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第80話 変化したものとは
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「――くあ……ふあ~あ…………よく眠れたぜ……頭スッキリしてらあ……」
ガラテア軍の研究所のメンテナンスルームから最初に出て来たライネスは、大きく腕を上げて欠伸をする。長旅の疲れと呆れかえるほどの戦闘を経た後はひと際深く快眠出来たようだ。
「おう。お前も今終わったか、ライネス。」
続いて隊長であるバルザックものそりのそりと歩き出て来た。気だるさを吹き払うように首の関節を豪快に回して鳴らす。
「隊長。はよーっす……」
「次の作戦までにはまだ結構時間あるみたいだぞ。俺らの謹慎処分を急に解いたことから察するに…………次の作戦は結構なデカい規模かもな――――ぬぐふふふふ。また更なる戦いが俺たちを待ってるぜ――――。」
バルザックは来るべき闘争の予感に、やはり戦闘狂特有の病んだ性から享楽の笑みを浮かべる。
「――デカい作戦、かあ…………」
「……?」
――本来ならば闘争が迫ることには血沸き肉躍るはずのライネス。だが浮かない顔のままだ。
「どうしたぁ、ライネスよ。北極圏から何とか本国まで帰ってくる途中も思ったが……やっぱ変だよなあ。お前とメラン。まさか……本当にあの銀髪のガキの妙な能力で闘争心を引っこ抜かれちまったんかねえ…………だとしたら大変だが……」
ライネスは少し俯いたまま、気のない返事をする。
「ああ……そういうこともメンテナンス前に研究員の白衣どもに伝えといたつもりなんだけどよお…………『適切に処置します』っていつも通りの対応だったよ。診察2分であと薬処方するだけの藪医者みてえなテキトーな対応だから、いまいち治ったのか実感湧かなくてよお……」
「――――だったらン…………念の為訓練施設に寄って、本当に闘争心が消えてしまったのか確かめてみるぅ? ライネス……」
「おう。メラン……おめえも起きたか…………そうだよな。念の為、訓練施設で模擬戦闘やってみようぜ…………俺、不安でしゃあねえんだよ…………」
メランもメンテナンスルームから出て来た。よく眠れたから気分はスッキリしているようなのだが、やはりライネス同様、己の闘争心について疑念が浮かんでいる。
「――ふむむう~んん…………あのガキの力を俺は受けなかったからいまいち感覚的に理解しにくいんだが…………やはり、改造兵である俺たちにとって闘争心ってなあ、中核みてえなもんだからな。そりゃあ、失っちまったんだとしたら事だぜ。実戦に出る前に模擬戦闘で様子を見るべきだろうなあ。」
「――ああ……頼むぜ隊長。訓練施設の奴に連絡しといてくれ。端末はもう修理したか新しいの貰ったんだろ?」
「おう……新品を頂いたぜ…………自損による故障だから俺の給料から天引きされて自腹だがなァ。あーぁ…………戻って早々鬱だぜ……お陰で簡単には壊れないよう強化パーツも付けてくれたが……」
――例によって、鬱状態に傾くバルザックは自分で握り潰して壊してしまった端末のことを後悔し始める。また平生のように宙に向けてぶつぶつと独り言が激しくなってきた辺りで、ライネスが気付く。
「――あれっ。そういやあ、改子は? 俺らほぼ一緒にメンテナンス終わったのに、遅くね?」
「――ああン……それなんだけどぉ…………」
――仲間に何かあってもこれまでなら大した感傷も不安も湧かなかったはずのメラン。沈痛な面持ちで俯き、語る。
「……あのセフィラの街近くの森で戦ってた時ねえン…………ゴタゴタしてたから私たち気付かなかったけど……改子、抉られてたでしょ? 右目を。北極圏に飛ばされてから気付いたけど、頭に血が上ってたから練気で治すのが遅かったみたい。北極圏の寒さも右目の眼球を腐らせるのに悪く働いたそうよ…………二次感染もあるかもしれないし。改子、治るのかしらン――――」
――メランがそう心配するや否や、聴き慣れた声が聴こえて来た。
「――うーっす! メラン、ライネス、隊ッ長~。本国に戻るまでは死ぬかと思ったけど、みんな元気ぃ~?」
「――おお、改子! 噂をすれば――――って、どしたんだよ!? その右目ェ!?」
――改子が一足遅れて出て来たかと思えば、3人は改子の右目に驚く。
何やら右の頬から眼窩の上辺りにかけて、金属の機械が装着されていた。何やら液晶部に、赤いポインターのような光が明滅している。
「――あ~……これね…………やっぱ、あのグロウとかいうガキにやられた右目、あのままだと二次感染で脳に達して死ぬ危険があるから、外科手術で切除しちゃった。あたしの細胞から眼球作り出して移植手術するまでは時間かかるから、当分このモノアイによる補助視力で我慢しろってさ。ふふっ、でもカッコイイっしょ?」
――補助視力。液晶部分から光情報を集め、脳へと視覚情報を擬似的に補完して送る技術だ。改子の視力は本来11.0。(我々現実世界においてマサイ族並み)しかし一見無骨な機械の目に思えるこのモノアイはそれにかなり肉迫するほどの視力を誇っていた。
「――まあ、慣れるまで視界がちょいグラグラすっけど、大したことな――――あれ? メラン?」
――途端に、メランは改子にひしと抱きつき、手で改子のモノアイとその付近の手術痕をさすった。
「――改子…………良かった…………でも、こんなになっちゃうなんて、かわいそうに――――」
――メラン自身気付いているのだろうか。傷んだ改子に向けるその感情は…………とうに捨て去ったはずの慈愛というものであると――――
「――は? メラン、やっぱあんた変だよ。今までこれくらい傷んだことなんて何度もあったじゃん。今更、何をそんなに落ち込んでんのォ? ――へへ。そんなにあたしとセックスすんのが恋しいかぁ♥」
「――ううン…………何故だか、私にもわかんなぁい…………でも……胸が締め付けられるような、この気持ち、何なのン…………?」
――ライネスもメランも、グロウの能力を受けてから、明らかに単なる戦闘狂だったこれまでと、何かが違っている。一体何が変化したのだろうか。
「――うへへへえ~。よっしゃ! もっかいベッド行こ、メラン! 疲れ果てて脱水症状出るまでヤり尽くしちゃる!!」
「待てい。行くな行くな。まずは訓練施設で模擬戦闘だあ、改子。特にライネスとメランは、戦いに必要な闘争心が無くなったのか確認しないと、な。」
「あ? 模擬戦? ……う~……こんなしどけないメラン見るとめちゃくちゃムラムラすんだけどォ!? いや、あたしも腕が鈍ってたら嫌だから行くけどもさあ……」
改子は、情欲に疼きつつも、模擬戦闘に向かうことを渋々承諾した――――
<<
<<
――ライネスたちはそうして、訓練施設に赴き、室内の模擬戦闘に入った。相手はAIで動く戦闘ロボットだ。
まずはライネスが単騎でロボットに相対する――――俄かにロボットが両腕部に装備された機銃とコンバットソードを構える。
バルザックが号する。
「さあ、来るぞライネス! 集中しろぃ!!」
「う、ウエーイ……!」
ロボットが遠くから機銃を吼えさせる――――ライネス、強靭な脚力で室内を駆け回り、銃弾を躱す。
(――集中だ。練気を練って反撃すんだィ!! まずは――――メランの気弾!!)
ライネスが虹色の練気を立ち昇らせ、精神を集中した。
「――うらァ!!」
――ちゃんと練気が出せるのか不安だったライネスだが、イメージ通り、気弾を撃ち放って、ロボットにダメージを与えることに成功した。
「――なあんだあ。出来るじゃあねえか、ライネス。次が来るぞおん!!」
「――はいはいっと――――」
戦闘ロボットは装甲に傷を負いながらも、複雑に金属の関節を連動させ、今度は巨大な剣。コンバットソードを接近して振り下ろしてくる――――!
(――隊長の練気を――――ふんっ!!)
再び集中すると、今度はバルザックの練気をコピーした磁力を操る力も発動した。振り下ろしたロボットのコンバットソードは弾く磁力で大きく的を外れ、ライネスの横の地面に叩き付けて、折れてしまった。
(――イイ感じだぜ! なら…………これも出来っかあ――――!?)
――ライネスは戦闘ロボットが大きく体勢を崩しているうちに、一旦防御を解いてさらに強く精神を集中させ、練気を練った――――赤黒い、熱を持つ練気。
「――はあああッ――――どらあッ!!」
――――エリーの『鬼』の練気をコピーし、高熱を帯びた右の拳をロボットの胴体に強烈に打ち据えた!!
――果たして、戦闘ロボットは粉々に砕け散り、熱でその残骸を炭くずに処した。
「――よおし、ひとまずそこまで!! なあんでえ、充分戦えるじゃあねえか、ライネスよ!! 心配して損したぜえ!!」
「――あ、ああ……そうだよな、隊長……最後のやつは、あのエリーって女の……精々10%程度しかコピー出来なかったけど。ありゃあやっぱムズいわ。」
「おし。次はメランだ。行って来い!」
「りょうかーい。隊長ぉ……」
――その後も一頻り4人は模擬戦闘をこなしたが、平生通りあらゆる状況下の戦闘でも充分に戦えた。むしろライネスに至っては、完全には使いこなせないとはいえ、『鬼』の練気をコピー出来るようになった分、ますます強力な戦士と化していた。
ライネスもメランも、もちろんバルザックや右目を交換した改子も問題なく戦える。
それでもなお、ライネスとメランの脳裏に付きまとう違和感――――戦闘力に影響しないまでも、気になって仕方がない2人であった――――
ガラテア軍の研究所のメンテナンスルームから最初に出て来たライネスは、大きく腕を上げて欠伸をする。長旅の疲れと呆れかえるほどの戦闘を経た後はひと際深く快眠出来たようだ。
「おう。お前も今終わったか、ライネス。」
続いて隊長であるバルザックものそりのそりと歩き出て来た。気だるさを吹き払うように首の関節を豪快に回して鳴らす。
「隊長。はよーっす……」
「次の作戦までにはまだ結構時間あるみたいだぞ。俺らの謹慎処分を急に解いたことから察するに…………次の作戦は結構なデカい規模かもな――――ぬぐふふふふ。また更なる戦いが俺たちを待ってるぜ――――。」
バルザックは来るべき闘争の予感に、やはり戦闘狂特有の病んだ性から享楽の笑みを浮かべる。
「――デカい作戦、かあ…………」
「……?」
――本来ならば闘争が迫ることには血沸き肉躍るはずのライネス。だが浮かない顔のままだ。
「どうしたぁ、ライネスよ。北極圏から何とか本国まで帰ってくる途中も思ったが……やっぱ変だよなあ。お前とメラン。まさか……本当にあの銀髪のガキの妙な能力で闘争心を引っこ抜かれちまったんかねえ…………だとしたら大変だが……」
ライネスは少し俯いたまま、気のない返事をする。
「ああ……そういうこともメンテナンス前に研究員の白衣どもに伝えといたつもりなんだけどよお…………『適切に処置します』っていつも通りの対応だったよ。診察2分であと薬処方するだけの藪医者みてえなテキトーな対応だから、いまいち治ったのか実感湧かなくてよお……」
「――――だったらン…………念の為訓練施設に寄って、本当に闘争心が消えてしまったのか確かめてみるぅ? ライネス……」
「おう。メラン……おめえも起きたか…………そうだよな。念の為、訓練施設で模擬戦闘やってみようぜ…………俺、不安でしゃあねえんだよ…………」
メランもメンテナンスルームから出て来た。よく眠れたから気分はスッキリしているようなのだが、やはりライネス同様、己の闘争心について疑念が浮かんでいる。
「――ふむむう~んん…………あのガキの力を俺は受けなかったからいまいち感覚的に理解しにくいんだが…………やはり、改造兵である俺たちにとって闘争心ってなあ、中核みてえなもんだからな。そりゃあ、失っちまったんだとしたら事だぜ。実戦に出る前に模擬戦闘で様子を見るべきだろうなあ。」
「――ああ……頼むぜ隊長。訓練施設の奴に連絡しといてくれ。端末はもう修理したか新しいの貰ったんだろ?」
「おう……新品を頂いたぜ…………自損による故障だから俺の給料から天引きされて自腹だがなァ。あーぁ…………戻って早々鬱だぜ……お陰で簡単には壊れないよう強化パーツも付けてくれたが……」
――例によって、鬱状態に傾くバルザックは自分で握り潰して壊してしまった端末のことを後悔し始める。また平生のように宙に向けてぶつぶつと独り言が激しくなってきた辺りで、ライネスが気付く。
「――あれっ。そういやあ、改子は? 俺らほぼ一緒にメンテナンス終わったのに、遅くね?」
「――ああン……それなんだけどぉ…………」
――仲間に何かあってもこれまでなら大した感傷も不安も湧かなかったはずのメラン。沈痛な面持ちで俯き、語る。
「……あのセフィラの街近くの森で戦ってた時ねえン…………ゴタゴタしてたから私たち気付かなかったけど……改子、抉られてたでしょ? 右目を。北極圏に飛ばされてから気付いたけど、頭に血が上ってたから練気で治すのが遅かったみたい。北極圏の寒さも右目の眼球を腐らせるのに悪く働いたそうよ…………二次感染もあるかもしれないし。改子、治るのかしらン――――」
――メランがそう心配するや否や、聴き慣れた声が聴こえて来た。
「――うーっす! メラン、ライネス、隊ッ長~。本国に戻るまでは死ぬかと思ったけど、みんな元気ぃ~?」
「――おお、改子! 噂をすれば――――って、どしたんだよ!? その右目ェ!?」
――改子が一足遅れて出て来たかと思えば、3人は改子の右目に驚く。
何やら右の頬から眼窩の上辺りにかけて、金属の機械が装着されていた。何やら液晶部に、赤いポインターのような光が明滅している。
「――あ~……これね…………やっぱ、あのグロウとかいうガキにやられた右目、あのままだと二次感染で脳に達して死ぬ危険があるから、外科手術で切除しちゃった。あたしの細胞から眼球作り出して移植手術するまでは時間かかるから、当分このモノアイによる補助視力で我慢しろってさ。ふふっ、でもカッコイイっしょ?」
――補助視力。液晶部分から光情報を集め、脳へと視覚情報を擬似的に補完して送る技術だ。改子の視力は本来11.0。(我々現実世界においてマサイ族並み)しかし一見無骨な機械の目に思えるこのモノアイはそれにかなり肉迫するほどの視力を誇っていた。
「――まあ、慣れるまで視界がちょいグラグラすっけど、大したことな――――あれ? メラン?」
――途端に、メランは改子にひしと抱きつき、手で改子のモノアイとその付近の手術痕をさすった。
「――改子…………良かった…………でも、こんなになっちゃうなんて、かわいそうに――――」
――メラン自身気付いているのだろうか。傷んだ改子に向けるその感情は…………とうに捨て去ったはずの慈愛というものであると――――
「――は? メラン、やっぱあんた変だよ。今までこれくらい傷んだことなんて何度もあったじゃん。今更、何をそんなに落ち込んでんのォ? ――へへ。そんなにあたしとセックスすんのが恋しいかぁ♥」
「――ううン…………何故だか、私にもわかんなぁい…………でも……胸が締め付けられるような、この気持ち、何なのン…………?」
――ライネスもメランも、グロウの能力を受けてから、明らかに単なる戦闘狂だったこれまでと、何かが違っている。一体何が変化したのだろうか。
「――うへへへえ~。よっしゃ! もっかいベッド行こ、メラン! 疲れ果てて脱水症状出るまでヤり尽くしちゃる!!」
「待てい。行くな行くな。まずは訓練施設で模擬戦闘だあ、改子。特にライネスとメランは、戦いに必要な闘争心が無くなったのか確認しないと、な。」
「あ? 模擬戦? ……う~……こんなしどけないメラン見るとめちゃくちゃムラムラすんだけどォ!? いや、あたしも腕が鈍ってたら嫌だから行くけどもさあ……」
改子は、情欲に疼きつつも、模擬戦闘に向かうことを渋々承諾した――――
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――ライネスたちはそうして、訓練施設に赴き、室内の模擬戦闘に入った。相手はAIで動く戦闘ロボットだ。
まずはライネスが単騎でロボットに相対する――――俄かにロボットが両腕部に装備された機銃とコンバットソードを構える。
バルザックが号する。
「さあ、来るぞライネス! 集中しろぃ!!」
「う、ウエーイ……!」
ロボットが遠くから機銃を吼えさせる――――ライネス、強靭な脚力で室内を駆け回り、銃弾を躱す。
(――集中だ。練気を練って反撃すんだィ!! まずは――――メランの気弾!!)
ライネスが虹色の練気を立ち昇らせ、精神を集中した。
「――うらァ!!」
――ちゃんと練気が出せるのか不安だったライネスだが、イメージ通り、気弾を撃ち放って、ロボットにダメージを与えることに成功した。
「――なあんだあ。出来るじゃあねえか、ライネス。次が来るぞおん!!」
「――はいはいっと――――」
戦闘ロボットは装甲に傷を負いながらも、複雑に金属の関節を連動させ、今度は巨大な剣。コンバットソードを接近して振り下ろしてくる――――!
(――隊長の練気を――――ふんっ!!)
再び集中すると、今度はバルザックの練気をコピーした磁力を操る力も発動した。振り下ろしたロボットのコンバットソードは弾く磁力で大きく的を外れ、ライネスの横の地面に叩き付けて、折れてしまった。
(――イイ感じだぜ! なら…………これも出来っかあ――――!?)
――ライネスは戦闘ロボットが大きく体勢を崩しているうちに、一旦防御を解いてさらに強く精神を集中させ、練気を練った――――赤黒い、熱を持つ練気。
「――はあああッ――――どらあッ!!」
――――エリーの『鬼』の練気をコピーし、高熱を帯びた右の拳をロボットの胴体に強烈に打ち据えた!!
――果たして、戦闘ロボットは粉々に砕け散り、熱でその残骸を炭くずに処した。
「――よおし、ひとまずそこまで!! なあんでえ、充分戦えるじゃあねえか、ライネスよ!! 心配して損したぜえ!!」
「――あ、ああ……そうだよな、隊長……最後のやつは、あのエリーって女の……精々10%程度しかコピー出来なかったけど。ありゃあやっぱムズいわ。」
「おし。次はメランだ。行って来い!」
「りょうかーい。隊長ぉ……」
――その後も一頻り4人は模擬戦闘をこなしたが、平生通りあらゆる状況下の戦闘でも充分に戦えた。むしろライネスに至っては、完全には使いこなせないとはいえ、『鬼』の練気をコピー出来るようになった分、ますます強力な戦士と化していた。
ライネスもメランも、もちろんバルザックや右目を交換した改子も問題なく戦える。
それでもなお、ライネスとメランの脳裏に付きまとう違和感――――戦闘力に影響しないまでも、気になって仕方がない2人であった――――
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