そういうと、美しいきょとん顔を披露する女神様に俺もきょとん顔を見せてやった。

「なんの話じゃ?」
「謝罪はないんですか? 女神様が日本にご降臨された際、俺を踏んづけられ俺は帰らぬ人となり、この空間にいるわけです。女神様の行動により起こった事故ですよね」
「そ、そうじゃが、今をときめく流行りの異世界転生じゃぞ?! 泣いて喜ぶところじゃろう?!」

 頭がおかしい女神様だったらしい。それとこれとは別の話だろう。

「……厨二病を患っていらっしゃる?」
「その言葉は知っているぞ。思春期特有のものだったな。おぬしはどうなんじゃ?」
「もう、高校生なので卒業したところです。傷もないのに包帯巻いたり、片目が疼いたりはしません」

 片目が疼くと言ったら、先生に眼科に行けと言われたのはいい思い出だ。

「そうなのじゃな。残念じゃが、異世界に転生させることは決定済みじゃ。しかも!」
「しかも?」
「百合とBLが普通の世界なのじゃ! 心躍るじゃろ? 早く行きたくてたまらんじゃろ?」

 頭おかし……以下略。
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