創世樹

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第6話 『鬼』と『力』

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「――頼み? 何かしら~?」

 少女の願いに、エリーは身を屈めてにこやかに耳を傾ける。

「……お姉さんたち、外の世界あちこち旅して来たんですよね? 大きな車に乗って……」

「うん、そうよ?」

「良かったら……旅の最中での、その……思い出話とか……聞かせて欲しいんです……」

 何か仕事の類いかと思っていたエリーだったが、意外な願いに一瞬キョトン、と顔の力が抜けた。

「旅の話かー……うーん……そろそろテイテツとも合流して宿を探さなきゃなんないのよねえ……」

 エリーとガイはコチコチと無情に時を刻む壁の掛け時計を見て唸る。

 およそ、17:00。

 そろそろ日も傾き、日没までに時は僅かだ。

「あの、宿なら! どうか家に泊まっていってください!」

「え? マジで!? ラッキー!!」

 予想外の報酬にガイも驚きながらも、すぐに意地の悪い顔をして少女に話しかける。

「いいのか、嬢ちゃん? この姉ちゃんは大食漢だぜ? この家の1ヶ月分の食糧がすっからかんになってもおかしくないぜ~?」

「いっくらあたしでもそんなに食わねぇよ! バカ!」

「いでで」

「……でも、本当に旅の話だけで泊めてくれるの? ちょっと割りが合わなくない?」

 エリーはガイを小突きながら、少女に問うた。

「……この街、ちょっと市場があるぐらいで何にも無いんです。楽しみって言ったら旅人さんや行商の人から聞く外の世界の話くらいで」

「……外の世界に憧れてんの?」

「……ちょっとだけ。でも、危険だらけだからって、お父さんも街の大人たちも街から出るの……許してくれないんです……本で読んだとおりなら、外にはこの街の水瓶を何百倍にしても足りないような海や、火を噴く火山もあるはずなのに……ここは荒れ野ばっかり」

 少女は不満そうに頬を膨らませる。

「……まあ、ここの大人たちの言うことも当然だァな。外の世界……お嬢ちゃんが考えてる以上にずっと恐いぜ」

「ガイ、ちょっとは優しく――」

「それでも! せめて話ぐらいは聞きたいんです! 外のこと、何も知らないままおばあちゃんになって、ここの土に埋まるなんて嫌だから!」

「……おぉ……」

 少女は今にも泣き出しそうに目元を赤くして、ガイを睨んだ。

「ほーら見なさい! ガイはデリカシーがなさすぎんのよ!」

「――面白そうじゃあないか、カリン」

 すると、ブティックの出入り口の暖簾を掻き分け、口髭を蓄えた男が入ってきた。

「お父さん! 店番ならちゃんとやってるよ!」

「ハハハ、それなら心配しとらんよ、カリン。お前は真面目だから……旅の御方、どうですかな? 外の世界の話は私の娘だけてなく、街の者の大勢がこの上なく楽しみにしていることなのです。良かったらウチに泊まっていってお話を聞かせてください。数日はお泊めいたしますよ」

「おお……マジで? マジで!? いいのぉ!? やりぃ! ガイ!」

「久しぶりに携帯食料やシリアル以外の料理にありつけそうだな。へへ」

 久方ぶりの宿にエリーは子供のように小躍りし、ガイも口笛を吹いた。

「ハハハ。旅の話によっては、カリン。お前を外の世界に旅立たせるのも検討するかもな! いつまでも街に閉じ込めるのも……かわいそうだしな」

「……本当に!? ありがとうお父さん!!」

「おうともさ。ささ、旅人さん方は用事を済ませて来てください。手料理を用意して待っておりますよ……」

 <<

 空が黄昏時になる頃、再びテイテツと合流した。

「テイテツ、グロウの旅装束はこんなもんだ。そっちはどうだ?」

「純粋な利益は112530ジルドでした」

「……なんか、少なくない?」

 ジルドとはガラテア帝国が認可させた世界共通の通貨だ。一晩平均的な質の宿に泊まるのに約50000ジルド。一般人の健康的な一食分の値段が約1200ジルド。決して大金というほどの利益ではなかった。

「財宝や鉱石などは間違いなく稀少で高価な代物なのですが、この街では貿易商や鍛金業などの人材が乏しい。考古学に聡い者もいない。これらの品を持ち寄ってもその価値を理解して買い取る商人はこの街にはほぼいないようです」

「……マジで~……せっかく大当たりだったのに~」

「ほれ見ろ。こんなこともあるから金は使い過ぎないことに越したことはねぇんだよ。冷静に交渉出来るテイテツですら充分には売れなかったんだ。街の連中も無い袖は振れないだろうぜ」

「まだ手元にはかなりの数の発掘品があります。この先充分な値段で売却出来る都市に着くまで……これは持っておくべきでしょう」

 テイテツの背負う荷物には、丁寧に梱包した発掘品が盛り上がるように入っている。

「しょうがないわねー……あっ! でもねえ! ブティックに行ったら思わぬ収穫があったのよ。そこにタダで泊めてくれるって女の子が――――」


 ドゴオオオォォォンンンン!! 

 ――――突然街中に雷のような轟音が響き渡った。

「!? なに!? なに!? 雷!?」

 グロウは耳を塞ぎ、突然の轟音と振動に怯える。

「おい、見ろよ……あれは!!」

 ――轟音の正体は砲撃による爆発音だった。

 砲撃が炸裂したのは守衛が警備する街の出入り口だ。石造りの門は粉々に砕け、焼け焦げた臭いが鼻をつく。

 守衛や出入り口付近にいた人々は――――大量に血を流し倒れて、動かない。砲撃の衝撃で四肢が千切れた者もいるようだ…………。

 続いて、門の残骸を踏み破り――重厚な陸上戦車が次々に街に入ってきた。遺体を無惨にも踏み潰す不快な音が微かに聴こえる。

「あれは……ガラテア帝国軍…………!!」

 さっきまで表情を緩めていたエリーは、突然の軍の進撃により一瞬にして緊張と、怒りを露わにした。

 戦車から何人か軍人が顔を出し、拡声器で耳をつんざく威圧的な声で告げる。

「自治領ナルス地区の住民ども! たった今よりこの地はガラテア帝国領下とするッ! 財産、交易品、武具の類いも全て我が崇高なるドルファン帝の供物である! 帝国を崇めよ! 帝国を守護する我らが鳳凰ほうおうを讃えよ!! 抵抗する者は……抵抗勢力レジスタンスと見なし直ちに処刑するッ! おォ、帝国に栄えあれッ! 臣民に力あれーッ!!」

 軍人たちが放つその殺気と狂信的な帝国への忠誠心だけで気圧される者も多かった。しかし――

「ガラテアの鳥頭野郎! とうとうナルスの街まで!」
「……冗談じゃあねえ!」

「今すぐ出て行きやがれーっ!!」

 一部の住民と冒険者たちは携帯している武器を手に、敢然とガラテア帝国軍の侵略に立ち向かう。

 ある者は刀剣で。

 ある者は銃器で。

 だが、奮戦も虚しく……最新の化学技術を凝らせた兵士たちの装備……冒険者が着用するものとは比較にならぬ強度の防護服に、ワンショットで無惨にも兜ごと頭部を粉砕する火力を誇る銃器で、抵抗者たちは為す術もなく殺されていく…………。

「この野郎ッ! これでどうだあーっ!?」

 住民の一人が手榴弾らしき物を投げた! 

「グロウ、伏せて!」

 エリーたちはグロウを庇いながら身を屈めた。

 住民が投げた手榴弾は、この街を蹂躙している戦車に炸裂した。

 ――そう見えたが…………。

「愚かな抵抗者どもめ。その程度の榴弾ごとき、この装甲車両の結界バリアに乱れ一つ起こすことなど出来ぬわ!」

 戦車のあちこちから伸びている支柱のような物から、エネルギーの壁が発生した。戦車は勿論、兵士にすら傷一つ無い。

 徐々に抵抗者たちは戦力差に絶望し、意思なき人形にでもなったようにある者は両腕をだらりと棒立ちに、ある者は頭を抱えて座り込む。

「もう、もう駄目だ……」

「この街まで……ガラテアの鳥頭どもに支配されるしかないのか…………」

 住民たちの脳裏に俄に広がり始める『敗北』と『服従』の二文字。

「……外から……外から、こんな恐ろしい軍隊が来るなんて……私たち、どうなっちゃうの…………」

「カリンちゃん……」

 騒ぎの中、いつの間にかカリンは店を出てエリーたちの後ろにいた。

「……このままじゃあ、この街ごと征服されるままだな……どうする、エリー?」

「……決まってんじゃん! ――――あいつら、ぶっ飛ばす!」

 エリーの目には恐怖に凍える色は無い。

 ただただ、理不尽な武力弾圧に対する激しい憤りの炎が、その双眸に灯っている。

「……そう答えるだろうと思ったぜ。だがくれぐれも――――生命は、大事にしろよ」

 軍隊の前へ一人歩み出るエリーに、ガイは拳銃を投げた。

「勿論! 誰一人死なせないわ」

 後ろから投げ渡された拳銃を頭上で受け取り、戦車に乗る指揮官と見られる軍人の目の前まで進んだ。

「ちょ、ちょっと! エリーさん、たった一人ですよ!? 勝てるわけが……」

「……黙って見てろ。いや、出来ればあんま見んな。下がってろ」

 ガイはカリンに腕を向け、下がるように仕向けた。

 テイテツは念の為に遺跡でも使用した光線銃ブラスターガンを手に持ち、グロウは何が何やら解らず、呆然としている。

「ムッ!? 貴様はこの街の者では無いな。最早戦力差は他の冒険者の無様な負け方を見て明らかであろう。武器を捨てろ! 金目の物は全て我々に差し出せ! ……それとも……腕が立つようなら、志願兵に加えてやってもよい! 我が崇高なる帝国に貢献せよッ!!」

 歪んだ愛国心に陶酔しきっている指揮官にエリーは、ふん、と鼻を鳴らす。

「冗談キツイわ。あんたたちに従うなんて真っ平御免よ! 降伏するのはあんたたちよ。――『あたしが武器を捨てる前に消えろ』!!」

 エリーは素早く銃口を前へ向けた。

「世迷言を! 二等兵隊、三列で構え! 愚かな抵抗者を見せしめにせよッ!!」

 兵士たちが訓練された素早い動きで列を組み、携えるライフルを一斉にエリーに向けた! 

「放てェッ!!」

 掃射させる瞬間――――エリーは目にも『映らぬ』速さで引き金を引き――――銃弾は兵士たちの急所! ではなく、ライフルを持つ手元に全て命中した! 

「うあっ……!」

 手を防護手袋で守っていた兵士たちだが、露出している指先の部分を、一列目の全員がそれぞれ撃たれ、呻き声と共にライフルを落とした。

「ふーっ……機械みたいに訓練された構えだからこそ、狙いもつけやすいってもんね」

「な、なにィ!? ――ええい! 第二列、構えッ!!」

 指揮官はエリーの常人離れした射撃の腕に一瞬たじろぎながらも、すぐに二列目の兵士たちに構えるよう命令コマンドする。

「……おっ?」

 一瞬呆気に取られた緩い顔をするエリー。引き金を引いても、ガチッ、ガチッと硬い金属音がするだけで弾は発射されない――――弾切れだ。

「……あっ!」
「ちぃっ!」

 ガイが己のミスに気付き、エリーは舌打ちと共に拳銃を後方へ捨てた。

「放てェー!!」

 第二射が迫り来る瞬間――――エリーは身を屈めると両腕を上げ、手の平を開いた。

 刹那。

 立て続けに飛んでくる銃弾に対しエリーは――その両の手の平で残像が見えるほどの超スピードで掴んで止めた! 

「うおっと!」

 ギギギィンッ!!

 一部の掴み損ねた銃弾が後ろに飛んで来たが――今度はガイが腰元の刀を抜き放ち、銃弾を全て弾いた! 何発かは近くの建物にめり込んだ。

「!?」

 その場にいる者たちが信じられないものを見た、と口を開けて固まる中、エリーは静かに両手を開き、掴んだ銃弾をパラパラと地面に捨てた。

「な……な……馬鹿な、人間業ではないぞ!?」

 さすがに先ほどまでいかめしい顔で高圧的に振舞っていた指揮官も、銃弾を手で掴んで止めたり、刀で弾くなどの荒業をやってのける人間離れした武芸を持つエリーたちに狼狽しかける。

「……エリー! 一人で前に出るんなら、銃弾は全て防げ! 流れ弾に対処し切れねえだろが!」

「ガイこそ! なに弾が充分装填されてないヤツ渡してんのよ! ……結局素手じゃん……」

 この剣呑な空気の中、エリーとガイは先ほどのブティックでの口喧嘩とさほど変わらぬ呑気さすら感じる緊張感で互いの不足を咎める。

「ぬうゥ! 兵で倒せぬなら圧殺するのみ! 装甲車両二型! 結界を展開したまま前進せよ!!」

 指揮官がそう命令すると、街の通りのド真ん中からくの字に戦車が陣形を整え、隙間なくその重厚なキャタピラで地面を蹂躙しながら猛スピードで向かってくる!

「……戦車の正面にはバリア、か……『30%』……ってとこ?」

「……『25%』にしとけ」

 遺跡を脱出する際にもエリーとガイが交わした、パーセンテージのやり取り。

 それは察しの通り――――エリーの身体に秘める人外とも言える凄まじいパワーを開放する割合であった。

「ハイハイ……ふっ!」

 一瞬、エリーの首と四肢にはめられている金具の水晶体が妖しく光り、エリーに赤黒い英気オーラが立ち上る。

 そしてその刹那――――エリーは兵士たちが知覚すら出来ぬほどの速さで真ん中の車体に潜り込み――――

「……よっ」

 なんと、戦車を搭乗員ごと持ち上げた! 

「な!? なな……なぁーっ!?」

 乗っている戦車を下から持ち上げられ指揮官はふらつき、言葉にならない驚きと恐怖で全身の血を冷たくした。

「な、なな、何だ、あの女は!?」
「人間の力じゃあねえ――――化け物だ!!」

 兵士たちの誰かがそう口にし俄に恐慌状態となった。

 エリーは持ち上げた車体の影の中で、黒いシルエットの中で瞳だけに……例の燃えるような禍々しい光を放っている……。

「……よく言われんのよねぇ……あんたたちみたいな、力だけで全てをどうにかしようとする――そう、あたしみたいな連中とぶつかると、何処でだって……化け物、鬼、ってね…………」

 人外の力を見せるエリーの表情はまさに『鬼』のようであったが――――その瞳の奥の奥に、己が持つ破壊衝動と人間離れし過ぎた力。

 そのさがに対しての――――人間でいられない悲しみを湛えていた。

「……それよりさー……早く、逃げてくんない? こっちはこれでも仏様ぐらいの気持ちなのよねえ……『武器を使ってあげてるうちに降参して』くれりゃあ、ここまで暴れたりしないのにさ」

 エリーにとって、刃物なり銃器なりの武器を使うことは攻撃力を高める手段ではない。むしろハンデであった。

 己の肉体のみを操り、超人的なパワーを開放している状態が……エリーにとっては最強の武装だからだ。

 車体を持ち上げているエリーの手指は超握力でブ厚く強固な底面部をメキメキ、と抉りこませていく。完全に戦車を捕まえた。

「早く逃げなさーい。十秒あげる。十秒数えたら、戦車コレブン投げて皆殺しにしちゃうからー。さあ、早く」

 兵士たちは最早士気を完全に失った。

 地方を侵略する末端の部隊とはいえ、民衆を屈服させる絶対的な『力』があると信じて疑わなかった自分たち……それすらもさらに圧倒的に上回る『化け物』を目の前にし、天地が逆転するような衝撃を味わったからだ。

「に、にに、逃げ……!」
「わああ、化け物めぇ!!」

(…………『化け物』が……『鬼』が恐ろしいなら、そうそしるがいいわ……あたしは確かに――――そうだから――――)

 普段の快活さとは真逆の恐ろしき心を胸に秘めつつ――――『鬼』を自覚するエリーは、破壊への秒読みを始めた――――
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